ビジネスコミュニケーションでのストーリーテリングの使用
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 人を惹きつけるコミュニケーションを行うために実行できるアクションを識別する。
- 人を引き込むチームミーティングとプロジェクトのキックオフを主催する。
この後の 2 つの単元では、次のような日常的なビジネスコミュニケーションにストーリーのスリルと興奮を取り入れる方法について学習します。
次に例を示します。
- ミーティング
- プロジェクトのキックオフ
- 最新の状況
- メールおよびソーシャルメディアコミュニケーション
- プレゼンテーション
さまざまなミーティングが毎日行われます。ミーティングが多すぎると感じるときもあるでしょう。ビクビクしながら出席するときもあるでしょう。でも、あなたが主催したミーティングが他のミーティングよりも有意義で興味深かったらどうでしょうか? そうなるように、トレーニングの一環としてここで学習しましょう。
単なる事実と比べて、ストーリーは 22 倍も記憶しやすいということをすでに学んでいます。その統計を実現しましょう。最初に、チームミーティング、最新の状況、プロジェクトのキックオフについて説明します。次の単元ではプレゼンテーションを取り上げます。
チームミーティング
毎週、多くのチームが集まって進行中のプロジェクトに関するミーティングをしています。チームミーティングは、プレゼンテーションとは異なり、チームと情報を交換できる機会です。
では、チームミーティングで人を強く惹きつけるための秘訣とは何でしょうか? 答えは簡単です! 直属の部下とステージを共有することです。ミーティングのストーリーを、ワンマンショーではなくアンサンブルにします。「チーム」に「私」はいません(たとえ「ミーティング」に「私」がいる場合でも)。
この後すぐに、人を強く惹きつけるミーティングのためのアイデアをいくつか共有しますが、まずは次の画像をクリックして Scott Jorgensen のクリエイティブなアドバイスを聞いてください。
「グループを集めてミーティングを進行するとき、メンバーにそれぞれのクリエイティブな側面を活かしてほしいのです。そこで私はメンバーにそういう状態になっていることを意識する機会を与えます。」— Scott Jorgensen、Salesforce、顧客戦略 & イノベーション
より人を引き付けるチームミーティングにするためのアイデアとして次のようなものがあります。
心がけること |
例 |
---|---|
ミーティングを活動またはパズルで始める。 |
Scott が推奨したように、最初の数分はアクティビティやパズルでチームをエンゲージさせるために確保します。Salesforce では、週次ミーティングを漫画のキャプションコンテストで始めるチームさえあります。これは、チームの緊張をほぐし、チームのクリエイティブシンキングスキルを活性化するのに役立ちます。 |
直属の部下にミーティングを進行する機会を与える。 |
他のメンバーにミーティングを進行させると、さまざまな方法でチームをエンゲージさせることができます。1 つ目は、ミーティングを主催する直属部下は、提示するトピックを見つけるために前もってチームに連絡する必要があります。その過程で、他のチームメイトが何に取り組んでいるかを知ることができます。2 つ目は、チームミーティングがまったく同じになることはありません。 |
直属部下が考えやアイデアを共有し、質問するように促す。 |
ざっくばらんな雰囲気を保ち、直属部下に率直な発言を促します。他の人がミーティングに参加するとき、成果に期待されていると感じるため、ミーティングのメッセージを維持する可能性が高くなります。 |
適切な場合はストーリーを共有する。 |
前の単元では、チームに刺激を与えるために共有できるストーリーの種類について学習しました。ミーティングの議題を補足するものであればエピソードを追加してもよいでしょう。たとえば、チームで予定している商品発売について話し合っている場合、前回の商品発売時にうまくいったこととそうでないことに関するストーリーを共有します。 |
最新の状況
