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紹介の学習

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 紹介が重要である理由を説明する。
  • 紹介をライフサイクル全体に渡って追跡する。
  • リードと紹介を比較する。

始まりは顧客のニーズ

Salesforce システム管理である Matt は Cumulus Bank のウェルスマネジメントおよびリテールバンキングブランチのために Financial Services Cloud を設定しています。

Cumulus Bank は現在、顧客ニーズをすべての活動の中心に置くためにビジネスプラクティスを改革している最中であるため、Matt の仕事は大掛かりなものとなります。銀行全体を事業部門の壁を越えた顧客中心の組織へと変革するためには、やるべきことが山ほどあるのです。ただし、すでに行動を開始する準備はできています。

インテリジェントなニーズベースの紹介とスコアリングは、とても良いスタートポイントとなるでしょう。紹介によって顧客のニーズを発見して取得できるため、それらを満足するための行動を起こすことができます。ある顧客が住宅ローン、退職プラン、あるいは新しいクレジットカードに対するニーズを表明したとします。紹介によってこれらのニーズを取得できるため、金融機関は商機を失うことはありません。Financial Services Cloud は、金融機関が顧客のニーズを満足させるまで、紹介を追跡します。

  • 誰が紹介を作成するのか? Salesforce では、誰でも簡単に紹介を作成することができます。同じ部門の同僚、他の事業部門の社員、パートナー、あるいは顧客自身が紹介を作成することができます。会社に連絡してきた顧客がいれば、誰かが紹介を作成することでその顧客を手伝うことができます。
  • 紹介には何が含まれるのか? 紹介の内容となる情報は事業部門ごとに決定します。もちろん、顧客が示したニーズは当然含まれます。その他には、顧客名、雇用主、電話番号などの詳細情報を含めることもできます。
  • 紹介が重要である理由は? 紹介は顧客の満足度を保ち、会社の成長を促進します。紹介は非常に重要であるため、Salesforce は作成から完了まで、紹介を慎重に追跡できるようにしています。

紹介によってロイヤルティが築かれる

紹介により顧客のニーズにさらに対応しやすくなります。顧客のニーズを満足させることで顧客ロイヤルティは高くなります。そのロイヤルティはどれほど貴重なのでしょうか。Salesforce のレポートでは、金融機関が新しい新商品で顧客のニーズに応えると、その顧客は 166% 長く留まることが判明しています。新規顧客の開拓には、既存の顧客をつなぎ止めるよりも数倍のコストが掛かります。より多くのニーズに応えれば顧客ロイヤルティも高まり、会社はハッピーになるのです。

ただし、Cumulus Bank では紹介管理が上手く行っていません。現時点では、業界の平均あたりに位置し、リードの 63% をフォローアップしていません。Matt はこの 63% の中に多くの商談があると考えています。彼はまず、Cumulus の誰かが紹介を確実にフォローアップできるように、Financial Services Cloud を使用して紹介を追跡できるようにすることに取り掛かりました。

アドバイザーとリテールバンカーの時間は限られているため、Matt は彼らが紹介に優先度を付けられるようにしたいとも考えています。そこで彼が利用するのは Einstein リードスコアリングです。Einstein リードスコアリングは、紹介が変換される見込みがどのくらいあるのかを特定します。紹介にスコアが付けられていれば、アドバイザーやリテールバンカーはどの顧客から最初にエンゲージすべきかを決めることができます。

業務部門の壁を越えた紹介の例を通して、Matt が何を設定しようと考えているのかを見てみましょう。

Ryan は Cumulus のファイナンシャルアドバイザーです。彼は顧客である Kiara との会話の中で、Kiara が家を買おうとしていること、そして住宅ローンが必要であることに気付きました。

念願のマイホームの前に立つ Kiara

Ryan は状況を分析します。

  • 顧客のニーズ: 住宅ローン。
  • 問題: Ryan のウェルスマネジメント部門は住宅ローンを扱っていないため、彼が Kiara を直接助けることはできない。
  • 解決策: 紹介を作成する。Ryan は、リテールバンキングブランチでナンバーワンの住宅ローン担当者である Bob の接客が常に優れていることを知っています。そこで Ryan は紹介を作成して Bob に送ります。

Ryan は、自分が何人かの人々と彼の雇用主を助けることができて嬉しく思っています。

  • Kiara は Cumulus で住宅ローンを利用して長期間の顧客となる可能性が高いため、Ryan は自分の会社にも貢献しました。顧客ロイヤルティが高まりましたか? 完了。
  • Ryan は、フォローアップすべき堅実な住宅ローンの紹介を送った Bob も助けました。顧客ニーズを取得して対応する準備ができていますか? 完了。
  • 最も重要なこととして、Ryan は Kiara のニーズを叶えてくれる人物に彼女を紹介することで、Kiara を助けました。顧客は満足してくれたでしょうか? それが最高の結果です。

紹介のライフサイクル

Financial Services Cloud は、各紹介を作成からクローズまたは変換まで追跡します。また、最高の紹介者 (紹介を作成するユーザー) から最高品質の紹介を自動的にルーティングして優先させることで、生産性を高めます。

