カスタムボタンとカスタムリンクの作成
学習の目的
カスタムボタンとカスタムリンク
すべての組織には、固有のビジネスニーズがいくつかあります。組織内または組織外の他のページにユーザが頻繁にアクセスする必要がある場合は、カスタムボタンやカスタムリンクをオブジェクト詳細ページやレコード詳細ページに直接追加できます。
カスタムボタンとカスタムリンクを使用して、Salesforce のデータを外部 URL、アプリケーション、社内イントラネット、またはその他のバックエンドオフィスシステムに統合できます。
ユーザの手元に必要な情報がすべてあれば、Salesforce での生産性がさらに高まります。
カスタムボタンとカスタムリンクの機能
カスタムリンクは、www.google.com、Visualforce ページ、会社のイントラネットなどの外部 URL にリンクできます。カスタムボタンは、ユーザを Web ページなどの外部アプリケーションに接続し、カスタムリンクを起動できます。
ユーザに対してリンクまたはボタンの実行対象をどのように表示するかを決定する表示ウィンドウプロパティを選択できます。カスタムリンクには、Salesforce 項目を URL 内のトークンとして含めることができます。たとえば、http://search.yahoo.com/bin/search?p={!Account_Name}
のように URL に取引先名を含めることで、Yahoo を検索できます。

メモ
カスタムページやその他のコードを起動するボタンまたはリンクが必要な場合は、Visualforce ページを検討します。Visualforce ページの使用方法がまだわからなくても心配いりません。ここでは詳しく扱いませんが、別のモジュールで学習できます。
Lightning Experience では、カスタムボタンとカスタムリンクはページレイアウトで動作し、Lightning ページのそれぞれ異なる領域に表示されます。
- リストボタン — オブジェクトレコードページの関連リストに表示される。
- 詳細ページリンク — オブジェクトレコードページのレコードの詳細のリンクセクションに表示される。
- 詳細ページボタン — レコードページの強調表示パネルのアクションメニューに表示される。
ここでは、この 3 つのオプションについて説明します。
カスタムリストボタンの作成
カスタムボタンとカスタムリンクの機能を理解したところで、次はその作成方法を学習します。どちらにも、ユーザがクリックしたときに実行されるアクションを定義する必要があります。まずは、カスタムリストボタンについて説明します。
カスタムリストボタンは、関連リストに追加できるボタンです。オブジェクトのリストボタンを作成すると、そのオブジェクトの関連リストが他のオブジェクトで表示されたときに、そのボタンをその関連リストに追加できます。Energy Audit は参照関係項目によって取引先に関連付けられているため、[Energy Audits (エネルギー監査)] 関連リストは取引先レコードに自動的に表示されます。
たとえば、前にこのモジュールで「GenePoint 5-year review (GenePoint 5 か年レビュー)」の監査情報を入力しました。GenePoint の取引先レコードを表示して、[関連] タブをクリックし、レコードページの最下部までスクロールすると、その監査について表示している [Energy Audits (エネルギー監査)] 関連リストを確認できます。
Maria は [Energy Audits (エネルギー監査)] 関連リストにカスタムボタンを追加して、ユーザが Ursa Major Solar エネルギー監査ガイドラインの PDF に直接移動できるようにしたいと考えています。すでに PDF をファイルとしてアップロードしましたが、カスタムボタンに PDF を指定するには URL が必要です。それではそのしくみについて説明します。
- アプリケーションランチャーからセールスアプリケーションを見つけて選択します。
-
[ファイル] タブをクリックします。Maria の場合は、アップロードしたガイドライン PDF を次のように確認できました。
- ステップを進めるために、自身のファイルをアップロードします。
- アップロードした画像の
をクリックし、[共有] を選択します。
- [アクセス権のあるユーザ] の横にあるキャレットをクリックしてセクションを展開します。
- [公開リンク共有] 領域で、[リンクを作成] をクリックします。これによりファイルの公開 URL を生成して、他のユーザと共有したり、今回の事例のように、カスタムボタンまたはリンクにファイルを URL として追加したりできます。この例の URL は、
https://ursamajorsolar.salesforce.com/sfc/p/R00000008nD1/a/R000000007LK/8Z8auAJBSeSCzqQ8Kv9ofolIWi_jP13oR3LUUYuXc3A
です。 - [リンクをコピー] をクリックして、[完了] をクリックします。
- [設定] で [オブジェクトマネージャ] をクリックして、[Energy Audit (エネルギー監査)] をクリックします。
- [ボタン、リンク、およびアクション] をクリックして、[新規ボタンまたはリンク] をクリックします。
- [表示ラベル] に
「Audit Guidelines」
(監査ガイドライン) と入力してボタンに名前を付けます。 - [リストボタン] を選択します。
- ファイル URL を大きなテキストボックスに貼り付けます。URL のドメイン部分より後の部分をすべて使用してカスタムリンクを作成します。この例のリンク先は、
/sfc/p/R00000008nD1/a/R000000007LK/8Z8auAJBSeSCzqQ8Kv9ofolIWi_jP13oR3LUUYuXc3A
です。これを見てこう考えているのでないですか?「この数式みたいなのは一体何だろう? どうすればよいのだろう?」これは Salesforce の数式エディタの 1 つのバージョンで、ボタンまたはリンクのプロパティを定義するのに使用します。たとえば、この例のようにコンテンツソースが URL の場合、このセクションにボタンまたはリンクの参照先 URL を配置します。さらに、差し込み項目と演算子を追加して、Salesforce からのデータを取り込むことでボタンまたはリンクの動作を拡張できます。差し込み項目と演算子についての詳細は、Salesforce ヘルプを参照してください。
- [保存] をクリックして、[OK] をクリックします。ボタンは、Maria が [Energy Audits (エネルギー監査)] 関連リストに追加するまで表示されません。続いて、その操作を行います。
