管理の基本
学習の目的
このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。
- FSC Insurance 権限セットライセンスを割り当てて、追加のオブジェクトや機能へのアクセス権をユーザーに付与する。
- 保険オブジェクトの共有設定を編集し、保険フィールドを暗号化する。
- エージェントに保険契約者のライフイベント、保険契約、請求の統合ビューを提供する。
- カスタム取引先レコードページを作成し、保険契約、ライフイベント、ビジネスマイルストーンの関連リストを設定する。
- 保険契約およびライフイベントコンポーネントまたはビジネスマイルストーンコンポーネントを取引先レコードページに追加し、カスタム取引先レコードページを有効にする。
概要
このモジュールでは、受講者が Financial Services Cloud のシステム管理者であり、ここで説明するステップごとの手順を実行する適切な権限を有していると想定しています。ただし、Financial Services Cloud のシステム管理者でなくても問題ありません。このまま読み進み、本番組織でシステム管理者がこれらの手順をどのように実行するのかを確認します。Trailhead Playground で次の手順を実行しないでください。Trailhead Playground では Financial Services Cloud を使用できません。
Cumulus の管理者である Matt が設定を行う手順を見ていきましょう。まず始めに、Matt は Insurance for Financial Services Cloud を有効にします。取引先レコードページをコピー (作成することも可能) し、保険契約およびライフイベントコンポーネントまたはビジネスマイルストーンコンポーネントをページに追加します。次に、ページを有効にして、保険エージェントコンソールアプリケーション、該当する取引先タイプと個人取引先レコードタイプ、該当するユーザープロファイルに割り当てます。その後、保険エージェントアクション項目コンポーネントを保険エージェントコンソールのホームページに追加します。最後に、保険エージェントコンソールアプリケーションへのアクセス権をユーザーに付与します。これを完了する手順は、次のとおりです。
FSC Insurance 権限セットライセンスをユーザーに割り当てる
保険オブジェクトおよび機能にアクセスするには、ユーザーに FSC Insurance 権限セットライセンスが必要です。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに
「ユーザー」
と入力し、[ユーザー] を選択します。 - 権限を付与するユーザーをクリックします。
- [権限セットの割り当て] の下の [割り当ての編集] をクリックします。
- [利用可能な権限セット] で、[FSC Insurance] を選択して [追加] をクリックします。
- [保存] をクリックします。
追加のオブジェクトと機能へのアクセス権をユーザーに付与する
次に、Matt は補償タイプのマスターリストへのアクセス権をエージェントに付与します。このリストにアクセスすることで、Zeynep は保険契約販売を促進でき、Zaw は既存の保険契約について顧客をサポートすることができます。
Zeynep や Zaw のようなエージェントが請求とケース、請求と資産、資産と保険契約関係者間の多対多リレーションを処理できるように、Matt は多対多リレーションを有効にします。たとえば、多対多リレーションが有効になっていると、Zaw は 1 つのケースで複数の請求を処理したり、複数のケースで 1 つの請求を処理したりできます。
また、Matt は同じ保険契約で複数の保険募集人が作業できるようにする機能もロック解除します (保険募集人については、このモジュールの後続の単元で詳しく説明します)。大規模な営利保険契約では、エージェントやサービス担当がチームを組んで、協力し合いながら保険契約を管理するのが一般的です。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに
「保険設定」
と入力し、[保険設定] を選択します。 - 補償タイプのマスターリストへのアクセス権をエージェントに付与するには、[補償タイプのマスターリストにアクセス] を有効にします。
このオプションが有効になると、追加のオブジェクト (商品補償と補償タイプ) を表示できるようになります。また、保険契約補償範囲オブジェクトの [補償タイプ] 項目 (補償タイプオブジェクトへのルックアップ) も表示できます。 - エージェントが請求とケース、請求と資産、資産と保険契約関係者間の多対多リレーションを処理できるようにするには、[多対多のリレーションを使用] を有効にします。
