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申込、苦情、ケースに関するオブジェクトを知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 各申込オブジェクトについて説明する。
  • 苦情オブジェクトとケースオブジェクトの目的を説明する。
  • 苦情とケースにおける関係者の役割を説明する。

規制フレームワーク、苦情、ケース

公共機関はコミュニティの安全と福祉の維持において重要な役割を果たします。機関のガバナンスには規制、市民エンゲージメント、捜査活動の複雑な相互作用が必要です。

そのすべての出発点となるのが規制フレームワークです。これは、ビジネスライセンスから公開イベントまであらゆることを管理する法律とプロセスのことです。このようなフレームワークが侵害されると苦情が発生し、捜査が開始され、是正措置へとつながることがあります。

この単元では、規制と承認に使用される主なオブジェクトについて学習し、公共機関がどのように ICM を使用して次のような目標を達成するかに注目します。

  • 個人や組織が活動するための基準を確実に満たすように、規制申込とビジネスライセンスを通じてコンプライアンスを徹底する
  • 公的な苦情を追跡し、不正行為の可能性を捜査するケースを開始することで、懸念に対応する
  • 苦情とケースの両方で関係者を綿密にドキュメント化することで、主要な関係者を特定する

真夜中に怪しい犯罪者を追いかけるほどのスリルはないかもしれませんが、規制を維持し、実施することはコミュニティの日常を静かに守ることになります。

規制申込オブジェクト

捜査ケース管理ジャーニーの出発点は申込と承認要請です。なんといっても、認証は規制フレームワークの重要な要素です。企業や個人は、法律や規制に従うために、業務の遂行、車両の運転、公開イベントの開催、監督が必要なその他の多くの活動を行うためのライセンスや許可を申請します。ライセンスや許可の中には、公共機関が承認前に捜査を行ってコンプライアンスを確認する必要があるものもあります。

公共セクターソリューションでは、規制コードオブジェクトで、行政機関によって設定された具体的なルール、基準、ガイドラインを定義します。規制コードとその他の規制フレームワークオブジェクトについての詳細は、「公共セクターのライセンスと許可の管理について知る」トレイルを参照してください。

住民が申請に必要なすべての情報をデジタルで提出できるように、個人申込ビジネスライセンス申込を作成します。このような申込には規制取引手数料が必要な場合もあります。これいついてはこのモジュールで後ほど学習します。

機関は申込を審査して、申込者がその活動を行うための要件と基準をすべて満たしていることを確認します。たとえば、ある企業がビジネスライセンスを申し込む場合、機関はその企業が管轄内で業務を行うのに適格であることを確認します。ライセンスを付与する前に、検査担当者は現場訪問を実施して、その企業が基準を満たしていることを確認します。

次の図は、捜査ケース管理データモデルでの申込とライセンスに関するオブジェクトを示しています。

申込とビジネスライセンスのオブジェクトを示すデータモデル図。

次の表は前の図で強調表示されている申込オブジェクトとそのシナリオ例のリストです。このモジュールを進めながら、各オブジェクトがデータモデル全体でどのように位置付けられるかを学習します。

オブジェクト

個人申込 (1)

ある住民が Cosville 中心部でパレードを行うための申込を提出する。

ビジネスライセンス申込 (2)

Stealthy Financial Services という地域の会社の所有者が Cosville で操業するためのビジネスライセンスを申し込む。

ビジネスライセンス (3)

Cosville が Stealthy Financial Services にビジネスライセンスを付与する。

申込によってコンプライアンスの基準が設定され、場合によっては捜査が行われます。では、ビジネスや個人がポリシーに反して法律や規制に違反した場合はどうなるでしょうか? そこで登場するのが苦情とケースです。

苦情とケースのオブジェクト

多くの捜査ケースは苦情から始まります。行政機関にとって市民がコミュニティで体験したり見たりした問題を報告することが頼りということがよくあります。問題には、地域のレストランでのネズミの発生から、通りを歩いていた歩行者が目撃した強盗までさまざまなものがあります。誰かが機関に犯罪の可能性や安全上の問題を知らせると、機関は情報を収集するための捜査を開始します。

機関に問題を告発するために、住民またはその法定代理人は公的な苦情を登録します。これはインシデントに関する詳細なレポートです。捜査ケース管理では、報告者が機関の Web サイトのデジタルフォームを通じて苦情を登録することも、報告者が機関に電話して受付担当者が苦情に関する情報を記録することもできます。

次の図は、受付担当者が住民に代わって入力する公的な苦情フォームです。

[New Complaint (新規の苦情)] ガイド付き受付フォーム。

または、住民が機関に電話して問題を報告したときに、受付担当者が苦情受付のガイド付きフローを使用して、インシデント、関係者、主張に関する詳細を体系的に記録することもできます。

苦情にさらに捜査が必要な場合には、ケースワーカーが苦情から直接、ケースを作成します。ケースレコードには情報やメモと、苦情を捜査して解決するために必要なアクションが保存されます。ケースの種類に応じて、このようなアクションにはインシデントをさらに詳しく評価するための現場訪問や困窮する住民をサポートするためのケアプランなどが含まれます。

