トライアルの提供
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 無料トライアルのリリース方法を挙げる。
- サインアップ要求を作成する方法を説明する。
- ホスト型トライアルの利点を説明する。
Trialforce の提供方法の選択
あなたは、すべての人に最高の製品を見せるために Trialforce を選択しました。時間をかけて没入型エクスペリエンスを作成し、テンプレートにパッケージ化しました。いよいよ世界に向けてトライアルの提供を始めます。提供するには、3 つの方法があります。実行できる操作は、次のとおりです。
- AppExchange に無料トライアルを掲載し、見込み客が直接ダウンロードできるようにする。
- サインアップ要求を使用するトライアルを提供する。
- カスタマイズした Web フォームを設定してオンデマンドのホスト型トライアルを提供する。
選択肢としては、AppExchange が最も簡単な方法です。他の 2 つでは見込み客とやりとりできます。最も簡単な方法から始めましょう。
トライアルを AppExchange に掲載する
すでに述べたとおり、これは最も簡単な方法ですが、同時に最も制限のある方法でもあります。たとえば、一時点で 1 つの Trialforce テンプレートしか提供できません。また、サインアップ要求を利用できません。これは、リードに関する詳細な情報を収集できる有益な機能です。詳細は後で説明します。テンプレートが 1 つしかなく、トライアルを提供したい場合は、この方法で実現できます。
トライアルを使用できるようにするには、AppExchange リストから Trialforce を有効にします。そのために、まず Trialforce テンプレートをパートナーコンソールに接続します。
- Salesforce パートナーコミュニティにログインします。
- [Publishing (公開)] をクリックして、パートナーコンソールを立ち上げます。
- [Technologies (テクノロジー)] をクリックします。
- [Trial Template (トライアルテンプレート)] をクリックします。
- [Connect Org (組織を接続)] をクリックし、Trialforce テンプレートを含む組織のログイン情報を入力します。
次に、Trialforce テンプレートを AppExchange リスティングにリンクします。
- [Listings (リスティング)] をクリックします。
- リストを見つけ、クリックします。
- [Grow Your Business (ビジネスを発展させる)] をクリックします。
- [Free Trials (無料トライアル)] に、各自のトライアルテンプレート ID を指定します。
5.[Leads (リード)] に、リード収集組織の組織 ID を入力します。
6.[Install the solution (ソリューションをインストール)] チェックボックスをオンにします。リードの追跡が有効になります。
7.[保存 & 終了] をクリックします。
これで、顧客がリストにアクセスすると、無料トライアルのアプリケーションをインストールするオプションが表示されるようになります。
AppExchange でトライアルを開始する見込み客の取引先責任者情報を収集します。契約条件とメインサービス契約への同意を求めます。この情報を提供した見込み客にはそれぞれ、トライアル組織へのリンクが記載されたメールが送信されます。あなたが Trialforce 管理組織を使用してメールにブランドを設定した場合、メールの送信者はあなたになります。
すでに説明したように、Trialforce 組織は完全に機能する Salesforce 組織です。見込み客はトライアルの期間中、アプリケーションを使用し、適当と思われる追加のアプリケーションをインストールできます。
他の 2 つの方法では、トライアルを提供する前に見込み客から情報を収集する必要があります。この情報は、サインアップ要求によって収集されます。
サインアップ要求によるトライアルの提供
複数のテンプレートがある場合、または、トライアルを提供する前に見込み客からより多くの情報を収集する場合、サインアップ要求を使用すると、カスタマイズしたトライアルを提供しやすくなります。
サインアップ要求は、Trialforce テンプレートを使用してトライアルを生成するために使用される標準オブジェクトです。各サインアップ要求には、見込み客と関連付けられたテンプレートに関する基本的な情報が保持されます。新しいパートナービジネス組織には、あらかじめサインアップ要求機能がインストールされています。パートナービジネス組織にインストールされてない場合は、Salesforce パートナーコミュニティでサポートケースを登録してください。
サインアップ要求オブジェクトは、新規レコードを入力して手動で作成することも、サインアップ要求 API を介して自動作成することもできます。ここでは、両方の方法をみていきます。
