Lightning Experience と Salesforce Classic の比較
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Lightning Experience と Salesforce Classic の概要を説明する。
- Lightning Experience がビジネスユーザーの生産性向上にどのように役立つかを説明する。
- Lightning Experience と Salesforce Classic でページのパフォーマンスが異なる理由を説明する。
Lightning Experience でユーザーの作業を迅速化
Salesforce システム管理者であれば、Salesforce には Lightning Experience と Salesforce Classic の 2 種類のデスクトップユーザーインターフェースがあることをご存知のはずです。Lightning Experience にすでに移行済みの方もいれば、これから会社にロールアウトしようと計画を立てている方もいるでしょう。いずれの場合でも、最新のユーザーインターフェースの速度と機能をユーザーに利用してもらいたいと考えていることでしょう。
このモジュールでは、Lightning Experience のパフォーマンスに影響する要素について学習します。また、ネットワーク、ユーザーのデバイスとブラウザー、および組織設定を最適化して、すべてが最速に実行されるようにする方法も学習します。
ビジネスアプリケーションに対するユーザーの期待の増大
以前のユーザーインターフェースである Salesforce Classic を開発したとき、データ入力とレコード管理 (レコードを取得、編集し、クラウドに保存) での最適化が行われました。
消費者向け Web はこの 10 年で変容し、それに伴い Web アプリケーションの機能と活用法に対する期待も変化しました。この期待に応えるために構築された新しいユーザーインターフェースが Lightning Experience です。
Lightning Experience はアクションを重視して設計されており、ユーザーの生産性を向上させるエクスペリエンスを構築することができます。次の例を見てみましょう。
Lightning Experience の商談ワークスペース
Lightning Experience の商談ワークスペースは、営業担当が商談をより速くよりインテリジェントに処理できるようになっています。
会社のセールスプロセスをサポートするためにカスタマイズすることもできます。営業担当がレコードを更新して迅速に商談を成立させることができるように、営業担当向けのガイダンスを追加したり、重要な情報を強調表示したり、カスタムアクションを作成したりします。
Kanban ビュー
Kanban ビューでは、一連のレコードが列に整理されるので、営業担当は作業を一目で追跡できます。
営業担当は、商談カードをドラッグするだけで、レコードを次のフェーズにすばやく移動できます。
Lightning コンポーネントで構築された充実したユーザーエクスペリエンス
Salesforce 開発者は、Lightning コンポーネントを使用することで、商談ワークスペースや Kanban ビューなど、非常に優れた Lightning Experience 機能を作成しました。HTML5 や CSS3 などの最新の Web 標準に基づく Lightning コンポーネントフレームワークは、クライアント側の JavaScript とサーバー側の Apex コントローラーをサポートします。つまり、開発者は、ユーザー入力、時間、イベント、およびデータ更新に応答するリッチアプリケーションを構築することができます。Lightning Experience の利点を見てみましょう。
- ページが動的である。
- ユーザーは、表示密度を変更してページ上のデータの表示方法を制御できる。
- システム管理者は、標準コンポーネントとカスタムコンポーネントを使用してページをすばやく作成できる。
- 開発者は、ユーザーのデバイスにビジネスロジックを直接適用して時間を節約できる。
Salesforce Classic と Lightning Experience のページパフォーマンス
Lightning Experience はユーザーの生産性向上を目的に設計されていることがわかりました。これはパフォーマンスではどのような意味があるのでしょうか? 各ユーザーインターフェースで Web ページがどのように表示されるかを見てみましょう。Salesforce Classic では、Web ページはサーバーによって生成され (あなたの Salesforce インスタンス)、それからクライアント (ユーザーのデスクトップまたはモバイルデバイス) に表示されます。Lightning Experience では、ページはユーザーのデバイスでコンポーネントごとに徐々に読み込まれます。
コンポーネントにはサブコンポーネントを含めることができ、サブコンポーネントは親コンポーネントの後に読み込まれる場合があるため、ページの読み込みがいつ完了したかを測定するのは必ずしも簡単ではありません。そこで、「体験ページ時間」 (EPT) と呼ばれるメトリクスを使用して、エンドユーザーが体験するページの読み込み時間を表しています。
Salesforce は EPT を、ページの読み込み開始時点から少なくとも 2 フレーム (約 33 ミリ秒) でアクティビティがなかった時点までと定義しています。データ転送やユーザー操作などの非同期アクティビティをキャッチするために、追加の 2 フレームが必要です。EPT については、このモジュールの次の単元で詳しく説明します。
Lightning Experience のパフォーマンスに影響する要素
システム管理者は、ユーザーの Lightning Experience のパフォーマンスを最適化できます。留意する重要なポイントを次に示します。
- Lightning Experience ページはクライアントに徐々に読み込まれるため、ユーザーのブラウザーとデバイスのパフォーマンスの影響を受けます。
- Lightning Experience では、サーバーとクライアント間でデータが移動するとき、ページを表示するために多くの Web 交換を行う必要があるため、ネットワーク遅延の影響を受けます。
- カスタム項目やカスタムコンポーネントを多く含む複雑なページは、表示されるまで時間がかかります。
次の単元では、組織の EPT を測定する方法について学習します。ページのパフォーマンスを把握すると、問題を見つけて修正を開始するために必要な情報を得ることができます。