商品と商品仕様について学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 共有カタログに含まれる商品の提供内容とその設定方法について説明する。
- エンタープライズ商品カタログ (EPC) での標準の商品の作成について簡潔に説明する。
- EPC でのオファー作成に使用する TM フォーラムの SID (Shared Information-Data) モデルについて説明する。
- 商品デザイナーでの各仕様種別を挙げ、その目的を説明する。
始める前に
このモジュールを受講する前に、「商品デザイナーの使用を始める」トレイルの他のバッジを獲得してください。ここでの作業は、そのバッジで学習した概念に基づいて行います。
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ピースを組み合わせる
Devi Jacob は、米国南西部を拠点とするインターネットおよびモバイルサービスプロバイダー、Infiwave の商品設計者です。共有カタログの基本的なビルディングブロックについて詳しく学び、その知識を使用して、さまざまな再利用可能な選択リスト、属性、オブジェクト種別を作成しました。
この基盤コンポーネントの作成が完了したため、Infiwave の画期的な新しいスマートウォッチ「Infiwatch」のオファー作成に取りかかる準備ができています。事前にスマートウォッチ固有のオブジェクト種別を作成する作業を行っていたため、実際のオファーを簡単に設定できます。すぐに、多数の商品を Industries CPQ (設定、価格、見積) アプリケーションで使用して、商品を心待ちにしている顧客に販売できるようになります。ワクワクしてたまりません!
Training Playground に登録する
このモジュールにハンズオン Challenge はありません。手順を試してみたい場合は、Industries CPQ とサンプルデータが搭載された特別なトレーニング組織が必要です。通常の Trailhead Playground や他のモジュールの組織には、必要な内容が揃っていません。次の手順に従って、無料で利用できるこのモジュールのトレーニング組織を取得してください。
- Industries Training Playground for Communications, Media, and Energy (通信、メディア、エネルギー業界向け Industries Training Playground) に新規登録します。
- フォームに入力します。
- 名と姓を入力します。
- 有効なメールアドレスを入力します。
- 会社名を入力します。
- [Sign me up (サインアップ)] をクリックします。確認メッセージが表示されます。
- 確認メールが届いたら (数分かかる場合があります)、メールに記載されている情報に従って Trailhead Playground にログインしてください。
練習してみたい場合は、「リソース」セクションのハンズオン演習を見逃さないようにしてください。
共有カタログ内の商品
共有カタログでは、商品エンティティを使用して商品とテクニカルプロダクトの両方をモデル化できます。コマーシャルプロダクト (商品) は Industries CPQ カート内で表示され、注文可能であり、有形または無形の商品やサービスを表します。テクニカルプロダクトは、注文管理チームがコマーシャルプロダクトのプロビジョニングやデリバリーに使用する商品、サービス、リソースです。テクニカルプロダクトはお客様に表示されません。シンプル商品、スタンドアロン商品、または複雑さやカーディナリティが異なる子商品のバンドルを作成できます。
カタログ内の各商品リストには、特性と価格設定を説明するすべての関連情報が含まれます。
商品ページは、商品の構造を変更してリレーションを作成する場所です。カタログ内の他の商品とバンドルを作成したり、文書や画像を商品に直接添付したり、商品の販売方法を制御するルールを割り当てたりすることができます。注文管理チームのために、オーケストレーションシナリオや分解リレーションなどの履行設定も行えます。
標準の商品の作成
商品を作成する前に、商品に適用できるように、最初にオブジェクト種別を設定しておくことを強くお勧めします。このワークフローを行えば、商品の種別に必要な属性と項目の多くが関連オブジェクト種別にすでに保持されるようになるため、商品の作成が大幅に簡略化および加速化します。
