保険料率、保険拠出、対象資格を組み込む
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 料率、拠出、対象資格の関係を説明する。
- 保険会社が交渉した保険料に沿った保険料率プランを設定する。
- クライアントとその従業員との間で費用を配分する保険拠出プランを設定する。
- どのような場合に従業員とその扶養家族が補償の対象となるかを決定する対象資格ルールを定義する。
料率、拠出、対象資格の調整
前の単元では、保険仲介ソリューションが商品のモデル化、保険契約の設定、保険契約ライフサイクルの管理に役立つしくみを学習しましたが、 契約の構築は考慮すべきことの半分にすぎません。効果的な仲介は、料率、拠出、対象資格を正確に管理できるかにもかかっています。こうした要素によって、補償の費用、対象者、タイミング、支払者に関する重要な質問に答えることができます。
ブローカーとクライアントは協力して、保険会社の選択、料率の交渉、予算と従業員のニーズに沿った拠出モデルの構築を行います。対象資格ルールを定めることで、適切な従業員と扶養家族が補償を利用できるようになります。このルールは、新規採用、昇進、ライフイベントなど取引先の状況の変化に適応させる必要があります。
主な概念は次のとおりです。
-
料率: 補償に対して保険会社が請求する割合。通常は階層別に構築されています (対象の従業員 (EE)、EE + 配偶者、EE + 家族)。料率から保険料の合計とブローカーの手数料が算出されます。
-
拠出: 従業員が支払う保険料の比率。雇用者が補助する場合もあります。拠出は階層や従業員クラスによって異なる可能性があります。
-
対象資格: 補償の対象資格を決定するルール。多くの場合、在職期間、雇用状況、または職階に基づきます。
この単元では、Cumulus Brokerage が Sally’s Aviation の重要なプランコンポーネントを設定する様子を見ていきます。補償範囲は、費用対効果が高く、コンプライアンスに準拠し、従業員の変化するニーズに見合った内容とする必要があります。
保険料率プランモデル
料率は、保険会社が保険契約の補償範囲に対して従業員に請求する金額を表します。通常は、次のような階層別に構築されています。
- 対象の従業員 (EE)
- EE + 配偶者
- EE + 子供
- EE + 家族
料率の設定は、保険料の算出と手数料の予測に極めて重要です。料率の構造は、登録数、保険会社との交渉、給付構造に基づいて、毎年変動します。
この料率を効果的に整理して管理するには、保険料率プランを使用します。保険料率プランは、特定の保険契約に関連付けられた 1 つ以上の料率構造のコンテナです。すべての保険料率プランは 1 つの契約に関連付けられているため、すべての料率データが 1 か所にまとめられます。必要に応じて、同一の契約内に異なる料率構造を設定する場合は、保険料率プランの対象範囲を指定できます。対象範囲を指定しない場合、保険料率プランは契約全体に適用されます。
このアプローチを使用すれば、料率の管理を契約レベルで簡潔に、または特定の対象範囲でより詳細に行うことができます。どちらの場合でも、最終的には契約によってすべての保険料率プランが管理されるため、保険料の設定と再計算の方法で一貫性が保証されます。
保険料率プランは特定の種別に分類され、各種別によって計算が品目でどのように適用されるかが決まります。一般的な種別は次の表のとおりです。
保険料率プラン種別 |
説明 |
|---|---|
全額保険適用医療 |
品目ごとの料率と登録者数に基づいて請求します。 |
一人あたり月額 (PPPM) |
各個人登録者に固定金額を請求します。 |
従業員あたり月額 (PEPM) |
扶養家族に関係なく、各登録従業員に固定金額を請求します。 |
定額ベース |
従業員や扶養家族の人数に関係なく、1 つの固定金額を請求します。 |
給付金額 |
すべての登録従業員の補償の合計値に基づいて請求します。 |
適切な保険料率プラン種別を選択すると、一貫性のある正確な計算を行うのに役立ちます。計算は、すべての品目で自動的に調整されます。
保険料率プランを定義するための主なオブジェクトは、次のとおりです。

各オブジェクトの説明は次の表のとおりです。
オブジェクト |
説明 |
シナリオ |
|---|---|---|
保険料率プラン (1) |
保険料率プランの詳細 (保険料、請求サイクル、保険料率プラン種別など) を保存します。 各保険料率プランと契約を必ず関連付けてください。必要に応じて、対象範囲を指定することもできます。対象範囲を空白のままにすると、契約全体にプランが適用されます。 |
Sally’s の HMO 契約では、地理的な場所が異なる場合に個別の保険料率プランが必要です。 |
都道府県 (地理) (2) |
特定の地域を表します。 |
Sally’s の保険料率プランはそれぞれ適切な都道府県 (地理) (たとえば、カリフォルニア、フロリダ) に接続されています。 |
保険料率プラン品目 (3) |
登録数、計算された保険料を含む、保険料率プランの各階層の保険料率を定義します。階層の数は、プランの設計に基づいて異なります。 |
Sally’s の各保険料率プランには 3 つの階層があります (EE、EE + 配偶者、EE + 配偶者 + 子供)。 |
次に、保険料率をすばやく計算するために上記のコンポーネントがどのように連携しているかを見ていきましょう。
保険料率プランを作成する
保険料率の構造は、複数の階層、補償タイプ、保険料支払頻度によって複雑化する場合がありますが、保険仲介ソリューションを使用すればプロセスが簡易化します。Julia が Sally’s の HMO プランにカリフォルニアの保険料率プランを設定する様子を見ていきましょう。
まず、Julia は保険契約レコードから新しいプランを作成し、種別、支払頻度、階層構造を指定します。

