Lightning レポートおよびダッシュボードを知る
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ビジネスニーズをレポートで回答可能な質問に言い換える。
- レポート、ダッシュボード、レポートタイプの違いを説明する。
レポートとダッシュボードを使用する理由
ビジネスで疑問が生じたとき、Salesforce データにその答えがあります。レポートの作成依頼は、通常、質問形式です。この質問には次のようなものがあります。
- 売上上位の商品は?
- 最も価値の高い見込み客は?
- 最も成功しているマーケティングキャンペーンは?
- 顧客の満足度は?
レポートを作成する前に、その質問を理解してフォローアップの質問をし、要件を記述してから、それらの要件をレポート条件に対応付けます。
Ursa Major Solar のシステム管理者である Maria Jimenez の事例を見てみましょう。ある日、同社の CEO である Sita Nagappan-Alvarez が、ビジネスが順調かどうかを聞きに来ました。特に、売上上位の商品が何かを知りたいようです。
Maria は Sita から元の質問を受け、フォローアップの質問でその内容を明確にしました。
情報の種別 |
例 |
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元の質問 |
売上上位の商品は? |
Maria のフォローアップの質問 |
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要件 |
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条件 |
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上記の [Criteria (条件)] 項目のそれぞれが何を意味しているかわからない方もいらっしゃるでしょう。これらのトピックについては、このモジュールを進める中で詳しく説明しますからご安心ください。
ここで抑えておくべき点は、会社のほとんどの人が、Sita が Maria に尋ねたような質問を抱えてあなたのところにやってくるということです。以下は、Ursa Major Solar の人々が Maria に尋ねる一般的な質問です。
- その日の電話連絡の予定を立てているアカウントエグゼクティブの Lincoln Ulrich から、彼のチームがどの見込み客に最初に連絡すべきか質問される。
- 去年の夏にセルフサービスコミュニティをロールアウトした後の偏向率の月次推移を分析している COO の Roberto Alvarez から、過去 1 年間の状況を尋ねられる。
- 会社の年次計画の作成に追われている CEO の Sita から、今後の方向性を決定するために、リード数が最も多い都市はどこかと質問される。
日、月、年など期間を問わず、こうしたシナリオのそれぞれでレポートまたはダッシュボードを使用すれば、各チームメンバーがアクションを実行して成果を出すために必要なインサイトを提供できます。そのためには、質問をユーザーが必要とするレポートまたはダッシュボードに変換する必要があります。
このまま読み進んで、会社のレポートとダッシュボードの使用を開始する方法を学習してください。さらに、次のレポートとダッシュボードの概要に関する動画をご覧いただくこともできます。
レポートとは?
最もシンプルな形式のレポートは、定義した条件を満たすレコード (商談や取引先など) を示すリストです。ただし、レポートは単なるリストではありません。必要なデータを取得するために、レコードの絞り込み、グループ化、算術処理を行うことができます。また、わかりやすいグラフ形式にして表示することもできます。
Sita に売上上位の商品を尋ねられた Maria は、全商談とその商品のリストを返すレポートを作成しました。そして、次の操作を行いました。
- 「有効」な商品の商談で、本会計年度に成立したもののみを表示するように絞り込む。
- 商品ファミリー別にグループ化する。
- 合計売上数を集計する。
- 結果を縦棒グラフで表示して、Sita がすぐにわかるようにする。
Maria が自分の仕事で疑問が生じたときにとりあえずレポートを利用するのは、こうした高度な分析ができるからです。Maria のレポートは Ursa Major Solar 社で重要な役割を果たしているのです。
すべてのレポートはフォルダーに保存されます。レポートフォルダーによって、誰が「参照」、「編集」、または「管理」権限を持ち、どのような方法でレポートにアクセスできるかが制御されます。フォルダーは、公開、非表示、共有のいずれにも設定できます。フォルダーの内容へのアクセス権を持つユーザーの制御は、ロール、権限、公開グループ、テリトリー、ライセンスの種類に基づいて行います。フォルダーを組織全体で使用できるようにしたり、非公開にして所有者のみにアクセス権を与えたりすることもできます。
レポートタイプとは?
