組織の準備
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 機能制限トライアルの設定方法を説明する。
- Trialforce の設定に関連する組織の種別を挙げる。
- Trialforce の設定のための組織を設定するプロセスを説明する。
Volunteer Tracker アプリケーションで無料トライアルを探索
Salesforce で使用できるさまざまな種類の無料トライアルを調べてみましょう。Volunteer Tracker (ボランティア追跡) という優れた製品があるとします。名前のとおり、組織のボランティアを追跡するアプリケーションです。見込み客向けにどのようなエクスペリエンスを作成できるか確認してみましょう。これから、Volunteer Tracker アプリケーション用に各種類 (インストール可能トライアル、機能制限トライアル、Trialforce トライアル) のトライアルをリリースします。
最初にすべきこと: ライセンスの設定
すでに説明したとおり、アプリケーションのトライアルとフルバージョンの違いはライセンスによって決まります。トライアルを設定する前に、ライセンスに関連付ける必要があります。具体的には、各自のアプリケーションの管理パッケージを、ライセンス管理アプリケーション (LMA) がインストールされているパートナービジネス組織 (PBO)、または各自のライセンス管理アプリケーション (LMA) をインストールした組織にリンクします。Salesforce パートナーコミュニティにログインして、次の手順を実行します。
- [Publishing (公開)] をクリックして、パートナーコンソールを立ち上げます。
- [Technologies (テクノロジー)] をクリックします。
- [Solutions (ソリューション)] をクリックします。
- 登録するパッケージバージョンを見つけて、[Register Package (パッケージを登録)] をクリックします。
- LMA がインストールされている PBO または各自の組織にログインして、デフォルトのライセンス設定を編集します。
- デフォルトのライセンスが [Free Trial (無料トライアル)] か [Active (有効)] かを選択します。無料トライアルの場合は、90 日以内の日数を入力します。
- ライセンスが [Per seat (シートごと)] または [Site-wide (サイト全体)] のどちらに適用されるか選択します。シート数に、ライセンスに割り当てるシートの数を入力します。
- 変更内容を保存します。
AppExchange リスティングからの直接インストールを有効にする
顧客の組織にアプリケーションをインストールするのは簡単です。Salesforce パートナーコミュニティの公開コンソールから開始します。[Publishing (公開)] をクリックして、パートナーコンソールにアクセスします。
- Salesforce パートナーコミュニティにログインします。
- [Publishing (公開)] をクリックして、パートナーコンソールを立ち上げます。
- [Listings (リスティング)] をクリックします。
- リストを見つけ、クリックします。
- [Link Your Solution (ソリューションをリンク)] をクリックします。
- [Installation Methods (インストール方法)] については、インストール可能トライアルの場合、通常は AppExchange からの直接インストールが最適です。
これで完成です。[Install from your AppExchange listing (AppExchange リスティングからインストール)] インストールオプションを選択すると、AppExchange リスティングに [Get It Now (今すぐ入手)] ボタンが顧客に表示されます。[今すぐ入手] をクリックした後、顧客はウィザードに従ってアプリケーションのインストール先 (本番組織または Sandbox 組織) を選択します。
アプリケーションは組織にインストールされ、顧客は自社のデータを使用してアプリケーションを試すことができます。とても簡単です。
リード追跡を設定する
次に、アプリケーションのリストページに移動してリード追跡を設定します。
- パートナーコンソールで、[Listings (リスティング)] をクリックします。
- 各自のアプリケーションのリスティングをクリックします。
- [Grow Your Business (ビジネスを発展させる)] をクリックします。
- [Leads (リード)] に、リード収集組織の組織 ID を入力します。
- [Install the solution (ソリューションをインストール)] チェックボックスをオンにします。見込み客が Sandbox または本番組織にソリューションをインストールすると、リード追跡が有効になります。
- トライアルやリード追跡に関する他の詳細を選択します。
7.これでトライアルからリードがフィードされるようになりました! それでは、トライアルを設定しましょう。
8.[保存 & 終了] をクリックします。
Volunteer Tracker の機能制限トライアル
