社内のあらゆる方向にフィードバックという贈り物を贈る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 会社内で多方向にフィードバックを行う。
  • フィードバックを行うときに自身の偏見についてじっくり考える。
  • フィードバックを行うときに手本を示す。

多方向 (上、下、横) に行うフィードバック

Salesforce Ohana の価値の 1 つである透明性についてはすでに取り上げました。透明性とは、次のようなことを意味します。

  • 率直かつ正直にコミュニケーションを取る
  • フィードバックに対して心を開き、受け入れる
  • 従業員がアイデアや意見を言えるようにする

さらに、フィードバックはただの一方通行ではありません。マネージャが直属部下にフィードバックをするだけでなく、透明性によって次のことが必要です。

  • 直属部下がマネージャに「上方向」のフィードバックを行う
  • 同僚が互いに「横方向」のフィードバックを行う
  • 部門の違う従業員が互いに「上方向」、「下方向」、および「横方向」のフィードバックを行う

格子状に並んだ 9 人の人が上下左右にお互いを見ています。フィードバックをやり取りすることは、サッカーをするようなものだと考えてください。サッカーをするときには、チームのさまざまなプレーヤーにボールをパスして回します。ボールはあらゆる方向から来る可能性があります。前方のストライカー、横方向にいるミッドフィールダー、または後方のディフェンダーへのパスが必要になる場合があります。この上、横、下へパスする間もずっと、すべてのプレーヤーの目標は同じ、ボールを相手チームのゴールにできるだけ多く入れてゲームに勝利することです。

フィードバックは、サッカーで走りながら互いにパスし合う練習をして全体的な攻撃得点能力を伸ばすようなものです

Salesforce では、全員が同じチームで「サッカーをし」、ゴールして得点しようとしています。ボールをパスするためにフィールド全体に目を配り、どのチームメイトからでもより楽にボールを受けることができるように努力しています。勝利を収めたチームのように、ボールさばき、パス、チームワーク、そして最終的には全体の攻撃得点能力を高めようと時間をかけて練習しています。つまり、私たちは上方向、下方向、横方向、他部門、そしてグローバルにフィードバックを行うことに熱心に取り組んでいます。

下方向へのフィードバックについては、この単元と「コーチングとフィードバック」モジュールの「フィードバックを行う/受ける」単元で詳しく説明しました。では、上方向と横方向のフィードバックについてはどうすればよいでしょうか?


行う側 受ける側
上方向
  • 率直で正直になり、勇気を持つ。
  • 上位職の人物から自由で率直なフィードバックを求められたときは応じる。
  • SBI を使用する。
  • 質問に答え、具体的な話しができるように準備する。
  • フィードバックを求める。何回も依頼します。あなたが真摯にフィードバックを求めていることを相手が信じるまで時間がかかるかもしれません。
  • 実際にフィードバックを受けるときには心を開き、喜んで受け入れる。
  • 相手の話をよく聞いてから答える。
  • 好奇心を持ち、質問をして理解を深める。
  • 理解した内容を相手に再確認する。
  • フィードバックの内容をどう取り入れるかを話し合う。
  • 行動によい変化を起こす。
  • 勇気を持ってフィードバックを共有してくれたことを相手に感謝する。
横方向
上記に加え、次のヒントを念頭に置きます。
  • リラックスできるように堅苦しくない場所で会話する。
  • 合意点 (たとえば、一緒に取り組んでいるプロジェクトなどで) を模索し、優先度を調整する。
  • 善意でフィードバックを行っていることをはっきりと告げる。
  • 親密さと信頼を築くために相手を個人的にもっと知ることを検討する。
上記に加え、次のヒントを念頭に置きます。
  • 善意を前提にする。
  • フィードバックをまたとない学習と成長の機会として考える。
メモ

メモ

さらに、フィードバックの方向が上、下、横のいずれであっても、必ず本人に対して直接行います。つまり、同僚 Bob に関するフィードバックを同僚 Lee にしないようにしてください。それはただの噂話です。Bob に関してフィードバックするときは Bob と話します。Lee に関してフィードバックするときは Lee と話します

