インストールの準備
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 実装のシステム要件を挙げる。
- システムユーザーの目的を説明する。
- Marketing Cloud Connect のユーザーロールを挙げる。
始める前に
このモジュールでは複数の Salesforce クラウドにまたがる作業を行うため、次の点を認識しておく必要があります。
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このモジュールを通して、Sales Cloud や Service Cloud のことを Salesforce CRM と言います。この用語は、各自の Salesforce Cloud または Service Cloud アカウント (あなたが Marketing Cloud Engagement に接続するもの) を指します。
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このモジュールでは、受講者が Marketing Cloud Engagement と Salesforce CRM の管理者であると想定しています。管理者以外も受講できますが、各自のアカウントにアクセスして構成する適切な権限がありません。
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Trailhead Playground では Marketing Cloud Engagement を使用できません。そのため、Trailhead Playground を使用して Salesforce CRM の手順を確認することはできますが、Marketing Cloud Engagement の手順は実行しないでください。
Salesforce CRM に Marketing Cloud Engagement を接続する
あなたは極めて実用性の高いマーケティングデータを CRM データと結び付けることにしました。ここで出番となるのが Marketing Cloud Connect です。Marketing Cloud Connect により、クラウドソリューション間でデータを共有できるようになります。
準備はいいですか? 出発する前に、これからどこに向かうのかがわかっていたほうがよいため、まずは設定を完成させるために実行する必要のある手順を確認しておきましょう。
ステップ
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目的
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1: 前提条件を確認する
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成功に向けてシステム要件とユーザー要件を計画します。 |
2: 管理パッケージをインストールする
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管理パッケージをダウンロードして、接続を機能させるためのツールを入手します。 |
3: CRM 設定を構成する
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ユーザーが連絡先やリードのメールフィールドを表示できるようにします。そして、Salesforce CRM アカウント内で追加のユーザーと権限セットを設定します。 |
4: Marketing Cloud Engagement で設定を構成する
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Marketing Cloud Engagement で新規ユーザーを作成し、連携を構成します。 |
5: 構成を完成させる
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Marketing Cloud Engagement と Salesforce CRM アカウントの両方で最終的な構成設定を行い、接続を完了させます。 |
6: 接続をテストする
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テスト送信を行い、正常に接続されていることを確認します。すべてのユーザーが正しく設定されていることを確認したら、コネクタの使用を開始します。 |
このモジュールでは上記の各ステップについて説明し、モジュール全体の進行状況を示します。
一緒にトレイルを進みましょう
このトピックについて、Trailhead Academy のインストラクターから詳細な説明を受けたいと思いませんか? おまかせください。このモジュールでは、Marketing Cloud Connect の詳細を学習できる短い動画が随所に用意されています。また、「リソース」セクションには、完全な動画へのリンクも記載されています。
それでは、インストラクターの動画をご覧ください。
1: 前提条件を確認する
実装に取りかかる前に、次の要件を確認し、チームと一緒に要件を満たしておくことが重要です。
アカウント要件
- Marketing Cloud Connect には、1 つの Marketing Cloud Engagement アカウントと Salesforce CRM 組織の間のリレーションが必要です。Marketing Cloud Engagement アカウントを複数の Salesforce CRM 組織に接続することは可能ですが、その設定についてはこのモジュールでは触れません。
- Marketing Cloud Connect の機能の大半は、ユーザーに Marketing Cloud Engagement ライセンスと Sales Cloud または Service Cloud ライセンスが必要です (後述)。
- Salesforce CRM 組織は、Salesforce Unlimited Edition、Enterprise Edition、Performance Edition、Developer Edition Sandbox のいずれかのバージョンである必要があります。使用しているバージョンを調べるには、Salesforce ヘルプ記事「Salesforce の Edition および API バージョンを確認する方法」を参照してください。
- Marketing Cloud Engagement アカウントは、Marketing Cloud Engagement Core Edition、Advanced Edition、Agency Edition、Enterprise 1.0 ロック & パブリッシュ、Enterprise 2.0 Edition、Reseller Edition、Marketing Cloud Engagement Sandbox のいずれかのバージョンである必要があります。
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Marketing Cloud Connect の機能は、Salesforce Classic UI で使用できます。Lightning Experience を使用している場合、Marketing Cloud Connect のタブをクリックすると自動的に Salesforce Classic にリダイレクトされます。
購読者キーに関する考慮事項
Marketing Cloud Connect では、取引先責任者/リード ID に Marketing Cloud Engagement の購読者キーを使用している購読者のみを認識します。現在異なる購読者キーを使用している場合は、2 つのクラウドの連絡先を整合させるために購読者キーの移行を実行する必要のある場合があります。
Marketing Cloud Connect システムユーザー
次は、実装に必要なシステムユーザーアカウントについて説明します。正常にインストールするためには、2 種類のシステムユーザーを作成する必要があります。この作成手順は単元 2 と 3 で説明しますが、最初にこの 2 つが重要である理由を説明しておきます。では、1 つずつ見ていきましょう。
システムユーザー |
内容 |
説明 |
考慮事項 |
