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エンゲージメントと維持の重要性の理解

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 従業員エンゲージが重要な理由を説明する。
  • 従業員エンゲージメントがビジネス目標に与える影響を要約する。
  • エンゲージメントと採用の関係を明らかにする。
  • エンゲージメントが収益にどのように影響するかを説明する。

重要なのはチームのエンゲージメントレベル

Kiran は、仕事に多くの時間を投じています。果敢な目標を設定した上でそれを上回り、彼の職業倫理と積極性はチームメイトのやる気を刺激しています。6 か月間がむしゃらに働いた後、Kiran はマネージャーの Raven に昇進について尋ねました。

ストレスで疲れ切り、パンク寸前の Raven は、Kiran に次の四半期は自分の売上目標に専念するようにと言い放ちました。正しく評価されず、見捨てられたと感じた Kiran は、他社からの求人に関する LinkedIn メッセージに返信し始めました。それがキャリアを進展させる唯一の道のように思えたのです。

ピープルマネージャーであるあなたは、完了すべきタスク、出席すべきミーティング、管理すべきチーム、達成すべき目標で、自分の能力の限界に達しているように感じることがあるかもしれません。大量の受信メールと格闘し、問題があれば火消しをしていて、一歩下がってチームのエンゲージメントについて考える余裕はないでしょう。マネージャーが実際に必死の努力をしていることはよくわかります。

ただ、ここで考えて欲しいのは、重要なのはチームのエンゲージメントレベルだということです。Salesforce では、個人の寄稿者から経営陣まで、従業員は最も優れたリソースであり、成功の要因でもあると考えています。エンゲージメントを優先したことで、Salesforce は 2009 年以来 Fortune 100 Best Companies to Work に選定されています。多くの研究でエンゲージメントが生産性、ローヤルティ、顧客満足、財務上の伸びにつながることが判明しているため、これは Salesforce にとって期待できる評価でした。

これがあなたのビジネスにとって向かうべき方向と思われる場合、そして Salesforce がどのように従業員エンゲージメントを促進しているかについて関心がある場合、ここはぴったりの場所です。これから、エンゲージメントがどのようなもので、なぜ、どのように重要なのかを説明していきます。シートベルトを締めて深く腰掛けてください。まもなくチームのエンゲージメントを開始します。

従業員エンゲージメントの影響

従業員エンゲージメントは、注目の話題です。Deloitte が 106 か国の 3,300 社を対象に実施した 2015 年の「Global Human Capital Trends」(グローバル人材のトレンド) 調査では、従業員エンゲージメントと文化の問題が課題のトップになり、前年の調査結果の 2 倍となる 50% のビジネスリーダーがこの問題を「非常に重要」として挙げました。

「エンゲージメントは本当にそれほど大きな問題なの?」と驚くかもしれませんが、そうなのです。Gallup のグローバル調査によれば、積極的にディスエンゲージしている従業員の数はエンゲージしている従業員の 2 倍に達します。

その内訳は次のようになっています。

  • 13% の従業員はエンゲージしている。これらの従業員には、仕事への情熱、会社との深いつながり、会社を前進させようという意欲があります。主役級の優秀な従業員です。
  • 24% の従業員は積極的にディスエンゲージしている。これらの従業員は、仕事を憎み、それを態度に表し、同僚に悪影響を与えます。これらの従業員は、マネージャーが最善の努力をしてまともな状態に戻すか、どうにかしてチームから外す必要があります。
  • 63% の従業員はディスエンゲージしている。これらの従業員は、半ばゾンビと化して夢遊病のように日々を過ごし、仕事にほとんどエネルギーを費やしません。彼らは不満を持っていますが、会社を辞めるほどではありません。精神的には辞めていますが、会社に留まっています。

まだ、これらの数値を警戒しすぎないでください。こうした 63% のエンゲージしていない従業員を、優しく思いやりのある世話が必要な、しおれた花だと考えてください。サポート、配慮、有意義な仕事を与えれば、エンゲージするようになり、ビジネスを新たな高みへと進める力になる可能性を秘めています。

花に水をやっている女性

具体的には、エンゲージしている従業員はビジネスに次の効果をもたらします。

  • 新しい求人応募者を呼び込む
  • 会社を働きがいのある職場として支持する
  • さらなる責任を自発的に引き受ける
  • 同僚に支援を申し出る
  • 自主的に個人的なキャリア開発を進める
  • お客様の成功を促進する
  • 長期にわたり会社に留まる

エンゲージメントに投資することで多くの素晴らしい見返りがあります。従業員は成功、生産性、配慮を感じると、仕事に積極的にエンゲージするようになり、そうすることに満足を感じるようになります。この後で学習するように、エンゲージしている従業員はマネージャーの負担を軽減するだけでなく、新しいチームメンバーを採用しようとする際にも役に立ってくれます。