メモ

社会福祉プログラムケースとケアプランについては、Trailhead の「公共セクターソリューションの社会福祉プログラム管理データモデル」モジュールを参照してください。

複数の苦情を 1 つのケースにリンクするには、苦情ケース連結オブジェクトを使用します。また、このオブジェクトを使用すると、捜査が複数の部門や機関にまたがる場合に、いくつかのケースを 1 つの苦情に関連付けることもできます。

関係者

機関では苦情とケースに関与する人やそのような人々の間の関係を追跡することが不可欠です。苦情の受付時に機関の従業員は、各苦情関係者を特定し、その役割 (報告者や加害者など) を定義します。苦情がケースに変換されると、各苦情関係者はケース関係者になります。このモジュールの後の方で、ケース手続きに関与するすべての人をケース手続き関係者として追跡する方法について学習します。

ケースまたは苦情で、1 つまたは 2 つのオブジェクトを関係者としてリンクできます。

  • 個人取引先は、法人取引先と取引先責任者の項目を組み合わせて、個人を表します。
  • 法人取引先 は、世帯、行政機関、法律事務所などの組織を表します。

次の図は、このようなオブジェクト間のリレーションを示しています。

関係者に関連するオブジェクト。

各個人取引先または法人取引先は取引先責任者に関連付けられています。

人と人、組織と組織、または人と組織の間の重要な関係を表すには当事者リレーショングループを使用します。当事者リレーショングループは、ケースに関連する世帯、信託、その他の論理的なつながりを追跡するのに適しています。

メモ

関係者リレーショングループの詳細については、Salesforce ヘルプの「公共セクターソリューションでの関係者リレーショングループの管理」記事を参照してください。

捜査におけるケース、苦情、関係者を理解するために、次のシナリオについて考えてみましょう。Cosville では Stealthy Financial Services のある従業員が会社に対する不満を申し立てました。報告者は役員が賄賂と不正を含む違法なビジネス行為を行ったのを目撃したとしています。

機関の受付担当者は苦情を検討し、インシデントに関する追加の詳細を入力し、関係者を記録します。次にケースを作成すると、ケースマネージャーである Carmen がフォローアップできるようになります。苦情の関係者はケースレコードに継承され、捜査が進むにつれて Carmen はさらに関係者を追加します。不正を行う者を野放しにしておくわけにはいきません。そこで彼女は機関の対応をすばやく計画します。

Carmen は ケースレコードの [Casework Overview (ケースワーク概要)] を使用して、ケースに関連するレコードの概要をすばやく把握できます。

ケースレコードの [Casework Overview (ケースワーク概要)] タブ。

[Casework Overview (ケースワーク概要)] では、関係者、保管項目、保管チェーンエントリ、違反、苦情、ケース手続きを表示または追加できます。また、これらのレコード間のリレーションの全体像やケース活動の時系列ビューも表示できます。この画面は、ケースの複雑さが増した場合に多くの構成要素を管理するために非常に役立ちます。補完項目、違反、ケース手続きについてはこのモジュールの後の方で詳しく学習します。

次の図は、データモデルでの関係者、ケース、苦情の位置付けを示しています。

苦情、ケース、関係者オブジェクト。

次の表は、捜査ケース管理データモデルでのケース、苦情、関係者の位置付けを説明しています。

オブジェクト

関連先

詳細

公的な苦情 (1)

苦情ケース、規制コード違反、ケース手続き苦情

Stealthy Financial Services のある従業員が社内での不正を告発するために機関に苦情を申し立てる。

ケース (2)

苦情ケース、ケアプラン、ケース関係者

ケースマネージャーの Carmen が苦情に対する機関のアクションを追跡するためにケースを作成する。

苦情ケース (3)

規制コード違反、ケアプラン、ケース手続き、保管項目リレーション

Carmen が Leonard の倫理に反する行為について追加の苦情を受けたため、新しい苦情をケースに関連付ける。

個人取引先 (4)

取引先責任者、ケース関係者、ケース手続き関係者、ケースエピソード

個人取引先には不正を告発された Stealthy Financial Services の役員の Leonard に関する情報が保存される。

法人取引先 (5)

取引先責任者、ケース関係者、ケース手続き関係者、ケースエピソード

法人取引先には Stealthy Financial Services に関する情報が表示される。

取引先責任者 (6)

個人取引先、法人取引先、ケースエピソード

Leonard は Stealthy Financial Services の取引先責任者としてリストされる。

苦情関係者 (7)

ケース、個人取引先、法人取引先、取引先責任者

受付担当者は Leonard と内部告発者の両方を苦情レコードの関係者としてリストする。

ケース関係者 (8)

ケース、個人取引先、法人取引先、取引先責任者

Carmen は Leonard、内部告発者、捜査官、弁護士、ケースに関与するその他の人をケースレコードの関係者として含める。

図にギャップがありますね。心配はいりません。モジュールを進めていくと、データモデル内のその他のコンポーネントが明らかになっていきます。

メモ

データモデル図の視覚的な要素の説明は「Salesforce Data Model Notation (Salesforce データモデル表記)」を参照してください。

これで、申込、苦情、ケースについて学習しました。次は執行です。

次の単元では、ケースの一部として訪問、違反、証拠を追跡するためのオブジェクトについて学習します。

リソース

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