商品価格を設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 価格設定デザイナーの目的とメリットを要約する。
- 価格設定デザイナーの基本コンポーネントを定義し、カスタム商品価格の設定に使用する方法を説明する。
価格設定デザイナーについて
価格設定デザイナーは、カスタマイズ可能な強力なコンポーネントを使用して、価格の設定と管理を効率化します。Devi は価格設定デザイナーを使用して、価格、プロモーション、割引、課金、関連する価格設定メタデータを作成して保存します。
この画面は価格設定デザイナーの B2C 価格リストで、企業顧客向けの価格が示されています。
Devi の組織のカスタム価格リストには、価格、価格設定変数、価格設定プラン、時間プラン、ポリシーがすべて記載され、カタログ全般の商品やバンドルの値を設定するために必要に応じて再利用できます。ご覧のとおり、商品コンポーネントと価格設定コンポーネントが切り離されているため、特にお客様を対象とするオファーを設定するときに、共有カタログが極めて高い柔軟性を発揮します。
価格設定デザイナーがあれば、価格設定に関するどのような課題も克服できます。商品バンドルには割引を設定する一方で、同じ商品が個々に購入されたときは定価を維持できます。オファーの価格が一定期間にわたって自動的に上下するように設定することや、期間限定の割引を設定することも可能です。さまざまな可能性があります! では、詳しく見ていきましょう。
Price List (価格リスト)
価格リストには課金や調整といった価格設定エンティティが保持され、必要に応じてカタログ全般に適用できます。1 つの商品の価格を販売コンテキストに応じて変更する場合は、複数の価格リストを使用して、その商品に別々の価格を割り当てます。たとえば、ここに示すとおり、企業向けの B2B 価格設定と、消費者向けの B2C 価格設定を用意します。
上記の例では、B2B のお客様のカートにはブロードバンドケーブルサービス商品の価格が月額 $45 と表示される一方で、B2C のお客様には同じ商品の価格が $54.99 と表示されます。
顧客セグメントごとに価格リストを作成すれば、カスタム価格を提示できます。たとえば、学生向けの価格リストには新学期商品の特別価格を設定し、メイン州の居住者向けの別の価格リストには地域限定の価格を設定することが考えられます。
Salesforce のシステム管理者としての経験が長い人は、価格表はどうなったのだろうと思うかも知れません。実は、価格表は舞台裏で活躍しているのです。どの価格リストも価格表にリンクされている必要がありますが、通常は各実装に必要な価格表は 1 つのみです。
価格設定変数
価格設定変数は、カタログの商品に適用可能な課金や調整の一種です。価格が、通常の課金か罰金か、1 回限りの課金か定期的な課金か、価格の請求先がお客様か会社かを決定します。また、価格設定変数を使用して、課金の支払が通貨かロイヤルティポイントかも指定できます。
時間プランと時間ポリシー
時間についても価格設定デザイナーで管理できます。価格や課金の有効期間を設定する時間プランを確立し、時間ポリシーで時間プランが有効になる開始日と終了日を決定できます。こうしたツールを使用して、お客様に 30 日間の無料トライアルを提供したり、4 月のみ有効な期間限定プロモーションを作成したりすることができます。
では、Devi が価格設定コンポーネントを組み合わせて、Infiwave が提供するスポーツチャンネルの月額サブスクリプション商品の価格をどのように設定するか見てみましょう。ここでは、価格設定変数を月額 $20 の定期料金に設定します。
時間プランとポリシーで、月額 $20 のサブスクリプション商品が開始日から 1 年間有効であることを定義します。Devi が新たな価格設定スキームを作成して、このプランの終了時に自動的に開始されるようにすることも可能です。旧式のカタログシステムでは、こうした設定方法を想像することすらできませんでした。
割引とプロモーション
マーケティングの目的で、任意の販売シナリオに対する商品やバンドルのプロモーションや割引をすばやくロールアウトすることができ、その際に商品価格リストの一貫性を損なうこともありません。
たとえば、Devi はビデオサブスクリプション商品に「1 か月目は無料」プロモーションと期間限定の「10% オフ」割引を追加したいと考えています。簡単です!
共有カタログでは、割合または金額に基づいて一定期間に適用されるプロモーションを設定することや、1 つのプロモーションの終了時に別のプロモーションが開始されるように設定すること、特定の商品サブセットのみに短期プロモーションを適用することができます。また、特定の条件に応じて、無料の商品をカートに自動的に追加することもできます。たとえば、ニューヨーク在住のお客様の購入にはプロモーション用の T シャツを追加します。
価格設定プラン
カタログに掲載されている一部の商品に対して、特有の価格設定のシナリオが必要になることがあります。価格設定プランを入力します。価格設定プランとは、商品価格を管理するためのプロセス、機能、手順を順番に呼び出す一連のステップです。価格設定デザイナーを使用すれば、ランク別のコスト、プロモーション割引、税金、エージェント割引などを自動的に計算して適用する価格プランを確立できます。たとえば、注文の合計金額が 100 ドルを超えた場合に、価格設定プランのロジックによって設置費用の 50% 割引が計算されるように定義できます。
その他の高度な価格設定方法
価格設定の多数のオプションを見てきましたが、これは氷山の一角にすぎません。商品デザイナーは Salesforce のビジネスルールエンジンとシームレスに連携します。つまり、ルックアップテーブルや式セットを設定して、商品の属性やバンドルの他の商品とのリレーションに基づいて商品の価格を微調整できます。
お客様が注文する品目の数量や、モバイルデータプランなど特定の商品のお客様の利用状況に基づいて価格を設定します。また、式セットを使用して、お客様の注文に対する利益率の許容範囲を定義して検証するという方法で、会社のコストを管理することも可能です。
ここで習得度を確認しましょう! 各カタログ要素をその正しい例の横にドラッグしてください。
商品や価格設定を設計する機能をそつなく習得した Devi は、優れたカタログ作成に向けて順調に前進しています。
次の単元では、オファーの販売方法を規定するルールフレームワークと、共有カタログを最大限に活用するためのその他の機能について学習します。