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バーチャルコラボレーションの重要性の理解

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • バーチャル労働力の主な特性および統計情報を確認する。
  • バーチャルコラボレーションに伴う課題と機会について説明する。

バーチャルコラボレーション

金曜日の朝です。4 人のチームメンバーが午前 9 時にプロジェクトの次の段階についてミーティングを行う予定になっています。山間部に暮らす Gina は、週末に家族とスキー旅行に出かける準備をしています。Kara は、正午に病院の予約があるので自宅で仕事をしています。Keenan は、その日の午後に重要なプレゼンテーションがあるためオフィスにいます。そして Srini は、空港で帰りの飛行機を待っています。

それぞれ別の場所にいる 4 人: 山間部にいる女性、居間で仕事をしている女性、空港にいる男性、デスクで仕事をしている男性このチームメンバーは誰一人として同じ場所、同じタイムゾーンにいませんが、全員がログインしてウェブカメラをオンすれば仕事に取り掛かることができます。Gina の画面に作成中のプレゼンテーションが共有され、各人が意見を出し合うリアルタイムのコラボレーションが実現します。30 分後にプレゼンテーションが練り上げられ、上司に提出する準備が整います。午前 10 時には Gina が斜面を滑走しています。画期的ですよね?

このチームではバーチャルコラボレーションがごく自然に行われています。こうしたコラボレーションが企業文化として定着しているため、チームの誰一人として自身を「リモート」従業員と考えることがありません。この日は顔を合わせることなく、バーチャルミーティングをすることになったというだけです。

あなたの周りでもこうしたことが行われていますか? リモートで仕事をする頻度にかかわらず、あなたもバーチャルコラボレーションで仕事に取り組むことになるかもしれません。

メモ

このモジュールで「バーチャルコラボレーション」という用語は、従業員をつなげるテクノロジーを使用して仕事を行うことを意味します。

「バーチャル労働力」という用語は、定常的また限定的にオフィスとは別のリモートで仕事をする人々の総称として使用します。

また「リモートワーカー」という用語は「バーチャル労働力」の一員である個人を指します。

用語は把握できたでしょうか? では、次に進みましょう。

今日ではテクノロジーのお陰で、これまでにない方法でつながり、コラボレーションできます。

たとえば、次のようなことが可能です。

  • 携帯電話でメールをチェックしたり、インターネットに接続したりする。
  • ボタンにタッチしてビデオ会議を開始する。
  • ドキュメントを瞬時かつ安全にクラウドに保存して、アクセス、編集、共有する。
  • 安全な仮想プライベートネットワーク (VPN) に簡単にアクセスする。
  • ソーシャルメディアやコラボレーションアプリケーションを使用して、社内のニュースやイベントをリモート従業員に遅滞なく連絡し、常にエンゲージさせる。

こうしたテクノロジーは随分前から導入されていると思うかもしれません。確かにそのとおりですが、過去 2 ~ 3 年の間に著しく進歩し、バーチャルで集うことが可能になっただけでなく、かつてない形のバーチャルコラボレーションやバーチャルイノベーションが簡単に行えるようになっています。

バーチャル労働力

「バーチャル労働力」といった場合、定常的また限定的にオフィスとは別のリモートで仕事をする人々の総称を指していることは前述したとおりです。

ロイター通信社が発表した調査によると、世界全域の従業員の約 5 人に 1 人が頻繁にリモートで仕事をしているということです。そして、10% 近くが毎日自宅で仕事をしています。こうした勤務形態は急増傾向にあります。最近のギャラップ調査では、米国労働者の 37% がバーチャル労働力に属するとされています。

「これは一体、将来どのような形で仕事が行われることを意味するのか」と疑問に思うかもしれません。

リモートで仕事をする人が増えれば、毎日同僚と顔を合わせることがなくなります。そのため、これまで以上に、テクノロジーを効率的に使いこなしてチームとコラボレーションする能力が重視されます。

バーチャル機会

マネージャーが活用するバーチャル機会の第一歩は、チームメンバーの人選です。これまでは、優秀な人材を採用する際、地理的な距離が最大の障壁の 1 つになっていました。実際、ある調査では「採用したいと思う適任の候補者の最大 95% が通勤圏外からの応募である」ことが強調されています。

応募者の面接およびその採用について考えた場合、バーチャルコラボレーションを行うテクノロジーと能力があれば、世界中に求人募集を出すことできます。つまり、現在は市外、都道府県外、あるいは国外に住む優秀な候補者も採用できるということです。

地球を背景に、多様な人々の顔を表示する各種デバイスこれは従業員にとっても朗報です。バーチャルコラボレーションにより、ビジネス拠点となる大都市以外に暮らす従業員に、かつては考えられなかった職務に就く機会がもたらされます。双方にメリットがあります。

バーチャル労働力のメリット

人材の幅が広がるほか、従業員の仕事と生活のバランスを向上させるなど、バーチャル労働力の確立に伴って他にもメリットがあります。生産性が向上し、離職率が低下し、資本コストが節減されることから、従業員も企業もリモート労働力を支持して活用することのメリットを認識しつつあります。

