手数料と収益を追跡する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 手数料と収益を正確に計算することの重要性を説明する。
- 保険仲介ソリューションを使用して募集人分割とロールを管理する。
- 手数料ステートメントを処理して募集人の手数料を生成する。
- 保険料率プランの期待収益計算を実行する。
支払と収益の処理
前の単元では、手数料割り当ての基盤となる募集人分割について説明しました。手数料を割り当てられているのが個々の募集人であってもロールであっても、分割を適切に構築することにより、支払を公平かつ正確に行うことができ、拡張性を確保できます。ただし、分割の設定はパズルの 1 つのピースにすぎません。仲介業者は手数料の処理と収益の予測も行う必要があります。
仲介業者にとって、手数料を正確に追跡することが財務的な健全性の基盤となります。手数料が保険契約と正確に一致していない場合や、期待収益が適切に予測されていない場合、誤った支払分配、不一致、利益喪失のリスクが仲介業者に生じます。課題は、保険会社の支払と契約を一致させ、誰もが適切な金額を得られるようにすることです。
この単元では、こうしたプロセスが保険仲介ソリューションによって自動化、簡易化されるしくみを説明します。次のことが可能になります。
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手数料ステートメントの処理: 保険会社の支払と契約、募集人分割を照合してステートメントを処理します。
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期待収益の計算: 正確に予測できるように、手数料明細表と保険料率プランを使用して計算します。
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手数料データの集約: 包括的な財務状況の概要を取得するために、保険契約全体の手数料データを集約します。
こうしたツールの使用により、仲介業者は財務状況を明確に把握し、支払の正確性を高め、収益予測を簡易化することができます。その結果、業務の効率化、そして最も重要なこととして、財務の安定化も実現できます。
手数料ステートメントモデル
保険仲介業者は、一般的に 2 つの方法のいずれかで手数料を管理します。直接請求では、保険会社が保険契約の請求を直接クライアントに行い、その後、仲介業者に手数料を支払います。一方、代理店請求では、仲介業者がクライアントへの請求を処理し、手数料を保持して、残りの保険料を保険会社に送金します。
現在、保険仲介ソリューションでは直接請求を利用できます。つまり、保険会社から提供された支払の詳細を契約と照合し、事前定義された分割に基づいて手数料を分配することにより、手数料を処理します。保険仲介ソリューションに付属する柔軟なデータモデル、設定可能な手数料ステートメント、自動化プロセスによって、シームレスなワークフローが実現します。
手数料処理ワークフローでは、多様な手数料ステートメント構造をサポートするデータモデルが使用されます。

次の表で、主なオブジェクトについて説明します。
オブジェクト |
説明 |
シナリオ |
|---|---|---|
手数料ステートメント (1) |
ステートメントの全体的な詳細 (会計月、保険会社、支払総額など) を表します。 |
Cumulus Brokerage は、Sally’s EB 契約に関する保険会社の支払をまとめた 1 月の手数料ステートメントを作成します。 |
手数料ステートメント品目 (2) |
補償範囲および手数料種別によって支払を追跡します。 |
ステートメントには、医療、歯科、生命、眼科の品目と、対応する手数料金額が含まれます。 |
募集人手数料 (3) |
分割方式に基づいて個々の手続きに割り当てられた手数料金額を取得します。 |
ステートメントが処理されると、割り当てられた分割方式に従ってシステムで各募集人の手数料が計算されます。 |
手数料ステートメントを管理する
Cumulus Brokerage の Julia が Sally’s Aviation の 1 月の手数料ステートメントを処理する様子を見ていきましょう。
Julia は、保険会社取引先の詳細、ステートメント日付、会計月、支払金額を入力して、新しい手数料ステートメントを作成します。

次に、保険会社手数料データの CSV をアップロードすると、スプレッドシートの項目が自動的に対応付けられます。

アップロード後、インポートウィザードによって項目が手数料ステートメント品目項目に自動的に対応付けられます。CSV ファイルに非標準項目が含まれている場合、数回クリックするだけで対応付けることができます。
インポートプロセスが完了したら、品目が手数料ステートメントレコードに表示されます。1 月の場合、各 EB プラン種別に対応する 4 つの品目があります。