このオプションが有効になると、追加のオブジェクト (請求ケース、保険請求資産、保険契約メンバーアセット) を表示できるようになります。 - 同じ保険契約で複数の保険募集人が作業できるようにするには、[同じ保険契約で複数の保険募集人が作業できるようにする] を有効にします。このオプションが有効になると、追加のオブジェクトである [募集人契約割り当て] が表示されます。
保険オブジェクトの共有設定を編集する
Matt はデータへのアクセスをさまざまなレベルで制御できます。たとえば、オブジェクト権限を割り当てて、Zeynep のようなユーザーがオブジェクトに対して持つアクセス権を制御できます。オブジェクト内で項目レベルセキュリティを使用して、Matt は Zeynep がアクセスできる項目を制御できます。また、共有設定を割り当てて、データへのアクセス権をレコードレベルで制御することもできます。最後に、Matt は保険オブジェクトのデフォルトの共有設定を確認し、Cumulus のニーズに基づいて変更します。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに
「共有設定」
と入力し、[共有設定] を選択します。 - [組織の共有設定] で、次のオブジェクトのアクセスレベルを確認します (デフォルトでは、[非公開] に設定されています)。
- ビジネスマイルストーン
- 請求
- 補償タイプ ([補償タイプのマスターリストにアクセス] 組織設定が有効になっている場合に使用できます)
- 顧客資産
- 保険契約
- 保険契約資産
- 募集人
- 募集人契約割り当て ([同じ保険契約で複数の保険募集人が作業できるようにする] 組織設定が有効になっている場合に使用できます)
- 商品補償 ([補償タイプのマスターリストにアクセス] 組織設定が有効になっている場合に使用できます)
- 保有証券
- 労働者災害補償クラス
- アクセスレベルを変更するには、[編集] をクリックします。
- オブジェクトごとに、使用するデフォルトアクセス権を選択します。
- [保存] をクリックします。
保険項目を暗号化する
Matt は Shield プラットフォームの暗号化を使用して、保険契約者の重要な情報を保護したいと考えています。Matt は、確率的または確定的暗号化スキームを使用して、さまざまなライフイベント、ビジネスマイルストーン、保険契約、請求、および関連詳細に関する情報を暗号化できます。
オブジェクト |
暗号化できる項目 |
---|---|
BusinessMilestone |
|
Claim |
|
CustomerProperty |
|
IdentityDocument |
|
InsurancePolicy |
|
PersonLifeEvent |
|
SecuritiesHolding |
|
関連リストを設定する
保険契約およびライフイベントコンポーネントまたはビジネスマイルストーンコンポーネントを取引先レコードページに追加する前に、Matt は関連するページレイアウト上でこのコンポーネントを関連リストとして追加します。保険契約、請求、ライフイベント、ビジネスマイルストーンのリストをカスタム取引先レコードページで利用できるようにするために、Matt は取引先、個人取引先 (有効な場合)、取引先責任者オブジェクトのページレイアウトの [関連リスト] セクションにリストを追加します。
- [設定] からオブジェクトマネージャーを開きます。
- [取引先] をクリックし、[ページレイアウト] を選択します。
- 保険契約リストを追加するページレイアウトごとに、パレットで [関連リスト] を選択します。[保険契約] を [関連リスト] セクションにドラッグします。
- [保存] をクリックします。
- 同様に、次のオブジェクトについて、関連するページレイアウトの関連リストを設定します。
オブジェクト | 関連リスト |
---|---|
取引先 |
ビジネスマイルストーン |
個人取引先 |
請求、保険契約、保険契約関係者、個人ライフイベント |
取引先責任者 |
個人ライフイベント |
エージェントに保険契約者の統合ビューを提供する
Matt は、Cumulus の保険エージェントに顧客のライフイベントまたはビジネスマイルストーン、保険契約、請求、その他の重要な詳細に関する 360 度ビューを提供できます。まず、取引先レコードページをコピーするか作成します。次に、保険契約およびライフイベントコンポーネントコンポーネントまたはビジネスマイルストーンコンポーネントをページに追加します。
