未来の見出しを想像する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 問題ステートメントを「私たちが実施可能な方法は?」という提議に変える。
- 「見出し」演習を指導する。
- イノベーションプロジェクトが目指すものについて説明する。
伝統主義を機会に変えるために私たちが実施可能な方法は?
前の単元の演習の結果から、多くの伝統主義が及ぼす影響にチームが落胆してショックを受けても無理はありません。室内の雰囲気が暗くなる前に、表現を変えて会話を前向きにしましょう。高名な教師そして研究者である Min Basadur は、問題解決とイノベーションに関する話し合いを楽天的に行う方法として「私たちが実施可能な方法は?」という質問をしました。
方法は、問題が解決可能であることを示します。
実施可能で、コミットすることなく、可能性を想像したり、探ったりすることを可能にします。
私たちは、コラボレーションによる取り組みが必要になることを認めます。
次の方法で、問題ステートメントを「私たちが実施可能な方法」ステートメントに変えることができます。
問題ステートメント | 私たちが実施可能な方法 |
---|---|
Aqua Blue は顧客を失いつつあり、何か違うことをする必要があります。そうしないと、ビジネスとブランドに損害がおよびます。 | ゲストがよそには泊まりたくなくなるような快適で楽しいカスタマーエクスペリエンスを作るために私たちが実施可能な方法は? |
ビジネス問題の方向性をこの方法で変えることで、ソリューションの可能性が広がります。次は、チームの野心を高めて今日だけでなく明日に向けた設計ができるようにする演習を実施します。
「未来の見出し」演習
挑発的な表紙のビジネス雑誌 5 ~ 10 冊を部屋に飾ります。チームに次のように尋ねます。「今、このトピックについてイノベーションすることを選択したら、5 年間で目指すべき達成事項は何ですか? そのとき、これらの雑誌の表紙にはどのような見出しが出るでしょうか?」
この演習は、ブレインストーミング作業においてアイデア創出の方向性を変える決定的な時間を示します。目標を高くし、斬新な発想をし、あらゆる角度から機会を見るようにチームを挑発します。会話が止まったときは挑発的な表現で問いかけます。たとえば、「新興企業がこのエクスペリエンスを一から新しく作り直すとしたらどうなるでしょうか? 瞬時に会社を差別化するためにその企業は顧客にどのようなメリットを提供できるでしょうか?」などです。
目標は、思考とアイデアのレベルを現在可能なものから、遠い将来なので確信が持てないがワクワクする機会へと高めることです。
Aqua Blue Properties の挑発的な見出しとして次のようなものが考えられます。
この見出しが示しているのは何でしょうか? それは Aqua Blue のビジョンを示しています。これには、最新鋭のテクノロジーを利用して、一般市民でも手が届く料金で最大限の利便性を提供するゲストエクスペリエンスを実現することも含まれます。
この段階では、どうやってやり遂げるかに重点は置きません。代わりに、夢、つまりイノベーションの取り組みが目指す対象を定義します。
よくある落とし穴のためのヒント
可能性に注目する — 制限に対処するのは避けます。代わりに可能性に注目し、メンバーには疑念は一度封印して創造力を最大限に働かせるように念を押します。
大胆な発想に集中する — グループに融通のきかない人がいると、「見出しなんてどうでもいい。これは報道じゃないんだから!」と言い出すこともあるでしょう。それは正論かもしれませんが、この演習の目的は大胆な発想を促すことであるとチームに再確認します。つまり、大規模に注目を集められるだけの新しさと有用性を兼ね備えた何かを目指すのです。さらに、簡単に短い見出しとしてまとめられるように結果志向の目標にします。
表現ではなくメッセージに重点を置く — チームメンバーは創造力のあるライターでなくてもかまいません。通常、人の心を捉える優れたメッセージを考え出せるメンバーは 1 人か 2 人です。(こうしたメンバーはおそらくツイートの達人です)。セッションの後、いつでも時間をとって表現を適切にすることができます。