次に、保険料率プランの各階層に登録数、保険料率を含む品目を作成します。

詳細を入力後、[Calculate (計算)] をクリックします。これだけで、各階層の保険料と保険料合計が自動的に表示されます。これで、Julia は保険契約で補償されているほかの地域の保険料率プランについても作成できるようになりました。
保険拠出プランモデル
拠出は、雇用主と従業員が保険費用をどのように分担するかを決定します。このプランは、階層、従業員分類によって異なり、公平な費用配分を目指しています。
保険料率プランと同様に、それぞれの保険拠出プランは保険契約に関連付けられており、保険拠出プランと特定の対象範囲を関連付けることができます。対象範囲を指定しなかった場合、保険拠出プランは契約全体に適用されます。

各オブジェクトの説明は次の表のとおりです。
オブジェクト |
説明 |
シナリオ |
|---|---|---|
保険拠出プラン (1) |
プランの詳細 (拠出頻度、課税状況、拠出状況など) が保存され、必ず保険契約に接続されます。 必要に応じて、拠出が特定の対象範囲のみに適用される場合は、その対象範囲に関連付けることができます。 |
Sally’s の HMO プラチナ契約の場合、Cumulus は異なる従業員クラスに個別の拠出プランを作成します。 |
グループクラス (2) |
取引先レベルで定義された従業員グループ分類を表します。 |
Sally’s 取引先には、役員、経営管理者、パイロット組合、整備士組合のグループクラスがあります。 |
保険拠出プラングループクラス (3) |
グループクラスを拠出プランにリンクする連結オブジェクトとして機能します。 |
Cumulus は、両方の組合クラスを 1 つの拠出プランに割り当てます。 |
保険拠出プラン品目 (4) |
保険料率プランの各階層の拠出額または拠出率を定義します。 |
Cumulus は、階層ごとの拠出月額を設定します。 |
保険拠出プランを作成する
組合に加入した従業員向けに Julia が Sally’s HMO プランの保険拠出プランを作成する様子を見ていきましょう。
まず、新しい保険拠出プランレコードを作成し、関連グループクラスと階層構造を追加します。
次に、各階層に拠出額を含む品目を定義します。

たとえば、High Salary Band Cont EE (高報酬帯拠出 EE) 品目は、扶養家族のいない高報酬の対象従業員に適用します。
保存したら、保険拠出プラン関連リストにプランが表示されます。Julia は、ほかの保険拠出プランそれぞれに、この手順を繰り返します。

保険料率と保険拠出の設定が完了したら、次のステップは対象資格ルールの定義です。
対象資格モデル
対象資格ルールは、保険補償範囲の対象者と対象となるタイミングを定義します。多くの場合、このルールは従業員の状況、在職期間、またはグループクラスに対応しています。明確な条件を事前に設定することにより、クライアントのすべてのプランでコンプライアンスと一貫性を確保できます。
次の図は、対象資格に関わる主なオブジェクトを示しています。
このオブジェクトがどのように連携しているかについて、次の表に概要を示します。
オブジェクト |
説明 |
シナリオ |
|---|---|---|
保険給付対象資格定義 (1) |
取引先レベルで対象資格条件を定義します (開始日と終了日、扶養家族の対象資格など)。 |
Sally’s の対象資格ルールには、「雇用してから 30 日後に補償が開始する」が含まれます。 |
グループクラス (2) |
取引先レベルで定義された特定の従業員グループを表します。 |
Sally’s 取引先には、役員、経営管理者、パイロット組合、整備士組合のグループクラスがあります。 |
保険契約給付対象資格 (3) |
保険契約レベルでグループクラスを対象資格定義に対応付けます。必要に応じて、対象範囲を指定して、より詳細に管理することもできます。対象資格が選択されない場合、ルールは契約全体に適用されます。 |
Cumulus は、組合クラスを 1 つの対象資格定義に、役員と経営管理者を別の対象資格定義に関連付けます。 |
プランの対象資格を定義する
Julia が Sally’s HMO 契約の対象資格ルールを設定して適切なクラスに対応付ける様子を見ていきましょう。
まず、対象資格定義を作成し、補償の開始日と終了日、対象者を指定します。

このルールにより、対象資格は雇用日の翌月初日にトリガーされ、終了月の月末に終わります。
次に、この対象資格定義を Sally’s Aviation HMO 契約に割り当てて、各グループクラスを適切な対象資格定義に対応付けます。

プランレベルで割り当てを対応付けるため、このルールはプランのすべての補償範囲に適用されます。
対象資格要件が後ろにずれた場合 (たとえば、待機期間を 60 日に変更)、Julia は既存の定義を編集するだけでシステムの正確性を保つことができます。
料率、拠出、対象資格ルールを設定することにより、Cumulus は各契約の財務的な健全性を確保し、それぞれをクライアントの人員と給付戦略に応じてカスタマイズできます。
次の単元では、保険仲介ソリューションで手数料と収益計算が処理され、すべての保険契約の財務状況に関する全体像が示されるしくみについて学ぶための準備をします。
