Industries CPQ の機能を理解する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 共有カタログを使用して、商品を閲覧し設定する方法を説明する。
- 使用できる各種の価格設定機能を挙げ、その使い方を説明する。
商品の閲覧と設定
Industries CPQ があれば、お客様の正確な見積を作成して承認を受けたうえで、完璧な注文を作成して送信することができます。この単元では、Industries CPQ の機能のコアコンポーネントと、そのコンポーネントを搭載したアプリケーションについて学習します。
次の画面はカートの例を示しています。これは Industries CPQ に標準装備されているショッピングカート UI です。
カートは Lightning Web コンポーネントを使用して開発するため、そのデザインや動作を変更できます。
Industries CPQ では、共有カタログに保存されている情報に基づいて、1 つのビューでカタログ形式の商品を閲覧し、オファーを設定して価格を算定することができます。この例では、ハンドセットのうち、お客様に適したもののみが閲覧パネルに表示されています。営業担当はハンドセットを選択してカートに追加し、お客様の要望に合わせて設定します。
カートでお客様向けに商品やサービスを設定し、価格を算定し、必要に応じてグループ化します。この例では、「Business Internet Pro」と「2 GB 30 days (30 日間 2 GB データ)」という 2 つの商品がカートに追加されています。[適用されたプロモーション] セクションに、無料インストールのプロモーションが示されています。
営業担当やお客様にはカートインターフェースが 1 つのみ表示されます。けれども、実装によってはバックグラウンドで複数のカートを連動させることができます。たとえば、マルチサイトの見積にはグループカート、一括処理には作業カートを使用できます。グループカートや作業カートについての詳細は、「リソース」セクションのリンク先のドキュメントを参照してください。
商品の価格設定
Industries CPQ では、実装チームが共有カタログに作成した価格設定とルールを使用して、価格や割引が算定されます。価格の算定やルールは、コンテキストと設定に基づきます。見積の価格は必要に応じて調整できます。
共有カタログの価格設定は、課金、割引、調整、コスト、ペナルティなど再利用可能な項目で構成されるコンポーネントベースのシステムで、次の項目があります。
- 反復的な課金: 携帯電話の月額使用料など、定期的に発生する料金です。
- 1 回限りの課金: 携帯電話のハンドセットの購入価格などです。
Industries CPQ では、価格設定コンポーネントが商品とは別に作成され保存されます。このため、新しい価格体系を商品やサービスに簡単に適用することができます。商品やサービスをお客様が選択できるのは、その商品やサービスが有効で、価格に関連付けられている場合のみです (価格は $0 でも構いません)。
価格設定
Industries CPQ では次のオプションを選択できます。
- 属性ベースの価格設定を適用して、カタログをできるだけ単純明快なものにする。
- 商品やサービスの基本価格は変更せず、価格を調整または上書きする。
- お客様が注文の一部または全部をロイヤルティポイントで支払うオプションを設ける。
- 時間帯によって商品の価格を自動的に変更する。
- マトリックスベースの価格設定を使用して複雑な価格計算を実行する。
- ステップ (税計算を行うステップなど) を追加して、価格設定プロセスをカスタマイズする。
プロモーション
プロモーションは、商品を特別価格とバンドルしたものです。期間限定、特定の種別のお客様、特定の商品などを対象に価格が設定されます。プロモーションの例として次のようなものがあります。
- ブラックフライデーのセール: 11 月の 1 週間、さまざまな商品が割引価格で販売される。
- 大学生対象のオファー: 大学生は無料のエクササイズプランを利用できるほか、ジムの会費が割引になる。
- 新規の法人顧客を対象とするサービスの無料インストール: 上記の見積の [ソリューション詳細] にその一例が示されている。
カートのオファーセクションに無料インストールと表示されていますが、[適用されたプロモーション] セクションで、無料インストールを適用する実際のプロモーションを確認できます。
プロモーションと、プロモーションの適用を判断するルールは共有カタログで作成されますが、その適用はカートで行われます。
評価と検証
お客様の見積や注文を作成するときに、お客様の商品やサービスが適切で、正しい価格かどうかを確認するルールが適用されます。また、ルールを使用して、商品やサービスの変更やキャンセルに伴うペナルティを課すこともできます。
ところで、ルールは誰が、どこで作成するのでしょうか? もちろん、商品管理者が共有カタログで作成します! 営業担当が見積や注文を作成または編集すると、Industries CPQ でルールが適用され、お客様のニーズに合った、すぐに利用できる商品やサービスがオファーされるようになっています。ルールにはコンテキストルールと高度なルールの 2 種類があります。
コンテキストルール
共有カタログの商品、プロモーション、価格リストはコンテキストルールを使用して絞り込みます。この種のルールを適用すれば、お客様が各自に適した品目のみを選択してカートに追加できます。さらに、価格リストのエントリやカートの価格調整の対象になるかどうかもコンテキストルールによって判断されます。デジタルコマースソリューションで必要になることが多い、Salesforce Industries API キャッシュにもコンテキストルールフレームワークを使用できます。
高度なルール
高度なルールは、商品の互換性や設定の確認に使用します。たとえば、高度なルールを使用して、アップセルやクロスセルのオプションを推奨したり、営業担当が互換性のない品目を見積に追加できないようにしたり、お客様の選択に基づいて設定のオプションを絞り込むことができます。
商品の設計者や管理者がルールを設定するときは、あらかじめ商品、サービス、エンドツーエンドのお客様の要件を十分に把握しておく必要があります。
納入商品の修正
Salesforce において納入商品は、お客様が購入済みの商品やサービスを表します。この画面キャプチャは、Salesforce のお客様の取引先にある納入商品ビューを示しています。
[Change to Quote (見積を変更)]、[Change to Order (注文を変更)]、[Move (移動)] ボタンをクリックすると、商品やサービスの更新、キャンセル、アップグレード、ダウングレード、一時停止、再開を実行するガイド付きプロセスに移動します。実行した変更はすべて納入商品で追跡され記録されます。
Industries CPQ のインターフェースと実装
Industries CPQ は、インターフェース-実装パラダイムを使用します。そのため、価格の設定やルールの適用などの特定のタスクを実行するビジネスロジックをすばやく簡単に適合させることができます。インターフェースごとに、実装チームが既存の実装を選択するか、ハイブリッド実装で機能を拡張するか、Apex コードを使用して各自の要件に合わせて新しい実装を作成することができます。
審判
Industries CPQ は、Sophia が考えていた以上の機能を備えています。コア機能を理解した Sophia は、さらに全体的なしくみについても知りたいと思っています。次の単元では、Industries CPQ のソリューションマップを見ていきます。