サインアップ要求機能を使用する前に、テンプレートの作成に使用する Trialforce ソース組織 (TSO) の使用が承認されている必要があります。承認を取り付けるために、Salesforce パートナーコミュニティ (ログインが必要) でサポートケースを登録します。
サインアップ要求オブジェクトには、見込み客に関する必須情報 (氏名、会社、メール、トライアルユーザー名) が含まれます。トライアルに使用する Trialforce テンプレートも識別します。各サインアップ要求には、トライアルの状況とプロビジョニングに関する履歴情報も含まれます。
これは通常の Salesforce オブジェクトなので、見込み客からの追加情報を取得するカスタム項目を作成できます。ビジネスプロセスに合った入力規則やワークフローを追加することもできます。
AppExchange リストで見込み客に無料トライアルボタンへのリンクが表示されます。見込み客がリンクをクリックすると、取引先責任者情報の提供を促されます。入力すると、あなたにメールが届きます。見込み客に連絡して、ニーズについて話し合ったり、情報を確認したりできます。その後、サインアップ要求レコードを追加して見込み客用のトライアルを作成します。
新しいサインアップ要求レコードを作成する手順は、次のとおりです。
- Salesforce Classic で、[サインアップ要求] をクリックします。
- [新規] をクリックします。
- 見込み客の会社を選択するか、会社がリストにない場合は、名前を入力します。
- 見込み客の名と姓を入力します。
- Salesforce 内で一意のユーザー名を選択します。これは、見込み客のメールアドレスが別の組織ですでに使用されているかどうかを調べるのが難しいためです。すべての Salesforce ユーザー名と同様に、有効なメール形式にする必要がありますたとえば、見込み客の名前が Pat Jones で、あなたの会社名が AcmeApps の場合、Pat_Jones@AcmeApps.Demo.Org のような名前を使用してください。Salesforce のどこかに存在する名前を選択すると、サインアップ要求履歴にエラーが表示されます。
- トライアルのテンプレートを選択します。作成したすべてのテンプレートに一意の ID があります。テンプレートの ID は Trialforce ソース組織 (TSO) で見つけることができます。
- 別のブラウザーウィンドウまたはタブで、TSO にログインします。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスに「Trialforce」と入力し、[Trialforce Templates (Trialforce テンプレート)] を選択します。
- 使用するテンプレートの ID を、別のウィンドウの [サインアップ要求] ダイアログボックスの [テンプレート] 項目にコピーします。
見込み客に表示する前に Trialforce 組織の設定で特別な処理が必要な場合は、[サインアップメールを抑制] を選択します。これにより、Trialforce が自動的にメールを送信するのを停止して、設定が終わったら見込み客に連絡できます。
詳細な制御ができるため、この方法は内部ユーザー向けのデモ組織を作成するのに適した方法です。アウトバウンドセールスの一部として使用して、要求されていないトライアルを見込み客に提供することもできます。
無料トライアルへのすべての要求に応える場合、多くの制御が可能ですが、多くの時間も必要です。多くの顧客がいる場合、この方法は慎重に使用してください。また、要求は必ず迅速にフォローアップしてください。
オンデマンドのホスト型トライアル
カスタマイズと自動化の両方が必要な場合は、ホスト型トライアルを提供します。これは、独自の Web サイトからリリースするトライアルです。
- Salesforce パートナーコミュニティにログインします。
- [Publishing (公開)] をクリックします。
- [Listings (リスト)] をクリックし、リストを選択します。
- [Grow Your Business (ビジネスを成長させる)] をクリックします。
- 無料トライアルの場合は、検索項目をクリックし、接続されている Trialforce テンプレートを選択します。
- (省略可能) 顧客がトライアルを開始したときにリードを収集します。
- [Leads (リード)] に、[Web-to-Lead (Web-to-リード)] が有効になっている組織の ID を指定します。
- 無料トライアルのチェックボックスをオンにします。
- [完了] をクリックします。
次に、独自のサイトに Web フォームを追加します。見込み客は、このフォームに入力して無料トライアルを要求します。その要求は API コールを使用してサインアップ要求レコードを生成します。このレコードによってその見込み客のトライアルが作成されます。パラメーターとエラーコードのリストについては、サインアップ要求オブジェクトの開発者ドキュメントを参照してください。
