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相互運用性について学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • データ共有の 3 つの I を定義する。
  • 相互運用性が重要な理由を説明する。
  • Health Cloud で相互運用可能なシステムがどう有効化されるかを説明する。

患者レコードの管理方法は、長年かけて手作業での書類のファイリングからデジタルレコードの維持管理へと進化しました。病院や診療所では電子健康カルテ (EHR) を使用していますが、その種類はさまざまで、多くは互換性がありません。緊急処置のために StayHealthy Hospital に紹介された Charles Green のような患者について考えてみましょう。Charles のケースは Bloomington Caregivers の医師とケアチームが担当しています。Bloomington Caregivers とこの病院では使用している EHR が異なります。Charles に必要なケアを提供するために、StayHealthy Hospital の看護師 Meena Sen は 2 つの EHR システムの間を行き来しなければなりません。Charles の既往歴データは統一性がなくサイロ化しているため、Meena が患者の全体像を把握するのは困難です。

多種多様な発生元から多くのデータが発生します。データにはつながりがなく、コンテキストが欠如しています。これは、患者のケース履歴を 1 つにつなぎ合わせようとしているケアコーディネーターにとって悪夢です。ケアの連携が煩雑で時間を取られるため、患者の予防ケアに使える時間がほとんどありません。これに加えてパンデミックのような危機があるため、現場は大混乱しています。

ただし、解決策があります。異なる EHR からの患者情報をすべての提供者、ケアチーム、IT システムで使用できるようにするには、データ共有を可能にする相互運用可能なシステムが必要です。

データ共有の 3 つの I

接続されたデータ共有は 3 つの I に依存しています。

  • インターフェース (Interface)
  • インテグレーション (Integration)
  • 相互運用性 (Interoperability)

まず、2 つの異なるシステムでデータを共有するにはインターフェースが必要です。これにより情報を共有するための経路が確立されるため、重要です。基本的に、インターフェースを通じてデータはシステム間を移動できます。

次に、インテグレーションが必要です。インテグレーションにより、組織内のビジネスプロセスの自動化をサポートする多くのインターフェースがまとめられ、すべてが全体として連携できるようになります。

相互運用性でインテグレーションが次のレベルに進みます。これは、組織の境界内部や外部との間でコンピューター制御システムとソフトウェアアプリケーションを接続し、データを交換し、データを明白な共有されている意味に従って解釈するプロセスです。情報システムは、複雑化することなく 1 つの共有言語を使用して互いにやりとりします。相互運用性では、コンピューターシステムが 4 つの主要なレベル間で徐々に高度化しながらデータ送信できるようにすることで、これを実現します。

相互運用性の 4 つの主要なレベル

FOUNDATIONAL

システム間で安全にデータを交換するために必要な相互運用性要件を確立する

STRUCTURAL

データ交換の形式、構文、編成を定義する (解釈用のデータ項目レベルのものを含む)

SEMANTIC

共通の基礎モデルとデータの成文化を可能にし、共通の理解や意味を提供する

ORGANIZATIONAL

ガバナンスやポリシー、社会的、法的、組織的な考慮事項を追加して組織内および組織間でのデータの安全でシームレスなフローと使用を促進する

相互運用性はインテグレーションと同じではありません。インテグレーションでは異なるシステムがまとめられますが、情報のコンテキストは伝えません。これに対し、相互運用性では統合接続を使用してデータのコンテキストを提供することで、システム間で意味が伝わるようにします。したがって、インテグレーションは相互運用性の基礎となります。

相互運用性が必要な理由

ヘルスケアは各患者の 360 度ビューに向けて進んでいます。すべての医療システムが連携することで顧客の全体像が作成されます。EHR が相互運用可能なシステムであれば、互いとシームレスに通信します。米国では、21st Century Cures Act (21 世紀の治療法) (Cures Act Rule (治療法ルール) とも呼ばれる) が異なる EHR 間の相互運用性促進を目的としています。また、MyHealthEData Initiative により、患者は自分自身の健康情報にアクセスして制御できます。MyHealthEData の一部である Interoperability and Patient Access (相互運用性および患者アクセス) ルールでは、相互運用性と健康情報 (患者データ) への患者アクセスを促進することを主眼としています。Cures Act Rule と Interoperability and Patient Access ルールはどちらも、安全なデータ交換と患者が自分自身の健康情報にアクセスする権利を重視しています。相互運用性は、ヘルスケアシステムの迅速な拡張と健康情報の安全な交換には不可欠です。

Health Cloud が提供する機能

Health Cloud では、異なる EHR ソースからの医療情報をまとめて相互運用性をサポートします。さまざまな EHR の上位にエンゲージメントレイヤーを置くことで、データサイロを解消して健康データを 1 画面上にまとめます。 

相互運用性をバックエンドとフロントエンドの両方で実現できます。バックエンドでは、外部システムからのデータが Health Cloud にコピーされ、必要に応じて保存されます。フロントエンド (Health Cloud ユーザーインターフェース) では、表示されるデータがデータ仮想化というプロセスによって外部システムからリアルタイムで取り込まれます。 

Health Cloud ではいくつかの追加機能も利用できます。

  • デジタルインタラクションツールのセットである OmniStudio を使用して外部システムと統合できる設定可能なアプリケーションソリューションを提供します。こうしたアプリケーションとして、一般的な外部システムと統合される事前作成済みの OmniStudio Integration Procedure などがあります。OmniStudio についての詳細は、「OmniStudio について知る」トレイルを参照してください。
  • MuleSoft Anypoint Platform では、臨床システムや臨床以外の IT システム間でデータ、デバイス、アプリケーションを接続できます。
  • MuleSoft Accelerator for Healthcare では、事前作成済みの API、コネクタ、インテグレーションテンプレートを利用してさまざまな EHR から患者データをまとめることができます。

Health Cloud の OmniStudio と MuleSoft を使用することで、ケアコーディネーターは任意の EHR システムからのデータを使用して患者の 360 度ビューにアクセスできます。

次の単元では、HL7v2 および FHIR R4 標準と Health Cloud にとっての意味について学習します。

リソース

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