キャリア開発の探索

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • チームメンバーが自分のキャリアに責任を持てるようにする。
  • キャリア開発におけるマネージャの役割を理解する。
  • 部下が複数のキャリアオプションを検討するのを助ける。

キャリア開発の探索

キャリア開発とは何でしょうか?

初めての就職先のことを覚えていますか? 初めての昇進はどうでしょう? 目新しく、刺激的で、やり甲斐がありそうだという理由で引き受けた仕事はどうですか? 新しい職位にこぎつけたときや、想像もしていなかった偉業を成し遂げたときに興奮を覚えませんでしたか?

あなたのチームメンバーも同じ気持ちになることがあるでしょう。そして、キャリアを積んでいく上であなたからのガイダンスやインスピレーション、サポートを求めています。

確かに、キャリアが向こうからやってくるのを待っている人もいます。けれども、マネージャは、メンバーが具体的な目標を持ってプランを立て、取り組むことを支援できます。メンバーがキャリアを積んでいけるようにサポートしていくかどうかはあなた次第です。

チームに「自らの運命をコントロールせよ。さもなくば、他人にコントロールされるだろう」という Jack Welch 氏の名言を伝えます。

キャリア開発とは、従業員が自ら望むことを行えるように支援することです。従業員が、自分自身、自身のキャリアに求めること、そこに到達する方法を理解できるように支援することです。仕事の目的や意義を見つけ、追求できるようにします。

従業員が自らのキャリアを明確に認識すれば、会社にもメリットがあることを忘れてはなりません。キャリア開発とは、従業員が情熱を抱く仕事に取り組めるようにすることと、従業員が各自の役割や機会を全うして会社の成功に貢献することとのバランスです。会社に利益がもたらされるのは、適時に適材適所を実現して、優秀な人材を維持している場合です。会社に優れた人材がいなければ、その目標を達成することはできません。

強み、情熱/キャリア上の関心事、ビジネスニーズの間でキャリア開発のストライクゾーンを見つけます。

あなたにもメリットがもたらされます。従業員が自らのキャリアアップにつながると思えば、モチベーションが高まり、積極的になり、組織に留まる可能性が高くなります。

Salesforce でのキャリア開発とはどのようなものでしょうか? Salesforce のグローバルビジネスオペレーションズ (GBO) は、世界各地で金融、IT、マーケティング、法人向けサービス、法務を担当する 600 名の従業員を対象に「Career Development Day」(キャリア開発デイ) を開催しました。そこでは、上級管理職との雑談会、役員討論会、キャリアリソースブースに加えて、キャリア管理、リーダーシップ、心の知能指数、およびストーリーテリングの力をテーマにした分科会が実施されました。

すべてにわたって、Salesforce プラットフォーム上に構築された GBO キャリアモバイルアプリケーションと、専用の「GBO Career Day」Chatter グループが活用され、参加者は終日、画期的なあらゆるイベントとつながっていました。参加者は開発プランを持ち帰り、各自のマネージャと四半期ごとに見直すことになっています。

キャリア開発は進化し、かつてのものとは異なっています。では、どこが変わったのでしょうか? かつてキャリア開発といえば、専ら昇進を意味していたように思われます。ところが、今はそうではありません。

「いやいや、従業員は常に昇進を目指していますよ」と思うかもしれません。

今日のフラット組織では、従業員に次の点を認識させることは容易ではないかもしれません。

  • 昇進の機会が減っている。
  • 昇進は、熱心な仕事振りや功績、在職期間に対する報奨として与えられるものではない。

昇進は、実のところ、次の 3 つが揃ったときに生じます。

  • ビジネス上の必要性
  • 欠員
  • 新しい役割やより広範な責任を担う従業員の即応能力や資質

キャリア開発は上昇のみではありません。上下左右の方向に進みます。

あなたの会社は、こうした新しい考えに切り替えていますか? こうした考えはリスクを伴うため、全社が採用しているわけではありません。従業員にキャリアアップする機会がなければ、従業員のコミットメント、生産性、そして満足度が低下します。

Corporate Executive Board 社による調査では、マネージャがキャリア開発を重視している場合は、従業員が積極的に取り組み、現職に留まる可能性が高いことが判明しています。

その反面、Corporate Executive Board 社による同調査では、次のような残念な結果も示されています。

  • 自らのキャリア開発にマネージャが積極的に関与してくれていると答えた従業員は 17% にすぎません。
  • マネージャの 2/3 は、従業員のキャリア開発を全面的には支援しません。
  • 従業員が自身のマネージャやキャリアの機会に対して肯定的な感情を抱いていなければ、離職する可能性が高まります。

辞められては大変です!

従業員のキャリア支援がこれほど大切なのに、マネージャが取り組まないのはなぜでしょうか? こうした思いをしたことはありませんか?