取り組んでいるプロジェクトは刺激的ですよね? では、そのプロジェクトについて、メッセージが簡潔明瞭に伝わるように、そして人を惹きつけるように話す方法を学習します。
相手がメッセージを聞いて思い出せるようするために使用できるアイデアとして次のようなものがあります。
レポーターのように考える
ニュースレポーターは、最新の状況を伝える技術を知っています。夜のニュースでメッセージを伝えるだけでなく、それを簡潔に行います。実際に、夜のニュースでレポートされるストーリーの 50% は、放送時間が 30 秒以下です。
どうやっているのでしょうか? また、同じ方法を使用して、最新の状況を短いニュースに変えるにはどうすればよいのでしょうか? 答えは簡単です! 「5 W」を試してください。
5 W
共有 |
例 |
---|---|
Who (誰が関わっているか?) |
「私はクリエイティブサービスの Sami と Jamal とコラボレーションしています。」 |
What (何の作業をしているか?) |
「Lightning の最新機能の概要を伝える 2 分間のマーケティング動画を作成しています。」 |
Where (どこで作業しているか?) |
「通りの反対側にあるスタジオで録画しています。」 |
Why (なぜ作業しているのか?) |
「Lightning に多くの人が胸躍らせ、素晴らしい UI を確認できるようにするためです。」 |
When (いつプロジェクトは完了するのか?) |
「プロジェクトは予定どおりに進んでいて、次の金曜日までにレビューできる状態になります。」 |
5W を使用して最新の状況をまとめる場合、もう 1 つ W を追加して、What (何をチームに求めるか) の共有が必要になることがあります。
たとえば、「皆さんには金曜日の試写の後に動画をレビューしてフィードバックしていただく必要があります。」と依頼する場合などです。
ミーティングでの最新の状況については、簡潔にして関連性を持たせる必要があります。短いストーリーのようなものだと考えてください。
プロジェクトのキックオフ
プロジェクトのキックオフには、通常のミーティングよりもはるかに多くのことが必要です。人々を活気付ける必要があります。達成しなければならないプロジェクトとそのプロジェクト内の人々のロールを定義する、刺激的な機会です。
チームと同僚の指示を得るために、プロジェクトのキックオフの主催者であるあなたにはすべての視線が注がれています。
ストーリーまたはエピソードで開始する。 プロジェクトに関連する短いストーリーを新たに作成するか、既存のものを流用します。 |
例: 「私は新卒で就職したときのマネージャを忘れはしません。彼女は私のメンタリングや将来についての話し合いにあまり時間を割きませんでした。そのまま 1 年が経ち、私は自分のキャリアが大失敗だと感じました。ところが、次のマネージャは私の面倒をよく見てくれました。私が今日あるのは彼女のおかげです。このマネージャは、私が将来を思い描けるように手助けしてくれました。すべてのリーダーは 2 人目のマネージャのようであるべきだと思います。」 |
なぜ必要なのかを説明する。 プロジェクトを実施しない結果として発生する (発生する可能性がある) 問題について説明します。 |
例: 「Salesforce には、素晴らしい文化があります。マネージャは、Ohana の価値を実践するロールモデルとなる必要があります。」 |
ビジョンを共有する。 プロジェクトで何を達成するのかを提示します。 |
例: 「私のチームでは、マネージャおよびリーダー向けオンライントレーニングを開発し、優れたリーダーになるための情報とベストプラクティスを提供しようと考えています。」 |
役割を定義する。 他の人に参加できるかどうかを尋ね、期待値を設定します。役割と各自が実行すること、しないことを明確にします。 |
例: 「私のチームの Bailey がプロジェクトリーダーになります。各分野のエキスパートおよび関係者として参加をお願いした皆さんには、関心度と参加できる範囲を調査させていただきます。」 |
タイムラインを共有する。 全員が参加可能であること、プロジェクトのスケジュールに責任を持つことを確認します。 |
例: 「これは、プロジェクトのタイムライン案です。ご質問はありますか?」 |
