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Industries CPQ で課題を解決する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Industries CPQ の目的と範囲について概説する。
  • Industries CPQ を活用して、CPQ の一般的な課題を解決する方法を説明する。
  • Industries CPQ に関与するロールと担当する一般的な業務を挙げる。

現行の CPQ の問題点

Infiwave の Sophia は、Salesforce に「Salesforce CPQ および Billing」と「Industries CPQ」という 2 種類の CPQ アプリケーションがあることを知っています。Infiwave に適しているのはどちらでしょうか? 

Salesforce のソリューションはどちらも市場をリードする製品ですが、それぞれ目的が異なります。

  • Salesforce CPQ および Billing は、あらゆるビジネスを対象とする見積-to-キャッシュのシステムです。Trailhead で Salesforce CPQ の詳細を確認できます。
  • Industries CPQ は特定の業界向けに最適化され、業種固有のプロセス、商品モデル、構造が設定されています。

Infiwave の経営陣は現行のビジネスプロセスや構造の問題点を認識しており、通信業界向けのソリューションを求めています。 

Infiwave では、慎重に検討した結果、Industries CPQ を採用することにしました。通信事業向けのプロセス、モデル、構造が事前構築されていることから、ベストプラクティスに基づいてデジタルトランスフォーメーションを迅速かつ効率的に実装する優れたフレームワークになります。

メモ

メディア、エネルギー、公益事業など、他の業種向けの Industries CPQ も用意されています。

Industries CPQ の概要

Industries CPQ は、見積から注文キャプチャまでの処理を業種固有の方法で実施するクラウドベースのシステムで、付加的なアプリケーションとして Salesforce プラットフォーム上にネイティブに構築されています。Industries CPQ があれば、お客様にとって最適な商品オファーを簡単に設定できます。Industries CPQ は共有カタログの商品-サービス-リソース (PSR) データに基づき、営業チームが高度な注文キャプチャ機能やガイド付き販売機能を利用できます。たとえば、マルチサイトの見積や注文の作成、見積や注文の一括処理などが可能なため、チームがどのチャネルでもお客様に最適な商品やサービスを提示することができます。

Industries CPQ によって Salesforce Sales Cloud と Service Cloud の機能が拡張され、お客様の納入商品やサービスを管理できます。そのため、組織でお客様のライフサイクル全体を追跡することができます。

ソリューションの機能

ここでは、Industries CPQ で Infiwave の課題をどのように解決できるのかを説明します。

正確な見積

Infiwave の営業担当は、お客様に多様な商品オプション、設定、価格を提示したいと考えています。けれども、そのためには、スプレッドシートの情報を探し当て、複数のアプリケーションを開き、適切な価格設定ルールを見つけて見積を作成しなければなりません。時間がかかり、ミスが生じる可能性もあります。

Infiwave にとって、共有カタログを使用する Industries CPQ は、あらゆるオファー、商品、サービス、価格の信頼できる一元的な情報源になります。各オファーの対象条件、適格性、利用可能性、価格設定ルールがシステムに保持されるため、それぞれのお客様に適した商品を適切な価格で設定し、納入することができます。

では、Industries CPQ の注文サンプルを見てみましょう。

Industries CPQ では、価格設定やルールなど、コンテキストに応じた商品情報に基づいて完璧な注文が作成されます。

この例は、注文のカートを示しています。Industries CPQ でお客様に適した商品であることがチェックされ、価格が検証されます。この注文に不備はなく、注文管理システムに送信可能な状態になっています。

営業担当が見積を作成する必要が生じた場合、Industries CPQ に表示されるカスタマイズ可能な販売プロセスに従って、完全かつ正確な見積を作成できます。このプロセスでは、オファーの階層カタログを閲覧して絞り込み、お客様に適したもののみを表示することができます。さらに、OmniScript をカスタマイズすれば、ビジネス要件に適した Industries CPQ プロセスが実現します。また、見積作成プロセスの重要なフェーズで検証が実行されるため、営業担当が不正確な注文や不完全な注文を送信してしまうことがありません。

迅速かつ効率的な注文キャプチャ

Infiwave では、迅速で信頼性が高く、一貫したカスタマーサービスを実施したいと考えています。Industries CPQ を Industries Digital Commerce やガイド付き販売に統合すれば、柔軟な営業ガイダンスを組み込むことができます。このガイダンスは、Infiwave のセールスプロセスや承認プロセスと業界のベストプラクティスに合わせて設定されます。商品にルールを設定すれば、それぞれのお客様にとって最適な価格を表示することができます。また、アップセルやクロスセルのルールを設定すると、営業担当が代替商品や追加商品を提案しやすくなります。

大規模なマルチサイトソリューションの場合は、Industries CPQ で複数のサイトが 1 つの見積にまとめられます。また、1 つのプロセスであるお客様の複数の見積から複数の注文を作成する場合など、見積の一括処理が可能になります。

注文フォールアウトの軽減

注文に、ダウンストリームシステムで必要な詳細がすべて記載されていることが極めて重要です。見積や注文が正確であれば、注文や請求がそつなく処理されます。Industries CPQ では、セールスプロセスを通じて見積や注文のチェックや検証が行われるため、見積が正確で、注文が配信可能な状態であることが保証されます。 

チェックリスト

見積が有効でなければ、注文が作成されません。注文が有効でなければ、注文管理システムに送信されません。こうしたチェックによって注文フォールアウトが回避され、顧客満足度が上昇します。

