まったく新しい方法で顧客とつながる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 銀行が購入ジャーニーの早期に見込み客を識別するのに Salesforce がどう役立つかを説明する。
- Salesforce を使用することで銀行がどのように見込み客をそのニーズに基づいた提案で対象にできるかを説明する。
- ストレスのない顧客オンボーディングエクスペリエンスとはどのようなものかを説明する。
ここでは、銀行におけるデジタルトランスフォーメーションと、それによって銀行がどのように顧客の気に入る便利なエクスペリエンスを作成できるかをストーリーで説明します。
まず、主人公の 1 人を紹介しましょう。
銀行と顧客が互いを見つける方法とは
Rachel Adams は、30 代前半のプロフェッショナルで、最近、転職してニューヨークに引っ越してきました。人生の新たな章を始めるにあたり、財務目標の達成を支援できる銀行を探しています。
Rachel は選択肢となる銀行について多くの調査を行っています。オフィスでは、オンラインでどのような普通預金口座と当座預金口座を選択できるか閲覧します。通勤時には、電話端末で金融 Web サイトの記事を読んでいます。自宅では、タブレットを使用してソーシャルメディアで友人におすすめと助言を求めています。
一方、このストーリーの架空の銀行である Cumulus Bank は、まさに Rachel のような顧客へのサービスを検討していました。課題は、Rachel がさまざまなデバイス、Web サイト、チャネルでこうしたすべての調査を行っていることをどうやって知ればよいのかという点です。Cumulus Bank は、過去に Rachel の財務ニーズに関するこれらの重要なシグナルを見落としているかもしれません。
しかし、今はもう違います。Cumulus Bank は Audience Studio を使用してこうしたシグナルをリスンし、Rachel が選択肢を探索したときに残していったデジタルの痕跡をつなぎあわせることができます。Audience Studio は、複数の画面とソースから Rachel の匿名データを収集し、データを統合して個人的な好みと期待事項を識別して理解し、そのデータを使用してキャンペーンの対象にします。
Cumulus は、Rachel を最優先セグメントの 1 つである「利子付きの当座預金口座を契約する可能性があるミレニアルズ」に設定します。Cumulus は、このセグメントを対象にサインアップボーナスが付く特別な提案を用意し、関心事項とニーズに基づいたこの提案に関するパーソナライズされたメッセージを含むマーケティングジャーニーに Rachel を配置します。
Rachel はまだ Cumulus に連絡して意思を示していないので、銀行はメールやテキストメッセージを送ることができません。ただし Cumulus は Salesforce Marketing Cloud の Advertising Studio を使用して、Rachel にお気に入りの Web サイトで利子付きの当座預金口座を提案する関連広告を配信できます。
次の GIF は、Cumulus が Salesforce Marketing Cloud を使用して作成できるジャーニーの例を示しています。
このジャーニーは Rachel にはどう見えるのでしょうか?
Rachel が銀行の Web サイトや金融ブログの閲覧を続けるうちに、Cumulus の当座預金口座を宣伝する広告が表示され始めました。これらの広告は、デバイスやチャネルが変わっても一貫しており、Rachel はついに詳細を見るために広告をクリックしました。ただし、口座を開くプロセスを開始する前に、Rachel は他のことに気を取られてプロセスをやめてしまいます。
架空のオンボーディングエクスペリエンス
多くのミレニアルズと同様、Rachel は多くの時間をソーシャルメディアで友人とやりとりしたり、コンテンツを閲覧したりして過ごします。ある日、電話端末でフィードをスクロールしていると、Cumulus Bank の広告が表示されました。Rachel は興味をそそられました。その広告には、銀行に直接メッセージを送信すると今すぐ詳細な説明を受けることができ、フォームに入力して銀行の応答を待つ必要はないと表示されているのです。
Rachel が広告をタップするとすぐに、インテリジェントなチャットボットによって Facebook メッセージを介して関心のある情報を送信できるようになりました。
Rachel は、100 ドルのサインアップボーナスと利率 0.60% の当座預金口座に引き付けられました。さらに、電話端末から直接サインアッププロセスを開始できることにも魅力を感じました。Rachel がメールアドレスを入力すると、Salesforce にリードレコードが自動的に作成されます。つまり、たとえ友人から電話がかかってきて Rachel がサインアッププロセスをやめてしまっても、Salesforce に連絡先情報が保存されたので銀行はフォローアップができます。
