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Agentforce の機能について知る

学習の目的

このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。

  • Agentforce と AI エージェントについて説明する。
  • エージェントが作業を遂行するために必要なものを 3 つ挙げる。
  • Agentforce が実行可能なジョブの種別について説明する。

Trailcast

このモジュールの音声録音をお聞きになりたい場合は、下記のプレーヤーを使用してください。この録音を聞き終わったら、必ず各単元に戻り、リソースを確認して関連付けられている評価を完了してください。

Agentforce とは何ですか?

子どもの頃、きょうだいや友だちと一緒に、皿洗いや部屋の片付けを手伝ってくれる便利なロボットのようなものがあれば、もっと自転車で走り回ったりビデオゲームで遊んだり、いろいろなことができるのにと思い描いていたのではないでしょうか。大人になり、仕事をするようになった今でも、さまざまな業務を手伝ってくれるもの、あるいはお客様が会社と簡単にエンゲージできるものがあればよいのにと思っているかもしれません。その願いを叶えるのが Agentforce です。Agentforce は、あなたのビジネスを把握している有用な AI エージェントを日常のワークフローに直接組み込んで、従業員やお客様のためにあらゆるジョブをシームレスに処理します。

Agentforce はこのことをどのような方法で実現するのでしょうか? Agentforce は Salesforce Platform 上に存在するプロアクティブな会話型 AI ソリューションで、自律型エージェントで構成されています。そもそも自律型エージェントとは何なのでしょうか? 自律型エージェントは、問い合わせを理解して応答し、アクションを実行できる高度な AI で、人間の介入を要するものもあれば、要しないものもあります。エージェントに目的を指示すると、自らタスクを生成して次のステップを予測し、ユーザー入力に基づいて方向転換し、設定されたユースケースとガードレールの範囲内で新しいタスクを開始することができます。Agentforce は、信頼のおけるデジタルチームメイトと考えることができます。

Agentforce がジョブを遂行する方法

Agentforce は、スマートなテクノロジーと高度にカスタマイズ可能なコンポーネントを使用して構築されています。スマートとはどういうことなのでしょうか? どうすればコンポーネントがスマートになるのでしょうか? 実際のところ、Agentforce は機械学習 (ML) や自然言語処理 (NLP) といった人工知能 (AI) の機能を利用して、会話や質問、リクエストを理解します。続いて、与えられた指示に従ってリクエストを処理し、安全なデータでグラウンディングされた応答を返すことができます。各エージェントのコンポーネントの多くは、組織全体の固有のニーズに対応するよう設定できます。では、詳しく見ていきましょう。

データ

すべての従業員と同様に、エージェントがジョブを遂行するためには、会社とお客様を理解する必要があります。Agentforce は Salesforce Platform の一部であるため、エージェントが安全にジョブを遂行するために使用できる情報とアクセスコントロールを選択できます。エージェントは、ナレッジ記事、CRM データ、接続した外部ソースのデータなど、構造化データと非構造化データを使用してタスクを実行できます。

推論

これは各エージェントの背後にある頭脳です。推論エンジンにより、エージェントが深く考え、人間の意図を理解し、会話の流れの中でアクションを実行して、会話の変化に応じて異なるトピックやアクションをコールできます。Salesforce ではこの目的で Atlas 推論エンジンを採用しています。

Actions (アクション)

アクションとは、エージェントがジョブを遂行するために実行する個々のタスクです。標準アクションをカスタマイズすることや、独自のビジネスプロセスを使用する新しいアクションを作成することができます。後者の例として、商品の返品を開始する自動起動フローや、セールスメールを生成するプロンプトテンプレート、天気予報アプリケーションをコールする Apex が挙げられます。エージェントには、遂行するよう設定されているジョブに応じて、1 つまたは複数のアクションを設定できます。

トピック

トピックは、エージェントが実行できるジョブ全体を定義するアクションのカテゴリまたは分類です。たとえば、「注文管理」というトピックは、注文の検索、注文の追跡、返品または交換の処理など、そのトピックに割り当てられている注文関連のアクションを開始することができます。トピックに指定した自然言語の指示が、エージェントに特定のアクションをいつ開始するかを伝え、エージェントのガードレールとして機能します。

チャネル

Agentforce は、Salesforce 組織、Slack、テキストメッセージ、メールなど、従業員やお客様がコミュニケーションや業務上の活動に使用するシステムにリリースできます。すべてのチャネルのワークフローやハンドオフを統合するように Agentforce を設定することも可能です。

全体的なしくみを理解する

エージェントがジョブを遂行するうえで役立つテクノロジーやコンポーネントがわかったところで、次はエージェントの全体的なしくみを見ていきましょう。次のシナリオについて考えてみます。ユーザーがエージェントウィンドウに質問を入力すると、エージェントがそのリクエストを割り当てられているトピックと照合し、関連性が最も高いトピックを選択します。エージェントはその選択したトピックに基づいて、お客様の特定、予約の取り付け、インデックス付けされた知識ベースでの解決策の検索など、関連するアクションを開始します。また、お客様に詳細を尋ねたり、タスクを実行できない場合にエラーメッセージを表示したりするようにエージェントを設定することも可能です。これが次のセクションにつながります。