偏見を常にチェックしながら行うフィードバック

「職場における平等の推進」トレイルでは、職場での「無意識の偏見の影響」について学習しました。平等のバッジを獲得しました。

それなら、私たちは誰でも偏見を持っているということを覚えているはずです。「誰? 私のこと?」そうです。あなたにさえ偏見はあります。

「偏見って何でしたっけ?」Google で検索してみましょう。「偏った見解。中正でない意見。」と表示されます。

では、偏見とフィードバックのやり取りとはどう関係するのでしょうか? ご想像のとおり、フィードバックを行うときも、受けるときも、偏見の影響を受けているかどうかを考えることが非常に重要です。無意識の偏見 (意図も認識もしていない偏見) についても同様です。あなたを含め、大抵の人はフィードバックをするときに偏見の影響を受けたくないと思っています。

では、フィードバックを行うとき、どうすれば偏見をチェックできるでしょうか? 次の推奨事項を検討します。

検討対象 検討事項
使用する言語
  • 自分とは母語が異なる相手にフィードバックを行うとき、翻訳で失われるものは?
たとえば、文章や会話では翻訳されない可能性がある「俗語」を意識します。
  • あなたのユーモアやスポーツへの愛を理解できない相手に、たとえ、隠喩、ジョーク、スポーツ選手の名前などを使用していませんか?
たとえば、「超特大の場外ホームランだったね!」と言うのではなく「お客様へのプレゼンテーションがとても素晴らしかったですよ!」と言いましょう。
相手への親近感
  • 親近感を感じる相手にフィードバックを行うときはアプローチが変わりますか?
たとえば、出身大学や出身地が同じ人にフィードバックするときは、アプローチが変わりますか?
  • すぐに親近感を感じる場合、無意識のうちに相手の弱みや欠点を最小化し、強みを過大評価していませんか?
たとえば、同僚の Jim が娘のサッカーチームのコーチをしていて、親として親近感を感じているため、無意識にひいきする (余裕のある期日を設定する、期日を守れなくても問題にしないなど) 場合などです。
あなたの思い込み
  • 物事は見かけとは異なるため、思い込みがあると、自分が何を見るか、それをどう認識するか、それに対してどうフィードバックするかに影響を与えます。
たとえば、Jodie は朝のミーティングに遅刻してきました。あなたは Jodie が仕事にあまり熱心ではないと決めてかかっていますが、実際には、彼女は病気の親の世話をしていたために遅れたのです。
  • 実際に何を見て、どう認識したかについて詳しく知るにはどのような質問をすれば良いでしょうか?
たとえば、チームメイトに連絡して状況を把握します。「昨日のミーティングで来週のボランティアにチーム全体で協力することを話していたとき、口数が少なかったけれど、この計画についてどう思っていますか?」
  • どうすればフィードバックが事実と観測可能な行動に基づいていると確信が持てるでしょうか?
たとえば、この表を読み終えた後に学習する SBI、つまり「一般化対行動」モデルを使用します。
あなたの計画
  • このフィードバックは本当に相手を助けようとして行っているのでしょうか、それとも、自分が意識的または無意識に対処しようとしている個人的な作業計画に関係しているのでしょうか?
たとえば、同じプロジェクトで働く他部門の同僚に作業が完全に終わっていないとフィードバックしましたが、実際には、あなたがプロジェクトのニーズ、範囲、期日をきちんと伝えていなかったのかもしれません。

ふう。フィードバックを行う前にじっくり考えなければいけない質問が沢山ありました。意図していたフィードバックが実際には無意識やセルフモチベーションの投影になることもあるかと思うと、気が遠くなります。

偏見は、日常的に見かけるとてもありふれたことや他人に対する決めつけから生じる場合もあります。偏見に陥りやすい罠の 1 つとして、レッテル貼りや思い込みなど、他人に対する大まかな一般化があります。こうした一般化の多くは、具体的で観察可能かつ客観的な行動ではなく、認識に基づいています。

実際にはどうなるのでしょうか? 次の表は、左側に一般化、右側に観察可能で客観的な行動があります。確認してみましょう。

一般化 観察可能/客観的な行動
「彼はいつも遅刻する。」
彼は過去 3 回のチームミーティングに遅刻した。
「彼女は仕事中毒だ。」
彼女は前回のプロジェクトで休みなく働き、期日より前に完了した。
「彼女は一緒に働きづらい。」
彼女は、火曜日のミーティングスケジュールを直前に変更したために、他の人が変更後の時刻に集まらず、苛立っていた。
「彼はチームプレーヤーではない。」
Apex プロジェクトで、彼は土壇場で他のチームメンバーに相談せずに予算を要求した。

左側の一般化と右側の行動の違いについて何か気が付きましたか? 左側では、焦点は人物そのものにあります。右側では、焦点は行動にあります。

自分の偏見をチェックしましょう!