Rachel はプロセスを継続してチャットボットからリンクをクリックしました。これにより、Salesforce Community Cloud 上に構築された Cumulus のオンボーディング Web アプリケーションが開始します。
Rachel は、オンボーディングを開始するときに、ソーシャルメディアのログイン情報を使用してアプリケーションの認証を行います。バックグラウンドでは、Salesforce がリードレコードを取引先責任者レコードと取引先レコードに変換し、ソーシャルメディアアカウントから関連するデータ (メール、プロファイル写真など) を新規レコードに同期します。Salesforce は、Rachel が当座預金口座に興味を持っていることを示す商談も作成します。
Cumulus は、ソーシャルメディア認証から必要な個人識別情報 (PII) のすべてを受信するわけではありません。そのため、オンボーディングアプリケーションでは、Rachel が運転免許証の写真をアップロードできるようにしています。これにより、自分の情報をすべて手動で入力する必要はなくなります。OCR を利用して、Rachel の運転免許証の情報がオンボーディングアプリケーションのほとんどの項目に自動入力されます。Salesforce は、このデータを Rachel の取引先責任者レコードに同期します。この後、Rachel がする必要があるのは、社会保障番号の入力と、いくつかのセキュリティの質問に答えることだけです。
次に、Rachel は Cumulus Bank の契約条件に同意します。これで、Rachel が新しい当座預金口座 (と 100 ドルのボーナス) を手に入れるまで残り 1 ステップのみとなりました。Rachel は ID 確認をして、本人であることを証明する必要があります。
このステップを実行するにはいくつかのオプションがあります。従来の方法だと、地域の支店のパーソナルバンキング担当者を訪問する必要があります。Rachel が外を見ると、雨が降っています。この天気では絶対に外出したくありません!
幸い、Cumulus Bank がオンボーディングアプリケーションで Salesforce Service Cloud が提供する双方向ビデオチャットを有効にしているので、Rachel は自宅でそのままくつろぐことができます。すぐにパーソナルバンキング担当者とつながり、リモートで ID 確認ができました。
Matt は Cumulus のパーソナルバンキング担当者で、新規顧客が銀行の利用を開始できるように支援しています。スマートでスピーディなサービスで顧客を満足させることにやりがいを感じています。Matt は CSAT (顧客満足度) と NPS (ネットプロモータースコア) の評価を絶えず監視しています。
Service Cloud のオムニルーティングでアラートを受信したとき、Matt は Salesforce を使用していました。Rachel という新規顧客が ID 確認をして当座預金口座を開こうとしています。Matt は Rachel から受信したビデオコールにすぐに応えました。すぐに支援を得られたとき、顧客の CSAT 評価ははるかに高くなるのです。
Rachel は、Matt につながると、運転免許証をビデオフィードで提示しました。Matt は Rachel の ID を確認し、Cumulus Bank の新しい顧客になってくれたことを感謝しました。
Einstein から次のステップが推奨されるので、Matt は能動的に Rachel のニーズに対処できます。Einstein のおすすめを受け入れ、Matt は Rachel に Cumulus Bank のモバイルアプリケーションのリンクをテキストメッセージで送信しました。
さらに、Salesforce が Rachel へのテキストメッセージをトリガーし、新規口座開設を承認するように求めます。Rachel は「はい」と返信し、Salesforce は、顧客の同意の承認に関するコンプライアンスレポートに使用できるように、その応答を記録します。
Rachel は自宅で快適に過ごしながら、好みのオンラインおよびモバイルチャネルから離れずに、Cumulus Bank を見つけ、調査して、口座を開設できました。このように、Salesforce Platform が提供する便利なエクスペリエンスを利用して、銀行は顧客と新しい方法でつながり、ロイヤルティを築くことができます。
リソース
Intelligent Digital-First Banking Experiences (インテリジェントなデジタルファーストバンキングエクスペリエンス) デモ
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