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Industries CPQ のソリューションの詳細を知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Industries CPQ アプリケーションのコアコンポーネントを挙げる。
  • 各コンポーネントの機能を要約する。
  • ビジネスエコシステムにおける Industries CPQ の位置付けを説明する。

Industries CPQ と Industries Cloud

Sophia はすでに Industries CPQ によって日常業務がはるかに楽になることを確信していますが、このソリューションの内部のしくみをもっと知りたいと考えています。

では、Industries CPQ の特長である、業種に固有の機能を見ていきましょう。Industries CPQ は Industries Cloud ソリューションの一部です。Communications Cloud、Energy & Utilities Cloud、Media Cloud のそれぞれが Industries CPQ を使用します。 

Industries Cloud のどのアプリケーションも、各自の業種に固有のベストプラクティスとされるビジネスプロセス、構造、機能を採用して設計されています。こうしたアプリケーションが、顧客の獲得から契約の締結まで、顧客ライフサイクル全体をサポートします。業種固有の設計例として次のものが挙げられます。

  • お客様の取引先の構造 (業種のニーズに合わせたデータモデルの拡張など)
  • 商品カタログモデルを参照する商品データモデル (ベストプラクティスを参考)
  • ドキュメントやカスタマーサポートグループのベストプラクティスガイダンス
  • アプリケーションロジック
  • 外部アプリケーションやスタブとのインテグレーション
  • 業界固有の UI アプリケーション (エージェントコンソール、カスタマーポータル、E コマースのエクスペリエンスなど)

歯車がうまく噛み合って作動する機械と同様に、クラウドソリューションも数種のコンポーネントの連動によって稼働しますが、Industries CPQ は中でもその機械に欠かせない歯車のような位置付けです。このエンジン部分を調整して、見積や注文の作成、注文の履行管理といったビジネスプロセスに従う営業担当に直感的かつ一貫した UI が示されるようにします。 

Infiwave は、Communications Industry Cloud を使用する予定です。以下のソリューションマップに、そのコンポーネントが示されています。

Industries Cloud ソリューションの一部である Industries CPQ

では、詳しく見ていきましょう。

デジタルチャネル

お客様や営業担当などのエンドユーザーは、デジタルチャネルから Industries Cloud の機能やサービスにアクセスします。Industries CPQ はオムニチャネルです。つまり、Web ショップ、アプリケーション、エージェントコンソールなどのさまざまなチャネルで機能します。1 つのチャネルに入力した情報を、各自のロールとアクセス要件に応じて他のチャネルのユーザーが利用できます。たとえば、Web ストアで購入を開始したお客様が、途中でエージェントに電話してその購入について相談するとします。オムニチャネルの機能により、お客様が入力した詳細をエージェントが自身のコンソールで確認できるため、電話で効率的に話を進めることができます。 

業種別アプリケーション

Industries Cloud の多くには、特定の市場区分での営業をサポートする、Industries CPQ ベースのビジネスアプリケーションが搭載されています。こうしたアプリケーションは、各自の対象ユーザーの商品やプロセスに合わせて Industries CPQ の機能を拡張するものです。Industries CPQ のビジネスアプリケーションの例を見てみましょう。

アプリケーション 目的

エンタープライズ販売管理 (ESM)

マルチサイトの大規模な顧客企業に商品やサービスを販売する通信事業をサポートするための商品モデル、事前構築プロセス、インテグレーションを備えています。

モバイルサブスクリプション管理 (MSM)

消費者向けのモバイルサービスプロバイダーをサポートするポータル、商品モデル、事前構築プロセス、インテグレーションを備えています。

広告販売管理

広告営業チームの新規顧客の獲得、見積や広告掲載申し込みの生成、注文の設定などをサポートします。

登録者ライフサイクル管理

Media Cloud での登録者の獲得、対応、維持をサポートする Web ショップ、カスタマーセルフケアポータル、エージェントコンソールを備えています。

Energy & Utilities コンタクトセンターコンソール

お客様の 360 度ビューを表示し、コンタクトセンターの一般的な業務のガイド付きプロセスを示すサービスエージェント向けポータルです。

顧客獲得管理

すぐに使用できるセールスアプリケーションで、顧客が公共料金を比較して、その情報を基に購入を判断できます。エネルギー供給事業や公益事業がこのアプリケーションをカスタマーポータルに統合すれば、新規顧客の獲得プロセスを自動化できます。

共有カタログ

Industries CPQ ライセンスには、商品やサービスの商用情報の信頼できる一元的な情報源となる共有カタログが付属します。共有カタログがあれば、商品マネージャーが再利用可能な商品、サービス、納入商品コンポーネントから、商品やサービスの新しいオファーをすぐさま作成してテストしたうえで発売し、更新することができます。

