カート内の商品の価格を設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- カートでの価格の調整と上書きを定義する。
- カートの商品の価格を調整または上書きする方法を説明する。
- カートで手動割引を適用する方法を説明する。
カート内の価格を手動で変更する
Ada が休暇中なので、Infiwave 社のオフィスをぶらぶら歩きながら、同僚の Arif に会いに行きましょう。
Infiwave の販売担当として、Arif は商品やサービスに関する情報を提供し、いろいろな提案をして顧客の購入をサポートしています。Infiwave が Industries CPQ (設定、価格、見積) を導入して以来、Arif は注文の取得と送信を支援するカートの機能をいろいろと勉強してきました。
Ada は、Arif がガイド付き販売エクスペリエンスに備えられるように、進行中の価格戦略について定期的に報告していました。Ada は休暇に出かける前に、注文プロセス中に商品価格を変更してアップセルを支援する方法を Arif に教えました。通常はあらかじめ設定されたプロモーションや割引を利用して特別価格を提供できますが、利用できない場合は手動で調整を行う必要があります。
商品価格の調整と上書き
ロールの権限によっては、カートのあらゆる商品やサービスの定期価格や 1 回限りの価格を手動で変更できます。子商品のバンドル、プロモーション、割引、コンテキストルールによってすでに調整済みの価格も対象となります。
カートで価格を手動で変更するには、次の方法があります。
- 割合または金額で調整する
- 新しい金額で上書きする
次の例では、割合による調整と上書きがタブレット商品の価格にどのように影響するかを示しています。
調整では、タブレット商品の価格が 10% 引き下げられます。上書きで、基本価格を新しい価格である 800 ドルで置き換えます。
カートで、商品の横にある [Adjust Price (価格を調整)] をクリックすると、調整や上書きを適用することができます。
これにより、商品の [Pricing (価格設定)] ウィンドウが開きます。
[One-Time (1 回限り)]、[Recurring (定期)]、[Usage (利用状況)] の各タブ (1)。[Price Waterfall (価格ウォーターフォール)] セクション (2) には、基本価格、適用した調整または上書き、顧客が支払う合計金額が表示されます。[Adjust Pricing (価格設定の調整)] セクション (3) では、価格の上書きと調整を作成します。
[Adjust By (調整方法)] ドロップダウンメニューから [Percentage (パーセント)]、[Amount (金額)]、[Adjustment Code (調整コード)]、または [Override (上書き)] を選択します。調整コードは、価格設定デザイナーで定義できる再利用可能な調整です。調整を割引 (-) または割増 (+) のどちらにするかを選択できます。最後に、価格を変更する金額を入力します。
価格を割合で調整する
カートインターフェースを確認していた Arif の所に、大切な顧客である Carole White から電話がありました。彼女は、親族のために 10 台の Infiwave Phone を注文することを検討しており、この一括購入で割引が受けられるかどうかを問い合わせています。
Arif は営業担当の顔になり、Carole に 20% の割引をオファーします。彼女がオファーに同意したため、Arif は Infiwave Phone 9 商品をカートに追加し、数量を 10 に変更して、商品の隣にある [Adjust Price (価格を調整)] をクリックします。
また、[Adjust By (調整方法)] プロパティを [Percentage (パーセント)] に変更し、[Discount (-) (割引 (-))] をクリックして、[Amount (金額)] を 20.00%
に変更します。そして [+ Add (+ 追加)] をクリックして調整を適用します。
[Price Waterfall (価格ウォーターフォール)] が更新され、新しい割引額が表示されます。
必要であれば、割引の隣にあるゴミ箱のアイコン をクリックして、割引を商品から削除できます。
金額で価格を調整する
割合ではなく金額で価格を調整するには、商品の横にある [Adjust Price (価格を調整)] をクリックします。
次に、[Adjust By (調整方法)] プロパティで [Amount (金額)] を選択します。そして [Discount (-) (割引 (-))] をクリックし、[Amount (金額)] に $10.00
と入力して、[+ Add (+ 追加)] をクリックします。
Arif は更新された [Price Waterfall (価格ウォーターフォール)] で新しい調整がどのように適用されているかを確認します。
Arif は金額の調整に成功しました。
価格を上書きする
カートでの価格設定について Ada が最後に学ぶことは、価格を完全に上書きする方法です。
商品の横にある [Adjust Price (価格を調整)] をクリックします。次に、[Adjust By (調整方法)] プロパティで [Override (上書き)] を選択し、[Amount (金額)] に $20.00
と入力します。
調整や上書きは必要に応じていくつでも追加できます。たとえば、価格を新しい金額に上書きし、さらに商談を有利に運ぶために新しい価格からさらに 20 ドル割引する調整を加えることができます。
カスタム割引を作成する
次に、Arif は Ada から教わったカスタム割引についておさらいします。
カスタム割引は、カタログから選ぶ割引と同様に機能しますが、作業中の特定の見積書または注文のカートで作成する点が異なります。カスタム割引は、カートのすべての商品、特定の商品、または商品カテゴリに適用できます。また、取引先、契約、または現在の注文に割り当てることができます。取引先または契約に適用することを選択した場合、プロセスの最後に割引が適用される期間を指定するよう求められます。
カスタム割引を作成するには、カートの [Applied Discounts (適用済みの割引)] リストで [+ Add Discount (割引を追加)] をクリックします。
次に、[Apply Discount (割引を適用)] ダイアログボックスで [+ Create Custom Discount (+ カスタム割引を作成)] をクリックして、割引の詳細を表示します。ここでは、カートの商品すべてが 15% オフになるカスタム割引が表示されています。
[Create Custom Discount (カスタム割引を作成)] 画面では、[Name (名前)] (1) に割引の名前を入力できます。[Allocation (割り当て)] 項目 (2) では、割引が現在の注文、取引先、または契約のどれに適用されるかを選択します。[Description (説明)] (3) に説明を入力することもできます。割引の適用対象として [All items in Cart (カート内のすべての商品)] または [Specific Products (特性の商品)] (4) を選択します。[Amount (金額)] セクション (5) では、割引が 1 回限りか定期的か、調整が割合か絶対値かを設定します。最後に、割合または絶対値を入力し、割引が有効である期間を設定するために、事前に定義してある時間ポリシーを選択します。
カスタム割引はカートの [Applied Discounts (適用済みの割引)] に表示され、カート内の適切な商品やサービスに価格の調整が適用されます。
すべての割引と同様に、契約ベースまたは取引先ベースの場合は、注文が確定するまでは、その取引先または契約に割引は適用されません。
カートでの手動調整に関しては、常に安全対策が必要です。たとえば、商品に 120% の割引を適用するといったミスを避けるために、ルールと正式な承認プロセスを導入する必要があります。また、変更を加える際には常に [Price Waterfall (価格ウォーターフォール)] を確認し、見積もりや注文を送信する前に必ず整合性チェックを行うことも重要です。
価格設定のスキル新たに身につけた Arif は、自分の売上成績が今四半期で注目されるだろうと確信しています。また、Ada が休暇から戻るのを待たずに商品価格を変更できたことを喜んでいます。