  • 「時間がない!」
  • 「昇進の話はしたくない」
  • 「いずれにせよキャリアアップさせる機会がない」
  • 「私が関与することではない。従業員本人の問題だ」
  • 「一体何と言えば良いのか。従業員の次の段階なんて私にはわからない」

従業員のキャリアを支援すればメリットがあることは明らかです。もちろん、途中で何らかの困難に直面することもありますが、恐れることはありません。当社がバックアップします。

ここで、あなたの役割について考えてみましょう。

マネージャの役割の理解

従業員から従業員自身のキャリアについて質問されたとき、すべてに答えなくてはならないと思っていませんか? それだとストレスを感じるのも関心を実際ところ、すべての質問には答えられなくても良いのです。

あなたの役割は、従業員の話に耳を傾け、フィードバックを共有し、サポートすることです。キャリア開発におけるリーダーシップの専門家である Beverly Kaye 氏が説明します

キャリア開発では、マネージャ、従業員、会社が互いのパートナーとなって協力し合います。


従業員 マネージャ Company
役割
  • 自分のキャリア開発を進める
  • 自分の強み、価値、関心事を知る
  • キャリア上の関心事と目標を明確にする
  • アクションを実行することに責任を持つ
  • 他の人と情報交換してオプションに関する知識を深める
  • マネージャとキャリアに関する会話を始める
  • 従業員の今後のキャリアをサポートする (指示ではない)
  • 従業員が成長できるようにフィードバックする
  • 昇進や異動に際して従業員を擁護する (支援者になる)
  • 従業員のスキルを募集職種に適合させる
  • 従業員をメンターや他の人に紹介する
  • 育成およびストレッチアサインメントを見つける
  • 従業員が次の役割に向けて準備できる経験に育成の重点を置く
  • 従業員がキャリア目標を明確にし、学習し、成長するのに役立つツールとトレーニングを提供する
  • 社内の人材募集を従業員が認識し、アクセスできるようにする
  • 従業員をサポートする方法についてマネージャをコーチングする
価値
  • 仕事の目的、意味、および重点を見つける
  • 成功するには何が必要かが明確になる
  • 自分と会社の成功に対する責任感が高まる
  • 何が従業員のモチベーションを高めるかが明確になる
  • 成功するには何が必要かを説明する際によりリラックスして自信を持てる
  • チームのエンゲージメントが高まる
  • 最適な人材を最適なタイミングで最適な職務に配置する
  • 最も有能な人材を惹きつけ、維持する
  • 戦略的な優先事項を達成する

これまでキャリアに関して従業員を適切にコーチングできていましたか? 「Career Coaching Self-Assessment」(キャリアコーチング自己評価) を実施して調べてみましょう。サンプルはコーチングとフィードバックパックにあります。

いかがでしたか?

次のことについて従業員を支援していますか?

  • 自分の希望とそれをキャリア開発にどう反映させるかについて全体像を把握する
  • 自分のキャリアを主体的に管理する
  • 社内で与えられる新しい機会について知る
  • 複数のキャリアオプションを評価する
  • 自分の関心事と会社のニーズを考慮して現実的なキャリア目標を策定する
  • 他の人と情報交換し、メンターを見つける
  • 学習と成長の機会を見つける

さらに読み進めながら、あなたがもっと力を入れたいことは何かを考えてください。これから、従業員のキャリア開発を支援するための多くのヒントと方法を学習します。では、始めましょう。

キャリアオプションの探索

キャリアのジャングルジムを覚えていますか? キャリアオプションにはさまざまなものが存在します。キャリアエキスパートの Beverly Kaye が言うように「目指す方向は上だけではありません」。マネージャの役割は、チームメンバーのためにこれらのさまざまなオプションの中から 1 つを選択することではなく、チームメンバーがそれらのオプションについて考えるのを助けることです。

部下がさまざまなキャリアオプション (水平、成長、上方向、下方向、探索、転勤) について考えるのを手助けします。

6 つの一般的なキャリアオプションは、次のとおりです。

  • 水平 — 別のチームに異動し、同じレベルに留まる。
  • 成長 — 同じ職務に留まり、新しい課題や学習機会を追加する。
  • 上方向 — 昇進によってより高いレベルの職務に就く。
  • 下方向 — 新しいスキルを習得するために、ビジネスの別の部署でより低いレベルの職務に就く。
  • 探索 — 社内の別の部署で短期間の任務に就く
  • 転勤 — 新しいことを経験するために、別の場所に移る。

Salesforce では、3 種類の「キャリア人格」を設定しています。これらの「人格」は、従業員がキャリアの方向性について考えるのを支援するために使用されるものです。次の動画を参照してください。

あなたの部下は自分の方向性を知っていますか? 彼らは、自分を登山家、冒険家、深海ダイバーのどれだと考えているでしょうか。詳しく見てみましょう。

登山家の Monti

登山家

「登山家」の Monti です。

  • Monti は、チーム内で昇進に挑戦する準備ができていて、製品マネージャになることを目標にしています。
  • Monti は、やる気があり、率先してより多くのことを行い、頂点に到達することに焦点を定めています。

冒険家の Ally

冒険家

「冒険家」の Ally です。

  • Ally は新しい仕事を試すことによるスリルを求めています。過去には営業を楽しみ、今はマーケティングに興味を持っています。マーケティングを試してみるために、初心者レベルの職務に就くことに前向きです。機会があるならば、別の場所に転勤してもかまわないと考えています。
  • 昇進に対する興味は薄く、キャリアにおいて新しい経験をすることに関心があります。

深海ダイバーの Dani

深海ダイバー

「深海ダイバー」の Dani です。

  • Dani はスターエンジニアになりたいと願っています。Dani は、今までも成果を残しており、まだまだ学習の余地があることを自覚しています。
  • 仕事やチームを変えることには興味がありません。さらに深く、同じ仕事でより多くのことをしたいと考えています。Dani は新しい技術スキルを身につけて、エキスパートとして意見を求められるようになりたいと思っています。

あなたの部下は、少なくとも 3 つの異なる方向に向かっている可能性があります。それぞれの方向性を自覚させるにはどのような手助けが必要でしょうか? また、それぞれの方向性を極める過程をどのように支援すればよいのでしょうか? 答えはシンプルです。キャリアに関する会話を実施しましょう。

リソース