変更管理について学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 商品設計における変更管理の重要性をまとめる。
- エンタープライズ商品カタログ (EPC) でバージョン管理がどのように機能するかを説明する。
- EPC で商品ライフサイクルを使用する目的と利点を説明する。
- 商品のライフサイクルの一般的なフェーズを挙げて説明する。
商品の進化
これまでに Devi は、カタログの商品を最初にどのように対応付けるかが共有カタログでの開発の指針になることを見てきました。ただし、実際のところ、Infiwave は永遠に同じ商品を販売し続けるわけではありません。いつかは必ず、営業やマーケティングの取り組み、お客様の好みの変化、新しいテクノロジーなどに適応するためにカタログ品目を変更することになります。それは商品ライフサイクル管理の一環です。
また、Devi は Infiwave の競争力を維持するために、商品の存続期間が終了したときに商品を廃止し、新しい商品に置き換える必要もあります。
進化する商品に合わせて、カタログの変更管理戦略を立てることが重要です。Devi は EPC ライセンスを持っているため、商品バージョン管理とライフサイクル管理のためのツールをすぐに利用できます。
商品のライフサイクル
商品モデル作成者が考慮すべき変更管理のもう 1 つの側面は商品ライフサイクルの管理方法です。商品ライフサイクルとは、商品が最終的に廃止されるまでに市場に存在する期間です。
ライフサイクルフェーズ
通常、商品のライフサイクルは 5 つのフェーズで構成されます。
各フェーズを詳しく見ていきましょう。
- アイデア創出: マーケティングチームが市場分析とビジネス目標に基づいて、商品の初期の概念化を行います。
- 商品設定: 商品デザイナーが詳細な仕様を設定します。
- 生産開始: 商品デザイナーが商品をテストし、生産にリリースします。
- 変更管理: 商品チームが新しい機能や特性に合わせて商品の設定を変更します。
- 廃止: 商品の (願わくば華々しい) 存続期間の終わりに、商品デザイナーが商品の提供を終了する終了日を割り当てます。
商品のバージョン管理
EPC では、反復的な手法を使用して次のエンティティのバージョンを作成し、チームが商品とコンポーネントに対して行った変更を長期的に追跡できます。
- コマーシャルプロダクト (商品)
- オブジェクト種別
- 選択リスト
新しい商品バージョンを作成するたびに、前のバージョンの設定が継承されます。そのため、新しい商品をゼロから作成する必要はありません。バックグラウンドで新しい商品バージョンを変更すれば、中断を避け、進行中の注文を円滑に実行し続けることができます。その後、適切なタイミングで新しいバージョンをロールアウトします。バージョンの開始日と終了日を設定することで、そのバージョンを購入可能な期間を自動的に制御できます。
たとえば、テレビバンドル商品を長期的に管理する必要があるとします。次の図は、子商品の変更が行われたホームバンドル商品の反復を示しています。
この例では、1 年の初めにバンドルを導入し、テレビとインターネット商品のシンプルな組み合わせを提供しています。6 か月後に 4K 機能が利用可能になったことを知ります。そこで、4K 属性値を持つテレビの新しいバージョンを設定し、省略可能な子商品としてバンドルに含めます。お客様は商品のいずれかのバージョンを選択できるようになりました。
1 か月後、ファイアウォール商品が利用可能になったため、バンドルのまた別のバージョンを作成し、ファイアウォールを補完的な子商品として追加します。さらに、古い標準定義のテレビはサポートされなくなったため、テレビバージョン 1 を廃止し、新しいバンドルバージョンから除外します。
ライフサイクルの状態
商品のライフサイクル状態とは、商品エンティティの現在のモードまたは状況です。エンタープライズ商品カタログ (EPC) では、商品とコンポーネントに状態を割り当てることでライフサイクルを追跡できます。デフォルトの商品状態は [Draft (ドラフト)]、[Released (リリース済み)]、[Amendment Pending (修正保留中)] です。ビジネスプロセスに合わせてカスタム状態を作成することもできます。
各状態を詳しく見ていきましょう。
ライフサイクルの状態 | 説明 |
---|---|
Draft (ドラフト) |
[Draft (ドラフト)] ライフサイクル状態の商品バージョンは販売チャネルには表示されず、お客様が購入することもできません。バックグラウンドでドラフトバージョンに必要な変更を行って、リリースの準備をします。 |
Released (リリース済み) |
ライフサイクル状態が「リリース済み」の商品バージョンは、販売可能で、カートに入れて注文できることを意味します。「リリース済み」バージョンは、限定的な変更が可能です。 商品の状態を [Draft (ドラフト)] から [Released (リリース済み)] に変更すると、参照されている商品とその個々の販売日の整合性を確保するために EPC によって検証が行われます。 エラーが発生するのを避けるため、リリース済みの商品は削除できませんが、無効にすることはできます。 |
Amendment Pending (修正保留中) |
有効なバージョンに変更を加えると、その商品の状態は自動的に一時的な [Amendment Pending (修正保留中)] 状態に変更されます。この状態のときは、バージョンがロックされ、さらなる変更ができなくなります。 |
販売日
商品の販売日は、特定の商品または商品バンドルの主なマイルストーン (有効化や継続など) の時期や期間を管理するものです。販売日を使用すると、商品を入手できる日付や期間に基づいて販売期間を設定できます。
- Selling Start Date (販売開始日): コマーシャルプロダクト (商品) を注文および販売できる日を定義します。
- Selling End Date (販売終了日): 商品を注文できなくなる日を指定します。
- Fulfillment Start Date (履行開始日): 商品の履行準備が整った日を設定します。デフォルトでは、これは [Selling Start Date (販売開始日)] と同じですが、将来の日付に設定することもできます。
- End of Life Date (廃止日): 商品のサポートが終了する日を指定します。
上記の日付を使用して現在、将来、過去の商品や廃止された商品を定義する方法は次のとおりです。
バージョン管理とライフサイクル管理によって、商品ラインの進化をより適切に管理し、新しいビジネスニーズの出現に適用できるようになります。
さらに詳しく学ぶには
Salesforce のお客様は、次の学習ジャーニーで、デジタルトランスフォーメーションの優れたツールや業種別アプリケーションに関するスキルの習得方法を確認できます。
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- Communications Cloud Consultant (Communications Cloud コンサルタント)
- Media Cloud Developer (Media Cloud デベロッパー)
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- Energy & Utilities Cloud デベロッパー
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