顧客がニーズを表明してからそのニーズが満足されるまでに、紹介はどのようなステップを辿るのでしょうか。

ハイレベルの紹介プロセス (作成、割り当て、受け入れ、優先度付け、変換、および追跡と分析) を示した GIF 画像。

では、各ステップを詳しく見てみましょう。

紹介フローのステップ

ステップの完了方法

紹介の作成

顧客のニーズを満足させるために、誰かが紹介を作成します。

ウェルスマネジメントの Ryan が、住宅ローンに関心を示した顧客用の紹介を作成します。

紹介の割り当て

Salesforce は、示された関心や住所といった要因に基づいて管理者が設定したルーティングルールに従って、紹介の受信者に自動的にメールで通知します。

住宅ローンの紹介が、リテールバンキングの住宅ローン部門の Bob に送られます。

紹介の受け入れ

紹介の受信者は、紹介を受け入れるか、却下するか、または他のユーザーに割り当てます。

Bob が紹介を受け入れます。

紹介の優先度付け

受信者は、紹介の Einstein リードスコア、紹介者スコア (詳細は後ほど)、および現在の作業負荷に応じて優先度を付けます。

Bob が Ryan の紹介者スコアを確認します。Ryan の紹介の大半は商談に変換されているため、高いスコアとなっています。Bob は、Kiara が現時点で最高の紹介であると認識します。

紹介の変換

顧客が関心を持ち、購入する資格があれば、紹介を商談に変換します。必要であれば、Financial Services Cloud は顧客の口座と個人レコードを作成し、顧客を世帯に割り当てます。顧客が先に進めることを望まなければ、受信者は紹介をクローズします。

Bob が Kiara との取引を開始します。Bob は Kiara が住宅ローンに関心を持ち、購入する資格があることを確認します。Kiara は条件に合致するため、Bob は紹介を商談に変換します。紹介が変換されたため、Ryan 紹介者スコアはさらに上がります。

紹介の追跡と分析

レポートとダッシュボードを使用して、現在と過去の紹介を追跡できます。

Jackie は Cumulus Bank のマネージャーです。彼女は現在およびクローズ済みの紹介、紹介の進行状況、そして紹介者のスコアを追跡します。Jackie は、Bob が紹介を新しい商談に変換したことを確認し、Ryan に対して良い紹介を沢山作成してくれたことに感謝の意を示します。

Lead and Referral (リード & 紹介) オブジェクトについて

Matt は、顧客である Cumulus Bank にとって紹介がどれほど重要であるかと、紹介のライフサイクルについて理解しています。彼は、紹介が新しいリードオブジェクトを元にしてモデリングされ、その内容が拡張されて名前が変更されたものだということを学習しました。リードの良い点はすべて紹介にも受け継がれています。良い点とは、Einstein リードスコアリング、リードルーティング、そして割り当てなどです。

では Matt がどのように詳細を確認するかを見てみましょう。あなた自身も、Financial Services Cloud トライアル組織で試すことができます。

  1. 設定 をクリックし、[Setup (設定)] を選択します。
  2. [オブジェクトマネージャー] をクリックします。
  3. オブジェクトのリストで、[Lead and Referral (リード & 紹介)] をクリックします。[Lead and Referral (リード & 紹介)] オプションが表示されていない場合は、『Financial Services Cloud 管理者ガイド』を参照して追加してください。

Matt は標準のリードオブジェクトについてはよく知っており、そこから始めるのが良いことを理解しています。そのため、『オブジェクトリファレンス』を参照しました。彼は、リードオブジェクトでサポートされるコールと項目、そいてそれらの詳細な使い方について確認します。

リードオブジェクトについての知識を再確認した後で、Financial Services Cloud で新しい項目を確認します。まず、『Financial Services Cloud 開発者ガイド』で、拡張されたリードオブジェクトの情報を確認します。

リード項目に加えて、紹介を管理、追跡するためのカスタム項目があります。項目の役目は以下のとおりです。

  • クライアントが示した関心とその値を取得する。たとえば、ある紹介では 500,000 ドル相当の住宅ローンへの顧客の関心を取得します。
  • 既存のクライアントのニーズと紹介を追跡する。たとえば、Ryan は既存の顧客である Rachel Adams の住宅ローンに対する関心をすでに取得しています。Ryan は、Rachel のニーズを理解し、他の事業部門がそのニーズを満足させるためにどのように動いているかを確認します。
  • 紹介の質に基づいて紹介者をスコアリングする。スコアは、紹介を受け取った人が紹介に優先度を付けるのに役立ちます。たとえば、Ryan は住宅ローンに関心を示している顧客を多く紹介し、その大半が商談に変換されているため、彼の紹介者スコアは高くなっています。
  • 上位の紹介者にレポートする。レポートによって紹介者を認知させ、奨励することができます。たとえば、褒賞を与えるインセンティブシステムを構築することで、最高の紹介を作成できる紹介者とのリレーションを育成できます。

Matt は、紹介とは何であるか、また Financial Services Cloud でどのように追跡されるかについて学習しました。次は、彼自身の組織でこのプロセスを設定してカスタマイズする方法を学習します。

リソース

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