マーケティングインテリジェンスを使用して小売業の課題を解決する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- マーケティングインテリジェンスでデータソースを集約する方法を説明する。
- マーケティングインテリジェンスにリアルタイムのデータを表示する方法を説明する。
お客様とのつながりを向上させる方法
小売ブランドがお客様とのつながりを向上させる必要があることは明らかです。この実現の一翼を担うのがマーケティングインテリジェンスです。具体的にどのような役割を果たすのでしょうか? ここで、小売ブランドがお客様とつながるときに直面する課題を挙げ、マーケティングインテリジェンスでどのように対処するのか見てみましょう。
課題 1: データの断片化にストレスを感じる
すでに学習したとおり、小売業のマーケターが優れたカスタマーエクスペリエンスを実現するためにはデータが不可欠です。売上高や Web サイト分析から、ソーシャルプラットフォームやメールまで、マーケターがこうしたデータの取得に使用するチャネルは増加の一途をたどっています。その結果、小売業のマーケターが豊富な知識を活用できるようになっています。
ただし、こうしたデータが多種多様なソースから取り込まれる場合には、さまざまな問題が生じます。たとえば、データが断片的で整理されていなければ、マーケターが次のような問題に直面します。
- データを分析してアクション可能なインサイトを引き出すことよりも、データの集計や準備に時間をとられる。
- お客様のマーケティング活動を包括的に把握できないため、カスタマージャーニー全体を分析することができない。
これだけではありません。多くのブランドは、データの次のような不備にも対処しなければなりません。
- ガバナンス: ブランドの 68% は、消費者データを管理するロールやガバナンスを明確に定義していない。
- 俊敏性: ブランドの 63% は消費者の要望やインサイトに俊敏に対応していない。
- セキュリティ: ブランドの 54% は消費者データを監視して保護する厳格なコンプライアンスやセキュリティを確立していない。
解決策: マーケティングインテリジェンスによってデータの信頼できる一元的な情報源が構築される。
前述のとおり、マーケティングインテリジェンスによってスマートなマーケティングが可能になります。データの断片化の問題は、データソースを一元的な包括ビューにまとめるという方法で解決されます。その結果、組織の全チームが同じファクトデータ、KPI、分類にアクセスして使用することになります。このため、ビジネスの共通目標の達成が促進され、プロセスの効率性も向上します。
マーケティングインテリジェンスを使用すれば、マーケターがデータと格闘することなく、情報に基づいてマーケティングキャンペーンを作成するために必要なインサイトをすばやく簡単に見つけることができます。
課題 2: 俊敏性の欠如にイライラする
お客様のニーズとマーケターが実現するエクスペリエンスの乖離を解消するための鍵を握るのが、データに埋もれているインサイトを明らかにすることです。調査によると、前会計年度より収益が 10% 以上上昇したと報告したブランドのリーダーは、成績不振の企業と比較して、あらゆる領域でデータを重視する頻度が平均してほぼ 2 倍であることが示されています。データをカスタマーエクスペリエンスの中心に据えていたとしても、データが古く、アクションに結び付かないようでは意味がありません。
昨今のお客様はブランドに対して、関連性が高く、自らが判断しやすいようにパーソナライズされたメッセージを届けてお客様とつながることを求めています。お客様が小売業者とつながりを感じることがなければ、他を求めて去っていく可能性が高まります。競争の激化と今日の市場のスピードにより、お客様はいとも簡単に他に流れていきます。小売業者も機転を利かせて最適化することができなければ、離れていくお客様を黙って見送ることになりかねません。
解決策: マーケティングインテリジェンスを使用すると、リアルタイムのデータにアクセスできる。
今日のお客様は常に「オン」の状態で、積極的にさまざまな手段でブランドとつながっています。こうしたお客様にリーチするには、時間が極めて重要になってきます。マーケティングインテリジェンスがあれば、マーケターが数回のクリック操作でアクション可能なインサイトを得ることができるため、スマートなマーケティングが可能になります。こうしたインサイトを活用して、関連性の高いキャンペーン、クリエイティブアセット、投稿、タッチポイントをすばやく開発しながら、このすべてをリアルタイムで変更できます。
さらにマーケターには、費やしたマーケティング予算を確実に収益化することが求められます。マーケティングインテリジェンスを使用するマーケターは、ビジネスの ROI を向上させることができます。具体的にどのような方法で実現するのでしょうか? お客様の全体像が示されるため、マーケターがキャンペーンを最適化できます。マーケティングインテリジェンスではデータにリアルタイムにアクセスできるため、マーケターが小売業者にとっての大切なかき入れ時 (祝日、新学期など) にお客様の関心を一瞬たりとも逃さないように、支出を停止したり倍増したりすることができます。
つまり、マーケティングインテリジェンスは、変化し続ける小売業界でマーケターが直面するさまざまな課題に対する解決策となるものです。マーケティングインテリジェンスを使用している小売業者は他を引き離しつつあります。マーケティングインテリジェンスのエキスパートになれば、あなたも頭一つ抜け出すことができます!
マーケティングインテリジェンスとツールについての詳細は、「マーケティングインテリジェンスと分析」モジュールを参照してください。