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Marketing Cloud Connect API ユーザー
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Marketing Cloud Connect API ユーザーは、Marketing Cloud Engagement と Sales Cloud または Service Cloud 間のアカウントレベルの接続を完了させます。 |
このユーザーはメール送信、トリガーによる送信、購読要求のトラッキング、Journey Builder のエントリイベントの初期認証を行います。 |
Salesforce CRM で Marketing Cloud Engagement のさまざまなビジネスユニットにアクセスするためには、Marketing Cloud Connect API ユーザーが Marketing Cloud Engagement でこのようなビジネスユニットにアクセスできる必要があります。 |
CRM API ユーザー
(Salesforce システムユーザーともいう) |
Salesforce CRM で作成される CRM API ユーザーも同様に、CRM アカウントと Marketing Cloud Engagement 間の接続を完了させることが求められます。 |
このユーザーは接続アプリケーション (外部アプリケーションを Salesforce と連携させるフレームワーク) を機能させる初期認証を行います。 このユーザーはトラッキングデータ、同期済みデータエクステンション、Journey Builder アクティビティを CRM で使用できるようにします。また、ユーザー別のスコープなしアカウント (統合されたすべてのユーザーに対するオープンアクセス権が設定されたアカウント) で Marketing Cloud Engagement から CRM オーディエンスに送信する場合も、このユーザーを使用します。 |
セキュリティやパフォーマンスを最適化するために、ユーザーライセンスを使用する専用システムユーザーを CRM API ユーザーとして使用します。 |
複雑そうに思えるかもしれませんが、こうしたユーザーアカウントの目的は単に、Salesforce CRM と Marketing Cloud Engagement 間の接続 (ハンドシェイクなど) を作成することです。
システム ID とユーザーの詳細については、以下の動画クリップをご覧ください。
Marketing Cloud Connect ユーザー
システムユーザーのほか、Marketing Cloud Connect の機能へのアクセスを決定する他のユーザー種別が存在します。見ていきましょう。
ユーザー種別 |
説明 |
追加情報と考慮事項 |
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Marketing Cloud Connect 管理者
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Marketing Cloud Connect の日常的な使用や設定を Sales Cloud または Service Cloud 内で管理する人です。 |
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統合されたユーザー (Marketing Cloud Connect ユーザー) |
統合されたユーザーは Marketing Cloud Engagement と CRM の両方の確立されたユーザーログイン (ライセンス) を有し、両アカウントが Marketing Cloud Engagement でリンクされています。 |
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CRM ユーザー
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Marketing Cloud Engagement アカウントのない Salesforce CRM ユーザーです。 |
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Marketing Cloud Engagement ユーザー
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CRM アカウントのない Marketing Cloud Engagement ユーザーです。 |
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例
次に、社内の誰が Marketing Cloud Connect を使用する必要があるかを検討します。この決定についてわかりやすく説明するための例として、Northern Trail Outfitters (NTO) という会社がチームメンバーのロールをどのように選択したのか見てみましょう。
名前とロール |
ユーザー情報 |
選択理由 |
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Pia、NTO のクラウドアーキテクト |
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Pia は両方のシステムの管理者で、Sales Cloud と Marketing Cloud Engagement の全般的なデータ構造の設計に関わっています。 |
Isabelle、デジタルマーケティング担当者 |
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Isabelle はマーケティングチームを統括し、すべてのデジタルマーケティングを管理しています。営業マネージャーの Teri と緊密に連携してキャンペーンを調整します。 |
Paulo、メールスペシャリスト |
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Paulo は日常的なメールの管理、ジャーニーの作成、メールの送信を担当し、Journey Builder や Salesforce キャンペーンを使用して送信するオプションの使用を希望しています。 |
Michele、テクニカルマーケティング担当者兼メール設計者 |
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Michele はメールを設計して構築しますが、送信する必要はありません。 |
Teri、営業マネージャー |
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Teri は Salesforce のキャンペーンとレポートの作成を担当し、Sales Cloud からメールを送信するオプションの使用を希望しています。 |
Jessa、営業担当 |
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Jessa は顧客に送信済みのメールをメールページレイアウトに表示しますが、メールを送信する必要はありません。 |
次の単元に進む前に、ユーザーロールについてチームと話し合い、計画を立てておきます。次の単元では、管理パッケージをインストールして、CRM 設定を構成します。
リソース
- Salesforce ヘルプ: 接続アプリケーション
- Salesforce ナレッジ: Lightning Experience と Salesforce Classic 間の切り替え
- Salesforce ヘルプ: 前提条件と Marketing Cloud Connect インストールパッケージのレビュー
- Salesforce ヘルプ: Salesforce Classic でサポートされるブラウザー
- Salesforce ヘルプ: ユーザーのデータアクセスに関するアカウント設定
- Salesforce ヘルプ: 購読者キー
- Salesforce ヘルプ: Marketing Cloud Connect の Salesforce データエクステンション
- 動画: Marketing Cloud Connect の設定