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セールスコールを成功させる

学習の目的 

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 優れたセールスコールの構成要素を理解する。
  • セールスコールを成功させるための計画を作成する。

見込み客にエンゲージするための準備をする

ベテランの営業担当は「完璧なセールスコールを行うための魔法のような公式は存在しない」と言うでしょう。そうは言っても、見込み客のニーズに応え、セールスに近づけることはできます。優れたセールスコールを実施するには、まず、以下のセールスのエキスパートからのヒントを心がけると良いでしょう。

アジェンダと期待事項を設定する

見込み客の状況に大きな変化がないことを確認した上で、セールスコールのアジェンダを詳しく記載します。これはセールスコールが進むにつれて多少変わっていくかもしれませんが、見込み客が突然のことに驚くことがないように、期待事項を設定することが重要です。このアジェンダは、ディスカバリーコールの終了時に設定された期待事項に沿ったものであり、できるだけわかりやすくする必要があります。

典型的なセールスコールのアジェンダは次のようになります。

  • 挨拶: 挨拶して、見込み客の状況を確認する。
  • アジェンダ: 会議の要点を説明する。
  • 見込み客のニーズの確認: 課題を確認する。
  • 商品の概要: 商品の特徴や機能を紹介する。
  • 商品ソリューション: 商品で課題にどのように対処するのかを説明する。
  • デモ: 商品を紹介し、問題解決のための機能を強調する。
  • 質問: 追加情報を提供し (必要に応じて)、オブジェクションに対応する。
  • 次のステップ: 商談成立に向けた実施項目とタイムラインの概要を説明する。

前向きな言葉を使用する

何を言うかも重要ですが、どのように言うかはもっと重要です。これは特にセールスに言えることです。実際、見込み客の信頼と感情的な賛同を得るためには、共感的で、価値に基づいた、肯定的な言葉を使用することが不可欠です。これが適切にできれば、商談の成立は比較的容易になります。

たとえば、負債を示唆する「支払」のような言葉を使用するのではなく、所有権や商談を示唆する「投資」といった言葉を使用します。その他、「メリット」「保証」「簡単」というような前向きな言い回しは、セールスコールで確実に賛同を得るための効果的な手段です。

購入者との信頼関係を構築する

多くの担当者は、セールスピッチに入るのが早過ぎるという間違いを犯しています。見込み客と親密で快適な関係を築くには、親しみを込めた挨拶から始める必要があります。世間話でもいいでしょう。とはいえ、あまり長く話して見込み客の時間を無駄にしてはいけません。挨拶は数分程度にとどめて、次に進みましょう。

アクティブリスニングをする

営業担当は、セールスコールで話しすぎることをよく指摘されます。セールスコールの目標は、見込み客に価値とソリューションを提供すると同時に、自分の話を聞いてもらっていると感じさせることです。関心を持ち続け、必要に応じて質問します。そのためには、話すよりも聞くことが必要です。セールスのエキスパートは 60/40 のトーク対リスン比率を推奨しています。

セールスコールを行う

見込み客と話し合うためのアジェンダの概略ができ、どう進めるかを練習したら、コール実施への準備は完了です。成功確率を最大限に高めるために、コール中とコール後について次の推奨事項を確認してください。

コールを録音して確認する。

2021 年の Salesforce アンケートでは、セールスコールに関する優れたトレーニングやコーチングを受けていると回答した営業担当はわずか 32% でした。これは、多くの商談を逃したり、場合によっては取引が失敗に終わったりする原因となっています。

セールスコールを習得するために必要なインサイトを得られるように、電話やビデオ会議のプラットフォームで各セールスコールを必ず録音しましょう。セールスコールが終了したら、内容を確認します。見逃した可能性のあるオブジェクションや、追加できたはずのインサイトを見つけください。Einstein 会話インサイトのようなツールを使用すれば、よく使われるキーワードやトーク対リスン比率を分析することも可能です。また、マネージャーや同僚とセールスコールの内容を共有し、フィードバックを受けることもできます。各セールスコールは、セールスを学び、改善し、促進するための機会であることを忘れないでください。

最後のコミュニケーション以降の変化を確認する。

ビジネスは迅速に動きます。つまり、変化が起き続けているということです。見込み客のニーズが変化したことで、入念に準備したピッチが無駄にならないようにするには、アジェンダの設定の前に「前回お話したときから何か変わりましたか?」と簡単な質問をします。そうすれば、その場で見込み客のニーズに合わせて要点を調整したり、必要であればセールスコールを再スケジュールして、新しいピッチを準備する時間を確保したりすることができます。

見込み客の課題を再度確認する

これによって 2 つの重要な事項である、あなたが見込み客の話に耳を傾け、見込み客のニーズを最優先していることを示すこと、および商品ソリューションを提示するための土台作りをすることが達成されます。

機能ではなく商品の価値を強調する

セールスピッチでは、価値と問題解決を最も伝えられる表現を使用するように心がけましょう。見込み客の生活をどのようにより楽で快適にしようとしているのかについて、具体的に説明し、可能であれば、測定可能な改善点を示します。ソリューションを常に商品に結びつけます。

