高度なルールの詳細
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 高度なルールフレームワークを説明する。
- 商品リレーションを作成する。
始める前に
どのくらいの知識を持ち合わせていますか? このモジュールでは、受講者に以下の学習歴や実務経験があると想定しています。
- 職場で見積と注文を作成して修正したことがある。
- 商品デザイナーを使用した、会社のカタログに掲載する商品の作成。
- 営業チームとの主要な価格戦略についての話し合い。
さらに知識をお求めでしょうか? このモジュールで学習する概念や作業をより深く理解するためには、次のコースでバッジをすべて獲得してください。
高度なルールフレームワークの紹介
ルールは、完璧な注文を作成するためには欠かせない要素です。顧客に提供するすべての商品とサービスの管理 (適切な価格の設定など) は、ルールによって可能になります。Vlocity ルールビルダーを使用して構築される高度なルールは、Salesforce Industries 独自のルールフレームワークであり、主に商品の互換性や設定を目的としたルールを作成するために使用されます。これらのルールがどの状況でどの商品が適用されるかは、エンティティ検索条件や条件付きアクションを使用して決定されます。高度なルールにより、適格な顧客に対して正しい商品が正しい価格と設定で提供されることが保証されます。
下図のように、高度なルールフレームワークは 3 つの要素で構成されています。
- カートに新しい商品を追加する、またはカートから子エンティティを削除するといったトリガーイベント
- インターフェースと実装
- エンティティ検索条件と条件付きアクションに基づく高度なルール
これらの要素については、このモジュールの後半で詳しく学びます。
高度なルールの種別
正しい商品が適格な顧客に対して正しい価格と設定で提供されるように、いくつかの種別の高度なルールを作成できます。ルール種別をクリックすると詳細を確認できます。
それぞれのルールは明確な目的を持ち、カスタマーエクスペリエンスを形作る上で重要な役割を果たします。この単元では、互換性ルールの核となる商品リレーションについて学びます。それでは、さっそく始めましょう。
Training Playground に登録する
このモジュールにはハンズオン Challenge がありませんが、練習のために手順を試してみたい場合は、Industries Configure, Price, Quote (CPQ) とサンプルデータを含む特別なトレーニング組織が必要です。通常の Trailhead Playground には、Industries CPQ やサンプルデータは含まれていません。
次の手順に従って、今すぐ無料のトレーニング組織を取得してください。
-
Industries Training Playground にサインアップします。
- フォームに入力します。
- 名と姓を入力します。
- 有効なメールアドレスを入力します。
- 会社名を入力します。
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[Sign me up (サインアップ)] をクリックします。確認メッセージが表示されます。
- 名と姓を入力します。
- 確認メールが届いたら (数分かかる場合があります)、メールに記載されている情報に従って Trailhead Playground にログインしてください。
商品リレーションについて知る
商品リレーションは、商品の組み合わせが有効かどうかを決定します。商品リレーションを使用すると、たとえば顧客がカートにある商品を追加したら関連商品も一緒に追加されるといった条件を定義できます。また、カートの他の商品に基づいて商品を自動的に追加、削除、または推奨することも可能です。
商品リレーションは互換性ルールを使用してトリガーされます。これらのルールは、商談、見積、または注文品目などの注文品目オブジェクト上で実行され、商品リレーションをルールアクションとして使用します。
次の画像は、定義できるさまざまな種別の商品リレーションを示しています。
この例では、「Broadband Cable Service」商品は「Business Video Service」商品と Excludes (除外) リレーションを持っています。そのため、顧客が「Broadband Cable Service」をカートに追加した場合、「Business Video Service」を追加することはできません。では実際に商品リレーションを作成し、高度なルールを定義する上での重要な役割を探ることで、商品リレーションについて深く理解しましょう。
ビジネスシナリオ
Eliza Young は、通信サービスプロバイダー (CSP) の Infiwave で CPQ 開発者として働いています。彼女の重要な仕事は、CPQ ソリューションが円滑に動作するように保証することです。
彼女はちょうど Infiwave の商品マネージャーとのミーティングから戻ったところです。そのミーティングでは、人気商品である「Infiwave Office Internet Solution」の注文が頻繁に失敗することが指摘されました。Eliza は、顧客が注文取得プロセスでミスを犯さないようにするためのルールを実装するように依頼されました。
そのための最善の手段は互換性ルールであることを Eliza は知っています。彼女は「Office Internet Solution」商品用のルールを作成して、次の顧客行動を保証する商品リレーションを含めようと考えました。
- 「Office Internet Solution」の動作に必要な「Office Hub Modem」も一緒に注文させる。
- 「Blast! Pro Internet」は注文させない (この商品は「Office Internet Solution」と互換性がないため)。
- 「Office Internet Solution」と相性がよい「Smart Hub Cloud Backup」も一緒に注文することを促す。ただし、あくまでも推奨に留めます。
では、Eliza と一緒に Trailhead Playground で作業を進めましょう。
- アプリケーションランチャーから Vlocity 商品デザイナーを検索して選択します。
- ナビゲーションメニューから [Product Relationships (商品リレーション)] を選択します。
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[New (新規)] をクリックします。
- 次の詳細を入力します。
- [Product Relationship Name (商品リレーション名)] 項目に
「OIS Requires Office Hub Modem」
(OIS には Office Hub Modem が必須) と入力します。
- [Product (商品)] で [Office Internet Solution] を検索して選択します。
- [Relationship Type (リレーション種別)] 項目で、[Requires (必須)] を選択します。
- [Related Product (関連商品)] で [Office Hub Modem] を選択します。
