簡潔な自己 PR やストーリーを伝える練習をする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 簡潔な自己 PR を考案する。
- 面接の質問を予想する。
- CAR 手法 (Challenge (課題)、Action (行動)、Result (結果)) を適用して答えを集約する。
「ご自身について教えてください」
これも面接時に聞かれることが多い質問で、最も重要なものの 1 つです。ここで簡潔な自己 PR を披露します。つまり、あなたがどのような人物で、何をしたいかというストーリーを 30 秒から 1 分間で伝えます。
簡潔な自己 PR ではあなた自身について説明します。通常は、好印象を与える最初のチャンスです。この質問は「なぜここで働きたいのか」という質問と密接に結びついており、面接官はあなたが自らのストーリーを完全に掌握しているものと想定しています。
ただし、プレッシャーを感じる必要はありません。あなた自身のストーリーなのですから...。
ストーリーがどのような要素で構成されているのかがわかれば、簡単に考案して調整し、練習することができます。
簡潔な自己 PR を考案する
Leeds School of Business は、簡潔な自己 PR が 3 つの要素で構成されることを示しています。
- あなたはどのような人物か? 目標は何か?
- この目標を追求する理由は? モチベーションは何か?
- どのようなスキル/強みがあるか? 差別化要因は何か?
では、この一例を見てみましょう。
ケーススタディ: Linda Rosenberg が簡潔な自己 PR を考案する
Linda Rosenberg は先頃、Cloud Kicks というカスタムアパレル企業の Salesforce システム管理者の求人に応募しました。まもなく、先方から面接をしたいという電話がかかってきました。ドキドキします! その職務も、Cloud Kicks という企業も、Linda の経験やバリューと合致しています。けれども Linda は、自分にぴったりの企業であると実感することは簡単ながら、この点を面接できちんと説明するのはかなり難しいことを認識しています。
Linda は簡潔な自己 PR をどうやって編み出せばよいのでしょうか? 熟慮の末、次の要素に分解します。
あなたはどのような人物か? 目標は何か? |
「現在、大学で Salesforce システム管理者を務めています。この職務の数年の実務経験を有します。Cloud Kicks のシステム管理者の求人を知り、アプリケーション設計と自動化のスキルを活かせると思い、応募させていただきました。」 |
この目標を追求する理由は? モチベーションは何か? |
「スニーカーへの高い関心と、これまでのキャリアで培った専門知識の両方を活かせる職務であることも興味を抱いた一因です。今日も Cloud Kicks のスニーカーを履いています。新しいアプリケーションに対処するときも、最新の Salesforce 更新を反映させるようチームを誘導するときも、いつでも意欲的に取り組むことができます。Kicks の最新スニーカーを履きながら、その仕事ができるなんて、これ以上の職務は考えられません!」 |
どのようなスキル/強みがあるか? 差別化要因は何か? |
「アプリケーション設計は通常、設計者や代理店に委託しますが、私はそのスキルセットを持ち合わせていますし、Salesforce の自動化にも対応できます。また、学習意欲が高く、私自身の学習だけでなく、他者の学習にも関心があります。今後も地元の Salesforce ユーザーグループで行っている取り組みを継続し、Cloud Kicks のチームが最新機能を活用できるようにして、御社が最先端企業であり続けるために重要な役割を果たしたいと考えています。」 |
この PR は盛り沢山のように思えるかもしれませんが、これが Linda のストーリーです。Linda 本人にとっては自然なストーリーです。あなた自身の簡潔な自己 PR を検討する際に大切なことは、あなた独自のストーリーを編み出すことです。上記の表を参考に、あなたの履歴書やカバーレターも工夫してみてください。
自己 PR は 30 秒から長くても 1 分程度にまとめます。これだけの時間があれば、要点を伝え、職務に対する特別な思いを述べることができるはずです。
面接の質問を予想する
予め回答を用意しておけば、実体験に基づく具体例をすぐに挙げることができます。タイムマシンや魔法に頼る必要はありません (それはそれで面白そうですが…)。Leeds School of Business では、求人の職務内容と履歴書があれば、質問を予想できると考えています。
あなたが初めて履歴書を作成し、求人の職務内容に合わせて書き直したときのことを思い出してください。この段階の作業も同様のプロセスです。
- 求人の職務内容を見直します。
- 履歴書 (カバーレターを送付した場合はカバーレターも) を確認します。
- 両者を比較していきます! 自分のスキルや経験が求人の職務内容に見合っている領域を強調します。この部分は、面接官から質問を受ける可能性が高い領域です。
- 次に、面接官に聞かれそうな質問をリストし、自らの体験を詳しく説明できるようにします。
セクションごとに 3 ~ 5 つの質問のリストを作成したら、落ち着いて答えられるようになるまで声に出して練習します。
ケーススタディ: Linda Rosenberg が面接の質問を予想する
簡潔な自己 PR を書き終えた Linda は、続いて自らの経験に着目し、この職務にどのように関連しているか検討します。
その場で採用担当者に好印象を与えるようなやり方で経験を伝えるにはどうすればよいでしょうか?
求人の職務内容に、Cloud Kicks は成長の一途をたどっているものの、依然として少数精鋭でアジャイルな組織であると記されています。そのため、アプリケーション設計の経験を有する Salesforce システム管理者を求めています。
Linda は大学のアプリケーションを設計した経験を振り返ります。ここで面接官の立場で自分に質問してみます。
- 「どのようなアプリケーションを設計したのですか? 大学ではどのように活用する必要があったのですか?」
- 「開始から終了までどのようなプロセスでしたか?」
- 「どのような人々が関係していましたか?」
- 「どのような結果になりましたか?」
差し当たってこのような質問が思い浮かびました。この職務の次の要件は、Salesforce の自動化の実務経験があることです。自動化についても豊富な経験を有する Linda の顔に笑みが浮かびます。
丹念に質問を予想し、それに答えていくうちに、面接で聞かれそうな内容が絞られてきます。そのお陰で、面接前の不安が和らいできました。
CAR 手法について知る
自分がその職務に適任であることがわかっていても、その職務のニーズを満たすスキルと経験を有することを面接官に証明するためには、明確かつ簡潔な事例を挙げる必要があります。Leeds School of Business では、事例の考案時に CAR 手法を試すことを推奨しています。
CAR は、Challenge (課題)、Action (行動)、Result (結果) の頭文字です。Linda の CAR は次のようになります。
- 課題:「採用プロセス全体で応募者を追跡する採用アプリケーションを設計する必要がありました。」
- 行動:「採用チームと協力してアンケートや 1 対 1 の面談を実施し、要件を収集しました。そのうえで、ワークフローとユーザーインターフェースをスケッチし、フィードバックに基づいてこの作業を繰り返し、アプリケーションを構築してリリースできるようにしました。」
- 最終的な結果:「こうしたベストプラクティスに従ったため、すべての関係者の賛同を得ることができたほか、アプリケーションを開発してリリースするための追加資金も確保できました。忘年会で功績を称えられたというおまけ付きです。」
CAR 手法に従って事例を構成すれば、ストーリーを整然と説明することができ、面接官も事例を把握しやすくなります。
可能であれば、7 ~ 8 つの事例を用意しておくことをお勧めします。
面接当日
確固たる自己 PR と、自らのスキルや経験を強調する数種の事例を用意した Linda は、不安を抱えながらも準備万端の状態です。次の単元では、面接当日に従うべきベストプラクティスについて説明します。