次のステップを明確化する。 ミーティングを締めるときは、次回の全員ミーティングがいつになるのかをグループに伝えます。 |
例: 「開発の第 1 フェーズでは、隔週でミーティングを開催したいと思います。」 |
日常的なミーティングやキックオフについては習得できたので、次はメールや、Chatter などのビジネスソーシャルメディアを介してコミュニケーションする方法を見てみましょう。
書いた内容が、仕事上のあなたに関するストーリーを伝えます。最高バージョンのストーリーを伝える必要があります。
メール
メールでは事実とアクション項目を伝えます。メールは、ミーティング時間の設定や、ミーティング後のフォローアップに適しています。
よいストーリーと同様に、メールは「なぜで始める」必要があります。なぜ私はこのメールを送信するのか、受信者に何を求めているのか? と自問してください。
最も重要なのはメールの件名
件名では、メールを送信する理由を明確にします。何かを依頼するメールなら、第 1 パラグラフか、第 2 パラグラフの 1 行目で依頼します。そうすると、メールを送信した理由を読み手が把握できます。
ほとんどの人は直感的に、メールの冒頭で多くのコンテキストを説明したり、ストーリーまで語ったりして、最後に依頼をしてしまいます。これは止めましょう! メールにテキストが多すぎると、件名とメールの冒頭で明快に依頼した場合よりも相手の反応が悪くなります。
メールを送信する方法については、次の簡単なヒントを参考にしてください。
適切な方法 |
不適切な方法 |
---|---|
簡潔にする |
同僚に小説のような長文を送信する |
該当するスレッドを続ける |
トピックを変更して返答する |
主要な日付とアクション項目を太字にする |
主要な日付とアクション項目がテキストに紛れてわかりづらい |
箇条書きを使用する |
1 つの長いパラグラフを送信する |
仕事のメールらしくする |
テキスティングの略語を使用する (you を u にするなど) |
[送信] を押す前に考える |
感情的な状態でメールを送信する |
フォローアップする |
2 件のメールを連続して送信するのを避ける |
ビジネスでのソーシャルメディア
おそらく意識していないでしょうが、ソーシャルメディアで [投稿] をクリックしたり、状況を更新したりするたびに、あなたたはストーリーを伝えているのです。個人的な計画や目標に関するストーリーを伝えています。
会社のブランド化と同じように考えてください。ソーシャルメディアでの存在感は、あなたのブランドの延長です。今回、このトピックを詳しく掘り下げることはしませんが、投稿方法に関する考え方をいくつか共有しておきます。
ビジネスで (またはどこででも) ソーシャルメディアを使用する場合、重要なのは、1 対 1 でやりとりしていても他の人がそのディスカッションを覗けると知っておくことです。つまり、あなたが投稿にコメントしたかどうかを他の人が確認でき、それが別の人宛てのものでも内容を読むことができます。
Salesforce では、社内のソーシャルメディアプラットフォームとして Chatter を使用しています。Chatter を使用してチームに関する更新を投稿する場合は、メールに関するヒントやコツの多くを考慮します。それらは Chatter 投稿にも当てはまります。
たとえば、箇条書きは読者の注意を引くのにとても効果があります。
Chatter に効果的に投稿するには、次のヒントを参考にしてください。
- 主要なメッセージを特定する (たとえば、イベントなど)
- フォローされている人を引き込む質問をする
- チームとその他の関係者に @メンションする
- チームメンバー各自の作業についてはメンバーを信用する
ソーシャルメディアや Chatter についてのもう 1 つの重要事項は、投稿する前にビジネス上の意図を考慮することです。投稿内容がブランドに貢献するかどうかや、仕事で達成したいことの妨げになるかどうか、自問します。
ストーリーテリングについて学んだことを活かして、ビジネスコミュニケーションを単なる事実以上のものに変えることができました。
次の単元では、プレゼンテーションでストーリーテリングを使用する方法について学習します。