適格性コンテキストルールを作成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Industries Configure, Price, Quote (CPQ) でコンテキストルールを実装するための主要なステップを列挙する。
- コンテキストディメンションを作成する。
- コンテキストの対応付けを使用して、コンテキストディメンションを Salesforce オブジェクト (sObjects) に保存されているデータと比較する。
- 適格性コンテキストルールを作成してルール条件を追加する。
コンテキストルールを実装する
たとえば、従業員が 1,000 人を超える企業にのみ商品を提供するためのルールを作成したいとします。この場合は、適格性コンテキストルールを使用します。主なステップは次のとおりです。各ステップをクリックすると詳細が表示されます。
この手順は最初は手間がかかるかもしれませんが、時間が経つにつれて、事前構築済みのコンポーネントが蓄積されて行きます。やがて、コンテキストルールを構築する作業は、新しいコンポーネントを作成するのではなく、既存のコンポーネントを接続するだけで済むようになります。
この単元では、ほとんどの手順で新しいコンポーネントを作成します。それでは、さっそく始めましょう。
Training Playground に登録する
このモジュールにはハンズオン Challenge がありませんが、練習のために手順を試してみたい場合は、Industries CPQ とサンプルデータを含む特別なトレーニング組織が必要です。通常の Trailhead Playground には、Industries CPQ やサンプルデータは含まれていません。
次の手順に従って、今すぐ無料のトレーニング組織を取得してください。
-
Industries Training Playground にサインアップします。
- フォームに入力します。
- 名と姓を入力します。
- 有効なメールアドレスを入力します。
- 会社名を入力します。
-
[Sign me up (サインアップ)] をクリックします。確認メッセージが表示されます。
- 名と姓を入力します。
- 確認メールが届いたら (数分かかる場合があります)、メールに記載されている情報に従って Trailhead Playground にログインしてください。
開始する
Infiwave のマーケティングチームは、新規顧客ベースを拡大するために「InfiStream Kids First」というプロモーションを開始しました。このプロモーションでは、新しいストリーミングチャンネル「InfiStream Kids」を紹介します。ただし、このプロモーションは新規顧客のみに限定したいと考えています。
Infiwave の CPQ 開発者である Eliza は、プロモーションを最適化するための最善のツールがコンテキストルールであることをわかっています。このプロモーションでは、プロモーションを提供する前に顧客が新規であるかどうかを判定する必要があります。では、Eliza と一緒に Trailhead Playground で作業を進めましょう。
取引先の状況の選択リストを作成する
まず、取引先の状況の値が正確であることを確認するために、新しい Industries 選択リストを作成します。Industries 選択リストは Salesforce の選択リストと同じように機能しますが、API 参照名が vlocity_cmt__Picklist__c
のカスタムオブジェクトです。Industries 選択リストは共有カタログ全体で (コンテキストディメンション内でも) 再利用できるように設計されています。
作成する選択リストには「Account Status (取引先の状況)」という名前を付けます。この選択リストには、次の例のように、Salesforce の取引先に表示される取引先の状況がオプションとして表示されます。
この選択リストは、この単元で後ほど作成するコンテキストディメンションに値を提供します。選択リストを作成する手順は、次のとおりです。
- アプリケーションランチャーから Vlocity 商品デザイナーを検索して選択します。
- ナビゲーションメニューから [Vlocity Picklists (Vlocity 選択リスト)] を選択します。
-
[New (新規)] をクリックします。
- 新しい選択リストの詳細を追加します。
- Picklist Name (選択リスト名):
Account Status
- Code (コード):
PKL_ACCT_STATUS
- Version Label (バージョンラベル):
V1
- Data Type (データ型): Text (テキスト)
- Description (説明):
Picklist for account status
(取引先の状況の選択リスト)
- Active (有効): 選択
- Effective From (有効開始日): 本日の日付
-
[Done (完了)] をクリックします。
次に、選択リスト項目を作成します。これらはコンテキストルールエンジンで使用され、Account sObject の [Status (状況)] 項目の選択リスト項目と一致させるために使用されます。
- 新しい [Account Status (取引先の状況)] 選択リストで、[PICKLIST VALUES (選択リスト値)] セクションまでスクロールして [New Picklist Value (新しい選択リスト値)] をクリックします。
- [GENERAL PROPERTIES (一般プロパティ)] ペインで次の詳細を入力します。
- Value (値):
New (新規)
- Label (表示ラベル):
New (新規)
- Code (コード):
PLI_NEW
- Active (有効): 選択
- Effective From (有効開始日): 本日の日付
-
[Done (完了)] をクリックします。
- 前の手順を繰り返して、Active (有効)、Inactive (無効)、Expired (期限切れ)、Pending (保留中)、Suspended (一時停止) の選択リスト値を作成します。
- すべて完了したら、[Account Status (取引先の状況)] 選択リストのタブを閉じます。
作成した選択リスト値のスクリーンショットを示します。
[Picklist Values (選択リスト値)] の下に、[New (新規)]、[Active (有効)]、[Inactive (無効)]、[Expired (期限切れ)]、[Pending (保留中)] のオプションが表示されています。選択リストの準備が整いましたので、コンテキストディメンションで使用できます。
コンテキスト範囲を確認する
次に、コンテキストディメンションとコンテキストの対応付けを作成するために必要なコンテキスト範囲を設定します。
Any.Account コンテキスト範囲を表示します。この範囲はコンテキストルールを作成する際に使用します。
- アプリケーションランチャーで、[Vlocity Product Console (Vlocity 商品コンソール)] を見つけて選択します。
- [Vlocity Product Console (Vlocity 商品コンソール)] ダッシュボードの [Rules (ルール)] で [Context Scope (コンテキスト範囲)] の横にある
をクリックします。