- [オブジェクトマネージャ] をクリックして、[取引先] をクリックします。
- [ページレイアウト] をクリックして、[Account Layout (取引先レイアウト)] をクリックします。
- レイアウトの最後までスクロールして、[Energy Audits (エネルギー監査)] 関連リストを表示します。
- 編集するには、レンチアイコンをクリックします。
- プラスアイコンをクリックして [ボタン] セクションヘッダーを展開します。
- [Audit Guidelines (監査ガイドライン)] ボタンを [選択したボタン] リストに追加して、[OK] をクリックします。
- [保存] をクリックします。
- セールスアプリケーションに戻り、[取引先] をクリックして、取引先の GenePoint を選択します。
-
[関連] タブをクリックして、最下部までスクロールすると、[Energy Audits (エネルギー監査)] 関連リストに新しい [Audit Guidelines (監査ガイドライン)] ボタンを確認できます。
カスタム詳細ページリンクの作成
Ursa Major Solar のシステム管理者の Maria は、営業チーム向けに作成した Energy Audit カスタムページレイアウトを改良したいと考えています。そこで、米国エネルギー情報局によるエネルギーコストのデータを示すカスタムリンクの追加を検討しています。この情報は、営業担当が顧客が支払っているエネルギーコストを米国平均と比較する場合に役立ちます。
では始めましょう。
- [設定] で [オブジェクトマネージャ] をクリックして、[Energy Audit (エネルギー監査)] をクリックします。
- [ボタン、リンク、およびアクション] をクリックして、[新規ボタンまたはリンク] をクリックします。
- [表示ラベル] に「US Average Energy Costs」 (米国平均エネルギーコスト) と入力してリンクに名前を付けます。
- 表示の種類で [詳細ページリンク] が選択されていることを確認して、それに続く 2 つの項目はそのままにします。
次は、リンク先の URL を追加しましょう。
- 数式エディタに
「https://www.eia.gov/analysis/」
と入力します。 -
[保存] をクリックして、[OK] をクリックします。
保存して編集を継続する場合は、[適用] を使用できます。コンテンツソースを URL に設定している場合、保存により、定義した URL が検証されます。カスタムボタンとカスタムリンクを使用するには、それらをオブジェクトのページレイアウトに追加します。追加すると、そのボタンやリンクがレコード詳細ページに表示され、使用できるようになります。早速やってみましょう。
- [ページレイアウト] をクリックして、[Energy Audit Sales Layout (エネルギー監査営業レイアウト)] をクリックします。
- パレットの [カスタムリンク] カテゴリの [US Average Energy Costs (米国平均エネルギーコスト)] を、レイアウトの [カスタムリンク] セクションにドラッグします。
-
[保存] をクリックします。
結果を確認しましょう。 - アプリケーションランチャーから [Energy Audits (エネルギー監査)] を見つけて選択します。
- エネルギー監査レコードを開きます。
[詳細] タブでカスタムリンクが有効になっています。
カスタム詳細ページボタンの作成
Maria は、取引先の場所を Google マップに表示するカスタムボタンを取引先ページに追加したいと考えています。
- [設定] で [オブジェクトマネージャ] をクリックして、[取引先] をクリックします。
- [ボタン、リンク、およびアクション] をクリックして、[新規ボタンまたはリンク] をクリックします。
- [表示ラベル] に
「Map Location」
(場所をマップに表示) と入力してボタンに名前を付けます。 - [詳細ページボタン] を選択します。
- 数式エディタに次の URL を貼り付けます:
http://maps.google.com/maps?q={!Account_BillingStreet}%20{!Account_BillingCity}%20{!Account_BillingState}%20{!Account_BillingPostalCode}
この URL では、差し込み項目 (
{!Account_BillingStreet}
) を利用して、ボタンがクリックされた取引先レコードの項目情報を URL に渡します。 -
[保存] をクリックして、[OK] をクリックします。
次は、ボタンを取引先ページレイアウトに追加しましょう。 - [ページレイアウト] をクリックして、[Account Layout (取引先レイアウト)] をクリックします。
- パレットの [ボタン] カテゴリの [Map Location (場所をマップに表示)] を、ページレイアウトの [カスタムボタン] 領域にドラッグします。
- [保存] をクリックします。ついにテストするときがきました。
- アプリケーションランチャーから [セールス] を見つけて選択し、[取引先] タブをクリックします。
- 取引先レコードを開きます。
強調表示パネルにオブジェクトのコンパクトレイアウトからの項目に加えて、アクションメニューが表示されます。アクションメニューは、ページレイアウトの標準ボタン、カスタムボタン、アクションの組み合わせです。(アクションについては次の単元で説明します)。 - アクションメニューを展開して、[Map Location (場所をマップに表示)] を選択します。
ページレイアウトにカスタムボタンを追加しても [Map Location (場所をマップに表示)] がアクションメニューに追加されませんか? アクションを含むページレイアウトでのカスタムボタンの動作には癖があります。ページレイアウトの [Salesforce モバイルおよび Lightning Experience アクション] セクションのデフォルト設定を上書きし、カスタマイズしても、[ボタン] セクションの標準ボタンとカスタムボタンはページのアクションメニューに自動では組み込まれません。ボタンをページレイアウトにアクションとして追加するためには、パレットの [モバイルおよび Lightning のアクション] カテゴリから [Salesforce モバイルおよび Lightning Experience アクション] セクションにドラッグする必要があります。
- [開く] をクリックすると、ブラウザの新しいウィンドウまたはタブが開き、Google マップに取引先の位置が表示されます。