レポートタイプとはテンプレートのようなものです。レポートを作成するときには適切なレポートタイプを選択することが重要です。これは、レコードタイプを選択することで、レポートに使用できるレコードと項目を選択することになるためです。
各レポートタイプには、主オブジェクトがあります。関連オブジェクトが含まれることもあります。Salesforce ではさまざまな標準レポートタイプが用意されており、[Accounts (取引先)]、[Leads (リード)]、[Products (商品)] などの 1 つのオブジェクトに基づくものと、[Opportunities with Projects (プロジェクトが関連する商談)]、[Campaigns with Contacts (取引先責任者が関連するキャンペーン)] などの関連オブジェクトを含むものがあります。
ただし、場合によっては標準レポートタイプではすべての必要なオブジェクトと項目が提供されないこともあります。その場合にはカスタムレポートタイプを使用します。たとえば、Ursa Major Solar の営業担当の Erin Donaghue が活動が関連付けられているすべてのリードに関するレポートを作成したいとします。[Leads (リード)] レポートタイプを選択すると、そのレポートでは活動があるリードだけではなくすべてのリードが返されてしまいます。
カスタムレポートタイプを使用すれば、Maria はリードを主オブジェクト、活動を関連オブジェクトとする「Leads with Activities」(活動が関連するリード) という名前のレポートタイプを作成できます。その後は、[Leads with Activities (活動が関連するリード)] カスタムレポートタイプを選択するだけで、活動があるリードのみが表示されます。
カスタムレポートタイプの作成、編集、表示についての詳細は「カスタムレポートタイプの作成」を参照してください。
ダッシュボードとは?
ダッシュボードとは、組織のレコードの主なメトリクスとトレンドを視覚的に表示するものです。各ダッシュボードウィジェットは、1 つのソースレポートに基づきます。同じソースレポートまたは異なるソースレポートをダッシュボードのさまざまなウィジェットに使用できます (たとえば、同じレポートを棒グラフと円グラフに使用できます)。1 つのダッシュボードページに複数のダッシュボードウィジェットを追加することで、営業パフォーマンスやカスタマーサポートなど共通のテーマでデータの効果的な視覚表示を作成できます。
レポートと同様に、ダッシュボードはフォルダーに保存されます。フォルダーにアクセスできれば、そのダッシュボードを表示できます。個々のダッシュボードウィジェットを表示するには、基礎となるレポートへのアクセス権も必要です。
各ダッシュボードには実行ユーザーがおり、そのユーザーのセキュリティ設定によってダッシュボードに表示されるデータが決まります。実行ユーザーが特定の 1 ユーザーである場合、すべてのダッシュボード閲覧者には、閲覧者個々のセキュリティ設定に関係なく、実行ユーザーのセキュリティ設定に基づいてデータが表示されます。このため、情報が必要以上に開示されないように、実行ユーザーは慎重に選択する必要があります。たとえば、営業マネージャーをチームのリーダーボードの実行ユーザーに設定します。これにより、チームメンバーは自分のチームのリーダーボードを閲覧できますが、他のチームのリーダーボードは閲覧できません。
動的ダッシュボードは、実行ユーザーが常にログインユーザーであるダッシュボードです。そのため、ユーザーにはそれぞれのアクセスレベルに応じたダッシュボードが表示されます。必要以上のアクセス権が付与されることに懸念がある場合は、動的ダッシュボードを検討してください。
レポートとダッシュボードを整理する
各レポートまたはダッシュボードはレポートフォルダーまたはダッシュボードフォルダーに保存されています。フォルダーによってレポートとダッシュボードがどのように整理され、誰がアクセスできるかが決まります。フォルダーは、公開、非表示、共有のいずれにも設定できます。フォルダーの内容へのアクセス権を持つユーザーの制御は、ロール、権限、公開グループ、テリトリー、ライセンスの種類に基づいて行います。フォルダーを組織全体で使用できるようにしたり、非公開にして所有者のみにアクセス権を与えたりすることもできます。
リソース
- Salesforceヘルプ: レポートおよびダッシュボードの概要
- Salesforce 動画シリーズ: Lightning Experience のレポートおよびダッシュボードの使用開始
- Salesforce ヘルプ: カスタムレポートタイプの作成