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説明責任の定義

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 説明責任とは何かを理解する。
  • 他者に説明責任を課す場合にどのような課題に直面するか判断する。

説明責任の定義

ハンバーガーとフライドポテト、石鹸と水、説明責任と委任……、切っても切れない対の関係は多々あります。最後の説明責任と委任についてはあまり聞いたことがないかもしれませんが、このモジュールの終了時にはこの 2 つが強固な対の関係であることに納得するでしょう。

説明責任と委任は持ちつ持たれつの関係で、委任のない説明責任はなく、説明責任のない委任もありません。そのため、このペアのそれぞれを検討して、チームがかつてない最高レベルのパフォーマンスを達成できるようにします。

Sammy はマネージャーの Tara に、家に着いたら明日の会議のデータをメールで送信すると伝えます。帰路の混雑に疲れ果て、夕食をたいらげたところで Sammy は図らずもデータを送信しないまま寝てしまいます。受信箱が空の Tara は当然イライラしながら、会議のために Sammy がやり終えている作業を徹夜で行います。翌朝、Sammy は自らの失態に気付きながらも、Tara がそのうち忘れてくれるのはでないかと思いながら Tara と話をしないようにします。

これまでに Sammy のような状況に陥ったことはありませんか? 忙しさに紛れて締め切りを忘れてしまうことです。誰でも相手を失望させるようなことはしたくありません。実際、過ちに向き合うぐらいなら、熊と対決したほうがましなように感じられます。あなたならどうしますか? また、Tara の立場だったら、Sammy の過誤にどう対処しますか?

オフィスで握手をしている人々

説明責任とは、自らの行為の責任および責務を引き受けることを意味します。つまり、期限を守ることを確約し、期限内に仕上げるために全力を尽くすということです。

チームの説明責任を確立する 3 つの方法は、現実的なタイムラインを設定し、相手に期待する内容を伝え、進捗状況を測定することです。では、説明責任の課題に正面から取り組むことができるように、1 つずつ見ていきましょう。

説明責任の課題

ポーカーで「I'm passing the buck」と言ってディーラーになることをパスするプレーヤー

ポーカーでは、プレーヤーがディーラーになる場合は「the buck stops here」、ならない場合は「pass the buck」と宣言します。前者は責任を引き受けることを示し、後者は責任を回避することを示します。こうした表現の起源は、米国開拓時代に開拓者らがポーカーの最中、鹿の角 (buck) の柄のナイフを置いて誰がディーラーであるかを示したことに遡ります。ディーラーになるかどうかに関係なく、宣言をしたらナイフを次の人に渡します。

急速な変化を伴う昨今の複雑な職場環境において、説明責任はナイフを回すよりもやや複雑です。業務を遂行するために、あるいは何人もの利害関係者や従業員が関与する目標の承認を得るためにナイフを振りかざすことはできません (そんなことはしないと思いますが……)。

説明責任は、役員と一般従業員との間で双方向である必要があります。あなたがへまをすれば、部下や同僚があなたに説明責任を求めます。説明責任について話すことが厄介な場合でも、説明責任を徹底すれば、数値指標に到達し、最大のチャレンジ目標を達成するために必要な信頼が築かれます。

「堅苦しい話は好きではありません。各人の自覚に任せればいいのではないですか?」と思うかもしれません。けれども残念ながら、そうはいきません。あるチームメンバーのパフォーマンスが振るわないからといって、そのチームメイトらは 2 倍の仕事をしてカバーしようとは思いません。ですから、マネージャーがこうした会話を避けていれば、5 人の従業員のうちの 4 人から、自分たちの生産性、満足度、仕事の質が損なわれていると言われることになります。そうなれば大きな問題です。『Psychology Today』誌によると、調査対象者の 93% が、担当業務をこなしていない同僚がいると回答したということです。93% です!

マネージャーとしての最大の責務の 1 つが、威圧的になることなく、チームメンバーがプロジェクトやアイデアに対する責任を率先して引き受けるようモチベーションを高めて奨励することです。必ずしも容易なことではありません。この最も効率的な手法の 1 つが、各自の業務が重要である理由や、特定のプロジェクトを担当する必要がある理由をチームメンバーが理解できるようにすることであると、Ansar Ahmed と Kris Muller の両者が述べています。

心配いりません。当社にはチームの説明責任を確立するための「S.I.M.P.L.E.」という手法があります。

他者 (および自分自身) に説明責任を課す

私たちは家族や教師、友だちから説明責任を課されてきました。「宿題は済んだの?」という問いかけはその代表例です。問いかけた側は、「もうやったよ!」という明快な返事を期待しています。

ここで宿題を「レポート」や「プレゼンテーション」に置き換えてみます。基本的にマネージャーは同じ質問をして、「まだ済んでいないのですか?」ではなく、「順調ですね。頑張ってください!」といった会話になることを想定しています。こうした励まし口調にチームメイトは前向きに反応し、自らの貢献がきちんと評価されていると感じます。あなた自身の仕事をこなしていかなければならない場合、あなたならこのアドバイスをどのように活用しますか? 以下をクリックして、自分自身に説明責任を課す場合に具体的な目標を設定するという Ansar の見解をお聞きください。

この学習内容を本当に実践できるか不安に感じていても、心配いりません! 次のモジュールで、当社の「S.I.M.P.L.E」フレームワークを使えば説明責任を簡単に実践できることを説明します。

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