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オファーの作成と商品モデリングについて確認する

学習の目的 

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 商品デザイナーを使用してオファーを作成する方法を説明する。
  • 商品モデリングの目的を説明する。

一歩ずつ進む

Devi は商品デザイナーの再利用可能なコンポーネントを活用して、あらゆる商品設定の作成に欠かせない強力で柔軟なツールを完備しました。そのため、商品設計に取りかかりたくてウズウズしています。その前に、共有カタログでオファーを作成する場合の推奨ワークフローを検討し、作業の指針となる商品モデルについて理解する必要があります。

商品デザイナーでのオファーの作成

商品デザイナーを使用する際のコツは、商品設計のボトムアップアプローチに従うことです。最初に選択リスト、属性、オブジェクト種別など小さなコンポーネントを設定し、それを使用してカタログの商品やバンドルを構築していきます。こうした細かなエンティティは再利用可能なため、早い段階で設定しておくと、新しいオファーを作成する際の効率性が大幅に高まります。 

下図は、標準的なボトムアッププロセスを示しています。 

以下に説明する商品デザイナーでのオファー作成プロセス

上の図の標準的なオファー作成ワークフローは、商品デザイナーで商品を作成する方法の一例にすぎません。

新しい商品を設定する手順は、次のとおりです。

  1. 選択リストを作成します。カートで選択リストから属性値を選べるようにします。
  2. 属性カテゴリと属性を作成します。属性は、商品を定義する特性です。属性を商品デザイナーのカテゴリに整理します。
  3. オブジェクト種別を作成します。オブジェクト種別には属性と項目のレイアウトが設定され、商品を作成する際に再利用可能なテンプレートとして機能します。 
  4. 商品を作成します。商品には、設計時または実行時の属性、価格、添付ファイルなどが設定されます。  

このプロセスの詳細を確認しながら、Devi が最新のスマートウォッチ商品となる Infiwatch の構築方法についてブレインストーミングするところを見てみましょう。 

選択リストを作成する

選択リストは、商品デザイナーの最小コンポーネントです。新商品の構築にボトムアップアプローチを使用する場合、最初に作成するコンポーネントが選択リストです。下の図では、バンドの色の選択リストにパープル、イエロー、グリーンの選択リスト値が設定されています。

バンドの色の選択リストに各色の選択リスト値が設定されたコンポーネント図

この図は、スマートウォッチの [Band Color (バンドの色)] 選択リストと、関連付けられている色の選択リスト値のリレーションを示しています。各自のビジネスの商品を設計するときは、お客様が購入する商品を設定する時点で選択できる選択リスト値を作成します。 

属性カテゴリと属性を作成する

商品種別の選択リストを作成したら、必要となる属性カテゴリを作成します。属性カテゴリを使用して、共有カタログで同様の属性ごとに整理します。カテゴリを設定したら、商品の設計時属性と実行時属性の設定に進むことができます。次に、実行時属性を関連する選択リストに結び付けて、カートでその値を選択できるようにします。

Devi はまず、ブランド、容量、バンドの色など、再利用可能なスマートウォッチオブジェクト種別の構築に使用するすべての属性を図示します。バンドの色など、お客様が設定する必要がある属性については、選択リストを作成して特定の属性に結び付けます。 

お客様が各自のデバイスで自由に色を選べるようにすれば、ありとあらゆる奇抜な色を求められるであろうことを Devi は心得ています。そのため、選択リストの値を選択可能な商品の色に制限します。

ブランド、容量、バンドの色などの属性で構成されるスマートウォッチオブジェクト種別。

考えてみてください。属性がなければ、ブラック、ブルー、ホワイトなどスマートウォッチの色オプションごとに、Devi がまったく新しい商品インスタンスを構築しなければならなくなります。商品デザイナーがあれば、Devi がスマートウォッチ商品を 1 つ作成して、[Band Color (バンドの色)] 属性に各種の色オプションを保存できます。さらに、この属性を再利用して、同様の商品を好きなだけ作成できます。 

オブジェクト種別とサブ種別を作成する

商品または商品ラインの選択リストと属性を作成したら、続いてオブジェクト種別を設定します。オブジェクト種別は、オファーの作成で再利用可能なテンプレートです。 

前述のとおり、オブジェクト種別にサブ種別を作成すると、親オブジェクト種別の項目と属性のレイアウトが自動的に継承されます。この継承により、オブジェクト種別は、最も基本的なオブジェクト種別を最上位、最も複雑なサブ種別を最下位とする階層構造に従います。 

ベストプラクティスは、カタログにこうした階層を設定する前に、商品コードなど、すべての商品に関連する項目を保存するベース商品オブジェクト種別を作成することです。こうすれば、ベース商品から情報を継承するサブ種別を作成できます。