エンゲージメントと採用

他にも従業員エンゲージメントを促進する利点として、ヘッドハンターや競合他社を遠ざけるという効果があります。全員が仕事をやり遂げようという意欲に充ちた環境で働く従業員は、より良い条件を約束する人材スカウト担当者からの勧誘電話に応答する可能性が低くなります。

採用と言えば、最良の人材を引き付けられるかどうかにロールエンゲージメントがどう影響するかを見てみましょう。次のような状況を考えてみてください。エンゲージしている満足度の高い従業員は、他の人 (人材募集中の企業を含む) に会社での良い体験について話す可能性があります。ところが、私たちは良いことよりも悪いことから影響を受けます (負のバイアスと呼ばれる現象)。そのため、積極的にディスエンゲージしている従業員、つまり、仕事に心底不満を持つ人の方が、否定的なコメントを Facebook などのソーシャルメディアサイトや Glassdoor に投稿して苦情を広める可能性が高いのです。

星 5 段階評価で星 2 つを付けようか考えている、ラップトップを膝に置いてベンチに座る男性

Glassdoor は、従業員や元従業員が企業を匿名で評価するサイトです。それぞれの企業で働くことの良い点、悪い点、その他諸々の情報を共有しています。現在、米国の求職者の 61% が就職活動中に Glassdoor にアクセスし、企業の「内部情報」を得ています。ディスエンゲージしている従業員が Glassdoor を利用して「内輪の秘密」をさらしたら、会社のブランドと有能な人材への訴求力にどのような影響が及ぶか考えてみてください。

Salesforce では、Glassdoor でのレビューを定期的に監視し、多くの場合は応答しています。Salesforce では、従業員がエンゲージしていると、結果的に最も有能な人材を引き付け、維持できると考えています。面接プロセスから日々の体験に至るまで、採用する人材のエンゲージメントは、従業員の個人的な成功と会社全体の成長にとって不可欠です。また、この問題に取り組むのはトップレベルの経営陣だけだと考えているなら、その考えを改めてください。会社を辞める従業員のうち、75% の離職原因は直属上司です。マネージャーと従業員の日々の関わりが、エンゲージメントと維持を促進します。

エンゲージメントが収益に与える好影響

「エンゲージメントが素晴らしいことはわかったけれど、収益はどうなるのか」と考えているのではないですか? エンゲージメントを重視せずにビジネスを営むことは、母音なしでスクラブル (単語ゲーム) をやるようなものです。うまく行きません。

スクラブルの大きな文字 CXFQJ を見ながらデスクに座る人物

連続起業家であり、ニューヨークタイムズベストセラー『Employee Engagement 2.0』(従業員エンゲージメント 2.0) の著者である Kevin Kruse は、エンゲージメントと顧客サービス、維持、満足、ロイヤルティ、生産性、成長、利益には相関性があることを証明しました。では、収益がエンゲージメントによって増加することを示す統計のほんの一部を紹介しましょう。

  • エンゲージメントの高い従業員のいる組織は、エンゲージメントで劣る従業員のいる組織に比べ、2 倍の収益を達成している。
  • 従業員エンゲージメントスコアが高い会社は、平均的な従業員エンゲージメントレベルの会社に比べ、顧客ロイヤルティ (リピート購入、友人へのおすすめ) が 2 倍である。
  • 23,910 社を対象とした調査では、エンゲージメントレベルが上位 25% の企業の利益率は、下位 25% の企業を平均 12% 上回る。

つまり...

従業員のエンゲージメント = 顧客の満足 = 株主の満足 = ビジネスの成功

Salesforce は、こういったことをきちんと実施しているのでしょうか? そのとおりです!

Salesforce の V2MOM 目標設定プロセスでは、従業員エンゲージメントは最優先事項です。さまざまな方法でチームをサポートして、チームが Salesforce 家族の一員であることに誇りと意欲を感じられるようにしています。たとえば、次のことを行っています。

  • 働きがいのある職場を作る。革新的な従業員を集め、創出と協力によって最良の成果を出せる環境を提供します。
  • 会社が目指す方向についての率直なコミュニケーションを促す。 Salesforce 家族の各メンバーは Salesforce のビジョンの実践においてそれぞれの役割を果たします。
  • コーチングとフィードバックの文化を通じて能力を開発する。すべての従業員には、会社と共にキャリアを進展させる権限があります。

Salesforce ではチームの各メンバーを大切にし、仕事にどの程度の情熱を持っているのかに注意を払っています。 

メモ

V2MOM についての詳細は、Trailhead の「組織内の意思統一 (V2MOM)」モジュールを参照してください。

次の単元では、エンゲージメントの兆候を認識する能力を磨き、エンゲージメント計画を作成します。 

リソース

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