たとえば、あなたは旅行保険を販売していて、近々ヨーロッパに旅行する見込み客にその旅行への保険加入について説明しているとします。この場合、安心感を引き合いにして説明します。見込み客は、旅行先の都市の空港が悪天候で閉鎖された場合、航空券やホテルの予約の代金が全額返金されることを知っていれば安心して旅行できます。さらに、保険プランに加入することで受けられる特別割引やプレゼントについて伝えます。これで心配の種を取り除き、安心感を与えることができました。

自社の差別化要因について言及する

ほとんどの商品には、市場に複数の競合他社が存在します。見込み客の問題を解決するために説得力のある主張をしたとしても、競合する商品も同じようなソリューションを提供していることがよくあります。他社に出し抜かれないように、事前に競合他社を調査し、自社商品が明らかに優れている差別化要因を明確にします。

見込み客が特定の競合他社について言及したら、その競合他社はあなたの商品の全機能を提供できるか尋ねます。これにより、見込み客が自分自身であなたの商品の価値を明確にするように仕向けることができます。

思慮に富む質問でオブジェクトに応答する

新任の営業担当は、セールスに対して見込み客からオブジェクションがあると、そのオブジェクションがもっともなものであっても、自己防衛的になってしまいがちです。商品の価値を明確に示すために、いくつかの応答を用意しておくことは良いことですが、オブジェクションへの対処の目標は反論で反撃することではなく、見込み客の懸念を完全に理解することです。

次に、これがセールスコールでどのように繰り広げられるかを例で紹介します。

見込み客: まだ購入するか決められません。契約期間がかなり長いので。

営業担当: そうですか。なぜ契約期間の長さが問題なのか教えていただけますか?

見込み客: 3 か月後、4 か月後、いえ、数週間後にでも、ニーズが変わってしまうのではないかと心配なんです。それで困っています。

営業担当: つまり、数週間後であれ、数か月後であれ、ニーズが変わった場合でも、今日選んだものを変更できないと心配されているのですね。そういうことでしょうか?

見込み客: そのとおりです。

営業担当: それとは別に、他に取引をためらう理由はありますか? 

見込み客: 他にはほとんどありません。

営業担当: 先ほどのご心配がなくなれば、安心して商談を進められますか?

見込み客: はい、そう思います。

営業担当: わかりました。他の方からも同じような悩みを伺ったことがあります。ですが、ご安心ください。数か月経って商品の使い勝手が悪いようであれば、早期キャンセルについてご相談いただくことも、ニーズにより適した他の商品に切り替えることも可能です。いかかでしょうか?

見込み客: そうであればとても助かります。では、他のオプションについて教えてください…

統計情報とストーリーのバランスを取る

見込み客が商品の効果について質問した場合、具体的な数字で答えるのが一般的です。統計情報は説得力がありますが、うんざりさせることにもなりかねません。

代替手段として、ストーリーを使用して注意を惹きつけ、賛同を得ます。話しながら、見込み客に直面しているビジネス上の課題について質問します。見込み客は完全なストーリーを語っていますか? その論拠はどの程度定量化されていますか? 見込み客の話し方に合わせます。人は自分が話しかけられたい方法で話す傾向があるからです。たとえば、意思決定者が分析的な人である場合、商品が問題に対する最善のソリューションであることを実証する明確な統計情報を重視する傾向があります。これを念頭に置いた上で、説得力のあるストーリーを裏付けするために関連するメトリクスを使用します。

「はい」で終わる

新任の営業担当が犯す最大の間違いの 1 つは、セールスコールを無期限に放置してしまうことです。多くの場合、見込み客はピッチに対して、「検討します」と気軽に答えます。新任の担当者は、見込み客の立場に立って、検討の余地を設けることに同意します。どうしても見込み客は他の業務に追われ、セールスのことを忘れてしまいます。

これを避けるには、次の 2 つの単刀直入な質問/コメントでセールスコールを締めくくります

  • 「あなたはビジネスの問題点として X と Y を取り上げました。私たちは、商品とこの商品でそういった問題をどのように解決できるかを説明しました。あなたにとって良いソリューションであることに同意しますか?」
  • 「素晴らしいです。お互いの見解が一致しているようですね。話し合ったソリューションで問題を早急に解決するには、あとは簡単な事務処理を行うだけです。すぐにオンボーディングを実施しましょう。問題ありませんか?」

見込み客がちゅうちょした場合、購入の意思決定を遅らせた場合の時間的、金銭的、労力的なコストについて説明します。遅らせたことがもたらす結果を見込み客が理解すれば、「はい」という返答を獲得しやすくなります。

「次のステップ」で締めくくる

「はい」という返答をもらったら、セールスコールの後の次のステップを明確に説明します。これには、あなた、見込み客、その他の意思決定者やステークホルダーの実施項目と各実施項目の明確な期限が含まれます。このスケジュールに同意を求め、セールスコールの内容をまとめたメールを送信してフォローアップします。明確に説明されたタスクリストがあれば、商談を成立させるには、あとは見込み客のスケジュールどおりに進めればいいだけなのです。

これらの項目をセールスコールに含めると、見込み客と話すときにうまくいきやすくなります。

リソース

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