Salesforce CRM の使用開始

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。
  • Salesforce の概要を説明する。
  • CRM の概要を説明する。
  • Lightning Experience の主要な機能を説明する。

Salesforce とは?

Salesforce は、顧客に対するセールス、サービス、マーケティング、分析、つながりを促進するために設計されたカスタマーサクセスプラットフォームです。

Salesforce には、どこにいても業務を続けていくために必要なすべてが揃っています。標準の製品と機能を使用して、見込み客や顧客とのリレーションの管理、従業員とパートナーとのコラボレーションやエンゲージメント、クラウドへの安全なデータ保存などを行うことができます。

ただし、標準の製品と機能はまだ入口です。Salesforce のプラットフォームを使用すると、顧客、パートナー、および従業員のエクスペリエンスをカスタマイズし、標準機能の範囲を超えて容易に拡張することができます。

CRM はどこに該当するでしょうか。まず、CRM の定義から始めましょう。

CRM とは?

CRM は、カスタマーリレーション管理 (Customer Relationship Management) の略です。このテクノロジにより、顧客や見込み客とのリレーションを管理し、すべてのやりとりに関連するデータを追跡できます。また、チームの社内外でのコラボレーション、ソーシャルメディアからのインサイトの収集、重要な総計値の追跡、メールや電話、ソーシャル、その他のチャネル経由のコミュニケーションにも役立ちます。

Salesforce では、このすべての情報がクラウドにセキュアに保存されます。馴染みのあるスプレッドシートの例を使用して、そのしくみを詳しく見ていきましょう。

Salesforce によるデータの整理方法

Salesforce では、データがオブジェクトとレコードに整理されています。オブジェクトはスプレッドシートのタブ、レコードは 1 行のデータのようなものと考えてください。データの整理方法

オブジェクトにはナビゲーションバーからアクセスできます。レコードを選択して特定の取引先、取引先責任者、商談、または Salesforce の他のレコードにドリルインできます。

そもそもオブジェクトやレコードとはいったい何なのでしょうか。Salesforce を学習していく中で知っておく必要がある他のいくつかの用語も含めて、ここでちょっと説明させていただきます。

名称 Salesforce での意味
レコード データベースで追跡する項目。データをスプレッドシートに例えると、レコードはスプレッドシートの行にあたります。
項目 名前や住所などの値を保存する場所。スプレッドシートの例でいうと、項目はスプレッドシートの列にあたります。
オブジェクト データベースのテーブル。スプレッドシートの例でいうと、オブジェクトはスプレッドシートのタブにあたります。
組織 すべてのデータ、設定、カスタマイズが保存される場所。システム管理者とユーザがログインしてアクセスします。「Salesforce のインスタンス」と呼ばれることもあります。
アプリケーション ビジネスプロセスをサポートするための項目、オブジェクト、権限、および機能のセット。

ここまでオブジェクト、レコード、その他について説明しました。スプレッドシートの例を使用して Salesforce でデータがどのように整理されるか、だいたいご理解いただけたと思います。ただし、実際のスプレッドシートとは異なり、Salesforce データは信頼できるセキュアなクラウドに保存され、使いやすいユーザインターフェースにはデスクトップとモバイルデバイスの両方からアクセスできます。また、ポイント & クリックツールを使用すると、容易にデータを Salesforce にインポートできます。Salesforce には、すぐに使用できるように設定された一連の標準オブジェクトが用意されています。

Salesforce 標準オブジェクトおよびカスタムオブジェクト

ここでは、いくつかの主要な標準オブジェクトと、それぞれの使用方法について説明します。

取引先は、ビジネス相手となる会社です。個人取引先を使用して、個人 (個人の契約社員など) と取引することもできます。取引先責任者は、取引先に勤務する人物です。リードは、見込み客です。購入する準備ができているかどうかや、必要な商品についてはまだ評価されていません。リードを使用する必要はありませんが、チームセールスの場合や、見込み客と評価済みバイヤーでセールスプロセスが異なる場合に役立つ可能性があります。商談は、取引を開始した評価済みのリードです。リードの取引開始後、商談と共に取引先と取引先責任者を作成します。

Salesforce CRM では、単純なスプレッドシートでは絶対にできない高度な方法で、データを管理したり、データにアクセスすることができます。レコードをまとめてリンクしてデータ間の関連を表示できるため、全体像を把握できます。

図解した方が分かりやすいかも知れません。下図のような位置づけになります。もっと詳しく知りたい方は、Trailhead の「データモデリング」モジュールでデータの整理方法について学んでください。データモデリング

