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商品モデリングパターンを知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 標準的な商品モデリングパターンをまとめる。
  • さまざまな手法のメリットとデメリットを挙げる。
  • 商品モデリングのシナリオを認識する。

商品モデリングパターン

Devi は会社の商品と価格設定に関する要件を収集し、商品設計を合理化するための共有カタログツールについても学びました。商品のモデリングを開始するまであと少しです。ただし、まず彼は商品デザイナーが共有カタログ内の商品を作成するために使用するモデリング手法について理解しておきたいと考えています。標準的なパターンには次のものがあります。

  • ハードバンドル: 階層パターンを使用します。
  • フラットパターン: オファーマイオーシスとも呼ばれます。
  • 属性ベース: 項目ベース手法とも呼ばれます。
  • プロモーションベース: 割引やその他のインセンティブを提供します。

各パターンでは、異なる方法で共有カタログ内の商品のリレーションを作成し、商品の設定方法や販売方法の一貫性をサポートします。 

カーディナリティはモデリングにおいて重要な概念です。共有カタログを使用すれば、個別またはグループのカーディナリティ要件を効率的に管理できます。カーディナリティとは商品とバンドルのデフォルトの最小許容数量と最大許容数量です。

共有カタログではさまざまな方法で商品のリレーションを設定できますが、多くの場合、モデル作成者はカタログアーキテクチャを設計するときに上記の主要パターンのいずれかを使用し、必要に応じてパターンを組み合わせます。それぞれについて詳しく見てみましょう。 

ハードバンドル

ハードバンドルはごく一般的な商品モデリングパターンです。この方法では、カタログ品目は 1 つのオファーとその固有の価格の下で個別要素の階層として設定されます。このパターンはさまざまな商品やサービスにわたる複雑なバンドルリレーションや連動関係を表すのに最適です。 

次の図では、商業用オファーが 1 つの子商品を持つ階層パターンを使用しています。 

階層型バンドルの図。

ネストされた商品である Child Product 1 は、省略可能なアドオンまたは付属サービスを表し、固有の価格があります。カーディナリティは子商品で許容される販売可能な数量を定義します。この場合、最小値は 0 で最大値とデフォルト値は 1 です。

可能であれば、商品オファー間でコンポーネントを再利用することで時間を節約し、メンテナンスを減らします。また、カートに追加されたオファーに応じて、子商品の価格を変更することもできます。 

ハードバンドルの 1 つの欠点は、注文キャプチャ中にカートで必須および省略可能な子商品の完全な商品階層を表示する必要があり、システムパフォーマンスが低下する可能性があるということです。

フラットパターン

フラットパターンモデリング手法はオファーマイオーシスとも呼ばれます。マイオーシスという用語は、理科のテストのために夜中に詰め込んだ記憶があるかもしれません。(覚えていますか? マイトーシスと混同しやすいあれです。)自然界では、マイオーシス (減数分裂) とは、有機細胞が子細胞に分かれるプロセスです。商品モデリングではマイオーシスとは、各商品を個別の独立した階層として定義することです。このパターンは、いくつかの排他的なオファーにさまざまな設定がある場合に最適です。 

次の図はフラットパターン商品モデルの例を示しています。2 つの商業用オファーがあり、それぞれに親商品と子商品、価格から成る別個の階層があります。

フラットパターン商品モデルを示す図。

最初の商業用オファーと Child Product 1 には価格が関連付けられています。2 つ目の商業用オファーには 2 つの子商品があります。両方のオファーが同じ子商品を使用しています。

フラットパターンを使用した商品モデルの例を見たところで、いくつかのオファーがリアルタイムでどのように表示されるかを見てみましょう。たとえば、ある企業は 4 つの別々の省略可能なアドオンパッケージを提供していて、それぞれに固有の商品セットと価格設定があります。カート内のサブスクリプションの 4 つのオプション。

各サブスクリプションパッケージで設定と価格が異なっています。お客様は好みに基づいて最適なパッケージを選択します。 

属性ベース

ここまでは、カタログ内で子商品が商品バンドルや個別商品として設定されているパターンを見てきました。属性ベース (項目ベース) モデリングパターンでは異なる手法を用います。 

このパターンでは、商品、サービス、商品特性を親商品の属性または属性値として設定します。

属性ベース商品の設定を示す図。

図が示すように、オファーの各子商品はオファー価格を制御する属性として設定されます。この方法は、多くの共通データがある商品に適しています。 

欠点は、属性ベースの対象資格ルールなどの特定の高度な設定はこの手法では実装や管理が難しい場合があることです。一方で、販売や販売後の操作で管理する注文品目の数が減るため、カート内の実行時パフォーマンスの向上につながります。 