Web フォームを作成するには、従来の HTML フォームを使用できます。テンプレート ID に対応したユーザーにわかりやすいテンプレート名を表示する選択リストを作成できます。これにより、見込み客は独自のエクスペリエンスを選択できます。
フォームを作成するとき、Salesforce メインサービス契約へのリンクと、見込み客がその条件に同意するためのチェックボックスを含めます。
カスタム項目をフォームに追加して他の情報を収集することもできますが、フォームは簡潔に保ちましょう。大切なのは見込み客に最後まで入力してもらうことです。Web フォームにはサインアップ要求オブジェクトと同じ項目を含める必要があるため、一致することを確認します。
オンデマンドのホスト型トライアルの設定について不明点がある場合は、詳細なガイダンスとサンプルコードを含む 2 部構成のブログ記事を参照してください。
- Signup Request: Make it Easy for Your Customers to Provision Trials — Part 1 (サインアップ要求: 顧客によるトライアルのプロビジョニングの簡易化 - パート 1)
- Signup Request: Make it Easy for Your Customers to Provision Trials — Part 2 (サインアップ要求: 顧客によるトライアルのプロビジョニングの簡易化 - パート 2)
要求に応じたトライアルの提供
場合によっては、トライアルを提供する前に、見込み客の評価、取引先責任者情報の確認、ニーズに関する聞き取りなど、見込み客とやりとりすることがあります。
トライアルを提供する前に見込み客と話す場合は、次の手順を実行します。
- Salesforce パートナーコミュニティにログインします。
- [Publishing (公開)] をクリックしてパートナーコンソールを起動します。
- 各自のリストをクリックします。
- [Link Your Solution (ソリューションをリンク)] をクリックします。
- [Installation Methods (インストール方法)] で、[Contact you for install instructions (インストール方法について御社に問い合わせる)] をクリックします。
6.[次へ] をクリックします。
7.[Grow Your Business (ビジネスを成長させる)] に、リード組織 ID を入力します。
8.[Install the solution (ソリューションをインストール)] をクリックします。
9.各自のキャンペーン ID を入力します。
10.[保存 & 終了] をクリックします。
まとめ
見込み客を購入客に変えるために Salesforce が提供するツールを振り返りましょう。
- インストール可能トライアル: 顧客の既存組織に製品を直接インストールするトライアルであり、アプリケーションそのもので購入意欲を引き出す効果的な方法です。
- 機能制限トライアル: 見込み客がデータを変更できなくても購入する可能性があるのなら、独自の組織でシンプルな無料トライアルを開始する最も簡単な方法です。
- Trialforce: 見込み客に合わせて調整された没入型エクスペリエンスのためのフル機能のフレームワークです。営業チームのデモ用に最適です。
トライアルからどういう成果を得られるかは、トライアルの内容や方法に応じて異なります。無料トライアルで製品をどう提示するかをしっかりと計画するほど、トライアルから獲得できる顧客も増加します。Salesforce はその計画の実行に必要なツールを提供します。
あらゆる人に、なぜあなたの製品が必要なのかを示しましょう!
リソース
- ブログ: Signup Request – Make it Easy for Your Customers to Provision Trials — Part 1 (サインアップ要求 – 顧客によるトライアルのプロビジョニングの簡易化 - パート 1)
- ブログ: Signup Request – Make it Easy for Your Customers to Provision Trials — Part 2 (サインアップ要求 – 顧客によるトライアルのプロビジョニングの簡易化 - パート 2)
- ISVforce ガイド: Sign-Ups Using the API (API を使用したサインアップ)
- ISVforce ガイド: Creating Proxy Signups for OAuth and API Access (OAuth および API アクセスのプロキシサインアップの作成)
- Salesforce オブジェクトリファレンス: SignupRequest