Salesforce を使用していない顧客に Volunteer Tracker (ボランティア追跡) を見せるには、機能制限トライアルが最も簡単な方法です。顧客は AppExchange リストからアプリケーションの機能制限トライアルを開始します。
機能制限トライアルは独自の組織に存在し、使用するユーザーはそれぞれ評価ユーザーとして自動的にログインします。顧客は組織のデータを変更できず、パスワードは必要ありません。複数の顧客が同時に機能制限トライアルを使用できます。顧客はデータを変更できないため、競合が発生するリスクはありません。
環境ハブと事前設定された Trialforce テンプレートを使用して、機能制限トライアル組織を作成します。後から、管理ユーザーとして機能制限トライアル組織にログインし、ソリューションをインストールします。また、管理ユーザーを使用して、参照のみの評価ユーザーを作成します。
機能制限トライアルを作成する前に、ソリューションの管理パッケージがリストにリンクされていることを確認します。確認方法については、『ISVforce ガイド』を参照してください。
機能制限トライアル組織の作成
- パートナービジネス組織 (PBO) にログインします。
- 環境ハブに移動します。
- [組織を作成] をクリックします。
- [Purpose (目的)] で [Test Drive (機能制限トライアル)] または [Demo (デモ)] を選択します。
- [Create Using (以下を使用して作成)] で、[Trialforce Template ID (Trialforce テンプレート ID)] を選択します。
- [Trialforce Template ID (Trialforce テンプレート ID)] に、
0TT5Y000004aUeY
と入力します。 - 組織の名前を指定します。
- 組織の管理ユーザーの姓、名、ユーザー名を入力します。
- 契約条件に同意して、[Create (作成)] をクリックします。
数分後に、機能制限トライアル組織へのログイン手順がメール送信されます。 - ログイン手順に従って、管理ユーザーのパスワードを設定します。
機能制限トライアル用の Developer Edition 組織が作成されます。この組織に、管理ユーザーと評価ユーザーという 2 種類のユーザーが設定されます。Salesforce から管理ユーザーにメールが送信されます。メールを受信したら、組織を設定できます。
機能制限トライアル組織の設定
受信したメールから機能制限トライアルの設定を開始します。
- 機能制限トライアル組織にログインします。
- ソリューションをインストールします。
- [Setup (設定)] → [Users (ユーザー)] で、[Eval Test (評価テスト)] ユーザーを編集します。
- [Test Drive Eval Profile (機能制限トライアル評価プロファイル)] が割り当てられていることを確認します。
- メールアドレスには、自分のメールアドレスに「+evaluser」を付加したものを使用してください。(例: johndoe+evaluser@example.com)
- 確認メールが届くまで待機します。
- [Eval Test (評価テスト)] ユーザーのパスワードをリセットします。
- 評価ユーザーに必要な追加設定を行います。たとえば、ソリューションのカスタム Apex クラスや Lightning コンポーネントへの参照のみアクセス権を有効にします。
- 評価ユーザーが、機能制限トライアル組織への参照のみアクセス権や、オブジェクトへの最小限のアクセス権など、必要なアクセス権しか持っていないことを再確認してください。
- 機能制限トライアル組織のセキュリティを次の方法で強化します。
- 機能制限トライアル組織から機密データを削除する。
- 管理者アカウントと評価テストアカウントのそれぞれに指定したパスワードが一意であることを確認する。
- 管理者アカウントでログインする場合の多要素認証を設定する。
- リストで機能制限トライアルを無効にした場合、機能制限トライアル組織を削除する。
機能制限トライアル組織を使用できるようになりました。いよいよリストにリンクします。
機能制限トライアル組織をリストに接続する
パートナーコンソールからこのプロセスを開始します。
- [Listings (リスティング)] をクリックします。
- 各自のリスティングを選択します。
- [Grow Your Business (ビジネスを発展させる)] をクリックします。
- [Test Drives (機能制限トライアル)] で、[Offer test drives (機能制限トライアルを提供する)] をオンに切り替えます。
- 機能制限トライアル組織 ID と、評価ユーザーのユーザー名とパスワードを入力します。
6.[保存 & 終了] をクリックします。
顧客が製品を試せるようになりました。AppExchange リストに移動し、リストの [機能制限トライアル] をクリックしてトライアルができるか試します。
Trialforce での Volunteer Tracker
Trialforce は高度な機能を備えています。最も柔軟な無料トライアルであり、さまざまな種別の見込み客や顧客に対して複数の異なるエクスペリエンスを作成し、それぞれを独自のトライアル組織で実行できます。さらに取引開始も簡単です。製品を購入した顧客は、トライアル組織を本番組織として使い始めるだけです。
