送信方法の選択
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 送信分類を説明する。
- Marketing Cloud Engagement でのメール送信方法について説明する。
Marketing Cloud Engagement での送信方法
Marketing Cloud Engagement はさまざまな方法でお客様にメッセージを送信できる強力なプラットフォームです。最善の方法を判断するために重要なのは、どのようなオプションがあるかを理解していることです。このモジュールでは Marketing Cloud Engagement で使用可能な送信方法を説明します。
送信分類を確認する
Marketing Cloud Engagement で使用する送信方法を決定する前に、Commercial または Transactional という CAN-SPAM 送信分類について理解しておきましょう。
Commercial message はブランドからマーケティングコンテンツを受信することにオプトインした購読者に送信されます。たとえば、ニュースレターや販売促進などがあります。
Transactional message は必要な情報が含まれていることが多く、特定のユーザーアクションに応じて送信されます。購読者がコンテンツを受信するのにオプトインしている必要はありません。たとえば、ID 検証、パスワードのリセット、発送通知などがあります。
メッセージをどう分類すべきかを理解したら送信方法を検討できます。
どちらの送信方法を使用すべきか
Marketing Cloud Engagement で使用できる、オーディエンス駆動とイベント駆動の 2 つの送信方法について確認しましょう。
オーディエンス駆動型送信
オーディエンス駆動型送信では、事前に選択したオーディエンスに対して特定の時間にメールが送信されます。マーケターが送信先とタイミングを制御するため、マーケター駆動型メールと考えるとわかりやすかもしれません。このメッセージは、Email Studio、Content Builder、Journey Builder の単一送信、または Automation Studio のオートメーションを使用して作成し、送信することができます。送信がスケジュールされると、Marketing Cloud Engagement によってオーディエンスの編成と検証、そのオーディエンスの情報を使用したメールメッセージの作成、対象購読者への各メッセージの送信が行われます。
イベント駆動型送信
イベント駆動型送信では、外部イベント、特定のユーザーアクション、または Salesforce 内の活動に基づいて 1 人以上の購読者にメールが送信されます。では、Marketing Cloud Engagement 内のイベント駆動型送信の種類を見てみましょう。
Transactional 送信メール
Transactional 送信分類を使用するメールは、Web サイトからパスワードのリセットを要求するなどのアクションに基づいて、特定のユーザーに直ちに送信されます。このメッセージの目標は、特定のユーザーの受信箱に迅速に届けることです。Transactional 送信ジャーニーのメールは REST API を介してトリガーされます (非同期)。
Email Studio のトリガーによる送信
Email Studio のトリガーによる送信は、Transactional または Commercial として分類でき、通常は連携ベースのソリューションで作成されます。標準的なトリガーによる送信メッセージは、SOAP API (非同期、同期) または MessageDefinitionSends REST API (非同期、同期) のいずれかを使用し、送信活動の外部キーを使用してトリガーされます。
この送信方法のフローの例を次に示します。
Event | メッセージ送信 |
---|---|
お客様が Web サイトからパスワードのリセットを要求します。 |
API を介してメッセージがトリガーされ、特定のお客様に直ちに送信されます。 |
イベント駆動型送信には、内部または外部の判断に基づき、他に 2 つの種類あります。では、確認してみましょう。
行動トリガーによる送信
お客様の Web サイトでの行動といった外部要因に基づいて送信されるメールの良い例として、放棄されたカートのメールがあります。このメールは、ユーザーが商品をカートに入れたままにした直後ではなく、事前に決められた条件に基づいてトリガーされます。つまり、API コールが送信される前に処理される判断があります。この種類のメールは、Journey Builder の行動トリガーまたは別の API サービスを使用して送信できます。
次に例を示します。
Event |
API の前に判断 |
メッセージ送信 |
---|---|---|
お客様が Web サイトにログインし、バックパックをカートに追加します。お客様は購入を完了しません。 |
イベントは事前に決められたルール (たとえば、カートに商品が入ったまま 1 日経過したらトリガーする) で評価されます。イベントが要件を満たすと、API コールが Marketing Cloud Engagement に送信されます。 |
要求が実行された後にトリガーによる送信メッセージがキューに追加され、メッセージが作成され、お客様に送信されます。 |
Journey Builder のトリガーによる送信
Journey Builder のメールは AI 駆動の判断、Salesforce CRM へのデータの追加など、さまざまなイベントに基づいてお客様に送信されます。Journey Builder でメール活動を作成すると、トリガーによる送信活動がバックグラウンドで自動的に作成されます。ただし、メールは特定の内部判断が処理されるまで送信されません。では、例を見てみましょう。
Event | Salesforce の判断 |
メッセージ送信 |
---|---|---|
お客様が Web サイトからサインアップフォームに入力した後、Welcome ジャーニーに追加されます。 |
Einstein 送信時間最適化活動が、ジャーニー内の計画済みメール送信活動の前に追加されます。 |
最適送信時間になると、メール送信活動がキューに追加され、メールが作成され、その購読者に送信されます。 |
送信の準備
使用する送信方法を検討するときに留意すべき点は、誰に送信するのか、何が送信をトリガーするのか (あなた、またはお客様が実行するアクション) ということです。要するに、メッセージの目標に沿って決定すればスムーズな送信が実現されます。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Marketing Cloud Engagement メール用の送信分類
- Salesforce ヘルプ: Journey Builder のメールメッセージ
- Salesforce 開発者: Transactional メッセージング API
- Salesforce ヘルプ: Transactional 送信ジャーニー
- Trailhead: Transactional メッセージング
- Salesforce ヘルプ: Behavioral Triggers (行動トリガー)
- Salesforce ヘルプ: Einstein 送信時間最適化
- Salesforce ヘルプ: Email Studio のトリガーによるメール