業務チームの編成と拡大
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Marketing Cloud Engagement 業務の主な機能的ロールと責務について説明する。
- 機能的ロールを収益源に関連付ける。
- Salesforce のトレーニングと認定資格の価値を説明する。
Marketing Cloud Engagement の機能的ロール
Salesforce パートナーであるあなたは、Salesforce ソリューションの価値を十分に理解しています。こうしたソリューションを現実のビジネスケースに適用すれば、あなたのお客様がその顧客に優れたエクスペリエンスを提供できます。あなたのチームの能力によってこのことが可能になります。
あなたのチームにとって極めて重要なのはどの能力でしょうか? 成長への進路を特定すれば、この答えが見えてくるでしょう。では、Marketing Cloud Engagement の機能的ロールのリストを確認することから始めましょう。「機能的ロール」という用語によって混乱を招く可能性があるため、まずその意味を明確にしておきます。
機能的ロールとは、そのロールの人が通常実施する活動のことです。例えば、役職が「俳優」ならば、ロールはその俳優が演じる特定の役柄です。
機能的ロール |
責務 |
---|---|
アカウントマネージャー |
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プロジェクトマネージャー |
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地域の業務責任者 |
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ビジネスコンサルタント |
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ソリューションアーキテクト |
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開発者 |
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設計者 |
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キャンペーンマネージャー |
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展開スペシャリスト |
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サクセスまたはトレーニングスペシャリスト |
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上記のリストは、あなたが小規模なチームから始めたとしても、人材の揃ったチームになったときにどのようなことができるかを示しています。
新しい Marketing Cloud Engagement 業務チームを編成する
あなたのチームの活動目的は、お客様の成功を促進することです。もちろん、その活動目的を果たすためには適切な人材が必要です。新しいチームがどのような構成になるか見てみましょう。
どのチームにもアカウントマネージャーとプロジェクトマネージャーが必要です。このロールの人々は案件を見つけ、お客様のエンゲージメントごとにガバナンスとコミュニケーションを設定します。
チームの残りをアドバイス、デリバリー、サポートの収益源に配置します。
アドバイスチーム
このチームは、お客様が購入するソリューションの長期戦略と、その実装の戦術的計画を作成するのを援助します。このチームにはプロジェクトマネージャーとアカウントマネージャーのほか、ビジネスコンサルタント、ソリューションアーキテクチャ、設計者が参加します。
デリバリーチーム
デリバリーチームは、あなたのアドバイスチームまたは他のベンダーが設計したソリューションを提供します。人材が揃っている場合は、アカウントマネージャー、プロジェクトマネージャー、ソリューションアーキテクト、開発者 1 名以上の計 4 名以上のメンバーで構成されます。キャンペーンを展開する場合は、キャンペーンマネージャーも参加します。
サポートチーム
このチームには実際のところ、カスタマーサポートとカスタマーサクセスという協調的な 2 つのサブチームがあります。サポートは、平均レスポンス時間や平均解決時間などのメトリクスに着目します。サクセスは顧客離れの軽減に取り組みます。両者は協力して、お客様が Salesforce プラットフォームと各自のソリューションの機能について習得できるようにします。人材が揃っている場合は、アカウントマネージャー、プロジェクトマネージャー、開発者 1 名以上、サクセスまたはトレーニングスペシャリストの計 4 名以上のメンバーで構成されます。
機能的ロールを収益源に対応付ける方法
プロジェクトの存続期間にわたり、タスクの変化に応じてメンバーが入れ替わります。以下の人材構成の推奨案には、こうした変動が反映されています。
機能的ロール |
アドバイスによる収益 |
デリバリーによる収益 |
サポートによる収益 |
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アカウントマネージャー |
√ |
√ |
√ |
プロジェクトマネージャー |
√ |
√ |
√ |
ビジネスコンサルタント |
√ |
√ |
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ソリューションアーキテクト |
√ |
√ |
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開発者 |
√ |
√ |
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設計者 |
√ |
√ |
√ |
キャンペーンマネージャー |
√ |
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展開スペシャリスト |
√ |
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サポートまたはトレーニングスペシャリスト |
√ |
もちろん、これほどの人材が揃っていないチームでは、あるロールが他のロールをカバーすることがあります。次に例を示します。
- ソリューションアーキテクトがビジネスコンサルタントのロールを兼務する。
- 開発者が設計者のロールを兼務する。
- キャンペーンマネージャーが展開スペシャリストのロールを兼務する。
新規や編成中の業務チームは概してメンバーが限られ、通常は複数の機能的ロールを兼務します。この鍵を握るのが柔軟性です。プロジェクトの範囲やタイムラインが許す限り、こうしたマルチタスクの効率性を活用します。
Marketing Cloud Engagement 業務チームを拡大する
業務の成熟に伴い、サービス製品が顧客のニーズにどの程度合致しているか、チームのスキルがサービス製品にどの程度適合しているかを定期的に評価します。「スキルをサービスに適合させる」というスローガンに忠実であり続けます。
スキルの専門化
業務が成熟する中で、さまざまな問題が解消され、チームが十分な油を差した機械のごとく稼働するようになります。自然の成り行きとして、チームのメンバーのロールが分化していきます。
専門化の恩恵は、メンバーが時間をかけてタスク固有の専門知識を培う点です。質の高い結果を速いペースで生み出せるようになります。お客様にも恩恵があります。
長年かけて有効性が実証された専門化の指針をご紹介します。アドバイス業務では、ビジネスコンサルタントのロールを、ビジネスコンサルタントとデジタルマーケティングコンサルタントの 2 つに分割します。ビジネスコンサルタントはクライアントとともに戦略、計画、問題解決に取り組みます。デジタルマーケティングコンサルタントは、複数のチャネルに及ぶデジタルコミュニケーション戦略を実施します。
