Salesforce での大規模言語モデルの使用方法を学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce ではどのようにして LLM の信頼性を確保しているか説明する。
- ビジネスに適した LLM オプションを選択する。
- 使用可能な LLM の制限事項を説明する。
Trailcast
このモジュールの音声録音をお聞きになりたい場合は、下記のプレーヤーを使用してください。この録音を聞き終わったら、必ず各単元に戻り、リソースを確認して関連付けられている評価を完了してください。
信頼でリードする
信頼は、Salesforce の最大のバリューです。ですから、Salesforce が大規模言語モデル (LLM) を安全で信頼できる方法で使用するのは当然のことと言えます。この信頼の維持の鍵を握るのが Einstein Trust Layer です。Einstein Trust Layer は、Salesforce のエンドユーザーエクスペリエンスにシームレスに統合するデータコントロールとプライバシーコントロールを使用して、生成 AI のセキュリティを確保します。こうしたコントロールにより、Einstein が検索拡張生成 (RAG) を安全に使用して、潜在的なセキュリティリスクを招くことなく、顧客データと企業データで回答を安全にグラウンディングする AI を駆使できます。Einstein Trust Layer の一番シンプルな形態は、一連のゲートウェイと取得メカニズムを連携させ、信頼できるオープンな生成 AI を可能にするものです。
信頼できる Salesforce エージェント
Agentforce エージェントは、RAG を使用して Salesforce と Data Cloud データで安全なプロンプトを構築するという方法で、Einstein Trust Layer 経由で主要な LLM を使用します。このため、従業員やお客様をサポート可能な AI エージェントを活用する安全で充実した環境が生み出されます。こうしたエージェントは提案を示すだけでなく、独立してタスクを遂行できます。たとえば、お客様の問い合わせに対応したり、問題をトラブルシューティングしたり、さらには人手を介さずにセールスのおすすめを示すこともできます。その際 Trust Layer を使用してデータを保護し、自信をもって応答を提示します。
最適な大規模言語モデルを選択する
すべての Agentforce 推論エンジン呼び出しでは、デフォルトで OpenAI GPT-4o、場合によっては Azure OpenAI GPT-4o が使用されます。ただし、ビジネスニーズに応じて別のモデルを選択することもできます。生成 AI の導入をスムーズに進め、期待どおりの成果を得るには、タスクに合った適切なモデルを使用することが大切です。Salesforce は、関連性の高い LLM のリリース機能を提供すると共に、企業がデータのプライバシー、セキュリティ、レジデンシー、コンプライアンスに関する目標を維持できるようにお手伝いします。
コーディング、感情分析、コンテンツ生成など、ユースケースごとに複数の LLM を使い分けることも可能です。ユースケースに合わせてモデルを選ぶ際には、モデルの機能、コスト、応答品質、速度を考慮してください。地理情報に対応したモデルを選択することも可能です。これらのモデルは、Data Cloud がプロビジョニングされている場所に基づいて、LLM 要求を近くのデータセンターに自動的にルーティングします。これにより、データレジデンシーの制御が強化され、待機時間が短縮されます。
Salesforce 管理 LLM を使用する
Salesforce 管理の LLM は、インターネット経由で LLM にアクセスし、生成 AI をすぐに使い始めることができる優れた方法です。Models API やプロンプトビルダーを使用して、Salesforce 管理のさまざまなモデルを活用し、AI 実装をカスタマイズできます。Salesforce は、設定プロセスを迅速化するために、デフォルトで有効化された複数のモデルを提供しています。
現在の Salesforce 管理モデルの一覧については、大規模言語モデルサポートのヘルプドキュメントをご覧ください。
Salesforce がホストするサードパーティ LLM を使用する
Salesforce 内でモデルをホストすることもできます。オープンエコシステムに対する Salesforce のコミットメントの一環として、Einstein は Amazon、Anthropic、Cohere、その他の LLM を完全に Salesforce インフラストラクチャの内部でホストするように設計されています。Einstein を使用することで、お客様のプロンプトや応答を Salesforce インフラストラクチャ内で管理できます。さらに、Salesforce と OpenAI は Einstein Trust Layer を通じてコンテンツを安全に提供するために信頼を共有するパートナーシップを確立しました。
Bring Your Own Large Language Model (BYOLLM)
すでに独自の LLM に投資している場合は、それを Salesforce に接続してカスタムプロンプトビルダーテンプレートで使用できます。Salesforce 外で独自のドメイン固有のモデルをトレーニングした場合にも、データを独自のインフラストラクチャに保存しつつ Einstein を利用できます。外部 LLM を通してプロンプトを実行する場合も、内部接続された LLM と同様に動作し、要求は LLM Gateway と Einstein Trust Layer を経由して転送され、コンテンツがユーザーに提供されます。
BYOLLM オプションは急速に変化し続けています。リソースで最新情報を見逃さないようにしてください。
リソース
- Trailhead: Einstein Trust Layer
- Trailhead: Einstein Trust Layer の大規模言語モデルデータマスキング
- Salesforce ヘルプ: Einstein Trust Layer: Designed for Trust (Einstein Trust Layer: 信頼重視の設計)
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Salesforce ヘルプ : Bring Your Own Model - Trailhead: AI 向けにデータを準備する
- Salesforce: LLM (大規模言語モデル) とは?
- News and Insights: Salesforce Launches BYOM to Make It Easy for Businesses to Use Proprietary Data to Build and Deploy AI Models (Salesforce が BYOM をリリースしたことにより、企業が占有データを使用して AI モデルの作成とリリースすることが容易に)
- 開発者ブログ: Bring Your Own AI Models to Data Cloud (Data Cloud で独自の AI を使用する)