SLDS の支援者になる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- デザインシステムチームの構造と責任について説明する。
- SLDS の採用を支援する。
最新の SLDS の状況
「こんなに優れたものを、さらに向上させることができるのだろうか?」とお思いかもしれません。SLDS ファンの皆さん、答えはイエスです。Salesforce Lightning Design System の今日の状況とそれに参加する方法について、概要を説明します。
現在、SLDS には 2 つのデザインシステムがあります。
SLDS 1
2015 年にリリースされた SLDS 1 は、エンタープライズデザインの標準を確立しました。SLDS 1 は、セマンティックでアクセシブルなコンポーネントマークアップ、クロスブラウザー対応の CSS、アイコン、フォント、デザインガイドラインを備えた Salesforce 最初のデザインシステムです。
SLDS 2
2024 年にリリースされた SLDS 2 は、Lightning Platform 上に構築された Salesforce 製品向けのエージェント型デザインシステムの基盤です。柔軟なスタイリングフレームワークと高度なテーマ設定オプションを備えており、高品質なユーザーエクスペリエンスの作成、カスタマイズ、メンテナンスが容易になります。
コミュニティの責任
Salesforce Lightning Design System のすべての責任は、コミュニティ全体にあります。SLDS を作成するユーザー、管理するユーザー、使用するユーザーが責任を共有しているのです。システムデザインチームは SLDS 1 と SLDS 2 のキュレーションを行いますが、追加や変更は誰でも提案できます。SLDS の成功は、SLDS コミュニティからの積極的な参加にかかっています。
このしくみは次のとおりです。
Salesforce デザインシステムチームのデザイナーとエンジニアは次のことを実行します。
- デザインシステムをオープンソースプロジェクトとしてキュレーションする。
-
SLDS 1 と SLDS 2 の Web サイトを管理する。
- デザインシステム全般および SLDS についてユーザーを教育する。
- 開発者環境、プラグイン、デザインファイルなどのデザインシステムツールを作成する。
- Salesforce エンジニアリングチームと連携して、Salesforce 製品のコードを提供する。
一方、Salesforce 研究者、アクセシビリティ専門家、製品デザイナー、製品マネージャー、エンジニアは、個々のパターンについてデザインシステムに貢献します。貢献は、SLDS でまだ解決されていない問題を識別するところから始まります。デザインシステムチームは、貢献者と緊密に連携します。
この社内循環プロセスの外側には、Salesforce プラットフォーム上でアプリケーションを作成するパートナーやお客様の大きな外部エコシステムがあります。あらゆるオープンソースプロジェクトと同じように、SLDS には、活動的なオープンソースコミュニティによるアイデアの創出、フィードバックの提供、貢献の送信が必要です。
SLDS を使用する理由
Lightning Design System を使用することは必須ではありあせんが、ほとんどの Salesforce デザイナーが使用しており、それには妥当な理由があります。SLDS で一貫性が促進されるのは、一貫性そのものが目的ではありません。デザインに一貫性があると、ユーザーは Salesforce アプリケーションの標準部分の機能や使用方法を知っているため、ユーザーエクスペリエンスが向上します。優れたデザインでは、ユーザーのニーズが最優先されます。そのユースケースにとって最良のデザインが SLDS を使用しないものであれば、それでもかまいません。どの程度 SLDS を使用するかを選択できます。デザインチームの目標は、あなたに SLDS を使用したいと思わせることです。
ではなぜ SLDS を使用するのでしょうか? SLDS を使用すると、作業負荷と技術的な遅れを減らすことができるため、あらゆるサイズのプロジェクトを円滑に実行できます。この利点は、Salesforce Lightning テーマ、表示密度、右から左へ記述される言語へのローカライズ、ダークモードなどの領域に適用できます。SLDS は次のことを実現するソリューションの作成に役立ちます。
- 体系的で証明済みの信頼されるパターンを使用する。
- 機能の利用を促進する。
- より迅速に、技術的な遅れを抑えて拡張する。
- 障害のあるユーザーにアクセシビリティを提供する。
- Salesforce ブランドを反映する。
貢献者になる
貢献者は SLDS 1 の存在にとって大きな部分を占めます。お客様やパートナーは、SLDS 1 を使用するにつれて、その構造や機能に精通していきます。時間が経つにつれて、ユーザーは、すべてのユーザーにメリットがある SLDS 1 の改善点を思い描けるようになります。
SLDS 1 に貢献するには、SLDS 1 用のオープンソース GitHub リポジトリを使用します。それによって、Salesforce 内外のほかのデザイナーやエンジニアが時間を節約し、一貫性を促進し、知識を共有するのを支援できます。同時に、ほかの貢献者からの貢献の恩恵を受けることもできます。
SLDS 1 への貢献には高い基準が設定されています。完全なソリューションを設計して送信する前に、短い提案を送信します。提案内容がうまく機能するとデザインチームが判断すれば、そのアイデアに賛成の意を示し、貢献者と協力して進めます。貢献者は、パターンデザインガイドライン、開発者実装ガイドライン、アイコン、トークン、ブループリントも提供します。
SLDS アンバサダー
どのようなデザインシステムでも、そのメリットを最大化するには、製品チームが効率的に使用する必要があります。それを実現する 1 つの方法は、会社で SLDS 1 アンバサダーを推薦することです。
アンバサダーは、デザイナーと開発者と SLDS 1 キュレーターの間で調整役となる SLDS エキスパートで、情報、フィードバック、提案、貢献を共有します。アンバサダーはコンサルタントの役割を果たし、チームが SLDS 1 プロセスを実行するのを導き、ほかのユーザーがシステムを最大限に活用するのを支援します。会社のユーザー (またはユーザーのグループ) を SLDS 1 アンバサダーとして指名すれば、このユーザーが知識をチームのほかのメンバーに伝え、SLDS 1 の利便性を高めていくことができます。
準備はよいですか? 次に、SLDS 1 を使用するために必要なツールやリソースについて説明します。