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請求管理とは

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 請求のライフサイクルについて説明する。
  • 保険業界が請求に関して直面している課題を明らかにする。
  • 請求管理がビジネス上の課題解決にどう役立つかを説明する。
  • ビジネスで請求管理を使用する利点を挙げる。
  • デジタル保険プラットフォーム内での請求管理の位置付けを説明する。
メモ

前提条件

このモジュールを始める前に、推奨される前提条件を検討し、学習に向けて万全の準備をしてください。

推奨

次のモジュールの修了:

請求ライフサイクル

保険について詳しくないですか? 請求の概要と請求ライフサイクルの主要フェーズを確認しましょう。

保険請求とは、保険契約者が保険会社に対して行う損害補償の支払要求です。概念は簡単ですが、保険請求には多くのことが必要です。請求の申請から、調整、承認、支払まで多くのことをシームレスにまとめる必要があります。 

保険種目に応じて請求プロセスが異なる場合がありますが、ほとんどの請求のライフサイクルは 6 つのフェーズで構成されます。

初期損害通知、セグメント化と割り当て、ワークロード管理、調査と文書化、ファイナンシャルと査定、クローズを含む、請求管理ライフサイクルのフェーズの流れ

次の表で各フェーズを紹介します。

フェーズ

説明

初期損害通知 (FNOL)

保険対象物の損失、盗難、損害または保険対象者の傷害に関する詳細を報告します。

セグメント化と割り当て

請求の特性を決定します。特性に基づいて請求をセグメント化し、請求を適切な処理要員に割り当てます。 

ワークロード管理

請求をさまざまなタスクに分割して優先度を付け、監視、解決します。

調査と文書化

請求を調査し、保険契約で補償される損失または損害の量を確定します。

ファイナンシャルと査定

請求の詳細を保険契約の保険金または補償要件と比較した後、保険金を支払うか、請求を却下します。

クローズ

請求を解決します。一般に保険会社は請求のクローズまでの期間を主要業績指標として注意深く追跡しています。

請求管理システムは請求のあらゆる側面を管理し、ワークフローやその他のツールを提供してすべての請求の詳細を一元化されたシステムに保存します。請求管理システムにはスタンドアロンソリューションとして機能するものも、より広範囲の保険ソリューションスイートに完全に統合されているものもあります。 

次は、請求管理システムに伴う主要な課題を確認します。その後で、Salesforce 請求管理モジュールが保険会社に提供する請求ライフサイクル全体に対応した強力なソリューションについて学習します。

請求管理の課題

Anna Murphy を覚えていますか? Cloud Kicks でデータサイエンティストとして働く 40 代のプロフェッショナルです。 

Cumulus Insurance の顧客である Anna

Anna は Cumulus Insurance の長年にわたるお客様です。Cumulus Insurance は、多様な保険サービスを全国で提供する大手保険会社です。Anna は現在、Cumulus の自動車保険、住宅所有者保険、健康保険に加入しています。今のところ Cumulus のデジタルカスタマーサービスに感心しています。Cumulus Web サイトで自動車保険と住宅所有者保険をすぐ簡単に購入し、申込と加入をオンラインで完了できました。さらに、保険契約の詳細を表示または更新するときはいつでも、デジタルカスタマーポータルを使用してセルフサービスで行うことができます。

最近、Anna は事故に遭い、保険対象の自動車に損害が発生しました。請求プロセスはスムーズに進むだろうと期待していた Anna は、Cumulus の請求申請プロセスが時間のかかるイライラするものだったため、がっかりしました。 

最初から手こずります。

Anna は請求を申請するために Cumulus Web サイトにアクセスします。オンラインフォームを入力して送信を試みますが、ようやく 3 回目で成功します。送信が失敗するたびに、コンタクトセンターに電話で問い合わせます。毎回違うカスタマーサービス担当者から保険契約と事故について同じ質問をされるため、同じことを繰り返し答えなければなりません。 

