AppExchange 製品ライフサイクルについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- AppExchange 製品ライフサイクルの 6 つのフェーズを挙げる。
- AppExchange 製品ライフサイクルの各フェーズで行われる内容を説明する。
AppExchange 製品ライフサイクルの概要
AppExchange パートナープログラムでは、AppExchange パートナーがアイデアをかたちにしてマーケットプレイスに出すまでの行程がサポートされますが、その行程とはどのようなものなのでしょうか。この単元では、AppExchange 製品ライフサイクルの 6 つのフェーズを紹介します。この開発モデルが成功にどう役立つかも学習します。
第二世代管理パッケージングとは?
第二世代管理パッケージ (管理 2GP) は、Salesforce のお客様に販売や配布する予定のアプリケーションのコンテナです。管理 2GP パッケージを作成して、アプリケーションを構成する機能、カスタマイズ、スキーマを追加します。
パッケージ化できるメタデータコンポーネントの例として、次のようなものがあります。
- Apex クラスとトリガー
- 標準オブジェクトのカスタム項目
- カスタムメタデータ型
- カスタムオブジェクト
- フロー
- Lightning ページ
- ページレイアウト
アプリケーションに追加できるコンポーネントの完全リストについては、『Salesforce DX 開発者ガイド』の「管理パッケージで使用可能なコンポーネント」を参照してください。
優れたアプリケーションを構築するうえで、第二世代管理パッケージの作成は開発プロセスの重要な部分です。管理 2GP、スクラッチ組織、Salesforce CLI はすべて Salesforce DX で使用します。開始する前に、アプリケーションを構築するチームが Salesforce DX を完全に理解していることを確認します。
AppExchange とは?
AppExchange は、Salesforce のお客様が優れたアプリケーションや他のソリューションを見つける場所です。あなたが構築したアプリケーションもここに公開されます。
世界ナンバーワンのビジネスアプリケーションマーケットプレイスであると共に、AppExchange パートナープログラムが活況を呈している主な理由でもあります。Salesforce の大半のお客様が AppExchange からアプリケーションを 1 つ以上入手してインストールしています。AppExchange がお客様に愛用される理由は次のとおりです。
- あらゆる業種と予算に合った製品やサービスを提供している。
- 購入前の試用がしやすい。
- Salesforce のセキュリティチームがすべての製品やサービスを包括的に評価している。
- 洗練されたモバイル対応ユーザーインターフェースにより、どのデバイスでも簡単に閲覧や検索ができる。
AppExchange パートナープログラムに参加すると、こうしたリレーションに加わることになります。ソリューションを配布する準備ができたら、Salesforce の公開ツールを使用して簡単にリストを数百万ものユーザーに公開できます。AppExchange をまだ利用したことがない場合は、ぜひお試しください。サイトを閲覧し、デモ動画を見れば、なぜこれが AppExchange パートナーにとって貴重なアセットなのかをきっとご理解いただけるでしょう。
AppExchange 製品ライフサイクルのフェーズ
AppExchange 製品ライフサイクルとは、適切な製品を構築していることの確認から、発売後のサポートまでのすべてに使用するロードマップです。AppExchange 製品ライフサイクルには、計画 (1)、構築 (2)、配布 (3)、マーケティング (4)、販売 (5)、サポート (6) というフェーズがあります。
フェーズ 1: 計画
計画は AppExchange 製品ライフサイクルで最も重要なフェーズです。その理由を理解するには、自動車での全国縦断旅行を考えてみてください。いきなり車に飛び乗って出発するでしょうか? おそらく無理でしょう。ルートや宿泊地などの計画を立てるはずです。それと同様に、AppExchange パートナーシップの成功にもまずしっかりとした計画が必要です。たとえば、次のような項目を考慮します。
- スタッフには Salesforce Platform のスキルがあるか? ない場合は、Trailhead のようなリソースを紹介します。
- 対象利用者の構成は? 大企業顧客を対象とするか? 中規模の企業は? 小規模の企業は?
- ビジネス戦略は? ビジネスを成功させるために、いつどれだけ販売する必要があるか?
- サポートする Salesforce のエディションは? Professional Edition、Enterprise Edition、Unlimited Edition など。
- 使用するライセンスの種類は?
- 製品やサービスが安全であることを保証するための戦略は?
計画を作成して守ることで、チームが成功に向けて進めるようになります。このフェーズで、Salesforce は ISV のチームが認定開発者になるために役立つトレーニングをサポートしています。また、Salesforce のしくみを直接体験しながら学べるテスト組織を ISV パートナーが作成できるようにしています。
フェーズ 2: 構築
このフェーズで、自動化に適した最先端のソース駆動型開発モデルに基づく第二世代管理パッケージを作成します。管理 2GP パッケージをソース管理システムと統合し、パッケージ間でカスタム Apex コードを利用して、組み立て可能な小さなモジュール式パッケージを構築します。パッケージ操作はすべての Salesforce CLI で実行できるほか、スクリプトを使用して自動化することもできます。
パッケージ開発の詳細に感心がある方は、Trailhead の「第二世代管理パッケージ」モジュールまたは『Second-Generation Managed Packaging Developer Guide (第二世代管理パッケージ開発者ガイド)』のドキュメントを参照してください。
技術チームが開発に尽力している間に、ビジネスチームは市場開拓戦略を作成します。この戦略には、マーケティング、営業、サポートのための計画が含まれます。
フェーズ 3: 配布
いよいよソリューションを顧客にリリースします。管理 2GP を使用してアプリケーションをパッケージ化したら、AppExchange のリスティングを作成して、最終レビューに申請できるようにします。Salesforce は、ソリューションの包括的なセキュリティレビューの実施をサポートしています。
フェーズ 4: マーケティング
このフェーズでは、顧客がソリューションに関心を持つように働きかけます。対象利用者にリーチアウトし、パートナーイベントにおいてマーケティングの機会を活用し、顧客を刺激するように AppExchange リストを最適化します。Salesforce は、パートナーマーケティングチームによる業界のベストプラクティスや売上上位の AppExchange パートナーが得た教訓などを含むトレーニングをサポートしています。
フェーズ 5: 販売
ここでの目標は、リードを購入客に変換することです。実働する営業チームを結成し、リードを効率的に評価し、見込み客向けに魅力あるデモを実施する必要があります。ソリューションで市場への足がかりがつかめれば、パイプラインを太くし、更新を管理することができます。Salesforce は、パートナー取引先マネージャー、Salesforce のダイレクトセールスチーム、および売上上位の AppExchange パートナーによるトレーニングをサポートしています。
フェーズ 6: サポート
ソリューションで継続的な顧客の成功を促進します。カスタマーサクセスプランを作成して実装し、サポートやトラブルシューティング支援を提供し、パッチとアップグレードでソリューションを改善します。Salesforce は顧客をサポートするパートナーをサポートします。Salesforce には、顧客によるソリューションの使用状況を調べるツールがあり、問題が発生している顧客にパートナーがハンズオンヘルプを提供できるようにしています。
ライフサイクルが完了したら、プロセスを繰り返します。新機能の計画と作成、更新の配布、新機能の販売とマーケティング、サポートチームのトレーニングを行います。