セールスプロセスの向上

Infiwave では、営業、財務、法務、エンジニアリング、商品の各部門がサイロ化されています。営業担当が見積から注文を作成しようとすると、分断されたチームやシステムの狭間で右往左往することになります。

Industries CPQ があれば、標準化された効率的なプロセスによって部門間のコラボレーションが促進され、販売効率が向上します。さらに、OmniStudio のツールを使用すれば、ビジネスニーズに合わせてこうしたプロセスをカスタマイズできます。

  • アプリケーションのシームレスな統合により、セールスプロセスの迅速性、効率性、正確性が上昇します。
  • こうしたソリューションでは、商談、見積、注文、納入商品など、Salesforce の標準オブジェクトが使用されます。
  • どの機能のユーザーインターフェースも一貫しているため、最適なユーザーエクスペリエンスが可能になり、トレーニングの必要性も減少します。

Infiwave が Einstein や Tableau などの人工知能 (AI) や分析を導入すれば、営業担当が見積作成プロセスで、データを基により的確な判断を下すことができます。営業担当が自身のパフォーマンスを振り返り、ボトルネックを突き止め、継続的に自己修正してセールスプロセスを向上させることができます。

パーソナライズされたオムニチャネルのカスタマーエクスペリエンス

Industries CPQ は、Infiwave の複雑なアプリケーションや IT エコシステムの変化する多様なニーズに対応し、オムニチャネル環境で機能するよう設計されています。お客様が Infiwave の Web サイトにログインし、オンラインで見積の半分まで入力したところで、Infiwave のコールセンターに電話をかけてきたというシナリオを考えてみましょう。Industries CPQ があれば、お客様が入力済みの情報をコールセンターチームがオンラインで確認できます。そのため、担当者が情報を入力し直す手間が省け、お客様も詳細を繰り返し述べる必要がありません。

インテグレーションとパフォーマンスの向上

Industries CPQ のインテグレーション先は、企業の Web ストアだけではありません。Omnistudio Data Mapper や Integration Procedure、通信業界向けの TMF620 や TMF645 API、エネルギーや公益事業分野向けの請求、サービス、現場作業用の API などのコンポーネントを使用する外部システムとも統合できます。ビジネスニーズに合わせてインテグレーションがカスタマイズされます。インテグレーション先の具体例として、お客様の与信審査、サービスチェック、外部の価格設定サポートなどが挙げられます。

さらに、Industries CPQ は通信事業者レベルのパフォーマンスが実証されているため、お客様に迅速かつ正確なサービスを実施できます。

商品化に要する期間の短縮

ここでは、Industries CPQ と共有カタログを使用して、新しい商品やサービスの設計、開発、テスト、実装に要する時間を短縮する方法を紹介します。 

  • 商品、サービス、リソース、ルール、価格をコンポーネントとして作成する。
  • 共有カタログをコラボレーションワークスペースとして使用して、お客様へのオファーに組み込むコンポーネントを構築する。
  • コンポーネントを繰り返し利用する。パッケージやバンドル、プロモーションなどに応じてコンポーネントの属性を上書きできます。
  • 商品ライフサイクルツールを使用して、価格や商品の将来的な変更を自動化する。

上記の方法を実践すれば、商品化に要する期間が短縮します。

Industries CPQ の主なメリット

Infiwave のチームは旧式のシステムでも CPQ の業務をある程度処理できますが、実行できないことがたくさんあります。Sophia のチームが最新の Industries CPQ の導入に大きな期待を寄せている理由を聞いてみましょう。

イノベーション

Industries CPQ は、他の CPQ システムにはない画期的な機能を多数備えています。たとえば、複数言語による商品の検索、お客様の取引先からの注文の簡易作成、サービス属性の一括更新などです。Infiwave がこうした画期的な機能を実装できるように、Industries CPQ にはインストール可能な業種固有の機能のライブラリが用意されています。

業種固有

Industries CPQ の実装はそれぞれ関連する業種向けに設計されており、商品やプロセスの設計や実装もその業種のベストプラクティスに従います。企業は、モバイルサブスクリプション管理や広告販売管理など、Industries CPQ を拡張する業種セグメント固有のアプリケーションを使用できます。 

拡張性

このソリューションは、拡張性、ワークフロー、分析、コラボレーションなど Salesforce プラットフォームに備わる強力な機能をすべて活用します。また、OmniScript を使用した宣言型のガイド付きプロセスフロー、Card を使用した柔軟な UI、インターフェースの実装、業種固有のプラグアンドプレー機能のライブラリも備えています。

Sophia にとって Industries CPQ は営業上の新たなスーパーヒーローですが、このスーパーパワーを発揮させるにはどうすれば良いのでしょうか? 次の単元で、Industries CPQ のさまざまな機能コンポーネントと、Industry Cloud 内でのそのしくみについて学習します。ここでは、組織でこのソリューションをごく頻繁に使用するロールを確認しておきます。

Industries CPQ のロールと責務

Industries CPQ の導入に向けてチームの準備を整えたいと考えている Sophia は、営業サイクルで各ロールがどのように使用するのかを説明するミーティングを実施することにします。

Infiwave の注文管理チームと納入チームは、Industries CPQ を使用しません。けれども、両チームが必要とする正確かつ完璧な注文を作成する際に Industries CPQ の情報が重要な役割を果たします。

リソース

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