やっと請求を申請したら、オンラインと請求査定担当者への電話で追加情報を伝える必要があります。 

査定プロセスは永遠に続くように思われ、最終的な解決の後も、保険金の小切手が郵送されてくるまでさらに 6 週間待つ必要があります。 

Cumulus の昔ながらの保険金請求システムに不満を持っている Anna。

事故だけでも大変なのに、その後もこの果てしない請求プロセスのせいでさらに不愉快な思いをしました。  

損害査定担当者の Phil Sagad もこの旧式のシステムにストレスを感じています。

Cumulus Insurance の損害査定担当者 Phil

Phil は請求システムが保険契約管理システムと統合されるだけで請求の調査と査定がはるかに効率化されると確信しています。毎日こなしている多くの繰り返しタスクは自動化すべきです。

たまりかねた Phil は、Cumulus が雇ったエキスパートコンサルタントの Justus Pardo に連絡し、従来の請求システムで現在生じている問題を説明しました。Justus は Phil の苦労を聞き、請求プロセスの各フェーズの課題を次のように特定しました。

フェーズ

課題

初期損害通知 (FNOL)

旧式の手動モードの請求情報収集に頼りすぎている。 

カスタマーサービスプラットフォームが請求プラットフォームに接続されていない。この分断により Cumulus スタッフは 2 か所で情報を更新しなければならず、顧客データのアクセスと更新に時間がかかっている。 

セグメント化と割り当て

手動プロセスのせいで割り当てに時間がかかり、割り当て結果も最適とは言えない。請求部門全体を監督する請求マネージャーは割り当ての管理に時間を取られすぎている。 

請求の評価を担当する損害査定担当者は、自動プロセスや事務要員に任せた方がよい定型タスクに労力を奪われすぎている。

ワークロード管理

損害査定担当者とスーパーバイザーはその場限りの接続されていないプロセスを使用して自分のワークロードを管理している。 

請求者の履歴とデータの全体像を把握するための統合チャネルがない。さまざまなセグメントを対象とした主要な評価指標を表示できる統合ダッシュボードがない。特定の請求に適したタスクを特定して解決する自動プロセスがない。

調査と文書化

請求部門は手作業で請求を調査し、さまざまな関係者間を調整しなければならない。 

現地作業を必要とする調査が顧客リソース管理システムと完全に切り離されており、請求と統合するために大量の追加作業が必要になる。

ファイナンシャルと査定

損害査定担当者は保険契約条件と要件を確認して適切な備金と調整額を計算する必要があるが、これも手動で複雑な作業で人的ミスが発生しやすい。

クローズ

請求の解決と支払のプロセスは、損害査定担当者がさまざまな保険契約、口座、および保険料請求レコードを手動更新しなければならないため、面倒で時間がかかる。

こうした大変な問題すべてを目の当たりにし、Justus はデジタル保険プラットフォームを使用した完全な請求管理ソリューションの実装に取り組む決心をしました。 

請求管理ソリューション

保険向け請求管理があれば、企業は請求プロセスに関わるすべての関係者のために最新の効率的で満足のいくエクスペリエンスを設計できます。 

最新 & オムニチャネル、ストレートスループロセッシング、統合データ、顧客中心

  • 最新 & オムニチャネル: 従来の請求システムとは異なり、請求管理では、Web、モバイル、コンタクトセンター、チャットのすべてでフルデジタルのガイド付きオムニチャネルエクスペリエンスが提供されます。すべてがローコードまたはノーコードで管理されます。
  • ストレートスループロセッシング: 請求管理を使用すると、保険会社は請求ライフサイクルの各フェーズで頻度の高いプロセスを自動化して手動介入を減らすことができます。
  • 統合データ、顧客中心 請求管理では、あらゆるステップで顧客を第一に考えます。シームレスに統合された顧客データを使用して、企業は真にスマートで効率のよいプロセスを作成できます。このソリューションでは、顧客とデジタルにエンゲージするための正確なリアルタイムデータとインテリジェントな基盤が提供されます。