取引先レコードページをすばやく作成するために、Matt は既存の取引先レコードページをコピーできます。ページを作成したら、そのページを変更してクライアントのレコードのカスタマイズしたビューをエージェントに提供できます。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに
「アプリケーションビルダー」
と入力し、[Lightning アプリケーションビルダー] を選択します。 - 取引先レコードページをコピーします(取引先レコードページは、オブジェクト名が [取引先] で、種別が [レコードページ] のページです)。取引先レコードページが使用できない場合は作成します。
- ページに適切な表示ラベルを指定します。たとえば、
「PolicyHolder 360」
という名前を付けます。 -
[保存] をクリックします。初めてページを保存するときに、有効化してユーザーが使用できるようにするように求められます。[Not Yet (今回はしない)] をクリックします。
後でカスタマイズしてユーザーが使用する準備が整ったときにページを有効化します。
取引先レコードページをカスタマイズする
次に、Matt は保険契約およびライフイベントコンポーネントまたはビジネスマイルストーンコンポーネントをカスタム取引先レコードページに追加し、Zeynep や Zaw などのエージェントに顧客のライフイベントまたはビジネスマイルストーン、保険契約、請求、その他の関連する詳細の統合ビューを提供します。
- [設定] から、[クイック検索] ボックスに
「アプリケーションビルダー」
と入力し、[Lightning アプリケーションビルダー] を選択します。 - [Lightning ページ] リストで、取引先レコードページの横にある [編集] をクリックします。
- [ライフイベントまたはビジネスマイルストーン] コンポーネントを取引先の概要にドラッグします。
- カスタムタブを作成する。
- [タブ] コンポーネントをクリックして選択します。
- [プロパティ] ペインで [タブを追加] をクリックします。
- 新しいタブをクリックし、[タブの表示ラベル] 選択リストで [カスタム] を選択します。
- 適切な表示ラベルを指定します。たとえば、
「Policies」
という名前を付けます。 - [完了] をクリックします。
- [保険契約] コンポーネントを新しいタブにドラッグします。
- [保険契約] コンポーネントの任意の場所をクリックして選択します。
- [プロパティ] ペインで、事前選択された保険契約の KPI を表示し、ニーズに合わせて変更します。
- [プロパティ] ペインの [関係者ロールを選択] で [選択] をクリックし、適切な関係者ロールを選択します。
デフォルトでは、どの関係者ロールも選択されていません。そのため、エージェントがユーザーのレコードを表示する場合、[Policies (保険契約)] タブにはユーザーが所有する保険契約のみが表示されます。関係者ロールを選択すると、ユーザーが関係者となるが所有していない保険契約が含まれます。たとえば、[受取人] 関係者ロールを選択する場合、リストにはユーザーが受取人である保険契約が含まれます。 - [保存] をクリックします。
カスタム取引先レコードページを有効にする
Zeynep や Zaw などのエージェントに表示されるように、Matt はカスタム取引先レコードページを有効化します。
- カスタム取引先レコードページで、[有効化] をクリックします。
- ページを有効化する方法を選択します。
- ページを特定の Lightning アプリケーションのデフォルトのオブジェクトレコードページにするには、[アプリケーションのデフォルト] タブをクリックし、次の手順を実行します。たとえば、ページを [保険エージェントコンソール] ページのデフォルトのオブジェクトレコードページにすることができます。
- ページを Lightning アプリケーション、レコードタイプ、プロファイルの組み合わせに割り当てるには、[アプリケーション、レコードタイプ、およびプロファイル] タブをクリックし、次の手順を実行します。たとえば、ページを保険エージェントコンソールアプリケーション、個人取引先レコードタイプ、保険エージェントプロファイルに割り当てることができます。
Zaw のようなサービス担当が Rachel の夫である Nigel Adams のクライアントレコードを閲覧する場合、カスタム取引先レコードページ [PolicyHolder 360 (保険契約者 360)] は次のように表示されます。
Matt がこれまで行ってきた設定はすべて、保険機能を設定するために必要不可欠な管理作業の土台になります。これで、Matt は次の段階である、高度な機能へのアクセス権の設定へと進む準備ができました。