デリバリー業務では、アーキテクトロールを、ソリューションアーキテクト、営業担当技術者、テクニカルアーキテクト、データアーキテクトの 4 つに分割します。これらのアーキテクトは、ソリューションの設計、データモデリング、技術仕様、デリバリーに注力します。営業担当技術者は、お客様とともにニーズの特定や解決法の提案に取り組みます。
デリバリーとサポート業務では、開発者ロールを、メール開発者、Web 開発者、データ開発者、システム管理者の 4 つに分割します。開発者が何でもこなすのではなく、メール開発者はメールを設計して開発し、展開します。Web 開発者は、Salesforce プラットフォーム上のランディングページやマイクロサイトのカスタマイズ、開発、サポートを行います。他も同様です。
機能的ロール |
アドバイスによる収益 |
デリバリーによる収益 |
サポートによる収益 |
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アカウントマネージャー |
√ |
√ |
√ |
プロジェクトマネージャー |
√ |
√ |
√ |
ビジネスコンサルタント |
√ |
√ |
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デジタルマーケティングコンサルタント |
√ |
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ソリューションアーキテクト |
√ |
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営業担当技術者 |
√ |
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テクニカルアーキテクト |
√ |
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データアーキテクト |
√ |
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メール開発者 |
√ |
√ |
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Web 開発者 |
√ |
√ |
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データ開発者 |
√ |
√ |
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システム管理者 |
√ |
√ |
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設計者 |
√ |
√ |
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キャンペーンマネージャー |
√ |
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デジタルメディアプランナー |
√ |
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展開スペシャリスト |
√ |
||
サポートまたはトレーニングスペシャリスト |
√ |
もちろん、これほどの人材が揃っていないチームでは、あるロールが他のロールをカバーすることがあります。たとえば、営業担当技術者がビジネスコンサルタントのロールを兼務することが考えられます。
チームの調整
十分な油を差した機械でも多少きしむことがあります。こうしたきしみ音は、そろそろチームを調整する時期であることを知らせる合図です。きしみ音はスキルのギャップを意味し、調整はトレーニングを意味します。
一般に、チームメンバーのスキルレベルは異なります。仕事を始めて間もない人もいれば、基本的なスキルを難なく適用できる人もいます。そして最上部にはエキスパートが位置します。あなたのチームはどのような構成ですか? チームのスキルをリストアップしてばらつきを明らかにし、成功に向けた計画を立てます。
ベンジャミン・フランクリンの名言によると、「最大の利子を生む投資は、知識への投資である」ということです。トレーニングに投資をすれば、Salesforce に対するコミットメントを示すことになります。Salesforce も、パートナーの質問に答え、コーチングを実施するというやり方で、パートナーの自給自足に投資します。そして、その収益源を増大させるという形でパートナーに十分な利益をもたらします。
トレーニングと認定資格
トップレベルの Marketing Cloud Engagement パートナーになるために、チームをエキスパートレベルに引き上げます。Salesforce における向上の手段は、トレーニングと認定資格です。全員に適用される万能的なアプローチはありません。例を挙げ、一般的なガイドラインを見ていきましょう。
Andreas は NTO の展開スペシャリストで、入門から基本に移行中です。数種類の Web セミナーに参加して、「Marketing Cloud Engagement の概要」Trailhead バッジを獲得しました。その後、「Essentials for Marketing Cloud Engagement Email Marketers (Marketing Cloud Engagement メールマーケターの基本事項)」コースも修了しました。
習得した内容を補足するために、Salesforce パートナーコミュニティの Marketing Cloud Engagement ドキュメントにも十分目を通しました。このコミュニティは、製品情報、無料のトライアル、デモの宝庫でした。「Marketing Cloud Engagement Email Specialist (Marketing Cloud Engagement メールスペシャリスト)」認定試験を受ける準備ができました。
メールスペシャリストは Salesforce の多数の認定資格のうちの 1 つです。以下は、他のトレーニングと認定資格のガイドです。
機能的ロール |
トレーニングと認定資格 |
---|---|
ソリューションアーキテクト |
|
ビジネスコンサルタント |
|
開発者 |
|
設計者 |
|
キャンペーンマネージャー |
|
展開スペシャリスト |
|
サクセスまたはトレーニングスペシャリスト |
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認定資格の受験対象者にはどのような方法で優先順位を付けますか? 複数のソリューションを実装した人を選びます。認定資格を得ることで、各自のスキルを測定し、成果を実証できます。
業務が軌道に乗るまで若干時間がかかることを理解します (最大 6 か月)。チームの中には、他の製品の専門知識があるため、早い段階で軌道に乗るところもあります。耳寄りな点は、多様なメリットが得られることです。チームは深遠な知識を習得し、円滑な展開に満足し、Salesforce の実装を最適化できます。
このすべてによってチームの自信が高まり、あなたのお客様にもこの変化が伝わります。お客様は Salesforce 認証資格の基準が高いことを知っています。そして認証資格があれば専門知識があるものと考えます。専門知識を求めるお客様の声は高まっています。トレーニングと認定資格を利用すれば、そうした要望に応じることができます。Storyforce であなたのお客様のサクセスストーリーを読むことを楽しみにしています。
リソース
- Salesforce: Salesforce パートナーコミュニティ: Education (教育) (ログインが必要)
- Salesforce: Essentials for Marketing Cloud Engagement Email Marketers (Marketing Cloud Engagement メールマーケターの基本事項) (コース)
- Trailhead: Marketing Cloud Engagement の概要