ここまでが標準オブジェクトモデルの基本ですが、これはまだほんの始まりです。なぜなら、Salesforce CRM はプラットフォーム上に構築されているからです。「プラットフォーム」と聞くと、難しそうだなと身構えてしまうかもしれませんが、「標準の付属物がすべてカスタマイズ可能になるのがプラットフォーム」と考えてください。

たとえば、Salesforce システム管理者であるあなたに、営業マネージャから定期的に作業が依頼されているとします。レポートやデータのインポートなどの作業を依頼されることが考えられます。プラットフォームを使用すれば、この作業の受付窓口を管理するプロセスを作成できるのです。

具体的には、あなたは営業マネージャ用の作業依頼フォームを作成します。このフォームに入力があると、そのつどレコードが作成され、Salesforce に保存されます。ただし、そのレコードは標準オブジェクトに保存されるのではなく、あなたが作成しておいた「Projects」というカスタムオブジェクトに保存されます。Projects カスタムオブジェクト

それだけではありません。新しく依頼が到着するたびに送信される自動メール通知を設定したり、未完了の依頼をすべて表示するダッシュボードやレポートを作成したりできます。これが Salesforce CRM とプラットフォームの底力です。

これで Salesforce の基本とオブジェクトモデルを理解できました。ところで、営業担当は、実際にはリード、商談、取引先責任者、取引先をどう使用すればよいのでしょうか。迅速で効率のよいセールスには、生産性の高いユーザインターフェースが必要です。そこで誕生したのが Lightning Experience です。

Lightning Experience の概要

Lightning Experience へようこそ! Lightning Experience は、営業チームによる商談成立と迅速で効率のよいセールスを促進するために設計された、最新の生産性の高いユーザエクスペリエンスです。

モバイルの台頭は、人々の働き方に影響を与えています。営業担当はモバイルを使用して、見込み客の調査、顧客とのミーティング場所への経路検索、顧客とのソーシャルな交流など、多くのことを行っています。こうした現状に基づき、Salesforce では、デスクトップ (Lightning Experience) とモバイル (Salesforce アプリケーション) の両方で素晴らしい機能を利用できるようにしました。

営業担当がデスクトップの Lightning Experience でよく使用する機能は... ... 外出先でも Salesforce アプリケーションで使用できます。
Lightning Experience
Salesforce アプリケーション

Lightning Experience とは何かと問われたら、Salesforce のページがセールス向けに最適化されていることや、いつ Salesforce にログインしても、営業担当が適切な案件と適切な活動に専念できるようにサポートしてくれる新しい機能があることや、その場でデータを視覚化してリアルタイムで案件を処理できる柔軟なインタラクティブツールが用意されていることなど、説明したいことはたくさんあります。

でもその前に、Lightning Experience の名前の由来と開発の発端についてお話しておきたいと思います。

Lightning Experience を開発した理由

では、なぜ「Lightning」という名前が付いたのでしょうか。嵐の中で本物の稲妻が光る瞬間を想像してください。稲妻の閃光は矢のごとく、瞬きをしている間に見逃すこともあるほどです。稲妻の美しさには、見惚れることもあります。そして稲妻は独特で、2 つとして同じものはありません。

それは、Salesforce Lightning Experience とよく似ています。高速で、美しく、営業担当ごとに異なります。この使いやすいエクスペリエンスは、営業担当が迅速にセールスを行えるように設計されています。パーソナライズされたアラートとインタラクティブなアシスタントによって、それぞれの営業担当が重要な作業に集中できます。

つまり、Lightning Experience はお客様、すなわち皆さまの声から生まれたのです。Lightning Experience は、過去の年月とリリースを通してお客様から学んだことすべてを形にした結果です。Lightning Experience は、お客様から生まれた営業担当のためのキラーセールスアプリケーションなのです。

Lightning Experience が特別な理由

Lightning Experience には、多くの重要な利点があります。ここではすべては取り上げませんが、製品の領域ごとに優れた機能のいくつかを紹介します。

最初に、全般的な利点をいくつか挙げます。
  • ナビゲーションバーを使用して容易にページを移動し、アプリケーションを切り替える
  • 自動保存、リッチテキスト機能、メモを複数のレコードに関連付ける機能などを使用して、メモツールで簡単にメモを取る
  • 最近使ったレコードや上位の検索結果を表示する機能を含む、強力な検索機能でレコードをすばやく見つける
では、機能固有の利点を説明しましょう。

ホーム

[ホーム] は最新のインテリジェントなホームページで、さまざまなツールが搭載され、営業チームは 1 日を効率よく始めることができます。営業担当は、[ホーム] から主要な取引先について目標までのパフォーマンスを監視し、インサイトを取得できます。するべきことと行くべき場所のリストである [アシスタント] にもアクセスできます。
  • [パフォーマンスグラフ] を使用して目標までどの程度近づいたかを監視する
  • [ニュース] とソーシャルハイライトでインサイトをすばやく取得する
  • [アシスタント] で今日の予定を正確に把握する
  • [最も重要な商談] で営業活動の焦点を絞る
ホーム