- [Search Context Scope... (コンテキスト範囲を検索...)] ボックスで Enter を押すか、
をクリックします。Training Playground には 5 つのコンテキスト範囲があります。
- AnyAccountScope コンテキスト範囲の横にある
をクリックします。
- [Entity (エンティティ)] が [Any (任意)]、[Entity Path (エンティティパス)] が [Account (取引先)] になっていることを確認します。これにより、取引先コンテキスト範囲が注文、見積、商談、および納入商品に対して使用できるようになります。
- [Vlocity Product Console (Vlocity 商品コンソール)] ナビゲーションバーで [X] をクリックし、AnyAccountScope と [Search Context Scope (コンテキスト範囲を検索)] タブを閉じます。
コンテキスト範囲が定義されましたので、次のステップに進みます。
コンテキストディメンションを作成する
次に、取引先の状況の選択リスト項目値を格納するコンテキストディメンションを作成します。このディメンションは、コンテキストの対応付けを通じて取引先 sObject の [Status (状況)] 項目と一致します。
- [Vlocity Product Console (Vlocity 商品コンソール)] ダッシュボードの [Rules (ルール)] で [Context Dimension (コンテキストディメンション)] の横にある
をクリックします。
- 以下の詳細を入力します。
- Name (名前):
AccountStatus
- Code (コード):
DIM_ACCOUNTSTATUS
。これはカスタム式を作成する際に使用され、スペースを含まない一意の値でなければなりません。
- Data Type (データ型): Text (テキスト)
- Domain Type (ドメイン種別): Picklist (選択)
- Vlocity Picklist (Vlocity 選択リスト): Account Status (取引先の状況)。これはこの単元の最初に作成した選択リストです。
- Picklist Selection Mode (選択リスト選択モード): Single (単一)
- Active (有効): 選択
- Effective From (有効開始日): 本日の日付
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで、ルール条件で使用できる値を格納するコンテキストディメンションが完成しました。
コンテキストの対応付けを完成させる
コンテキスト範囲とコンテキストディメンションが設定されましたので、コンテキストの対応付けを作成できます。以下の手順で AccountStatus コンテキストディメンションを作成します。この手順は必ず Training Playground で実行してください。
- 左サイドバーの [AccountStatus (取引先の状況)] コンテキストディメンションで [Context Mappings (コンテキストの対応付け)] をクリックします。
-
[New Context Mapping (新規コンテキストの対応付け)] をクリックして [Context Mapping (コンテキストの対応付け)] ダイアログを表示します。
- 次の詳細を入力します。
- Context Scope (コンテキスト範囲): AnyAccountScope
- Initialization Policy (初期化ポリシー): Always Reinitialize (常に再初期化)
- Initialization Type (初期化種別): Source Expression (ソース式)
- Source Expression (ソース式):
Status__c
- Sequence (順序):
10
- Active (有効): 選択
- Effective From (有効開始日): 本日の日付
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで、ルールで AnyAccountScope を使用して選択された [Account Status (取引先の状況)] を Salesforce の [Account Status (取引先の状況)] 項目と比較する、コンテキストの対応付けが作成できました。マジックリンクは準備完了です。
適格性コンテキストルールを作成する
さて、最初のコンテキストルールを作成する準備が整っています。この新しいルールには、カートでルールが適用される条件を記述する 1 つ以上のルール条件が含まれます。作成する手順は、次のとおりです。
- [Vlocity Product Console (Vlocity 商品コンソール)] ダッシュボードの [Rules (ルール)] で [Rule (ルール)] の横にある
をクリックします。
- 以下の詳細を入力します。
- Name (名前):
New Customer Accounts (新規カスタマー取引先)
- Code (コード):
RULE_NEW_ACCTS
。スペースを含まない一意のコードを指定します。
- Description (説明):
Selects new customer accounts (新しいカスタマー取引先を選択します)
- Expression Mode (式モード): And。複数のルール条件を作成する場合、それらを AND、OR、または CUSTOM の組み合わせで評価する必要があります。
- Active (有効): 選択
- Effective Start Date (有効開始日): 本日の日付。
- 変更を確認して保存します。
ルール条件を追加する
コンテキストルールには、コンテキストディメンション、コンテキストスコープ、およびコンテキストの対応付けで構成されるルール条件が含まれます。ルール条件がどのように機能するかを見るために、[New Customer Accounts (新規顧客取引先)] コンテキストルールで、取引先を状況で絞り込んで新規取引先のみを表示するためのルール条件を作成します。
- 左サイドバーで [Rule Conditions (ルール条件)] をクリックします。
- [Add Condition (条件を追加)] ドロップダウンメニューから [Simple (単純)] を選択します。
- [Rule Condition (ルール条件)] ペインで次の詳細を入力します。
- Code (コード):
RC_NEW_ACCTS
。
- Context Dimension (コンテキストディメンション): AccountStatus。このコンテキストディメンションは単元の前半で作成したものです。
- Operator (演算子): ==
- Value (値): New (新規)。これらの値は、以前作成した [AccountStatus] Vlocity 選択リスト項目から取得します。
- Fail Level (失敗レベル): Hard Fail (ハード失敗)。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで適格性コンテキストルールを正常に作成し、必要なルール条件を追加できました。お疲れさまでした。
次は、ルールセットを作成してプロモーションに追加します。その方法は次の単元で説明します。