商品オファーを設計して管理する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 共有カタログの目的を思い出す。
- 商品デザイナーの目的とメリットを要約する。
- 商品デザイナーの基本コンポーネントを定義する。
機能のご紹介
終にその日がやって来ました。Devi がログイン情報を受け取り、Industries CPQ と共有カタログにアクセスできるようになりました。真新しい Salesforce Industries 組織を立ち上げ、新しい商品カタログをどのようなものにするか計画しながら、はやる気持ちを抑えることができません。Devi はジャーニーの出発点として、共有カタログの主要なツールの 1 つである商品デザイナーから確認していきます。
商品デザイナーは、組織全体で共有する商品オファーのあらゆる要素を作成して管理するワンストップショップです。この直感的なツールを使用して、基本的な商品情報、この情報を保存するテンプレート、価格設定が割り当てられたオファーをすばやく簡単に作成します。商品定義がシンプルなものでも、極めて複雑な場合でも、商品デザイナーが Devi をサポートします。
商品デザイナーのコンポーネント
では、商品デザイナーの詳細を知るために、カタログのオファーの構築に使用するさまざまなコンポーネントを確認しましょう。以下のエンティティは、Industries CPQ、DC、CLM、OM をはじめ、Industries Communications、Media、Energy & Utilities Cloud のすべてのアプリケーションで共有されます。
カタログ
カタログエンティティは、商品をカテゴリ、対象市場、チャネル別に整理して、ナビゲーションしやすくするために使用します。この画面は、商品デザイナーのモバイルカタログというカタログの一例を示しています。
画面に、カタログの詳細、リレーション、商品リレーションが示されています。営業チームや注文管理チーム、ビジネスパートナーなど、特定のグループが使用する別の子カタログも作成できます。
商品
共有カタログの商品エンティティは、商品とテクニカルプロダクトの両方をモデル化するために使用します。商品がカートに表示された場合にお客様が注文することができ、通常は有形無形のオファーを表します。テクニカルプロダクトは、注文管理チームが商品のプロビジョニングやデリバリーに使用する商品、サービス、リソースです。カタログのさまざまなオファーの設定に商品エンティティを再利用できます。
以下は、商品デザイナーの商品リスティングの一例です。
この商品は Infiwave Phone 10 です。[Details (詳細)] タブで、商品の説明、商品ファミリー、その他の情報など、商品の一般的なプロパティを設定します。
カタログの各商品リスティングに、その特性と価格設定を説明するすべての関連メタデータ情報が示されます。商品の構造を変更すれば、バンドルなど、カタログの他の商品とのリレーションを作成できます。
また、商品に直接ドキュメントや画像を添付したり、商品の販売方法を規定するルールを割り当てたりすることも可能です。最後に、注文管理が商品と関連するテクニカルプロダクトからなる注文をどのように処理するかを定める履行設定を定義できます。
オブジェクト種別
共有カタログでは通常、オブジェクト種別という内部分類に基づいて商品を作成します。このオブジェクト種別を使用して、カタログ項目の特定のカテゴリのスキーマを定義できます。
次のサンプル画面は、オブジェクト種別ワークスペースを示しています。
オブジェクト種別階層 (1) には、商品オブジェクト種別とネストされているサブ種別の完全リストが示されます。[Layout Management (レイアウト管理)] タブ (2) には、選択したオブジェクト種別 (この場合は Base Bundle Offer V1) のレイアウトのすべての項目と属性が示されます。右側のペイン (3) では、新しい属性または項目をオブジェクト種別にすぐにドラッグできます。
オブジェクト種別の優れた点は、よく似た商品の新しいインスタンスをゼロから作成する必要がなくなることです。商品のカテゴリのオブジェクト種別を作成すればよいためです。数回のクリック操作で、個々の商品がそのオブジェクト種別のすべての特性 (関連するすべての項目、属性、選択リストが設定されたビジュアルレイアウトを含む) を継承するように設定できます。
さらに、既存の親オブジェクト種別のモデルを継承するオブジェクトサブ種別を作成できますが、このサブ種別に変更を行って、商品の個別のサブセットのテンプレートにすることも可能です。たとえば、インターネット商品の一般的なカテゴリのオブジェクト種別を作成し、次にケーブル専用の属性を含むケーブルインターネット商品のサブ種別を作成することが考えられます。オブジェクト種別を使用すると、商品の設定時の俊敏性と正確性が向上し、わずかな労力で商品を迅速に市場に投入できます。
属性
属性は、色やデータ容量など、共有カタログで定義する商品の要素や特性です。商品に複数の属性が設定されていることもあれば、商品が 1 つの形態に限られるため、属性が 1 つも関連付けられていないこともあります。このサンプル画面には、商品デザイナーで選択可能な属性と、関連付けられたカテゴリのリストが示されています。
属性値は、設計時 (バックグラウンドで商品を構築している時点)、または実行時 (お客様がカートで商品を選択している時点) に設定できます。たとえば、スマートフォンのオペレーティングシステム属性は、そのモデルの唯一のオプションであるため、設計時に設定できます。スマートフォンの色はお客様が実行時に選択する必要があります。ですから、お客様が選択リストからブルーのオプションを選択して、色属性の値を設定します。
属性を価格設定ルールと組み合わせれば、属性に応じて商品の価格を自動的に調整できます。たとえば、お客様がレッドのオプションを選択した場合は、スマートフォンの価格を 10 ドル上げることができます。
選択リスト
選択リストは、商品属性の値を定義する選択可能なオプションのリストです。お客様は、選択可能な値 (選択リスト項目ともいう) のリストの中から選択して、購入する商品の特性を決定します。選択リストは、カートの商品の設定画面にドロップダウンメニューまたはラジオボタンとして表示されます。
以下は、ダウンロード速度の選択リストの設定画面です。
[General Properties (一般属性)] で、選択リストのデータ型が数値に設定されています。[Picklist Values (選択リスト値)] には、4 種類のダウンロード速度が示され、お客様が選択できるようになっています。選択リストは、商品属性に接続されている場合にのみ機能します。この選択リストの場合は、ダウンロード速度属性と組み合わせて、カートで定義できるようにする必要があります。
ここで習得度を確認しましょう! 各カタログ要素をその正しい例の横にドラッグしてください。
これで Devi が商品デザイナーとそのコンポーネントについてしっかり理解することができました。次の単元では、上記のコンポーネントを使用して、共有カタログのオファーを作成するワークフローについて学習します。また、商品モデリングがカタログ設計の決定の重要な指針になることも確認します。