Agentforce が実行できるジョブの種別

あなたが求めているのは、最新の機器のヘルプ記事やインストール手順を表示してくれるエージェントですか? それとも、クリニックの雑務のリクエストを追跡して割り当てるエージェントでしょうか? Agentforce は標準エージェントやカスタムエージェントを使用して、こうしたタスクを実行するように設定できます。

標準エージェント

Agentforce には、標準エージェントという、すぐに使用できるエージェント種別のライブラリが付属します。この種のエージェントにはあらかじめ関連するトピックやアクションが含まれ、特定のクラウドやライセンスで機能します。標準エージェントは、多くの、あるいは大半のビジネスユースケースに対応するように設定できます。

設定可能な標準エージェントの代表的なものをご紹介します。

  • 従業員向け Agentforce: 従業員向けにカスタマイズ可能なエージェントで、従業員が情報へのアクセス、関係の要約、収益の予測などを業務の流れの中で実行できるようにします。
  • Agentforce セールスデベロップメント担当 (SDR): ビジネスの収益を向上させたい場合は、このエージェントが 24 時間体制でリードにエンゲージし、その質問や時には異議に対処しながら、担当者が最高の状態で業務を遂行し続けるために必要なタスクを効率化します。一例として、CRM データと外部データを使用してミーティングをスケジュールし、営業担当が商談の成立に注力できるようにします。管理業務をどうにかしたいと考えている場合にも エージェントが役立ちます。
  • Agentforce for Setup: ローコードのプロンプト可能なパートナーを使用したドキュメントの検索や組織のカスタマイズに役立ちます。
  • Agentforce サービスエージェント: お客様にパーソナライズされた対応、一般的な回答、エスカレーションパスに関するサポートを実施する場合に使用できます。

Agentforce の標準エージェント種別の数例

カスタムエージェント

必要なジョブを実行するエージェントを作成したいのに、目的の作業を行える標準エージェント種別が見当たらない場合にはどうすればよいでしょうか? たとえば、新しい旅費を審査できるエージェントが必要な場合などです。Agentforce では、自然言語で対話しながら数秒のうちに新しいカスタムエージェントを設定できます。ここですべきことは、実行してもらうジョブについて説明するだけです。後は Agentforce が、使用可能なライブラリからトピックとアクションを選び出し、適切なトピックと指示を自動生成します。

Note

組織に表示される標準エージェントは、各自の Salesforce ライセンスに基づきます。カスタムエージェントを検討する前に、標準エージェントでニーズが満たされないか確認することをお勧めします。

エージェントとやり取りする場所

Salesforce システム管理者など、Agentforce 権限を有するロールである場合は、作業が行われる場所で会社やお客様がエージェントを使用するように設定できます。Agentforce ユーザーは、各自の Salesforce 組織、Slack、Salesforce モバイルアプリケーションで取引先の詳細の要約、ワークフローの承認、ケースの確認などのタスクを実行するときに、その業務フローの中で直接エージェントを操作します。また、Agentforce を Slack にリリースすれば、ヘルプデスクのチケットを処理する IT チームのサポートや、オンボーディングタスクを割り当てて追跡する HR チームの補佐など、さまざまな業務を支援できます。

お客様が Web サイトまたはエクスペリエンスサイトでエージェントを使用すれば、カスタマーサポートへの連絡、ヘルプドキュメントの参照、予定やサービスのスケジュールなどを簡単に行うことができます。組織が Agentforce を立ち上げて稼働したら、Agentforce に実行するよう設定できるタスクが無限に広がります。各エージェントに遂行させるジョブが存在する場所で、ユーザーがそのエージェントにエンゲージします。

[Agentforce] ウィンドウで、ユーザーが注文に関する情報を尋ねています。

エージェントと信頼

Salesforce ではすべてが信頼という中核的な理念に基づいて構築されています。そのため、Einstein Trust Layer に統合されたセキュアな Agentforce を簡単に構築して、生成 AI のリスクを軽減することができます。Trust Layer は、エージェントが生成する応答が、信頼できる企業データでグラウンディングされるようにします。さらに、データ保持ゼロポリシーにより、企業情報や顧客情報が外部に開示されることがありません。

Trust Layer は、潜在的に有害な LLM 応答を検出し、透明性を確保する目的で、ユーザーとのあらゆるやり取りのイベントログを監視します。エージェントの動作を定義するトピック指示も、ハルシネーションや悪意のある攻撃を阻止するガードレールとして機能します。エージェントがアクセスできるレコードや項目は権限に基づき、エージェントの種別やアクションごとに設定できます。

[Agent Preview (エージェントのプレビュー)] パネルで、あらゆる種類の入力でエージェントを試行し、エージェントが期待どおり応答するか確認できます。Agentforce テストセンターは、可能性のある入力を生成してセキュリティを強化し、エージェントの安全性に対する保証を徹底します。

まとめ

ここでは、ビジネス全体のジョブを遂行できる自律型 AI エージェントのチームを配備できることを学習しました。こうしたエージェントが使用する AI テクノロジーにより、自然言語の問い合わせを理解して、セキュアなデータでグラウンディングされたタスクを完了することや、設定された権限とガードレールを使用することができるようになります。エージェントを複数のチャネルに統合すれば、信頼できるデジタルチームメイトとして機能し、人間の介入の有無に関係なく、タスクを効率的に処理できます。続いて、「Agentforce Builder の概要」モジュールを受講して、エージェントを構築する方法を学習することをお勧めします。

リソース

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