Salesforce API ソリューションを検討する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• ロイヤルティ管理インテグレーションの POS インテグレーションキットを挙げる。
  
• ビジネス API の種別について説明する。
  
• 呼び出し可能アクションの用途を説明する。
  
• SObject API の使用方法を説明する。
  

ロイヤルティを外部システムと統合する

異なるソフトウェアシステム間のインテグレーションを構築して管理するために、開発者は次のツールを使用できます。

• POS インテグレーションキット
  
• ビジネス API
  
• 呼び出し可能なアクション
  
• SObject API
  

各ツールについて学習し、Cloud Kicks の要件にどのように使用されるかを理解しましょう。

POS インテグレーションキットを設定する

Eugene の最初の作業はロイヤルティプログラムを POS システムと統合することです。この統合により、POS システム内でロイヤルティプログラムデータをリアルタイムまたはほぼリアルタイムに更新できます。その結果、メンバーは購入時に簡単にロイヤルティポイントを獲得したり利用したりできるため、カスタマーエクスペリエンスが向上します。

Cloud Kicks には全国に多数の店舗があり、すべての POS システムをロイヤルティプログラムと統合する必要があります。お客様が来店してメンバーシップ ID を提示すれば、該当するバウチャーや割引がシステムによって適用されるようにします。

Eugene はいくつかの標準 Salesforce インテグレーションパッケージを使用してこのインテグレーションを設定します。

2 つのシステムを統合するために、ロイヤルティ管理 POS API をインストールします。これはロック解除済みパッケージです。次の動画でロイヤルティ管理 POS API ロック解除済みパッケージのしくみをご覧ください。

別の方法として、MuleSoft が提供するロイヤルティ管理 POS API を設定することもできます。

ロイヤルティ管理 POS API はロック解除済みパッケージであるため、要件に合わせて変更できます。POS が一部の要件を満たさない場合、キットを編集するか、独自の API を作成できます。次に、Eugene が API を使用してサードパーティの e コマースプラットフォームを統合する方法を見ていきましょう。

ビジネス API を使用してロイヤルティプロセスを自動化する

ビジネス API を使用すれば、日常のビジネスプロセスを自動化できます。Cloud Kicks Inner Circle には、メンバーの登録、メンバー詳細の更新、ポイントのクレジット処理など、いくつかの日常的な標準プロセスがあります。このようなプロセスは、メンバーが e コマースサイトで対象となるロイヤルティトランザクション (購入など) を実行するとトリガーされます。Cloud Kicks はサードパーティの e コマースプラットフォームを使用しているため、お客様の購入、ポイント累積、報奨の利用を追跡するには、このプラットフォームをロイヤルティ管理と統合する必要があります。

Eugene はビジネス API を使用してロイヤルティ管理のプロセスを外部システムと統合します。作業の複雑度に応じて、静的 API と設定可能 API の 2 種類のビジネス API を使用できます。

静的 API

カスタマイズが不要な単純な作業には静的 API を使用します。

Cloud Kicks Inner Circle ロイヤルティプログラムには通常ポイントと呼ばれる対象外通貨があります。メンバーはプログラムに登録すると、100 ポイントの通常ポイントを受け取ります。Mary は、メンバーを登録し、ポイントをクレジット処理するロイヤルティプログラムプロセスを設定しました。[Credit Points (ポイントをクレジット処理)] 呼び出し可能アクションを使用してロイヤルティプロセスを設定します。

このプロセスが機能するように、Eugene はメンバーがサインアップするエクスペリエンスサイトとのインテグレーションを設定します。[Credit Points (ポイントをクレジット処理)] 標準呼び出し可能アクションを設定するには、関連付けられた URI を使用し、必要な入力を作成します。定義した設定は次のように動作します。

• メンバーが登録すると、システムはエクスペリエンスサイトに統合された [Credit Points (ポイントをクレジット処理)] 静的 API をトリガーします。
  
• API は登録の取引記録レコードを作成し、関連するロイヤルティプログラムプロセスをトリガーします。
  
• ロイヤルティプログラムプロセスは通貨名とクレジット処理するポイントの値を使用してメンバーのポイント残高を更新します。
  

やがて、ロイヤルティプログラムは進化して、複数のランクや報奨などが含まれるようになります。Mary がポイントのクレジット処理プロセスに条件を追加する場合には、設定可能 API を使用します。

設定可能 API

報奨や対象資格基準の変更が伴うプロモーションが頻繁にある場合には設定可能 API を使用します。Mary は、メンバーベースの拡大に合わせて、プロモーションを伴うポイントのクレジット処理の複雑なルールを作成したいと考えています。新しいルールに基づいて、メンバーは取引金額と等しいポイントを受け取り、購入した商品が実施中のプロモーションに含まれている場合には追加ポイントを受け取ります。

