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顧客エンゲージメントを強化する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 今日のライフサイエンスの商業チームとメディカルチームが直面する主な課題を説明する。
  • Life Sciences Cloud で商業計画、HCP エンゲージメント、コンプライアンスがどのようにサポートされるかを説明する。
  • 営業チームとメディカルチームのインテリジェントな実行を促進するために Agentforce が果たす役割を特定する。
  • 商品、テリトリー、取引先、活動を管理するためのコアツールを定義する。
  • ダッシュボードを使用することで、マネージャーが進行状況とパフォーマンスを監視し、エンゲージメント戦略を改善できることを説明する。

顧客エンゲージメントの新時代

今日の商業チームとメディカルチームは、複雑さの高まりに直面しています。価格の改革、アクセス制限、特許の崖 (薬品の独占権が消滅し、ジェネリックが市場に入ってくることによる売上の急落) によって利益幅が狭まっていますが、一方でパーソナライズされたエンゲージメントへの期待は高まり続けています。HCP は、専門分野、診療環境、科学的関心に基づいてカスタマイズされた関連性の高い会話を求めています。

一方、フィールド担当者とメディカルサイエンスリエゾン (MSL) は手一杯の状態です。担当者はより広いテリトリーを抱え、制約は厳しくなっています。MSL は厳しいコンプライアンスの範囲内で業務を行いながら、複雑なエンゲージメントを管理しています。いずれのロールでも、つながりのないツールや古いデータによって生産性が低下しています。

従来の CRM 拡張機能では追いつきません。現在の商業的な成功には、戦略的な計画、正確なエンゲージメント、データに基づく俊敏な実行が必要です。

顧客エンゲージメント向け Life Sciences Cloud (顧客エンゲージメント向け LSC) はそれを実現します。商業チームとメディカルチームは統合された基盤を使用して、顧客ライフサイクルのすべてのフェーズでスマートに計画し、すばやく行動し、意味のあるエンゲージメントを行うことができます。

では、そのしくみを見てみましょう。

さまざまなロール、共通の目標

顧客エンゲージメント向け LSC では、共通の目標に取り組む幅広いユーザーをサポートしています。各ロールには、強力なコラボレーションのための専用ツールと統合記録システムのメリットがあります。

Role (ロール)

目標

フィールド担当者

訪問の計画、承認済みコンテンツの提供、サンプルの管理、インサイトの記録をすべてモバイルファーストエクスペリエンスで実行する。

主要取引先マネージャー (KAM)

複数の複雑な機関取引先について戦略的な計画を策定し、実行する。

メディカルサイエンスリエゾン (MSL)

科学的なエンゲージメントとコンプライアンスを満たすフォローアップを連携させる。

マネージャー

さまざまな商品と地域での実行、パフォーマンス、ブランドの整合性を追跡する。

システム管理者

フローや Apex などのローコードツールを使用してルール、権限、ワークフローを設定する。

顧客エンゲージメント向け LSC では、構造、データ、エンゲージメントが一元化されるため、チームは重複を解消し、戦略についての認識を統一し、HCP とのすべてのやり取りを関連性が高く、タイミングが良く、コンプライアンスを満たすものにできます。

商品、テリトリー、アクセスを構造化する

成功する立ち上げはすべて構造から始まっています。ライフサイエンスでは、チームは誰が何を誰にどこで宣伝できるかについて厳しい制約の範囲内で業務を行う必要があります。このようなルールは商品、地域、ライセンス、ユーザーロールによって異なり、初日から適用する必要があります。

Life Sciences Cloud を使用して、システム管理者はさまざまなブランド、適応症、メッセージにまたがる商品階層を設定し、宣伝、サンプル提供、同意に関するルールが明確に定義された治療領域にグループ化します。メッセージング権限はユーザー種別、ライセンスレベル、地域に対応付けられるため、フィールドユーザーはすべてのステップでガードレール内で作業できます。

テリトリーも構造化されます。郵便番号、専門分野、所属データを使用して、システム管理者はエンゲージメントの境界を定義することで、どのユーザーがどの取引先にアクセスでき、どの商品についての会話が許可されるかを管理します。

次に、これが実際にどのように実行されるかを見てみましょう。Cumulus のチームは重症のぜんそく向けの新しいモノクローナル抗体の発売を準備しています。まず、商品カタログを作成し、それを呼吸器ポートフォリオにリンクします。メッセージング権限は適切な専門委員会による認可を受けたスペシャリストに限定され、サンプル提供は承認された地域のライセンスを持つアレルギー専門医と呼吸器科医に対してのみ許可されます。

次に、チームはテリトリー配置を定義します。所属データと郵便番号の検索条件を使用して、紹介ネットワークや提供者のカバー状況に合わせて地域を再定義します。担当者はテリトリー戦略に基づいて再割り当てされ、テリトリーレベルでメッセージング目的が設定されます。

Life Sciences Cloud では、商品管理機能によってこれを管理しています。この機能によって、システム管理者は商品階層の設定、商品とテリトリーの関連付け、メッセージと目的の定義を実行できます。次の画像は、システム管理者が商品のメッセージと目的を特定のテリトリーにリンクする方法を示しています。こうすることで、担当者は対象資格のある提供者にのみ治療を宣伝することになります。