従業員の満足度
  • リモートワーカーの 80% が、仕事と生活のバランスが向上したように思うと報告しています。
  • リモートワーカーのほうが、25% ストレスが少なくなっています。
  • 従業員の 36% が、昇給よりも在宅勤務を選ぶと思うとしています。
生産性の向上
  • 雇用主の 2/3 以上が、リモート労働力における生産性の増大を報告しています。
  • リモートワーカーの 86% が、ホームオフィスのほうが生産性が高いと述べています。
従業員の離職率の低下
  • 従業員のリモート勤務を認めている企業の 46% が、離職率が低下したと述べています。
  • 従業員のリモート勤務を認めている雇用主の 95% が、従業員の定着率に大きな影響があると述べています。
  • 米国人の 17% が、通勤時間を短縮するために転職しています。
コストの削減
  • 典型的なビジネスでは、従業員に就業時間の 50% のリモート勤務を認めれば、不動産にかかる諸経費を 11,000 ドル削減できるものと思われます。
  • 企業は定常的また限定的な在宅勤務を従業員が選択できるようにすれば、不動産費用を最大 40 ~ 50% 節約できます。
  • 従業員は、通勤費用が減るため、年間 2,000 ~ 7,000 ドル節約できます。

上表のデータは、Global Workplace Analytics 社および Staples 社の調査結果に基づいています。

リモート勤務を認めることに伴うあらゆるメリットを考慮して、すでに多数の企業がバーチャル労働力の拡大機会を活用しています。企業の中には、リモート勤務者の数がオフィス勤務者を上回るところもあります。

バーチャルコラボレーションの課題

異文化間のコラボレーションが可能になることから、チームが世界各地に拡大されることまで、従業員のリモート勤務を可能にすれば、さまざまなメリットがもたらされます。他方、チームがリモートで協力し合う場合に直面する課題もいくつかあります。これまでにリモート従業員の部下がいた場合や自身がリモート従業員であった場合には、誤解、バージョン管理、業務上の従業員の孤立化などの問題を経験したことがあるのではないでしょうか。

バーチャルコミュニケーションの課題

自分が送ったテキストメッセージやメールによって誤解が生じたときのことを考えてみてください。皮肉を込めた冗談のつもりで書いたコメントを同僚が真に受けてしまったことはありませんか?

あるいは、送信した後に誤解される可能性が高いと気付いたことはありませんか? 同僚と同じオフィスで働いていれば、相手のところに行って誤解を解くことができます。リモートワーカーの場合は、送信前にメールを読み返して、文面が適切かどうかを判断するしかありません。また、送信後は「同僚に電話してメールの意図を明確にしておく必要があるか」と自問します。

面と向かって話していないときは、誤解が生まれる可能性が高くなります。逆に、面と向かって話しているときは、誤解される可能性が低く、誤解を解くことも簡単です。

こうした誤解は、バーチャルコラボレーションを行う際に直面する可能性のあるコミュニケーション上の難点の一例にすぎません。

効率的なバーチャルコミュニケーションの障壁には、他に次のものが挙げられます。

  • インターネットの接続障害
  • ビデオ会議や音声会議の途切れ
  • 使用するアプリケーションやソフトウェアの一貫性または互換性の欠如

バーチャルコラボレーション

かつては、仕事を仕上げたら提出するという単純な流れに沿っていました。たとえば、1 人でプロジェクトに取り組み、期限までに上司に提出して確認してもらうというものでした。現在はリアルタイムのバーチャルコラボレーションが可能なため、従業員にも、業務の遂行プロセスの透過性を高めるとともに、作業中も他の人々のアイデアを積極的に取り入れるという発想の転換が求められます。つまり、今日のバーチャルコラボレーション環境では、仕事の途中でも人々がその内容を見ることができます。

バーチャルコラボレーションが成功するかどうかは、完成前のアイデアやプロジェクトを共有することに前向きかどうかにかかっています。

下書きのドキュメントが各種のデバイスでさまざまな人に回覧される図バーチャルコラボレーションには次のような弱みがあります。

  • 従業員が共有ドキュメントで作業したり、仕上げる前に共有したりすることに慣れていない。
  • チームが顔を合わせずにコラボレーションする方法について試行錯誤している。
  • グローバルチームは常識を働かせ、異文化に配慮したコラボレーション方法を学ぶ必要がある。

企業文化とのつながり

人々が社内で仕事をすることや、永年勤続することを選ぶ大きな理由は、企業文化です。従業員がリモート勤務すれば、企業文化がより抽象的な概念になる可能性があります。マネージャー、チーム、そして企業のやり方次第では、リモート従業員が日々オフィスに出社しなくても、企業文化の一員であることを実感させることができます。

企業文化にまつわるリモート従業員にとってのデメリットは次のとおりです。

  • 企業文化から孤立しているように感じられる。
  • 同僚とのランチや飲み会など、人々とつきあう機会がなくなる。
  • チームや社内のミーティング、社外の会合など、人々との交流を広げる機会がなくなる。
  • 社内で用意される飲食物や配付されるブランド景品など、社内の特典の恩恵を受けられない。

まとめ

まとめ

今日では、ボタンにタッチするだけで世界各地から専門知識を得ることや人々と協力し合うことができ、バーチャルコラボレーションがかつてないほど充実しています。

リモートで仕事をすることにはメリットもありますが、克服すべき障壁もいくつかあります。この後の 2 つの単元では、バーチャルコラボレーションについて詳しく見ていきながら、課題を克服する方法を確認するほか、バーチャルマネージャーのベストプラクティスもご紹介します。

リソース

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