Marketing Cloud Personalization について学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Marketing Cloud Personalization の基本を説明する。
- Marketing Cloud Personalization を操作する。
- Marketing Cloud Personalization の主な機能とユースケースを把握する。
Marketing Cloud Personalization とは
Marketing Cloud Personalization (MCP) は、カスタマーエクスペリエンスをリアルタイムで可視化、追跡、管理するのに役立つ Salesforce のツールです。パーソナライズされたエクスペリエンスを提供することで、顧客エンゲージメントを高め、ビジネス目標の達成を支援します。
MCP は、既存のデータソースからの情報と、詳細な行動分析および高度な機械学習を組み合わせることで、それぞれの顧客や見込み客についての包括的なビューを提供します。このデータを活用すれば、カスタマージャーニーの重要なタイミングで、最も関連性の高い個別エクスペリエンスを提供できます。
Marketing Cloud Personalization を使用すると、次のことができます。
- 詳細な行動トラッキングおよびアフィニティモデリングを実行する。
- データを統合し、訪問者、顧客、取引先のセグメントを作成する。
- クロスチャネルのテストキャンペーンやパーソナライズキャンペーンを構築してリリースする。
- 自動化され、パーソナライズされた商品やコンテンツのおすすめを提供する。
- オーディエンス、カタログ、セグメント、キャンペーンの詳細な分析を行う。
ログインとプラットフォームの操作
Marketing Cloud のインスタンスから直接 MCP にアクセスできます。初めてログインしたときには、Marketing Cloud Personalization タブに錠アイコンが表示されることがあります。これは、管理者があなたの権限を更新する必要があることを示しています。適切なアクセス権が付与されると、そのタブをクリックするだけで Marketing Cloud Personalization に直接アクセスできます。
最初はダッシュボードが白紙の状態に見えることがあります。ちょうど、まだ何も書かれていない新しいノートのような状態です。プラットフォームを実装、設定していくと、データの流入が始まり、レポートが表示され、エンゲージメント活動が具体化していきます。
主な機能とユースケース
チャネルを越えたリアルタイムのパーソナライズ
Marketing Cloud Personalization は、デジタルチャネルと物理チャネルのどちらでもリアルタイムのエンゲージメントを実現するために設計されています。顧客とのやり取りがオンライン、店頭、または ATM のどこで発生しても、MCP はそれらのデータを統合して、シームレスなカスタマージャーニーを構築できます。
いくつかの例を紹介します。
- 終了インテントポップアップ: 顧客が Web サイトから離れようとしたとき、最適なタイミングでポップアップを表示してメールアドレスを取得したり、特典を提示したりすることで、顧客の関心を引き続き維持します。
- クロスチャネルキャンペーン: Web、メール、モバイルチャネルにわたってパーソナライズされたメッセージを調整し、コンバージョンやリテンションに影響を与えることができます。
ユースケースをビジネス目標と一致させる
パーソナライズ戦略を立てる際には、ユースケースを全体的なビジネス目標と一致させて計画することが重要です。たとえば、特定のオンライン収益の貢献を目標としている場合は、次のような取り組みが考えられます。
- サイトトラフィックの増加: マーケティングファネルの入り口を広げるために、サイト訪問数を一定の割合で増加させる目標を設定します。
- カート放棄の削減: コンバージョン段階でパーソナライズ戦略を実施し、カート放棄率を下げます。
- クロスセル機会の拡大: データを活用して、補完的な商品やサービスを提案します。
- ロイヤルティプログラムの強化: パーソナライズされたキャンペーンを通してロイヤルティプログラムへの参加を促し、それによってリピート購入を促進します。
ユースケースをカスタマーライフサイクルの各段階 (オンボーディングからリテンションまで) に関連付けたロードマップを作成することで、取り組みの効果を測定しやすくして、自社の戦略的目標と整合させることができます。
実装に関する考慮事項とベストプラクティス
変化への準備
MCP を実装するには、慎重な変更管理プロセスが必要です。このプラットフォームが自社の人材、業務プロセス、既存のテクノロジーにどのような影響を与えるかを検討しましょう。実装を成功させるには、全員が方向性を共有し、適切なトレーニングを受けて変化に備えることが不可欠です。
実装チームの構築
強固な実装プロセスには、役割を明確に定義したチームの編成が必要です。主な推奨事項は次のとおりです。
- 経験豊富な実装担当者を確保する: サイトマッピング、データフィードの設定、API の構成などの作業には、経験豊富な開発者や実装パートナーと連携することが重要です。Salesforce AppExchange は、適格なパートナーを見つけるための信頼できるリソースです。
- 社内の関係者を定義する: エグゼクティブスポンサー、アカウント管理者、チャネルマネージャー、データ統合スペシャリストなど、社内の主要な担当者を特定します。
- 関係者マップを作成する: これによって、戦略から実行に至るすべての機能において、明確な責任と役割分担が確実に定義されます。
実装スケジュールの計画
スムーズな実装を実現するには、綿密に立てられたスケジュールが欠かせません。一般的な実装プロセスには、次のようなフェーズがあります。
- ディスカバリーフェーズ: パートナーやカスタマーサクセスチームと連携して、パーソナライズの目標を明確にし、重要なユースケースを特定します。
- ブループリント作成: 収集するデータポイントを定義し、サイトマップを策定します。
- 構築フェーズ: Web SDK をリリースし、データフィードを構成して、顧客の行動データの収集を開始します。
- 品質保証 (QA): 徹底的なテストを実施して、データの正確性とシステムの機能性を確認します。
- ローンチ: 関係者全員が合意し、品質チェックが完了したら、キャンペーンをリリースしてパフォーマンスを監視します。
実装の成功と迅速な価値実現のためには、カスタマーサクセスチームまたは MCP 実装パートナーと連携することが重要です。このチームは、実装計画を主導し、可能な限り早く本番稼働へ移行できるように支援します。自社チームの状況が不明な場合や、適格なパートナーがまだ決まっていない場合は、アカウントエグゼクティブに直接連絡して支援を依頼してください。
ここで紹介した手順に従えば、Marketing Cloud Personalization の実装を成功させることができます。
Marketing Cloud Personalization を最大限に活用するためのジャーニーは、その機能を理解して、戦略をビジネス目標と一致させることから始まります。
次は、Marketing Cloud Personalization を使用してエンゲージメントを促進し、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、意義のあるビジネス成果を達成する方法を学びましょう。