たとえば、Devi は新しいスマートウォッチとともに、スマートフォンの新ラインも設定しなければならないことがわかっています。そこで、オブジェクト種別とサブ種別をどのように利用すれば時間を節約できるか思案します。Devi はモバイルデバイスオブジェクト種別を作成し、ブランド、容量、色など、各商品に共通するすべての属性と選択リストからなるレイアウトを設定することにします。次に、モバイルデバイスと共通する特性を継承するハンドセットとスマートウォッチというオブジェクトサブ種別を作成します。 

この図は、3 つのレベルからなるオブジェクト種別の継承フローを示しています。 

以下に説明するオブジェクトの継承フロー

レベル 2 で、モバイルデバイス種別が、レベル 1 のベース商品オブジェクト種別から属性と項目を継承します。次に、この内容と追加のメタデータが、そのサブ種別であるレベル 3 のハンドセットとスマートウォッチに引き継がれます。 

商品を作成する
決定的瞬間です! Devi は Infiwatch 商品インスタンスを作成し、数回のクリック操作で、スマートウォッチオブジェクトサブ種別からすべてのメタデータを継承するように設定します。これで、親オブジェクト種別であるモバイルデバイスとサブ種別であるスマートウォッチの両方に設定されている属性と選択リストのレイアウトが、新しい商品に自動的に設定されます。続いて Devi は、Infiwatch に価格を設定して、お客様に販売できるようにします。  

このオブジェクト継承モデルをうまく活用すれば、Devi は商品作成プロセスを加速して、記録的な速さで新しい商品ラインを市場に投入できます。今後の商品設定でもコンポーネントを簡単に再利用できます。Infiwatch 商品を他のオファーと組み合わせてバンドルを作成することも可能です。

TM フォーラムの SID とオファーの実現 

特定の業界や企業が、カタログの商品やテクニカルプロダクトを最適な方法で整理するために異なるアプローチを採用していることがあります。たとえば、通信業界の企業であれば、各自のモデルを TM フォーラムの SID 標準に適合させているのではないでしょうか。 

この設計パラダイムでは、オブジェクト種別を基に商品仕様を作成して定義します。再利用可能なこのエンティティには商品のすべてのメタデータが含まれるため、オファーの実現というプロセスでこうした情報を使用して、価格の異なる複数のオファーを効率的に作成できます。 

シンプルな状態に保つ

Devi が複雑な商品設定を構築する場合、商品エンティティの構造ワークスペースを使用すると、その商品がどのような構成になっているかを追跡できます。このサンプル画面は、親子リレーションや他の商品との関連付けなど、商品の構成をわかりやすいビジュアル形式で示しています。 

関連商品とのつながりが示されている [Holiday Offer Bundle (ホリデーオファーバンドル)] 商品の [Structure (構造)] タブ

このサンプル画面では、[Holiday Offer Bundle (ホリデーオファーバンドル)] に [Infiwave Phone 10]、[Protection Plan (保護プラン)]、[Individual Simple Choice Plan (個人向けのシンプルチョイスプラン)] バンドルがあり、このバンドルに独自の子商品が設定されています。 

[Structure (構造)] タブから商品を構造にドラッグすれば、要素間のリレーションをすばやく作成できます。 

また、商品デザイナーの設定画面から直接、商品に関連付けられているルール、添付ファイル、注文管理設定などの履行オプションをすべて表示できます。 

商品モデリング

論理的で管理しやすく、一貫性のある商品データのカタログを作成するためには、慎重な計画が欠かせません。ここで登場するのが商品モデリングという技巧です。カタログの構築に着手する前に、各自の業界で広く用いられているデータモデル、ワークフロー、ベストプラクティス、カスタマイズを検討します。続いて、共有カタログを使用して会社独自のニーズを満たす方法をブレインストーミングします。

効果的なデジタルトランスフォーメーションを実現するためには、レガシーシステムの過去の商品モデルやプロセスを検証し、改善点を見極める必要があります。次に、強力で柔軟な共有カタログのコンポーネントを使用して、ビジネス目標を確実に満たす方法を模索します。

あらゆる要件を収集した Devi はこの情報を使用して、すべての商品定義とカタログエンティティを Infiwave のビジネスプロセスのフローに対応付けるダイアグラムを作成します。このドキュメントがカタログ構築の指針になります。また、チームメンバーが共有カタログのデータを扱うときは、全員の認識が一致しているようにします。 

ここでは、オファー作成プロセスと商品モデリングについて学習しました。次は、共有カタログの強力な価格設定機能を見ていきます。価格設定コンポーネントを使用して、マーケティング目標や売上目標に合致するようにオファーをカスタマイズします。 

リソース 

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