ただし、Trialforce は魔法ではありません。機能させるためには、少しの知識といくつかの組織の設定が必要です。それでも心配はいりません。ここではその方法を説明します。
Trialforce で提供するエクスペリエンスごとに、設定データとサンプルデータを含むテンプレートを作成します。見込み客が Trialforce トライアルを開始すると、このテンプレートのデータがトライアル組織にリリースされます。
これらのテンプレートはどこにあり、どうやってトライアル組織にリリースされるのでしょうか? トライアルではいくつかの組織種別を使用してテンプレートを管理します。
- Trialforce ソース組織 (TSO) には、テンプレートの設定およびサンプルデータが保持されます。ここにソリューションをインストールします。作成するエクスペリエンスごとにこれらの組織のいずれかを作成し、見込み客にどう表示するかを正確に設定します。TSO では、設定およびサンプルデータが含まれるテンプレートを作成します。
- 環境ハブではトライアルの TSO を作成できます。これが最も簡単な TSO の作成方法です。
- Trialforce 管理組織 (TMO) は、トライアルにカスタムブランド設定が必要な場合に TSO の作成と管理に使用します。環境ハブではブランド設定された TSO を作成できません。代わりに、サポートケースを作成して TMO を申請します。この点は後ほど詳述します。
TSO のテンプレート作成方法は、次の単元で説明します。ここでは、これらの組織を設定しましょう。
環境ハブから直接 Trialforce ソース組織を作成する
- ビジネス組織にインストールされている環境ハブにログインします。
- [組織を作成] をクリックします。
- [Purpose (目的)] で、[Trialforce Source Organization (Trialforce ソース組織)] を作成します。
- [Edition (エディション)] で、[Enterprise TSO] と [Professional TSO] のいずれかを選択します。
- 必要な情報を入力し、[作成] をクリックします。
TSO を作成したら、Salesforce パートナーコミュニティでサポートケースを登録して、サインアップ要求 API でトライアルテンプレートの使用承認を取り付けます。商品には、「Partner Programs & Benefits (パートナープログラムと特典)」と指定します。トピックには、「ISV Technology Request (ISV テクノロジー要求)」と指定します。サインアップ要求 API についての詳細は、後の単元で説明します。
Trialforce 管理組織を申請する
ブランド設定した TSO を作成するためには、まず TMO が必要です。
- Salesforce パートナーコミュニティへの登録に使用したユーザー名で Salesforce ヘルプにログインします。
- [Contact Support (サポートへの連絡)] をクリックします。
- [Create a Case (ケースを作成)] をクリックします。
- 必須の詳細情報を入力します。
- [Subject (件名)] に
Trialforce Management Org (TMO) Request
(Trialforce 管理組織 (TMO) の申請) と入力します。 - [Description (説明)] には、自分が Salesforce パートナーで、TMO を申請する旨を記入します。
- 製品を選択するよう指示されたら、[Pick a different product / topic (別の製品/トピックを選択)] をクリックします。
- [Product (製品)] で、[Partner Programs & Benefits (パートナープログラムとメリット)] を選択します。
- [Topic (トピック)] で、[ISV Technology Request (ISV テクノロジー要求)] を選択します。
- インスタンス種別と重要度を選択します。
- [Subject (件名)] に
- [Create a Case (ケースを作成)] をクリックします。
Trialforce 管理組織を使用してブランド設定された Trialforce ソース組織を作成する
TMO が有効になったら、ソース組織を作成します。これは、Classic で実行する必要があります。
- Classic で、[設定] メニューに移動します。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Source
(ソース) と入力します。 - [Build (ビルド)] メニューで、[Trialforce Management (Trialforce 管理)] をクリックします。
- [ソース組織] をクリックします。
- [新規] をクリックし、必要な情報を入力して保存します。
作成方法に関係なく、作成する Trialforce エクスペリエンスごとに 1 つの TSO が必要になります。
TSO と TMO に関する上記の説明が役に立つことを願っています! 次の単元では、効果的な Trialforce エクスペリエンスの作成を取り上げます。