選択されたテリトリーに対してメッセージと目的が選択されている [Product Alignment (商品配置)] 設定画面。

商品、権限、テリトリーを確定したことで、Cumulus はブランド戦略、規制コンプライアンス、地域の市場動向を反映した発売の基盤を確立しました。これはすべて最初の訪問が計画される前に行われます。

体系的な取引先データの基盤を築く

強力な商品だけでは十分ではありません。現場で成功するには、誰になぜエンゲージするのかを知っている必要があります。

Life Sciences Cloud によって、すべての取引先に構造とインサイトがもたらされます。個別の HCP と広範囲のヘルスケア組織 (HCO) の両方の詳細なプロファイルがサポートされ、専門分野、サブ専門分野、ライセンス、資格認定、所属などが取得されます。各プロファイルには、統合データモデルを使用してサンプル対象資格、商品アクセス、テリトリー割り当て、エンゲージメント履歴が対応付けられています。

Cumulus Pharma のチームはビジネスニーズに合わせて取引先種別をカスタマイズします。Life Sciences Cloud を使用して HCP レコードにライセンスとサンプルのフラグを追加し、レコードを所属する病院や診療所にリンクすることで、各提供者の紹介ネットワークと影響力を把握します。

HCP プロファイルの [Affiliations (所属)] タブを次に示します。1 人の医師が複数の病院、診療所、紹介ネットワークにつながっていることがわかります。

HCP 取引先レコードの [Affiliations (所属)] タブ。

アウトリーチに優先度を付けるために、[Ratings (評価)] タブを使用します。このタブには、エンゲージメントシグナル、科学的関心スコア、活動パターンの統合ビューが表示されます。

次の例では、さまざまな基準での医師の評価が並んで表示されています。このように、フィールドチームは 1 か所で HCP の状況をすばやく把握できます。

HCP 取引先の [Ratings (評価)] タブ。

チームは、専門分野、場所、商品対象資格などの共有属性によって取引先をセグメント化することで、地域内で上位のインフルエンサーを明らかにしたり、サンプル提供の候補者を特定したり、新しく活動している提供者を見つけたりします。

Agentforce により、HCP の活動から有用なインサイトを抽出するためのインテリジェンスが追加されます。AI を活用したサマリーにより、エンゲージメントのギャップや、処方行動の変化、所属の変更などを発生してすぐに把握できます。このタイムリーな情報を利用することで、担当者は状況を明確に把握して迅速に行動し、本当に重要なことに注力できます。

Cumulus は、正確で適切にモデル化された取引先データに投資することで、すべてのチームメンバーの出発点となる基盤を築くことができます。この基盤では、戦略が反映され、コンプライアンスが適用され、あらゆるエンゲージメントの改善がサポートされます。

エンゲージメントを計画して優先度を付ける

商品、テリトリー、取引先が設定されたら、次にフィールドチームには明確でインテリジェントな行動計画が必要です。商業業務部門は、Life Sciences Cloud を使用して構造化された活動目標を定義し、担当者は最もインパクトが大きくなる部分に日々の労力を集中させることができます。

KAM は、機関取引先向けにカスタマイズした戦略的エンゲージメント計画を作成します。この計画では、対象ステークホルダー、メッセージング目標、想定されるタッチポイントの概要を策定します。フィールド担当者はテリトリー固有の活動計画を受け取ります。この計画は、長期ブランド戦略を日々の実行に落とし込むものです。

Cumulus Pharma では、ぜんそく薬の発売に携わる各担当者が活動計画を受け取ります。この計画では、専門分野別の目標訪問頻度や、対面チャネルとリモートチャネルの使用に関するガイダンス、商品サンプル提供の目標が指定されています。このような計画は各ユーザーのワークスペースに事前に読み込まれるため、スプレッドシートや外部のトラッカーを使用する必要はありません。

Next Best Customer や Next Best Action などのツールを使用すれば、担当者は優先すべき対象を把握できるため、的を絞って取り組むことができます。おすすめは処方傾向、最近のエンゲージメント履歴、現在の対象資格状況に基づいています。各おすすめには短い論理的根拠が含まれているため、担当者はなぜその訪問が重要かを理解できます。

次の画像は、今後の HCP 訪問が日別に整理されているカレンダーです。活動は色分けされているため、担当者は 1 週間の取引先のカバー状況とブランド目的のバランスを取りやすくなっています。

優先される取引先と予定が表示されている週間計画ビュー。

優先度が設定されたら、担当者はこの計画ビューを使用して自分の 1 週間を整理します。この 1 つの画面から、提案された取引先をカレンダーにドラッグし、アクセス権と訪問履歴を確認し、目的を確定します。この構造化されたインテリジェントな計画フローを使用することで、すべての訪問をタイミングよく戦略的にブランド目標に沿って行うことができます。

インパクトの大きい HCP 訪問を実行する

Life Sciences Cloud には、フィールドユーザーとメディカルユーザーが確信を持ってコンプライアンスを満たす HCP エンゲージメントを対面またはリモートで行うツールが用意されています。