この段階で、品目には [Process Pending (処理待機中)] 状況が示されています。つまり、品目がまだ契約と照合されていないか、募集人手数料レコードの処理が実行されていません。
Julia は [Process (処理)] をクリックし、手数料ステートメントプロセスフローを起動します。
![手数料ステートメント上の [Process (処理)] ボタン。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/insurance-brokerage-for-financial-services-cloud/track-commissions-and-revenue/images/ja-JP/0d5af282010f0e2df4437a2d27a51f20_kix.dtq5oux0xooo.png)
フローにより、次のステップが自動的に実行されます。
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契約の照合: 定義済みの条件 (保険契約名、発効日) を使用して、品目と正しい保険契約を照合し、一致しない品目にフラグを付けます。
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募集人分割の計算: 保険契約の有効な分割方式に基づいて募集人の手数料を計算します。
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募集人手数料レコードの作成: 各募集人の募集人手数料レコードを生成します。
各品目の状況は、照合と割り当てが正常に完了すると [Processed (処理済み)] に更新されます。問題があれば、確認のフラグが付けられます。
![すべての項目が [Processed (処理済み)] 状況である手数料品目。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/insurance-brokerage-for-financial-services-cloud/track-commissions-and-revenue/images/ja-JP/39c3cf687e293f2e35cd82014295d7c4_kix.yhu3q6icvqfa.png)
1 月のステートメントのすべての品目が正常に処理されています。
Julia が新しい募集人手数料を確認すると、保険契約に定義された募集人分割に基づく適切な手数料が表示されていました。

手数料の計算、照合、記録が完了したため、仲介業者は収益と募集人への支払を確実に追跡できるようになりました。
保険料率プラン手数料モデル
正確な収益予測は、保険仲介業者にとって非常に重要です。直接請求モデルでは、保険会社は手数料によって仲介業者に対価を支払うため、各保険契約の期待収益について理解しておけば、不一致の特定と財務計画の改善に役立ちます。
以前の単元で、保険料率プランについて勉強しました。保険料率プランとは、保険会社が補償範囲に対して雇用主に請求する金額を表し、多くの場合、階層化されています (従業員のみ、従業員 + 家族)。期待収益は、この保険料率プランをベースに、手数料の計算方法を定義する手数料明細表を追加して予測します。保険仲介ソリューションで使用できる手数料種別は次のとおりです。
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定額: 保険契約または補償範囲あたりの固定金額
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保険料の割合: 保険料合計の一定割合
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等級別料率: 保険料が特定の閾値を超えたら手数料率が変更する階層構造
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従業員あたり、またはメンバーあたり: 各登録従業員または対象個人の固定金額
保険料率プランと手数料明細表を組み合わせることにより、仲介業者は契約レベルと補償範囲レベルで正確に収益を予測できます。
次の図は、保険料率プランデータモデルにおける手数料明細表の位置付けを示しています。

それぞれの保険料率プランには、1 つ以上の手数料レコードを含めることができます。
期待収益を計算する
Sally’s 医療保障について、Julia は保険料率プランに移動して保険料率プラン手数料レコードを作成します。
手数料種別を [Graded Percentage of Premium (等級別保険料率)] に設定します。
![新規の保険料率プラン手数料に選択された [Graded Percentage of Premium (等級別保険料率)]。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/insurance-brokerage-for-financial-services-cloud/track-commissions-and-revenue/images/ja-JP/10b18788254d4af7fdb4e0559bcc8183_kix.gw13zsfa54fr.png)
次に、各保険料閾値に適切な保険料率を指定して、等級別料率の構造を定義します。
![[New Insurance Rate Plan Commission (新規保険料率プラン手数料)] に指定された保険料率と通貨範囲。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/insurance-brokerage-for-financial-services-cloud/track-commissions-and-revenue/images/ja-JP/dc2c7991e905be9c522775c5b0520200_kix.kq5gknzgtf1y.png)
保険仲介ソリューションでは、定義済みの割合を保険料率プランの保険料金額に適用し、期待手数料を計算します。結果の値は複数のレベルに積み上げられます。
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保険料率プラン: その対象範囲の保険料率プランの計算された期待手数料を示します。
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保険契約補償範囲: 各関連保険料率プランからの結果を集計し、補償範囲あたりの期待手数料総額を示します。
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保険契約: すべての補償範囲の期待手数料について包括的なビューを提供します。
保険料率プラン上に手数料明細表を積み重ねることにより、仲介業者は簡単に予測を管理し、実際の手数料が期待に沿っていることを確認できます。この複数レベルの集計によって財務計画が効率化し、契約ライフサイクル全体で透明性を確保できます。
まとめ
順調に進んでいますね。Financial Services Cloud 向け保険仲介ソリューションについて学び、 保険仲介業務を変革するための知識が備わりました。
保険仲介ソリューションを使用すると、パーソナライズされたサービスとプロアクティブなエンゲージメントツールによるクライアントリレーションの強化から、複雑なプラン管理の簡易化、契約ライフサイクル全体の合理化まで、より効率的に要領よく業務を行えるようになります。また、堅牢な収益管理機能により、正確に手数料の追跡と予測を行うことで、仲介の財務的な健全性を高めることもできます。
次のステップに進み、新たに習得した知識を実践に移す準備は整っていますか? リソースを確認し、保険仲介ソリューションを活用するほかの方法も探してみてください。