取引先ベースの割引を作成して適用する。
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 取引先ベースの割引の目的を説明する。
- 取引先ベースの割引を構築する。
- 取引先ベースの割引を適用および無効化する。
取引先ベースの割引
注文ベースの割引については理解が深まったので、次は取引先ベースの割引に進みます。この単元では、取引先ベースの割引の構成要素と、取引先ベースを作成、有効化、無効化する方法について学びます。
取引先ベースの割引は、現在の注文の価格を引き下げるだけでなく、同じ顧客による今後の注文にも適用されます。したがって、割引は有効期限が切れるまで、同じ取引先から行われたすべての注文に適用されます。これは、ロイヤルカスタマーに感謝の気持ちを表し、リピーターを増やすのに効果的な手段です。
取引先ベースの割引と特に関連性が高いのは、CSR と顧客との間の会話です。このような割引は、ロイヤルティと維持 (L&R) プログラムの一環として、ロイヤルカスタマーを維持するために広く取り入れられています。たとえば、ABC 社との交渉により、同社の来年 1 年間の広告掲載料を対象に 15% の割引を適用することが決まったとします。交渉で決まったこの割引額は、ABC 社のアカウントに保存されます。このアカウントの割引が有効化されると、ABC 社が今後発注するすべての広告掲載に対し、自動的に 15% の割引が適用されます。
取引先ベースの割引は、実質的に注文ベースの割引を含む注文が登録されるまで有効化されないという点で、注文ベースの割引とは異なります。それでは、Ada と一緒に Industries CPQ で取引先ベースの注文を作成する手順を見ていきましょう。
取引先ベースの割引を構築する
新規割引を作成する
Ada は、12 か月間にわたって、すべての商品とサービスの価格を 10% 割引する取引先ベースの割引を設定したいと考えています。手順は次のとおりです。
注文ベースの割引と同様に、Vlocity 商品コンソールに移動し、[Discount (割引)] の右にある [new (新規)] アイコン (+) をクリックします。[New Discount (新規割引)] ダイアログに、以下の情報を追加します。
- [Name (名前)] 項目に、
10% Off Everything 12mo - Acct
(12 か月間全品目 10% オフ - 取引先) と入力します。
- [Code (コード)] に
DSC_10_12MO_ACCT
と入力します。
- [Description (説明)] 項目に、
10% Off Everything for 12 month
s
(12 か月間全品目 10% オフ) と入力します。
- [Discount Type (割引種別)] で [Account (取引先)] を選択します。
- [Pricelist (価格リスト)] で [B2C Price List (B2C 価格リスト)] を選択します。
- [Discount Duration (割引期間)] で [12] を選択します。この項目の値 (単位: 月) によって、顧客への割引の有無、また利用できる期間が決まります。
- カート内のすべての品目に割引を適用する場合は、[Applies to All Items In Cart (カート内のすべての品目に適用)] チェックボックスをオンにします。
-
[Active (有効)] チェックボックスをオンにして、割引を使用できるようにします。
- [Effective From (有効開始日)] 項目に今日の日付を入力します。
- 終わったら、[Save (保存)] をクリックします。
割引品目を追加する
注文ベースの割引では、2 つ目のステップとして [Discount Items (割引品目)] タブの項目に必要な情報を入力します。しかし、取引先ベースの割引でこのタブをクリックすると (前の画面で [Applies to All Items In Cart (カート内のすべての品目に適用)] がオンになっている場合)、「Discount Items will be ignored as the discount applies to all items in the cart (カート内のすべての品目に割引が適用されるため、割引商品は無視されます)」という警告メッセージが表示されます。このメッセージは無視して、[Discount Pricing (割引価格)] タブに進んでください。
割引価格を設定する
最後のステップとして、Ada は 1 回限りの課金および定期的な課金に対する割引について、[B2C Price List (B2C 価格リスト)] の価格リストエントリを定義します。まず 1 回限りの調整を作成しようと、Ada は [Discount Pricing (割引価格)] を選択し、[Adjustments (調整)] タブにある [New (新規)] ボタンをクリックします。そして、次の情報を追加します。
- [Price List (価格リスト)] で [B2C Price List (B2C 価格リスト)] を選択します。
- [Display Text (表示テキスト)] に、
10% Off Everything
(全品目 10% オフ) と入力します。
- [Pricing Variable (価格設定変数)] セクション:
- [Charge Type (料金種別)] 項目で [Adjustment (調整)] を選択します。
- [Sub-Type (サブ種別)] 項目で [Standard (標準)] を選択します。
-
[Search (検索)] をクリックし、[One Time Std Price Adjustment Pct (1 回限りの標準価格調整率)] という価格設定変数を選択します。
- [Charge Type (料金種別)] 項目で [Adjustment (調整)] を選択します。
- [Pricing Element (価格設定要素)] セクションで、[10% Off (10% オフ)] をクリックします。
-
[Active (有効)] チェックボックスをオンにします。
- [Effective From (有効開始日)] 項目に今日の日付を入力します。
Ada はページ上のすべての詳細を確認して、[Save (保存)] をクリックします。
次に、Ada は定期的な調整を作成します。[Adjustments (調整)] タブにある [New (新規)] をクリックして、定期的な課金に対応する以下の情報を入力します。
- [Price List (価格リスト)] で [B2C Price List (B2C 価格リスト)] を選択します。
- [Display Text (表示テキスト)] に、