担当者は訪問前にモバイルワークスペースを開き、HCP に関する主要な情報 (専門分野、サンプル対象資格、同意状況、テリトリー配置、最近のやり取りなど) を確認します。Agentforce によって簡潔な訪問前サマリーが生成されるため、エンゲージメントのギャップ、コンテンツのおすすめ、サンプル提供の機会などを把握できます。

Cumulus Pharma のある担当者は、訪問の準備中に訪問エンゲージメントレコードを確認したところ、提供者がサンプルの対象になることを知ります。まだ一連の新しいメッセージングは受け取っていないため、これは対象限定アウトリーチの絶好の機会です。

担当者は、訪問中にライセンスとテリトリールールで絞り込まれた承認済みコンテンツを提供します。そのヘルスケア提供者がサンプルや今後のコミュニケーションを受け取ることに同意した場合、担当者はその場でそれを記録します。商品サンプルを手渡すときには、システムで自動的に対象資格ルールがチェックされ、数量制限が適用され、履行が記録されます。

商品提供が表示されている [Visit Engagement (訪問エンゲージメント)] パネル。

また、提供者が科学的な質問をして、担当者には回答する権限がない場合、担当者は簡単にその問い合わせを適切なメディカルチームに転送できます。

訪問後、担当者はやり取りで話した内容、共有したコンテンツ、同意した次のステップなどを記録します。すべての記録は取引先プロファイルに取り込まれ、今後の計画、コンプライアンス報告、エンゲージメント戦略の継続的な改良に活用されます。

どこでも適切なコンテンツを提供する

対面でもリモートでも、HCP とのすべてのやり取りは関連性が高く、コンプライアンスを満たした体系的なものである必要があります。Life Sciences Cloud を使用することで、ユーザーは必要な情報を必要なときに必要な場所で利用できます。

フィールド担当者と MSL の手元にある訪問インターフェースには、選定された承認済みコンテンツのライブラリが直接含まれています。コンテンツの表示は、テリトリー、商品割り当て、取引先制限によって絞り込まれており、適応外またはコンプライアンスに違反する共有は防止されます。

次の例は [Content (コンテンツ)] タブです。上部には最近表示した資料、中央には個人コレクションが表示され、側部ではお気に入りとトレーニングにすばやくアクセスできます。ここからユーザーはワークフロー内で直接、最新の承認済みコンテンツを絞り込んだり並べ替えたり開いたりすることができます。

訪問インターフェースのコンテンツライブラリ。

同意とコミュニケーションに関する希望はワークフロー内でネイティブに記録されます。HCP がメール、SMS、仮想セッションによるフォローアップコミュニケーションにオプトインすると、その選択が自動的に記録され、アウトリーチはコンプライアンスを満たしてパーソナライズされたものになります。

リモートエンゲージメントも完全に統合されています。ユーザーは 1 つのシームレスな流れで、音声セッションまたは動画セッションを開始し、コンテンツを共有し、デジタル署名を取得できます。訪問の途中で話題が変わった場合には、コンテキストやトレーサビリティを失うことなくチャネルを切り替えることができます。

結果を追跡して戦略を改良する

各エンゲージメントによって商業的な全体像に情報が追加されます。Life Sciences Cloud では、商業チームとメディカルチームの両方で、そのようなシグナルを捉えてアクション可能なインサイトに変換します。

フィールドユーザーと MSL は、訪問履歴、サンプル提供、問い合わせ状況を取引先レコードから直接参照でき、ツール間を行ったり来たりする必要はありません。マネージャーは、リアルタイムのダッシュボードを使用して商品、地域、チーム別のパフォーマンスを追跡し、トレンド、ギャップ、コーチングの機会を見つけます。

ダッシュボードは完全に設定可能で、チームはリーチ、頻度、訪問内訳、コンテンツ利用状況などの主要 KPI を監視できます。

組み込みコンプライアンスチェックによって、自動的に外れ値にはフラグが付けられ、組織は現場を遅らせることなく監査対応の状態を維持できます。

チームがより詳細な分析を行うには、Tableau を使用してインサイトを拡張したり、MuleSoft や Data 360 を使用して外部データを統合したりすることができます。

訪問計画達成メトリクスの Tableau ビジュアライゼーション。

この柔軟性により、市場の状況が変化しても、的確な実行を維持することができます。

よりスマートな商業業務

顧客エンゲージメント向け Life Sciences Cloud を使用することで、組織は、つながりがありコンプライアンスを満たすインパクトの大きい HCP 体験を提供できます。体系的に商品とテリトリーを管理し、正確な取引先データやインテリジェントな計画ツールを使用することで、チームは複雑な管理業務のための時間を減らしてアクセスの向上により多くの時間を使えるようになります。

次の単元では、臨床チームが研究を設計し、サイトを有効化し、参加者を登録し、細胞治療や遺伝子治療などの複雑な治療を行うために Life Sciences Cloud がどのように役立つかを学習します。Cumulus チームがつながりのあるこの基盤を適用して、研究室で生まれたイノベーションを実用化していく手順を見ていきましょう。

リソース

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