アクセスからアドヒアランスまで患者をガイドする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 登録、給付、支援、アドヒアランスにわたる患者サービスが Life Sciences Cloud でどのようにサポートされているかを説明する。
- Agentforce と患者報告転帰指標 (PROM) が患者転帰の追跡と改善にどのように役立つかを要約する。
- Life Sciences Cloud で提供者エンゲージメントの連携がどのようにサポートされるかを説明する。
- 患者ツールと提供者ツールがどのように連携してケアの継続性が向上するかを認識する。
ケアの最終段階をつなぐ
承認された適切な治療が受けられることになっても、それは患者にとっては始まりにすぎません。ほとんどの患者にとって、本当の課題は診察室を出た後に始まります。この時点から、患者は保険の手続きを行い、場合によっては費用援助を申し込む必要があります。次に待っているのは治療の開始と継続です。プロセスは複雑で時間的制約があり、時として圧倒されてしまいます。
現在のライフサイエンス企業は、患者がいる場所で患者と会うツールを持っています。患者サービスプログラムはコールセンターを超えるものに進化しており、データに基づいてカスタマイズされたサポートを提供することで、アドヒアランス、転帰、全体的な患者体験が向上します。
プログラムを実現するために、Life Sciences Cloud では受入、給付確認、資金援助、転帰監視が統合され、すべてのチームが患者の状況、同意、サポートのニーズをリアルタイムで参照できます。
この単元では、組織が複雑な治療ジャーニーで患者をガイドし、実際に治療を行えるようにするために Life Sciences Cloud がどのように役立つかを学習します。
さまざまなニーズ、共通の成果
Life Sciences Cloud では、治療へのアクセスと転帰を向上させるために複数のチームの連携がサポートされています。
チーム |
Role (ロール) |
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|---|---|---|
患者サービス担当者 (PSR) |
登録、給付確認、継続的なサポートについて患者をガイドします。 |
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資金援助チーム |
対象資格の評価、申込の管理、プログラム状況と利用状況の監視を行います。 |
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プログラムリーダーとケースマネージャー |
進行状況を監視し、転帰に基づいてケアプランを調整します。 |
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提供者リレーションマネージャー |
HCP と連携し、紹介を追跡し、関連するインサイトを明らかにします。 |
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システム管理者およびアーキテクト |
ローコードツールを使用して、ワークフロー、ドキュメントフロー、コンプライアンスロジックを設定します。 |
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すべてのチームは、ヘルスケア連携の専用ツールを備えた同じ統合プラットフォームから作業します。
Life Sciences Cloud では、アクセスとアドヒアランスを向上させるために、オートメーションツール、データツール、エンゲージメントツールを組み合わせることで患者サービスのすべてのフェーズが強化されます。各主要フェーズを見ていきましょう。
患者登録とオンボーディング
すべてのサポートジャーニーは登録から始まります。受入プロセスで遅れや混乱が生じれば、患者が先に進めなかったり、完全に離脱してしまったりすることがあります。Life Sciences Cloud を使用すれば、登録が迅速で直接的になります。患者は安全な Experience Cloud ポータル、提供者の紹介、またはアウトリーチリンクから開始できます。ステップごとのワークフローに従って、適切なプログラムを選択し、ドキュメントをアップロードし、同意を示すことができます。インテリジェントなドキュメントの自動化 (IDA) によりデータが自動的に抽出、検証されるため、患者が手動で入力する必要がある情報は最小限に抑えられます。
バックグラウンドで各加入者は、構造化されたデータモデルを通じて適切な治療、提供者、同意レコードにリンクされ、最初から強固な基盤が築かれます。
2 型糖尿病と診断されたばかりの Lisa を見てみましょう。糖尿病管理プログラムのパンフレットを受け取った後に、彼女は QR コードをスキャンして Cumulus Pharma の患者ポータルにアクセスします。

直感的なワークフローに従って Lisa は保険カードをアップロードし、ID を確認し、デジタル同意を提供します。