- [Min Quantity (最小数量)] と [Max Quantity (最大数量)] の両方に
「1」
を入力します。
- 変更内容を保存します。
- [Product Relationship Name (商品リレーション名)] 項目に
次に、同じ手順で「OIS Excludes Blast Pro Internet (OIS は Blast Pro Internet を除外)」と「OIS Recommends Smart Hub Cloud Backup (OIS は Smart Hub Cloud Backup を推奨)」の 2 つの商品リレーションを作成します。
「OIS Excludes Blast Pro Internet (OIS は Blast Pro Internet を除外)」商品リレーションでは、[Relationship Type (リレーション種別)] を [Excludes (除外)] に設定します。
同様に、「OIS Recommends Smart Hub Cloud Backup (OIS は Smart Hub Cloud Backup を推奨)」商品リレーションでは、[Relationship Type (リレーション種別)] を [Recommends (推奨)] に設定します。
これら 3 つの商品リレーションを設定したら、次のステップに進みましょう。Vlocity ルールビルダーを使用して高度な互換性ルールを作成します。
高度なルールを作成する
ルールを作成する前に、正しいインターフェースと実装が有効であることを確認します。「Interface Implementations for Industries CPQ Rules (Industries CPQ ルールのインターフェース実装)」モジュールでは、高度なルールフレームワークで使用する主なインターフェースと実装について学びました。商品リレーションと互換性ルールは、ProductValidationInterface と、関連付けられている ValidationRulesImplementation を使用して、商品リレーションオブジェクトの定義を実行します。
ProductValidationInterface を開いて、適切な実装が有効であることを確認します。
- アプリケーションランチャーで [Interface Implementations (インターフェース実装)] を検索して選択します。
- [Interface Implementations (インターフェース実装)] ページで [Recently Viewed (最近表示)] リストビューを [All (すべて)] に変更します。
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ProductValidationInterface を検索して開きます。
ValidationRulesImplementation が有効でデフォルトの実装であることを確認してください。
インターフェース実装の検証が完了しましたので、Office Internet Solution に関連付ける高度なルールを作成しましょう。このルールでは、以前に作成した 3 つの商品リレーション (Requires (必須)、Excludes (除外)、Recommends (推奨)) をルールアクションとして使用します。
Vlocity ルールビルダーを使用して高度なルールを作成する手順は、次のとおりです。
- アプリケーションランチャーで、[Vlocity Rules (Vlocity ルール)] を見つけて選択します。
-
[New (新規)] をクリックします。
- [New Vlocity Rule (新規 Vlocity ルール)] ページで以下の詳細を入力します。
- [Rule Name (ルール名)] 項目に
「OIS Requires, Excludes & Recommends Rule」
(OIS の必須、除外、推奨ルール) と入力します。
- 下の行にある 3 つのドロップダウンで、それぞれ [Configuration (設定)]、[Order Product<OrderItem> (注文商品
)] 、[Active (有効)] を選択します。
- [Rule Name (ルール名)] 項目に
次に、Vlocity ルールビルダーのアクションとして表示される 3 つの商品リレーションを追加します。
- [FILTERS AND ACTIONS LIST (検索条件とアクションリスト)] で [Actions (アクション)] をクリックして、すべての商品リレーションを表示します。
- 「OIS Requires Office Hub Modem (OIS には Office Hub Modem が必須)」を見つけて [Add To Rule Action (ルールアクションに追加)] をクリックします。「OIS Recommends Smart Hub Cloud Backup (OIS は Smart Hub Cloud Backup を推奨)」と「OIS Excludes Blast Pro Internet (OIS は Blast Pro Internet を除外)」についても同様に処理します。これで [And apply these actions (そしてこれらのアクションを適用)] というセクションに 3 つのアクションが表示されます。
- 変更内容を保存します。
これで高度な互換性ルールを正常に作成できました。
カートで新しいルールをテストする
最終承認の前には、常にテストを行うことが推奨されます。以下の手順で高度なルールが想定どおりに動作することを確認します。
- B2B 顧客である Acme の新しい注文を作成します。
- そして「Office Internet Solution」をカートに追加します。
-
をクリックして、3 件のアラートを確認します。[Submit Order (注文を送信)] ボタンが無効になっていることに注意してください。これは、必要な「Office Hub Modem」商品がまだカートに追加されていないためです。
-
「Office Hub Modem」商品をカートに追加します。この手順で最初のアラートが解消されます。
- 次に「Broadband Cable Service」の適切なダウンロード速度を選択します。この手順で 3 番目のアラートが解消されます。[Submit Order (注文を送信)] ボタンが有効になったことに注目してください。
- 最後に「Blast! Pro Internet」商品をカートに追加して、Excludes (除外) 商品リレーションの動作を確認します。
アラートが表示され、[Submit Order (注文を送信)] ボタンが無効になります。注文を送信するには、「Blast! Pro Internet」商品または「Office Internet Solution」商品のどちらかを削除する必要があります。高度なルールが想定どおりに正確に機能していることが確認できました。
この単元では、高度なルールフレームワークの要素について学びました。また、商品リレーションを使用して商品を互いに関連付ける方法も学びました。次の単元では、属性を変更する高度なルールの作成方法を学びます。