商談ワークスペース

この単元で最初に確認した定義によると、商談とは、購入すると評価されたリードのことです。営業担当者が商談をクリックすると、強力なワークスペースが表示され、そこで作業を迅速に処理し、営業に注力することができます。

商談ワークスペースでは、セールスプロセスを中心として、セールスプロセスのフェーズごとにカスタマイズされたコーチングスクリプト、一目でわかるインサイトと活動タイムライン、数クリックですぐにレコードを作成できる機能を使用できます。
  • レコード上部に固定されたカスタマイズ可能な強調表示パネルで紹介されている重要な詳細情報を確認する
  • 便利なコンポーザを使用して活動の記録、ToDo の作成、メールの送信などをすばやく行う
  • セールスプロセスをサポートするためのカスタマイズ可能なセールスパスと共に主要なコーチングの詳細情報を入手する
  • クイックビューを使用して商談ページを開いたまま豊富な情報を表示する
  • コンテキストに取引先責任者などの関連レコードを追加する
商談ワークスペース

取引先と取引先責任者

リードが取引を開始すると、Salesforce に取引先と取引先責任者も作成されます。取引先は、ビジネスの相手となる会社であり、取引先責任者はその取引先に勤務する人物です。商談の場合と同様に、営業担当が取引先または取引先責任者にドリルダウンするときには、常に探している情報をすばやく見つける必要があります。一方、商談に比べて取引先や取引先責任者は、営業担当が更新を必要とする可能性があまり高くありません。そのため、これらのページのレイアウトはすばやく参照できるように最適化されており、営業担当は一目で情報を見つけてインサイトを収集できます。
  • 統合された Twitter とニュースにより顧客の最新ニュースを入手できる
  • 項目レベルの重複照合により、効率よく作業し、データをクリーンに保てる
  • すばやく参照できるように特別に設計されたレイアウトで重要なデータを効率よく見つけることができる
  • 過去と今後の活動を一目で確認できる
取引先と取引先責任者

リストビュー

リストビューを使用すると、重要なレコードを表示できます。営業担当は、検索条件を使用して、取引先、取引先責任者、商談、または他の Salesforce レコードのカスタマイズしたリストを作成できます。たとえば、所有する商談のリストビューを作成し、金額の検索条件を追加して、パイプラインで最も規模の大きい案件を見つけることができます。

ただし、Lightning Experience では、リストビューは、単なるテキスト列ではありません。営業担当はリストビューグラフによって、扱いやすいグラフでデータをグラフィカルに視覚化し、生産性を向上できます。システム管理者のサポートがなくてもすべてその場ですぐに作成できます。
  • リストビューグラフで瞬時にデータを視覚化する
  • 目的に応じてデータを絞り込むための検索条件をすばやく作成できる
  • 先行入力検索を使用して、お気に入りのリストビューをすばやく見つける
リストビュー

商談 Kanban

営業担当は、商談の可視化ツールである商談 Kanban を使用して、商談をパイプラインの各フェーズ別に整理して確認することができます。ドラッグアンドドロップ機能を使用して、商談を別のフェーズに移動し、主要な商談に関するカスタマイズしたアラートをリアルタイムで表示できます。
  • 営業サイクルのフェーズごとに商談を視覚化する
  • ドラッグアンドドロップ機能を使用してフェーズ間で商談を移動する
  • 重要な商談に対するアクションが必要になったら通知するアラートを設定する
  • 目的に応じてデータを絞り込むための検索条件をすばやく作成できる
ボード

レポートとダッシュボード

リストビューと同様に、レポートは定義した条件を満たすレコードのリストです。ただし、リストビューとは異なり、レポートでは、より複雑な絞り込みロジックの適用や、データの集計とグルーピング、計算の実行、ダッシュボードを使用したより高度なデータの視覚化を行うことができます。

Lightning Experience を使用すると、営業担当はレポートに対して独自の検索条件を作成できるようになります。また、システム管理者は、ダッシュボードエディタの拡張列や柔軟なレイアウトを利用して、1 つのダッシュボードにをさまざまなサイズの多数のダッシュボードコンポーネント (グラフ) を表示できるように設定できます。
  • レポートの検索条件を作成できる
  • 柔軟なレイアウトとスパン列で視覚的に優れたダッシュボードを作成する
  • マトリックスレポートの詳細の自動非表示、レコード実行ページの合計とサブグループの非表示機能により、重要な情報にアクセスしやすい
レポートとダッシュボード