次の図では、オブジェクト種別にブランド、サイズ、容量という属性が含まれています。このオブジェクト種別に商品を接続すると、この属性が商品に継承されます。
オブジェクト種別を関連付けたら、バックグラウンドで設計時属性の値に商品固有の情報を入力します。実行時属性値 (選択リストによって定義される値など) は、注文キャプチャ時にお客様や営業担当に設定してもらうことができます。最後に、商品をカート内で使用できるようにするには、価格の割り当てを行い、商品を [Active (有効)] および [Orderable (注文可能)] に設定します。
これが共有カタログの商品を作成する標準手法です。カタログの商品モデルの計画内容によっては、商品の作成時に異なる設定手法を実行して業界固有の標準に従うことができます。
仕様を使用したオファー作成
オファーは商品の販売可能なインスタンスです。エンタープライズ商品カタログ (EPC) でオファーを作成する一般的な方法は、仕様を使用することです。仕様は、共有カタログでさまざまなエンティティの作成に再利用できるテンプレートとして機能します。以下に、詳しく説明します。
仕様種別
仕様には、オファー、商品、サービス、リソースという 4 つの主な種別があります。各自のビジネスプロセスに合わせて他の種別を作成することもできます。
仕様は基盤となるカタログ項目であり、商品についてビジネスユーザーが認識するあらゆる詳細を含みます。マーケティングチームが販売したいと考える内容も機能レベルで定義します。商品仕様を使用してオファーを作成します。サービス仕様種別とリソース仕様種別はコマーシャルプロダクトの履行をサポートし、顧客に販売されません。このエンティティは、通信業界で最も一般的に使用されている TM フォーラムの SID (Shared Information-Data) モデルに沿っています。
ボックスをクリックすると、仕様の 4 つの主な種別の詳細が表示されます。
商品仕様
標準の商品と同様に、商品仕様には関連付けられたオブジェクト種別から継承された情報のレイアウトが含まれます。仕様レベルで項目と属性の値を入力して、商品の固有の特性 (ブランド、サイズ、技術的な側面など) を定義できます。
では、商品仕様が非常に便利なのはなぜでしょうか? 新しいマーケティング戦略に対応して特定の顧客やチャネルをターゲットとする独特な販売可能のオファーを作成するために繰り返し使用できます。商品仕様を使用すれば、同一の商品情報を一から繰り返して再設定する必要がなくなり、価格設定が異なるオファーをすばやく市場に出せるようになります。そのため、割り当てられた価格は通常、商品仕様に含まれません。
オファーの実現
商品仕様によって定義された商品を販売する準備が整ったら、オファー仕様種別を使用して新しい商品を作成します。その後、オブジェクト種別と同様に、すべての商品データがオファーに継承されるように、商品仕様をオファーに適用します。それから、オファーを実現するため、つまり顧客が購入できるようにするために、価格を割り当てます。オファーの作成時、商品仕様かオブジェクト種別のいずれかを割り当てることができます。
仕様サブ種別
商品仕様の作成時、「シンプル」または「バンドル」という 2 つのサブ種別から選択できます。各サブ種別は、次のような場合に使用します。
- シンプル商品仕様は、子商品を含まないスタンドアロン商品を作成する場合に使用します。
- バンドル商品仕様は、関連付けられた子商品がある親商品に使用します。
TM フォーラムの SID に基づくオファー作成プロセス
このモジュールでは、商品仕様からオファーを作成することに焦点を当てます。では、このプロセスにはどのようなステップがあるのでしょうか?
- 標準の商品で行うときと同じように、商品種別のメタデータを含むオブジェクト種別を作成して設定します。
- 商品仕様インスタンスを作成して、オブジェクト種別の情報レイアウトが継承されるように設定します。次に、商品仕様の設計時属性値を定義します。
- オファーを作成し、情報を継承するように商品仕様に関連付けます。価格設定情報と、販売方法を制御する他のプロモーションやルールを適用します。標準の商品のときと同じように、オファーの価格を指定し、[Active (有効)] と [Orderable (注文可能)] に設定してカート内で販売可能にします。
EPC での商品エンティティ、仕様、オファーのしくみに関する知識を身につけた Devi は、最初の商品を作成する準備が整っています。