販売計画を設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 販売計画の実績計算モードを設定する。
- 関連する販売計画指標を対応付けて表示する。
- 販売計画の更新期間を設定する。
数値の予実比較
Vance は最近、注目の取引先 Acme Partner を担当することになりました。この取引先は Rayler Parts の商品を購入する意思を示しています。Acme Partner は新規市場に参入しようとしており、Rayler Parts と関係を築きたいと考えています。Acme パートナーは世界中のクライアントに建設機器を卸しています。Vance は複数の商品の収益と数量の交渉に販売計画を使用することが考えられます。
現行の業務では、商品の販売予定数と実際の注文数を手動で追跡する必要があるため、このプロセスを自動化する手段がないか考えています。特定の月に履行された注文から実際の数量を割り出し、販売計画を自動的に更新するというプロセスです。こうすれば、単一ビューで各商品の数量と収益の予実比較が可能になります。Cindy はこの可能性を探ることにします。
販売計画に対する実際の注文数量をどのように計算して表示するかについて、Cindy は 3 つのオプションの中から 1 つ選ぶことができます。
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をクリックし、[設定] を選択します。
- [クイック検索] ボックスに、Manufacturing (製造) と入力します。
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[販売計画] をクリックします。
- [実績計算モード] で次のいずれかのオプションを選択します。
- 直接注文から自動
- 注文から契約まで自動
- API アップロードを手動で使用
Cindy は [直接注文から自動] を選択します。各オプションが適する状況についての詳細は、「実績計算モードの設定」を参照してください。
これで既存の ERP システムを Manufacturing Cloud と統合できるようになりました。以前は、ランレートビジネスのことになると運用チームが営業チームの予測を軽視することが少なくありませんでした。Manufacturing Cloud があれば、商品履歴、価格設定、注文などの情報が取り込まれた生産データを Vance とそのパートナー、そして運用チームがリアルタイムで確認できます。
指標の確認
必然的な次のステップは、3 つの商品の在庫レベルを表示することです。Vance は、確約した数の商品を Acme Partner に出荷できないという困った状況は避けたいと考えています。契約を交わしているのですから...。
Rayler Parts では外部システムを使用して倉庫の商品在庫を追跡しています。Cindy はそのデータを Salesforce 組織にインポートして、契約条件に統合しようと考えます。
[設定] で [販売計画] ページを開きます。カスタム項目の対応付けを作成すれば、カスタム指標として使用できるため、Cindy はオブジェクトマネージャーで 2 つのカスタム項目を作成することにします。
- 販売計画商品オブジェクトに、[Total Inventory (全在庫数量)] を示すカスタム数値項目を作成します。
- 販売計画商品スケジュールオブジェクトに、[Inventory Level (在庫レベル)] を示すカスタム数値項目を作成します。
ヒント: 小数点以下 5 桁までの主要な収益指標値とカスタム指標値を保存するには、組織の [More Decimals on Price (価格の少数部の増加)] オプションを有効にするように Salesforce サポートに依頼してください。このオプションが有効になったら、販売計画商品オブジェクトと販売計画商品スケジュールオブジェクトに、小数点以下 5 桁までをサポートするデータ型を指定したカスタム項目を作成します。
これで、[設定] の [販売計画] ページにある [指標の対応付け] セクションで、この 2 つの項目を対応付けることができます。
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をクリックし、[設定] を選択します。
- [クイック検索] ボックスに、Manufacturing (製造) と入力します。
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[販売計画] をクリックします。
- [指標の対応付け] セクションの [商品スケジュール指標] ドロップダウンに、[Inventory Level (在庫レベル)] が事前入力されています。対応する [商品指標] ドロップダウンで、[Total Inventory (全在庫数量)] を選択します。
Vance はまた、指標を大まかに区別して、論理的に整理された指標値を表示したいと Cindy に伝えます。Cindy は Vance が表示したい指標グループを作成します。
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をクリックし、[Setup (設定)] を選択します。
- [クイック検索] ボックスに、Manufacturing (製造) と入力します。
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[販売計画] をクリックします。
- Spring '23 より前に販売計画を実装した場合は、[Agreement Terms Metrics (計画期間指標)] セクションで、[Enable Metric Groups (指標グループを有効化)] をクリックします。
メモ: Spring '23 で販売計画を実装した場合は、指標グループはデフォルトで有効になっています。
- Cindy は収益指標のグループを作成し、そのグループに次の指標を追加します。
- 計画金額
- 販売価格
- 実績金額
- 割引率
- Cindy は数量指標用に別のグループを作成し、そのグループに次の指標を追加します。
- 実績数
- 計画数
- 予測数
- Inventory Level (在庫レベル)
選択可能な指標のリストに、[Inventory Level (在庫レベル)] 指標がいつの間にか表示されています。
いつ更新するのか
販売計画は定期的に更新され、通常は商品の数量と価格も変更されます。Manufacturing Cloud では更新期間を柔軟に定義することができます。新しい契約をするために、既存の契約が終了する何日前に販売合意を更新できるかを設定できます。Cindy は、現在の契約が期限切れになるだいぶ前に販売計画を更新する決定が下される場合が多いことを知っているため、値を 240 日に設定することにします。つまり、取引先マネージャーは、契約が切れる 8 か月前から販売計画を更新できます。
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をクリックし、[設定] を選択します。
- [クイック検索] ボックスに、Manufacturing (製造) と入力します。
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[販売計画] をクリックします。
- [更新] セクションの [更新日数] 項目に、240 と入力します。
先に進む前の確認事項
Cindy は販売計画の設定のうちの厄介な部分をやり終えました。あと 1 つ下すべき決断が残っています。
取引先マネージャーは通常、価格、割引、計画した確約数量など、販売計画の数値についてスーパーバイザーの承認を取り付けます。その一方で、取引先マネージャーが各自の計画に対する職権を有し、承認印を得る必要のないこともあります。Manufacturing Cloud はこのプロセスを簡便にします。
Cindy は、定義済みのプロセスと自己承認の両方を可能にするか、定義済みのプロセスのみを可能にし、自己承認は不可にするようオプションを制限するかのいずれかにすることができます。[設定] の [販売計画] ページで、Cindy は [承認プロセス] の切り替えボタンをオフにします。これで取引先マネージャーが、計画の承認申請をするか、単に計画の状況をドラフトから承認済みに変更するかのいずれかを実施できます。
承認プロセスの設定方法についての詳細は、「承認プロセスの設定」を参照してください。
次の短い動画で、販売計画の概要をご覧ください。
次は、取引先マネージャーがパートナーやディストリビューターとシームレスに連携して、販売計画について交渉する方法を学習します。
リソース