ロイヤルティ管理には [Credit Points (ポイントをクレジット処理)] ロイヤルティプログラムプロセステンプレートがあります。Mary はテンプレートをコピーし、要件に合わせてカスタマイズします。

Eugene は外部 e コマースサイトとのインテグレーションを設定します。メンバーが購入を行ったときに API がどのように動作するかを理解しておきましょう。

• メンバーが購入を行ったときにはポイントは獲得するのみです。そのポイントはまだクレジット処理されません。
  
• 設定可能 API は外部システムと統合されており、メンバーがポイントを獲得すると実行されます。
  
• API が関連ロイヤルティプログラムプロセスを実行し、API リクエスト内で指定された通貨名とクレジット処理するポイントの値を使用してメンバーのポイント残高を更新します。
  

次に、Eugene が呼び出し可能アクションを使用してロイヤルティプロセスを実行する方法を見てみましょう。

呼び出し可能アクションを使用してコードを簡略化する

開発者はカスタムタスクや再利用可能タスクのコードを記述し、それを呼び出し可能アクションにパッケージ化できます。呼び出し可能アクションは可搬性が高いアクションで、フローやプロモーション設定などの宣言型ツールで使用されます。入力を指定すると、アクションは有用な出力を返します。

Eugene はフロー内で [Run Program Process for Transaction Journal (取引記録のプログラムプロセスを実行)] 呼び出し可能アクションを使用してロイヤルティプロセスをトリガーします。取引記録が作成されると、取引記録種別と取引のサブ種別に応じて、関連するロイヤルティプログラムプロセスがアクションによってトリガーされます。

この呼び出し可能アクションは、すべての使用可能なロイヤルティプログラムプロセスに関連付けられたカスタムアクションをリストします。次に、対応するカスタム呼び出し可能アクションを使用して有効なロイヤルティプログラムプロセスをトリガーします。

SObject API を使用して Salesforce オブジェクトを操作する

SObject API を使用すると、開発者はプログラムによって Salesforce のオブジェクト、レコード、データを操作できます。これらの API では、レコードの作成、参照、更新、削除ができます。また、標準およびカスタム Salesforce オブジェクトのデータを照会または検索することもできます。Cloud Kicks がこの種類の API をどのように使用するかを理解しましょう。

Mary はお客様の趣味や活動などの好みに関するインサイトを得たいと考えています。さらに、このようなインサイトを使用して、パーソナライズされたプロモーションやコミュニケーションのためのメンバーセグメントを作成したいとも考えています。そこで、調査プラットフォームを使用してすべてのメンバーに対して調査を実施します。回答は収集され、調査プラットフォームのデータベースに保存されます。

次に、Eugene は SObject API (この場合はロイヤルティプログラムメンバーオブジェクト) を使用して、調査プラットフォームをロイヤルティ管理に統合します。このインテグレーションにより、調査の回答データをロイヤルティ管理に転送できるようになります。

調査の回答を正常に転送した後に、Mary はこのデータを使用して、お客様の好み (趣味や活動など) に基づいてメンバーセグメントを作成します。そうすれば、パーソナライズされたプロモーションやコミュニケーションを特定のメンバーグループに合わせてカスタマイズできます。

SObject API を使用すれば、ロイヤルティプログラムに関連付けられた取引先責任者、取引先、カスタムオブジェクトなどのメンバーデータを受信して同期することで、他のシステムとのインテグレーションが促進されます。

各種 API ソリューションによってロイヤルティ管理を他のプラットフォームと統合できることを学習しました。各インテグレーションの要件に対して、インテグレーションの全体的なアーキテクチャを設計し、ロイヤルティプログラムが外部システムとどのようなやり取りを行うかを決定します。発見事項に基づいて、インテグレーションを促進する適切な API を使用します。

API を使用して外部アプリケーションを Salesforce に統合する場合、それを媒介するアプリケーションも設定する必要があります。次の単元では、Eugene がこれを設定してインテグレーションプロセスを完了する手順を学習します。

リソース

• Salesforce ヘルプ: ロイヤルティ管理と外部システムの統合
• 開発者ガイド: Set Up Loyalty Management POS API Unlocked Package (ロイヤルティ管理 POS API ロック解除済みパッケージの設定)
• 開発者ガイド: Prepare for Integration with Retail and Restaurant POS APIs (小売およびレストラン POS API を使用したインテグレーションへの準備)