10% Off Everything
(全品目 10% オフ) と入力します。
- [Pricing Variable (価格設定変数)] セクション:
- [Charge Type (料金種別)] 項目で [Adjustment (調整)] を選択します。
- [Sub-Type (サブ種別)] 項目で [Standard (標準)] を選択します。
-
[Search (検索)] をクリックし、[Recurring Monthly Std Price Adjustment Pct (定期的な毎月の標準価格調整パーセント)] 価格設定変数を選択します。
- [Charge Type (料金種別)] 項目で [Adjustment (調整)] を選択します。
- [Pricing Element (価格設定要素)] セクションで、[10% Off (10% オフ)] をクリックします。
- [Time Plan (時間計画)] で、[TP-12M] を選択します。
- [Time Policy (時間ポリシー)] で、[TPOL-PURCHASEDATE-ENDPLAN] を選択します。
-
[Active (有効)] チェックボックスをオンにします。
- [Effective From (有効開始日)] 日付項目に今日の日付を入力します。
Ada はページ上のすべての詳細を確認して、[Save (保存)] をクリックします。
これで、12 か月間にわたって、すべての商品とサービスの価格を 10% 割引する取引先ベースの割引が作成できました。
取引先ベースの割引を適用する
Infiwave の顧客である Eric Bishop は、携帯電話のプランに不満があり、携帯電話の契約を解除したいと考えています。Bishop 様との電話の中で、Brooks は今後 12 か月間に購入するものすべてを 10% 割引にすることを提案します。Ada が作成してくれた取引先ベースの割引のおかげで、Brooks は顧客を維持できます。
Brooks はまず、Industries CPQ で Bishop 様の注文を作成します。[+ Add Products (+ 商品を追加)] をクリックして、[Infiwave 3 Headphones (Infiwave 3 ヘッドフォン)] と [Infiwave Fast Charge Wireless Charging Stand (Infiwave 急速充電ワイヤレス充電スタンド)] をカートに追加します。カート内の [Applied Discounts (適用済み割引)] セクションで、[+ Add Discount (+ 割引を追加)] をクリックします。[Apply Discount (割引を適用)] ダイアログで、「10% Off Everything 12mo – Acct (12 か月間全品目 10% オフ – 取引先)」を見つけ、[Apply (適用)] をクリックしてこの割引をカートに適用します。
カート内の商品の価格がすべて 10% 割引となり、取引先割引が [Applied Discounts (適用済み割引)] リストに表示されます。
最後に、Brooks は注文を登録し、割引を有効化します。
取引先ベースの割引を無効化する
取引先ベースの割引が有効化されると、その取引先に対する割引として保存され、その後割引の有効期限が切れるまで適用されます。でも、ちょっと待ってください。顧客が別の割引を希望した場合、あるいは顧客のアカウントに割引を適用する必要がなくなった場合はどうなるのでしょうか? Industries CPQ では、以下の簡単な手順で、現在の取引先ベースの割引を無効化できます。
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新しい注文を作成する: Industries CPQ の [Orders (注文)] リストビューで [New (新規)] をクリックして新しい注文を作成し、各項目に必要な情報を入力します。
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商品を追加する: カートで [+ Add Products (+ 商品を追加)] をクリックして、[Catalog Preview (カタログのプレビュー)] ペインに商品を追加します。
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割引を無効化する: カート内の [Applied Discounts (適用済み割引)] リストを展開します。割引のアクションメニューをクリックし、[Delete (削除)] を選択します。取引先割引のステータスが [Deactivate (無効化)] に変わります。[Submit Order (注文を登録)] をクリックして割引を無効化します。
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無効化を確認する: 注文に戻り、カート内の [Discounts (割引)] タブをクリックします。割引には緑のチェックマークが表示され、ステータスは [Deactivate (無効化)] となっています。
心配はいりません。ある取引先に対する取引先ベースの割引を無効化しても、その割引が別の取引先に使用できなくなることはありません。
Industries CPQ における割引の設計、作成、適用方法を身につけた Ada は、今後その知識を活かして、Infiwave の事業拡大と既存顧客の維持をサポートします。
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Communications Cloud Developer (Communications Cloud 開発者)
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Media Cloud Developer (Media Cloud デベロッパー)
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Media Cloud Consultant (Media Cloud コンサルタント)
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Energy & Utilities Cloud デベロッパー
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Energy & Utilities Cloud コンサルタント
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