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ビジネスでのストーリーの価値

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ビジネスでどのようにストーリーテリングが使用されるかを挙げる。
  • ストーリーがどのように企業のイメージやブランドの形成に役立つかを要約する。
  • ストーリーがどのように複雑な情報を記憶に残すかを説明する。
  • ストーリーがどのように感情を呼び起こし、行動する気にさせるかを認識する。
  • Salesforce でどのようにストーリーテリングが使用されているかを説明する。

ストーリーテリングの重要性

私たちの周りにはいつもストーリーがあります。私たちは寝る前に本を読んだり、通勤時間に最新ニュースをチェックしたり、お気に入りドラマの全シーズンを一気見したりします。個人的な挑戦や成功の話をして互いに共感を抱き、共通の思い出話をして笑い合います。 

ストーリーはただの楽しみではありません。世界を理解し、世界から逃げ出し、世界とつながるために重要な役割を果たします。 

ベッドで読書する女性、スマートフォンでニュースを読んだり、ポッドキャストを聞いたりしている通勤客、テレビを見ている男性、会話している男女を示す 4 つのシーン

ストーリーテリングは非常に効果的で影響力があるため、実際に企業は日々、価値を創出し、エンゲージメントを促進するためにストーリーを利用しています。具体的には、企業は次のような場合にストーリーを使用します。

  • 会社のイメージやブランドを形成する。
  • 複雑な情報を記憶に残す。
  • 感情を呼び起こし、行動する気にさせる。

この使用方法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。 

ストーリーは会社のイメージやブランドを形成する

ビジネスでのストーリーテリングは、多くの場合、会社のストーリーで始まります。ストーリーには、会社の沿革、ミッション、ビジョン、顧客、従業員、価値提案 (会社のブランドを競合相手と差別化するもの) が含まれています。 

会社のストーリーが重要である理由は次のとおりです。

  • 会社を顧客にアピールする。
  • テクノロジーの変化に左右されず、時代と共に進化する。
  • 新しい従業員を惹きつけ、現在の従業員の連帯感を高める。

企業は、顧客の好みを知るために膨大な調査を行っています。それを基に組み立てたストーリーがブランドストーリーであり、「カスタマーエクスペリエンス」と呼ばれるものです。これらのストーリーを使用することで、顧客はつながりを感じ、最終的には他のあらゆる商品もある中で、その会社の商品を購入します。

会社のストーリーはビジネスが世界の変化に左右されず、共に進化するために役立ちます。テクノロジーが進歩すると、商品がすぐに廃れることもあります。そのため、長持ちする会社のストーリーは、販売する商品と同じくらい重要であると企業は学んでいます。

会社のストーリーは、顧客を惹きつけるだけでなく、従業員も惹きつけます。ストーリーからその会社の文化の価値や、人々がなぜそこで働きたいかが伝わり、その会社で働くことがどのようなものであるか想像できるからです。優れた会社のストーリーは既存の従業員も活気づけ、自分が評価され、より大きな存在の一部であると感じさせます。

ストーリーは複雑な情報を記憶に残す

企業は、ブランドを築くことに加え、長く印象を残すためにストーリーを使用します。スタンフォード大学の研究によると、ストーリーは事実や数値だけの場合に比べ最大 22 倍も記憶に残りやすいのです。

ストーリー (たとえ会社のストーリーでも) を読んだり聞いたりすると、感覚や想像力が活発になるからです。事実を理解しようとするのではなく、その事実を「体験」します。そしてその体験は鮮明で記憶に残ります。

* 「Stories stick and there is the science to prove it (ストーリーは記憶に残ることを科学的に実証)」、FIPP、2016 年 8 月 15 日 

ストーリーは感情を呼び起こし、行動する気にさせる

神経科学の画像は、事実やデータを聞いたとき脳では 2 つの部分のみが活動するのに対して、ストーリーは脳の 7 つの異なる領域を活性化することを示しています。*よいストーリーでこれだけの神経活動が起きるため、大きな感情も呼び起こすことは不思議ではありません。 

ブランドストーリーとそこから呼び起こされた感情が消費者の判断に大きな影響を与えます。適切なストーリーを共有することで、企業は共通の体験を利用し、顧客の共感を引き出し、最終的に顧客を行動 (購入) する気にさせます。 

* 「What a Good Brand Story Does to Your Brain (よいストーリーによる脳への作用)」、Brand Foundations、2007 年 4 月 6 日 

ストーリーは Salesforce の通貨である

ここまでビジネスにおけるストーリーの効果を確認してきましたが、ストーリーテリングは Salesforce の文化の重要な部分であるため、驚きはないかもしれません。Salesforce の会長、共同 CEO、共同創業者である Marc Benioff は次のように述べています。「ストーリーは Salesforce における通貨です。それは私たちが成功を測定して伝え、お客様や私たち自身の意欲をかき立てる方法です。」 

たとえば、Salesforce にはストーリーの執筆を専門とするチームがあります。Salesforce はお客様と連携してお客様の課題をより深く理解し、カスタマーサクセスストーリーによってその成功を祝います。製品デモやプレゼンテーションでは、お客様の課題、希望、目標に対処し、Salesforce でお客様のビジネスがどのように変わるかがわかるように注意深くナラティブを作成します。Salesforce の上級管理職は、自分のリーダーシップ習慣を形成した重要な体験や教訓についてのストーリーを共有しています。また、社内向けの「Inside Salesforce (インサイド Salesforce)」ブログでは、刺激となる従業員の紹介、会社のニュース、キャリアアドバイス、価値のあるリソースなど、毎週、Salesforce のストーリーと文化を生き生きと伝えています。

Inside Salesforce ブログのストーリー

Dreamforce も忘れてはいけません。これは Salesforce ストーリーの究極の表現です。数日続くこのイベントから帰るときには、誰もが Salesforce のブランドナラティブと会社の価値に没入していたように感じます。 

Salesforce はなぜこれほどストーリーに力を入れるのでしょうか? 答えは簡単です。それが企業やお客様をひとつにし、世界の変化を促すための強い力となるからです。 

次の単元では、ピープルリーダーがストーリーを使用してチームの意欲を高め、ストーリーテリングの文化を創る方法を学習します。 

リソース

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