プロモーションベース

プロモーションは、3 つの主な商品モデリングパターンであるハード、フラット、属性ベースの上に適用できる省略可能なレイヤーです。プロモーションベースのモデリングは特定のイベントや季節に商品オファーやバンドルのプロモーションを行って売上を最大化するためによく使用されます。プロモーションをどのように作成するかの計画を商品モデルに含めることが重要です。

共有カタログでは、プロモーションを簡単に作成して適用し、特定の期間に割引価格でオファーを提供することができます。次の図は親オファーに適用された期間限定のプロモーション価格を示しています。
プロモーションベース商品の設定を示す図。

ではここで、簡単なテストで商品モデリングパターンに関する知識をチェックしましょう。 

各シナリオに最適なパターンはどれでしょうか?

商品モデリングのシナリオ

特定のモデリングパターンを選択する理由は何でしょうか? すでに学習したように、それぞれにメリットとデメリットがあります。カタログアーキテクトは 2 つ以上のパターンを組み合わせるハイブリッド手法を使用することがよくあります。 

それを説明するために、Devi がいくつかのビジネスシナリオに取り組み、商品モデリングの最適な方法を決定する手順を見てみましょう。 

クラウドベースのプラットフォーム

このシナリオでは、Infiwave は HD と 4K のストリーミングオプションを備えた新しいクラウドベースのプラットフォームを発売しようとしています。商品モデルを作成するために、Devi は階層パターンを使用して各ストリーミングオプションに別々のバンドルを作成することもできます。ただし、別々のオファーにするということは、将来商品が変更された場合のメンテナンスが増えるということです。 

そこで代わりに属性ベースのモデリングパターンを使用してストリーミングオプションをプラットフォームの特性として設定します。図は商品モデルの例を示しています。

Cloud Platform 商品の設定。

Cloud Platform 商品にはストリーミング品質属性と、割り当てルールが設定された選択リストがあり、これによって各選択の価格が定義されます。HD と 4K の属性値は別々に価格設定され、ストリーミング品質属性に関連付けられています。このようにリレーションを簡略化することで、商品の維持管理が減り、カート内での実行時のパフォーマンスが高くなります。 

ストリーミングチャネル

市場でのプレゼンスを拡大するために、Infiwave は衛星通信でニュースチャネルとスポーツチャネルを提供することにします。各チャネルには固有の価格設定があります。登録者はそれを合わせて購入することも別個に購入することもでき、いつでもいずれかまたは両方のチャネルをキャンセルできます。 

Devi はビジネス目標の進化に合わせて会社がカタログ内のチャネルを追加したり削除したりすると知っています。そのため、彼はフラットパターン手法を使用して 2 つの個別の商品を作成し、それぞれに適切な価格設定を割り当てます。 

サブスクリプション商品の設定を示す図。

図には InfiStream News と InfiStream Sports という 2 つの別個の商品が示されています。それぞれの価格は月に 4.99 ドルです。個別の商品にすることで、個々の商品と価格設定をより詳細に制御できます。

衛星エンターテイメントパッケージ

最後の例では、Infiwave は衛星通信でエンターテイメントパッケージを提供することで市場プレゼンスを拡大してきました。この方法では、お客様はファイバー接続がなくてもこのサービスに登録できます。 

作成された衛星オファーには 2 つのパッケージが含まれています。1 つは HD、もう 1 つは 4K ストリーミングで、それぞれ価格が異なります。どちらのオファーでもお客様はライブブロードキャストを録画できます。HD オプションはすべての地域で提供されていますが、4K は特定の地域に限定されています。  

この商品モデル図は、HD 衛星商品バンドルが月 79.99 ドルで、HD ストリーミングとライブ録画の子商品が含まれていることを示しています。 

衛星エンターテイメント商品の設定。

4K 衛星商品バンドルには 4K ストリーミングとライブ録画の子商品が含まれています。どちらのバンドルにも新しい登録者は最初の 3 か月が無料になるプロモーションが含まれています。 

HD オプションと 4K オプションの重要な違いのため、Devi はフラットパターン (オファーマイオーシス) 手法を使用します。作成されたパッケージは 2 つの別個の商品で、ライブ録画の子商品を共有しています。 

今後の展望

これで Devi は、効果的な商品モデリングを行うには商品をどのように価格設定、販売、パッケージ化するかを知ることが重要だと理解しました。カタログ内で個々の商品を管理するために必要な労力と、特定の設定がシステムパフォーマンスに及ぼす影響を考慮します。ステークホルダーと協力することで、自社のビジネスにとって最適な商品モデリングパターンやその組み合わせを決定できます。 

次の単元では、一般的なデータモデリング手法と、商品モデリングを合理化するための業界のベストプラクティスについて学習します。 

リソース

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