彼女のデータは適切な薬剤や提供者と関連付けられ、彼女のケアプログラム加入者レコードが完成します。これで、次の給付確認とサポートサービスへの準備が完了します。
給付確認
患者がサポートプログアムに登録されると、次の重要なステップは保険の適用範囲を確認することです。適用範囲にギャップがあったり、事前承認が必要であったり、自己負担限度額が高かったりすれば、薬剤へのアクセスが遅れることや、患者が治療を開始できないことさえあります。そのため、このフェーズではスピードと明確さが重要です。
Life Sciences Cloud では自動ワークフローとリアルタイムデータによってプロセス全体がサポートされます。PSR は患者レコードから直接、手動または電子的な給付確認を開始できます。クリアリングハウスへの接続が統合されているため、自己負担額や事前承認要件など、適用範囲の詳細がすぐに返されます。確認フローと再確認フローによって、引継ぎが軽減され、チームはすばやく確信を持って対応できます。
Agentforce によってフォローアップと要約がサポートされます。給付の詳細が不足している場合は、PSR のガイドとなる支払者通話スクリプトが生成されます。確認後は、わかりやすい患者向け給付サマリーの作成が支援されます。再確認では、最適な次のアクションが提案され、適用範囲を最新に保つために患者の回答が要約されます。
Lisa のストーリーに戻りましょう。
PSR は Lisa のケアプログラムレコードを開き、処方されたインスリンに対する給付確認を開始します。Life Sciences Cloud で適用範囲データが電子的に取得されます。

Lisa の薬剤は適用範囲ですが、事前承認が必要で、毎月の自己負担額は 100 ドルです。Agentforce によって、事前承認プロセスを確認するための通話スクリプトが生成され、Lisa のための給付サマリーが準備されます。これによって彼女は薬局で何が起きるかを明確に把握でき、あわてることがありません。
2 か月後、Lisa が新しい仕事を始めたため、保険が変更されました。Life Sciences Cloud では、彼女のレコードに再確認のフラグが付けられます。Agentforce によって、アウトリーチメールが推奨され、Lisa の回答が要約され、PSR が給付サマリーを更新するためのガイドが表示されて、ケアの継続性が保たれます。
経済的支援の準備
薬剤が保険の適用範囲であっても、患者にとって費用負担が大きすぎることがあります。特に慢性疾患や複雑な疾患を管理する場合、自己負担額、免責額、自己負担割合などが積み重なることがよくあります。
Life Sciences Cloud ではチームはこの費用負担のギャップを軽減できます。資金援助専用モデルを使用して、PSR は自己負担プログラム、財団による助成、クイックスタートプログラムを 1 つのワークスペースで管理できます。設定可能なルールによって対象資格チェックが自動化され、ガイド付きフローによって登録が簡略化されます。すべてのドキュメント、給付割り当て、支払の追跡は一元化されているため、理解しやすく、コンプライアンスも維持できます。
このプラットフォームを使用することで、チームは状況にすばやく対応できます。援助プログラムの対象となる可能性がある場合はフラグが付けられ、給付の上限に近付いているときにはアウトリーチが提案され、患者は必要なサポートとのつながりを維持できます。
Lisa が次にどうなるかを見ていきましょう。
PSR は、Lisa のインスリン処方が適用範囲であり、自己負担額が 100 ドルであることを確認した後に [Financial Assistance Program (資金援助プログラム)] タブに移動します。Lisa のプラン、商品、収入に基づいて、糖尿病自己負担支援プログラムの推奨が表示されます。
![資金援助プログラムのおすすめが表示されている [Financial Assistance Program (資金援助プログラム)] タブ。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/life-sciences-cloud-foundations/guide-patients-from-access-to-adherence/images/ja-JP/6e2b5f72fde6afcef1bb010db37f734d_kix.mkv8yetfs6ot.jpg)
PSR は登録フローを開始します。Lisa の情報は事前入力され、必要なドキュメント (収入証明や同意フォームなど) には自動的にフラグが付けられます。申込が送信されたら、チームはそれをレビューして承認します。Lisa は毎月 75 ドルの自己負担給付を受け取ります。
彼女のレコードに戻り、PSR は次に利用状況を監視し、支払を追跡し、給付上限に近付いた場合のアラートを設定します。さらにアクションが必要な場合、通話スクリプトやメッセージテンプレートなどのツールを使用して、タイムリーで一貫性のあるコミュニケーションを行うことができます。
この自動化されたサポートがあることで、Lisa は確信を持って治療を開始することができ、彼女のケアチームは治療の継続のために注力できます。
患者エンゲージメントと転帰追跡