保険向け請求管理は、Cumulus のような保険会社が重要業績評価指標を改善し、次のような成果を出すのに役立ちます。

  • 請求解決サイクルタイムの短縮
  • 請求担当者あたりの処理請求数の増加
  • 請求あたりのコスト削減
  • 請求エラー率の低下

保険会社が直面している課題とその課題を保険向け請求管理で解決する方法への理解が深まったところで、請求管理モジュールが Salesforce やデジタル保険プラットフォーム内でどう位置付けられるのかを見てみましょう。

全体像

請求管理は Salesforce 上で実行され、広く使用されているクラウドやアプリケーションのすべてを使用します。次の図は、各部がどのように連携するかを示すデジタル保険プラットフォームのソリューションマップです。 

階層状になっていて、複数の保険種目とチャネルが最上層にあり、その下にデジタル保険プラットフォーム、OmniStudio、Salesforce Einstein 1 が配置された図。

ソリューション全体で複数の請求管理機能を提供します。

  • さまざまな保険種目のサポート: 目的の保険種目に応じて、デジタル保険プラットフォームでは自動車保険、損害保険、生命保険、年金、スペシャルティ保険などに対応するようにプロセスとサービスがカスタマイズされます。
  • 複数チャネルでの提供: メンバーは請求の申請にラップトップを使用したいと考えていますか? 問題ありません。スマートフォンを使用して請求の状況を追跡しますか? 可能です。保険契約者向けのカスタムポータルサイトの設定ももちろんできます。質問があるときにはコンタクトセンターに電話したいという希望にも応えることができます。
  • OmniStudio: OmniStudio にはセルフサービスエクスペリエンスを作成、カスタマイズするための OmniScripts などのツールが用意されています。ユーザーが完了しなければならない初期損害通知やその他の主要なタスクを手順に従って実行できる優れたエクスペリエンスを作成できます。
  • Salesforce Einstein 1: 完全な Salesforce Einstein 1 によって可能性が大きく広がります。セールス、サービス、マーケティング、コマースで市場をリードする数々のアプリケーションにわたって、お客様の一元化されたビューを作成できます。

デジタル保険プラットフォームの内部

次は、デジタル保険プラットフォームでの請求管理の役割と他のモジュールやサービスに注目します。

デジタル保険プラットフォームを構成するコンポーネントの階層。最下層に保険商品管理、中間層に保険モジュール、最上層にサービス API が配置されている。

請求管理は次のようなデジタル保険プラットフォームの他の部分とシームレスに統合されます。

  • サービス API: サービス API を使用することで、主要な保険機能を実行する標準サービスの範囲でカスタムプログラミングが不要になります。
  • 見積・レーティング・申込: 見積・レーティング・申込モジュールでは、保険契約者、ブローカー、引受査定人がデジタル見積を実行できます。
  • 保険契約管理: 保険契約管理モジュールを使用すると、見積作成、発行、補償内容変更、保険料請求、更改、コミッションにわたる契約ライフサイクル全体を管理できます。
  • 契約・加入: 契約・加入モジュールを使用すると、雇用主との契約を作成し、関係者をグループベネフィットプランに加入させることができます。
  • 保険商品管理: 保険商品管理モジュールを使用すると、アジャイルな保険商品の開発、契約のレーティングなどを推進できます。

請求管理モジュールは、どの請求管理ソリューションにも求められる主要な機能を提供しますが、他のデジタル保険プラットフォームコンポーネントも請求管理で役目を果たします。 

  • サービス API は、請求の作成、請求補償範囲のオープン、損害および費用支払詳細の保存など、一般的な請求管理タスクを処理します。
  • 保険商品管理は、特定の請求の基礎となる請求商品スペックを提供します。
  • 保険契約管理コンポーネントは請求管理と完全に統合され、特定の保険契約に関するすべての情報 (補償範囲、条件、保険対象物、保険対象者) を請求の定義時に提供します。

これで請求管理にとってのデジタル保険プラットフォームの主な利点を明確に理解できました。次は、請求で行う主要な作業とその実行者について詳しく学習します。

リソース

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