商品マネージャーは共有カタログを使用して、注文キャプチャ、複雑な注文の分割 (分解)、オーケストレーション、履行など、カタログに基づくワークフローの自動化を促進します。カタログに商品ルールが組み込まれているため、お客様には対象条件を満たす商品、オファー、設定のみが表示され、見積作成時のエラーや注文フォールアウトが減少します。

共有カタログではどのようなことができるのでしょうか? 各フラッシュカードをクリックすると、説明が表示されます。

業種別データモデル

業種固有のデータモデルとは、業種のベストプラクティスに基づく構造で、このモデルから独自のデータモデルと付随するプロセスを開発できます。このモデルは、オファー仕様、バンドル、プロモーション、商品、サービス、リソース、ルール、価格設定、分解マップなどの構造で構成されています。 

Salesforce Industries Success Community でベストプラクティスに基づく通信事業向けのプロセスモデルを確認してダウンロードし、OmniStudio ツールを使用して、各自の組織に合わせてプロセスを設定または拡張します。 

エンタープライズ商品カタログ

標準の共有カタログを拡張して、エンタープライズ商品カタログ (EPC) を含めることができます。共有カタログに EPC を追加すると、エンティティのバージョン管理などの商品ライフサイクル管理機能が装備されます。

契約ライフサイクル管理 

契約ライフサイクル管理 (CLM) を Industries CPQ に統合すると、最終的な見積に基づいて提案書や契約を自動的に生成して管理できます。営業担当が見積を変更するたびに、契約を再生成してお客様に送信し、お客様に確認と署名を依頼することができます。各契約ドキュメントのコピーがお客様の取引先レコードに保存されます。

Industries CPQ ライセンスには DocGen というドキュメント生成ツールが付属します。ただし、ドキュメントのライフサイクルで生じる次のようなアクションを管理する目的で CLM を追加することも考えられます。

  • 契約に基づく要望に応じる。
  • 契約修正ツールの使用を含め、契約について交渉する。
  • DocuSign を使用して契約に署名する。
  • 契約を監査する。
  • 契約を更改する。

CLM と Industries CPQ を統合すると、契約に基づく割引や価格設定など、包括的な契約条項を取り決める枠組合意にも対処できるようになります。CLM についての詳細は、「リソース」セクションのリンク先ドキュメントを参照してください。

デジタルコマース 

業界別のデジタルコマースでは、セルフサービスチャネルでの大量の商品オファーの閲覧や設定、高度な注文キャプチャ、ガイド付き販売、エラスティックスケーリング* を利用したピーク時のトラフィック管理などを実施できます。たとえば、業界別デジタルコマースを使用して、Industries CPQ の機能を既存の Web ストアに統合することができます。

メモ

エラスティックスケーリングは、データトラフィックの量に基づいてリソースを動的に増減できる機能です。

業種注文管理

業種注文管理 (OM) は、標準で Industries CPQ に統合されています。業種 OM は、Industries CPQ で作成された注文を受け取り、その注文をあたかも部品表のように分解し、関連する技術情報を補足したうえで、オーケストレーションして注文を履行します。 

このプロセスの主要なフェーズで、業種 OM が Industries CPQ に注文状況を伝達し、Industries CPQ にリアルタイムの注文状況が表示されるようにします。そのため、お客様が注文を変更することにした場合、Industries CPQ でその状況に応じたプロセスを使用できます。

  • 商品が発送済みの場合など、注文が変更不能ライン (PONR) を超えている場合は、変更注文が必要になります。
  • 注文が PONR に達していないときは、処理中の修正によって注文を変更できます。

独自の注文管理アプリケーションを使用している場合は、Industries CPQ に付属のインテグレーションツールを使用して、各自の注文管理アプリケーションを統合できます。

OmniStudio

OmniStudio のツールは、Industries CPQ のカスタマイズ、インテグレーション、自動化をサポートします。たとえば、OmniStudio のツールを使用して、ガイド付き販売フローやコールスクリプトを作成したり、販売代理店に Industries CPQ をデプロイしたりします。ドキュメントで OmniScript の一般的な使用事例を検索し、Trailhead の OmniStudio に関するトレイルを参考にして独自のプロセスを作成する方法を確認してください。

Industries CPQ と Salesforce Customer 360

Industries Cloud の一部である Industries CPQ は、Salesforce Marketing Cloud Engagement、Sales Cloud、Service Cloud と統合して業種固有の機能を使用できるようにします。Industries CPQ は分析と AI を使用して、お客様にパーソナライズされたサービスを実施できるようにします。詳細は、Trailhead の Industries Cloud の基本事項に関するトレイルを参照してください。

リソース

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