治療を開始することと治療を継続することは別物です。継続的なサポートがなければ、患者は服薬を忘れたり、意欲を失ったり、治療を完全にやめてしまうこともあります。多くの場合、その理由は不明です。
Life Sciences Cloud を使用することで、チームはつながりを保ち、常に情報を把握できます。組み込みツールによって、患者ジャーニー全体にわたって、パーソナライズされたアウトリーチ、構造化された評価、リアルタイムでの転帰追跡がサポートされます。患者報告転帰指標 (PROM) も含まれます。これは、患者の体験 (症状、アドヒアランス、生活の質など) を捉えるための構造化された自己評価です。PROM を利用することでチームは治療の影響を患者の視点から理解し、より適切な情報に基づいてフォローアップができます。
Agentforce は報告された転帰の要約やタイムリーなフォローアップアクションの提案などによって、このフェーズでも役立ちます。AI によって生成されたメッセージテンプレートや回答サマリーを使用することで、ケアチームはつながりのない記録を探し回ることなくアクションを実行できます。
もう一度 Lisa の様子を見てみましょう。
プログラムを開始してから 3 か月が経ち、彼女は患者ポータルで生活の質に関する評価への回答を求められます。彼女は、アドヒアランスは良好であるものの、平日に元気が出ないと回答します。Life Sciences Cloud では、この回答が記録され、転帰レコードが更新されます。Agentforce によって彼女の評価のサマリーが生成され、ケアチームに対してフォローアップメッセージが推奨されます。
![糖尿病管理プログラムでの Lisa Green の転帰サマリーが表示されている [Einstein Summary (Einstein サマリー)]。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/life-sciences-cloud-foundations/guide-patients-from-access-to-adherence/images/ja-JP/701b4d3dc2e566d86bbd31ede527b013_kix.ud4y6d8ra9em.png)
PSR が Lisa に連絡したところ、スケジュールが最近変わったことで食事をきちんと取れていないことがわかったため、彼女を食事療法士に紹介してサポートを受けられるようにします。
同様のインサイトがまとめられているのがプログラムレベルのダッシュボードで、Cumulus Pharma と同じようなチームが、何が効果的で、どこに改善の余地があるかを評価するのに役立ちます。構造化された評価とインテリジェントなツールを使用することで、チームはすべての患者をサポートし、その過程でプログラムを強化できます。
1 つにまとめる
Life Sciences Cloud では、患者サービスチームが、合理化された登録や保険確認から資金援助や転帰追跡まで、パーソナライズされたサポートを適切なタイミングで提供するのに必要なすべてのものが組み合わされています。つながりのないタスクをガイド付きのインテリジェントなワークフローに置き換えることで、チームは障壁を取り除き、患者の治療継続をサポートできます。
また、提供者とも情報を共有できます。HCP とプログラムチームは、給付、同意、患者の進行状況を共有して把握することで、ジャーニーのすべてのステップで認識を統一できます。
このモジュールでは、Life Sciences Cloud でライフサイエンスの完全なライフサイクルがサポートされることを学習しました。
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商業エンゲージメントを使用してフィールドチームは、HCP とのスマートなやり取りを促進するためのデータ、ツール、インサイトを手に入れます。
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臨床エンゲージメントでは、研究デザイン、サイトオンボーディング、参加者登録、先進治療連携が合理化されます。
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患者サービスでは、シームレスなサポートが実現し、アドヒアランスが向上し、統合エンゲージメントと転帰追跡によってケアを調整することができます。
3 つの柱はすべて、共有データ、組み込み AI、自動化という同じインテリジェントな基盤の上で実行され、この基盤はビジネスに適応します。Agentforce によって最適な次のアクションが明らかになり、複雑なタスクが簡略化され、各ユーザーが常に先手を打てるようになることで、すべてのフェーズが強化されます。
これは単なる業種機能を備えた CRM ではありません。最新のライフサイエンスが求めるスピード、複雑性、正確性に対応できる専用のプラットフォームです。
さらに詳しく知るには、 「リソース」セクションを参照して、Life Sciences Cloud を試用し、今後に役立つ Trailhead やヘルプコンテンツを見つけてください。