自分の偏見をチェックしましょう!

「彼はいつも遅刻する。」本当にそうですか? それとも、過去 3 回だけ遅刻したのですか?

「彼女は一緒に働きづらい。」本当にそうですか? それとも、今はスケジュールを管理するのに忙しくて苛立っているだけですか?

「彼はチームプレーヤーではない。」本当にそうですか? おそらく、合理的で妥当な理由があって彼は他のメンバーに相談せずに今回の決断を下したのではないですか?

どうすればよいかわかりましたか? 自分の偏見をチェックするだけでなく、他の人がこうした大まかな抽象化や一般化を行ったときには注意してあげてください。これは偏見や誤解を明らかにするだけでなく、実際に何が起こっているのかを明確にできるため、こうした問題に対するフィードバックを具体的で観察可能な行動に基づいて行うことができます。

マネージャが手本を示して指導するフィードバック

結局、フィードバックの文化を創り出せるかどうかは、マネージャが有言実行するかどうかにかかっています。

Harvard Business Review が公開した記事では、フィードバックをやり取りしやすい文化を創るうえでマネージャが果たす役割が強調されています。

「まず従業員が安心して間違えを認められる文化を育てることが必要です。従業員はリーダーを観察して受け入れられる行動や作法の手がかりを探しているからです。マネージャがスタッフに教えられる最も大切なことの 1 つは、(どんなに気恥ずかしくても) 誤りは免れないことを示し、誤りを認め、厳しいフィードバックをしっかりと聞き、次の挑戦に向けて是正措置に取り組める能力です。」

これでは、はっきりしませんね。具体的には、次の行動を取ることです。

  • 積極的にフィードバックを依頼する、フィードバックを行う
  • 弱いところがあることを示す
  • 失敗、欠点、成長すべき領域を認め、話し合う
  • この単元で説明したフィードバックの文化のすべての要素を受け入れて実践する
メモ

メモ

フィードバックの文化のすべての要素を実践する自信が付きましたか? フィードバックの文化パックから「Planning to Give Feedback」(フィードバックを行う準備) ツールと「Culture of Feedback Checklist」(フィードバックの文化チェックリスト) をダウンロードしてください。困難な会話に取り組む方法を考えるのに役立つだけでなく、フィードバックの文化のすべての要素をまとめた便利なチェックリストも含まれています。素敵なクリスマスプレゼントを贈りましょう!

まとめSalesforce では、フィードバックの文化の構想に取り組んでおり、「率直で正直なフィードバックを行う/受ける」ことを会社の最重要目標の 1 つにしています。

Salesforce にとって、この目標は次のようなことを意味します。

  • フィードバックのやり取りを日常にする
  • 勇気をもって会話をする
  • 互いをサポートし、全員が学び、成長し、人生で最良の成果を出すための手段としてフィードバックを使用する

これで、正直なフィードバックが従業員のエンゲージメントとパフォーマンスに大きく影響することを確信できました。そして、フィードバックをしないことで従業員に負わせるリスクについても理解できました。

では、自分自身に次のことを尋ねてみてください。

  • フィードバックの文化のどの要素を日常のやり取りに取り込み、自分とチームの成功を促進できるか?
  • どうすれば、厳しく、困難な会話に取り組むための勇気を出すことができるか?
  • 行う側、受ける側としてフィードバックが全体的に上達するにはどうすればよいか?

何事も上達するには、熱心さ、努力、そして適切な成長型マインドセットが必要です。今すぐ始め、自分をよく知る人に「もっと上達するにはどうすればよいか?」と尋ねてみましょう。

リソース